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[頬を滑り落ちて行った手、
それを祝福だと彼女は言った。
見開いた瞳、
驚きに言葉は出てこない。
ただそういえば、
彼女はよく自分の頬に触れていたことを思い出して、
自分も彼女の頬に、手を伸ばして触れたのだ*]
2人は、
……自由になれるのかしら。
[親たる者の支配は消える、
消えて何かが残るのだろうか]
……、
[
[そして否が応でも響く、父の声
なれると、思うよ。
なってほしいと思う。
[ホリーに対してもやはりほんの少しの後悔を抱きながら
静かに答えた]
…あの子は何を思っていたんだろうね。
別に知りたくはないけど。
[
自分たちがあのきんいろをよろしくする必要もないと
彼女はしっている筈なのに
それでも口にした言葉の意味は]
[真弓に応えた後、きんいろの声が聞こえる
あぁ、と心中はまさに天を仰ぐよう。
出陣前、きんいろの「期待している」
相変わらず言葉は返さなかった。
期待しているのは武勲ではなくお互いの苦しみだろう、と。
そして零瑠達のようにきんいろを「父」と呼んでしまえば
きっとどこかで何かしら後悔する対象になる。
せめてそんなことはあってほしくないと、一度もそう呼ばなかった]
…あんたを家族と…父さんとでも呼んだら、
少しは俺が後悔するようなことになったのかな。
[その呟きに隠し切れないくらいの殺意を込めて。
手も力も決して届きはしないのに
きんいろが「家族」の意味をどう捉えようと一笑に附すのみだろうが]
――お父様。
今までありがとうございました。
先に逝きますわ、ご機嫌よう。
[最後の瞬間、そう告げる。
トルドヴィンと最後まで共に在りたかったと思いながら。]
今まで御苦労だった。
[ホリーから最期の感謝の声が届く
眷属の真弓の気配も近くに感じれば、彼女が嘗て口にした
機を狙っていると言う言葉も思い出した]
今まで仕えた中で一番に愉しめた。
よくやった。
[恐らく一番長く仕える事が出来た鬼だろう。
その鬼の最期を見る事が出来なかった事は、
少し残念に想いながらも、
労う声に温もりの欠片も宿りはしなかった。
それでもその死に言葉を与える事など稀有な事なのだが]
− 少し前 −
[殺意の籠った理依の聲
久しぶりに向こうからの聲が聞けた気がすると、
内容と表情を想像しながら見えぬ相手に微笑んだ]
私を父と呼ばずとも。
呼ぶまいとひたすら抗い、耐えていたのだろう?
それで充分愉しいではないか?
それに。
私を父と呼んで後悔する時が来るとでも?
[彼の人間時代の両親でも出て来れば別だが。
それ以外何を後悔する?と、
死など欠片も浮かばぬ傲慢な答えが返された*]
真弓。褒美は手に入ったか?
[消え逝くホリーの気配を感じながら、
代わりに力を増す真弓に問い掛けた。
彼女が真に望むモノ
新たに力を得た鬼を祝福する様に、声は柔らかい]
[声無く潰された鬼に、他の吸血鬼達の悲鳴が届く>>+5
眷属と成り果てた鬼が錯乱したと、慄く聲に嗤った]
憎悪のままに狂ったか?
抗う姿が見えぬのが残念だが胸を焼く焔は見えているぞ。
[渇きを耐え、それでも獣は鬼と対峙する。
その意志を離れた場所からでも感じ取った]
成り立ての鬼に潰されるとは情けないな。
[元々人間技を越えた体術を持つ戦士。
始祖の加護を受けた以上、並みの鬼では太刀打ち出来る
訳も無く]
周、お前が殺すのは人間だ。
その手で、牙で、渇き癒えぬまま、人間を殺せ。
[何処まで呪縛が支配するか判らぬが、
その意志が貫き通す末を愉しむ様に、命を下した*]
― in the distant past ―
[多くの純血吸血鬼がそうであるように。
ホリーの出自は明らかでは無い。
ただ、以前は日本刀ではなく短剣を武器としていたと伝え聞く。
守護部隊とはまた別の製法で作られた対吸血鬼用の武器。
その銘の“ニルヴァーナ”がいつからかホリーのファミリーネームの様に言われるようになっていたのだった。]
[自身の愉しみに価値を見出し。
愉しめるのであればヒトを助け、同族を殺すことすらあった。
そんな彼女が、ある日……トルドヴィンの宮殿を訪れた。
見知らぬ吸血鬼など通せないと言う当時の配下を数名半殺しにしてみせて。
強引にトルドヴィンと面会したのはいつの事だったろうか。]
やっと逢えたわ。
貴方が始祖吸血鬼様?
