261 甘き死よ、来たれ
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ねぇ、死なないで……
わたしを、ひとりにしないで……
[そのささやきは、耳に届いただろうか
こうなったら、時間の問題なのは、嫌というほど見てきた。
そして、母親もこうして看取ったのだから、どういう状況か分かる。
でも、それでも、口にせずにはいられなかった、*願い*]
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……そうだ。 うんうん、良い考えだよね。
[そう言うと、軽自動車はどこかへと走り出していく。 陽菜子の考えを誰かに話す間もないまま。
行先だけは決めていたから。]
(29) 2016/12/16(Fri) 08時頃
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めるちゃんをひとりにするわけ、ないじゃん。
だって…おねえちゃん、だもん ね。
[なんて説得力のない言葉でしょう。
でもね、こう言うしかないじゃないですか。
彼女が、お姉ちゃんなんて、呼んでくれるんですから]
[人の心を失っていた。
でも、人の心を取り戻してくれた
そのことが、心から嬉しかった。]
[膝の上に伝わる重み、温度。
膝枕、これはいいですね。
見えなくたって、彼女の顔が何処にあるのか、すぐにわかります。
める、あたしからは見えませんけど、きみに桜は見えていますか?
あたしの顔も、見えてるんでしょうか。
きみにおねえちゃんって言われる度、喜びに泣きそうになる、あたしの顔が]
ほんの短い間だったけど、、
きみの お姉ちゃんになれて、嬉しかったよ。
あたしは多分、先に行くけど
また、すぐに会えるよ。……多分ね。
……本当はすぐじゃない方が、良いんだけど。
[彼女は今、どんな表情をしているんでしょう。
見えないから、わかりません。
だけどその頬に触れたら、そこから少しでも彼女の思いが伝わるでしょうか]
ごめんね。ちょっとだけ、我慢して。
そうしたら、ずっと一緒だよ。
[ちらり、冷くんの言葉が思い出されます。
死んだらまた、会えますか?ずっと一緒にいれますか?
あたしが会えなくたっていいから、せめて彼女がひとりぼっちにならなければ、いいな]
芽桜なら、出来るよね。
ちゃんと最後まで、生きれるよね。
あたしの妹……だもんね。
[あたしもそうしたから、きみも。
それはきっと、呪いのような言葉なんでしょうが]
[誰も見てないって、わかってるんですけどね。
答えなんて返ってこないって、わかってるんですけどね。
でも いっこだけ、聞いてもいいですか?
めるじゃなく、もっと 他の誰かへ。
────あたし、いいおねえちゃんだったかなあ?*]
お姉ちゃんの願いなら、私が動ける限り動くから。
そう、私はお姉ちゃんの妹になれたんだから。
[この声は届くだろうか。届かなくても、ささやき続ける。]
[他の誰かなんて、関係ない。
他の誰かが、偽物だと言おうがなんと言おうが
世界で最高のお姉ちゃんだから。
だから]
ちょっとだけ、遅くなるかもしれないけど
待っててね。
[こんな優しい言葉をかけられるほどの力を与えてくれた。
そんな姉が、最高じゃないなんて、誰にも言わせない。]
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― とある廃墟 ―
んー……ダメかな? 使えそうもないか。
[元はラジオ局だったそこに来ていた。 時折咳をするたびに。
そこに混じる鮮血には苦笑しか漏れなかったが。]
(98) 2016/12/16(Fri) 21時半頃
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[ラジオが無いなら勝手に放送すればいい。
どこのお姫様なんだって発想で動き始めたのだけれど。 どうにも空振りだったようで。
苦笑すると懐から煙草を取り出して一服した。
未だに貨幣を使って生活をする彼女。 それを妙な目で見る人も居た。 文無しなら相手にされないと思う人も居た。
ただそれでも――]
(99) 2016/12/16(Fri) 21時半頃
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[彼女は未だに奇跡を願っている。]
(100) 2016/12/16(Fri) 21時半頃
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……えへへ。うれしい…
[ぎゅって抱きしめあってるのに、どうしてでしょうね?あの日みたいに、あったかくありません。
おかしいなって思いますけど、そんなに気もしませんでした。
今、この腕の中に彼女がいるなら、それで]
ゆっくり、きなよ。
あんまり早いと…はずかしいじゃん。
[こんな風に別れたのにさ、なんて。あたしは、茶化すように返しました。
だってそうしないと、泣かないって決めてたのに、泣いてしまいそうなんです。
ああ、よかった。
最期に聞く声が、めるの声で よかった]
…ありが とう。
あたしを…おねえちゃんに、してくれ て。
また、ね。…める*
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― 廃墟入口付近 ―
[車に戻ろうとすると、車に近づく影。 気が付くと笑顔で笑いかけて。]
どうしたの? なにか探し物?
それとも、雑貨屋に用事だったかしら。
[何かあっても良いように。 荷物は積みこんでいたから。
尤も、自分が必要なアンテナは用意して無かったが。]
(123) 2016/12/16(Fri) 23時頃
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ノコギリにドラム缶ね……ノコギリはあったと思うから。 ええと……
[軽自動車の荷台を探すとノコギリを取り出して。 値段を彼に告げてから。ノコギリを手渡した。]
ドラム缶は流石に取扱いが無いなあ。 その代りになるものかぁ。
[考えては見たけれど。 今一つ浮かばなかった。]
(131) 2016/12/16(Fri) 23時半頃
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