[微笑んで、目の前の相手に語りかける。]
そうだったな。
だが私を殺すのに、その程度の血潮で足りると思うな。
鬼になると良い。
その手をもっと多くの人間の血で染め上げてな。
[呪詛の聲に更に滾る憎悪の聲>>+9
必死に均衡を、人間であろうと保とうとする周を
揺らす様に呪詛を重ねていった]
― in the distant past ―
[知らぬ気配が近付いているのは気付いていた。
その頃側に仕えていた吸血鬼達の自信を、
容易く見知らぬ鬼は崩して姿を見せた
ようこそ、私の城へ。
歓待させて貰おう。
[部下が幾人か潰され掛けたと言うのに、
彼女を迎える表情に怒りも焦りも無く、ただの笑み]
久しぶりに部下達の顔色が変わる所を見れた。
礼を言おう。
[単純明快な理由を口に、彼女に拍手を贈るのだった**]
歓迎ですか、まあ嬉しい。
[そう言って微笑む。
その頃から黒のレースをふんだんに使った服の趣味は変わらない。
部下の顔色が変わるのを見て、礼を言うという風変わりな目の前の始祖を見つめて。それから周囲の吸血鬼を見回してから。]
では、立ち話もなんですし。
お茶でも出していただけます?
[人を喰ったような態度、それはこの頃から変わらなかった。]
[あくまでも抗おうとする魂の強さ。
その強さ故、苦悩が長引くと知っていた]
お前の敵は人間だ。
そして人間の敵は、お前だ。
[何度も何度も繰り返す同じ命令は
何処までも冷たく重い鎖の如く、周に絡んでいく]
― in the distant past ―
[黒のレースの衣装を纏った少女は、
人形の様なあどけなさと美しさがあった。
こんな小娘にと牙を剥く部下を制し]
なかなか遊びに来てくれる者もいなくてね。
退屈していたのだ。
気が利かなくてすまなかった。
お茶か。
これで良いか?
[恐れる事無く茶会を望む少女にから視線を外す事無く。
牙を剥いたばかりの吸血鬼の首を落し、微笑んだ]
【人】 馬飼い キャロライナ[また離せと言われた>>157。 (161) 2014/02/16(Sun) 21時半頃 |
【人】 馬飼い キャロライナ
(162) 2014/02/16(Sun) 21時半頃 |
残念、……です。
僕が、自由を得たところを、見せたいとは、…思っていましたが。
[期待に応えたかったとわずかなりとも思ってたのはきっと、抗いようがないくらい血に縛り付けられてたせい。
――だけど、本当の気持ちでは、あるんだ]
………、――――。
[やっぱり趣味の悪いお方ですね。
なんて、思っても言える状況じゃなかったから、僕はだんまりを決め込んでしまう]
【人】 馬飼い キャロライナ
(185) 2014/02/16(Sun) 23時頃 |
[首と胴体が離れる瞬間のこと]
──……ごめん。
[逃げてしまったこと
家族を家族として思い続けられなかったこと
あがくことすらできなかったこと
守ってあげられなかったこと
伝えきれない程に満ちるのは彼らへの謝罪と
どうか幸せになってほしいという小さな小さな……*]
【人】 馬飼い キャロライナ[吸血鬼たちの血の繋がりは知らない。 (189) 2014/02/16(Sun) 23時頃 |
――――…。
[僕はふと明にーさんの気配を探ろうとしてみる。
同じ“お姉様”から牙を立てられたんだから、“家族”の中ではわりと探りやすいのはわかってる。
直にーさんもそうだったけど……、それ以前に独特の存在感を持つようになってたからなあ]
…、え?
[何か、聞こえた?
数瞬、同じ声が聞こえないかって集中して、でも何も聞こえなくて]
……。
[ホリーが消えた地で、また消える眷属の気配を感じ取る]
それが答えか。
[最期まで抗い、消えて逝く気配に僅かに呆れた様に息を吐く。
これでは何の為にホリーの側に置いたのか]
恐らくお前らしいと答えるのだろうな。
他の者が口にするとすれば、な。
[彼の祈り等知る事も無い。
ただ、また1つ玩具が減った事に少しだけ不服そうに呟いた]
……――
リッキィ……今、何か、言った?
[不意に感じたものが黒百合の声でない事は解っている。
それくらい、己にとって主の死は鋭敏に感じ取れたが、
リカルダの方はそれに気付いていたかどうか。
しかし、だとしても、リカルダの声ではなかったようにも思う。]
何も、言ってないよ。
明にーさんこそ……、何か言わなかった?
[よくよく思い出してみたら、明にーさんの声とも違う気がするけれど]
あと、さ、“お姉様”が最期に言ってたこと……。どうなるのかな。
[口にしてしまえばより実感できた。本当に、消えてしまったんだ、って]
ううん。僕じゃない。
[それはまるで、虫の知らせみたいに思える。
加えて、黒百合の『遺言』の事も]
……解らない。
[リカルダはいつしか、彼女を"姉"と呼ぶようになったが、
明之進はいつまで経っても、彼女を呼ぼうとしなかった]
リッキィはどう思う?
[それは、是が非でも果たすべき命令なのか。
果敢なさを承知で遺された願いなのか、あるいは。]
【人】 馬飼い キャロライナ
(202) 2014/02/17(Mon) 00時頃 |
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