267 【突発誰歓】蔵書点検の狭間に【5発言RP】
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[本というものは、同じ形をしていても その存在の有り様は様々ある。 だからこそ、対極にあり 触れ得ぬ、触れるべきでない間柄もある。
男にとってそれが顕著に現れたのは、 色男の王子と幸福を運ぶ青い鳥に対してだった。 こと色男に関しては、 避けていたと言って良いかもしれない。 嫌いだとか、そういう積極的な感情を抱きはしないが 物の繋がりにさえ損得勘定を見出す男だ、 関わり合いになっても、お互い損をするだけだろう と。
何処と無く距離を開け、 滑らかに動くその口から奏でられる言葉が、 己に向けられる事は無いよう、努めていた]
(15) めのこ 2017/07/20(Thu) 07時半頃
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[────だから、その日彼と出会ってしまった時は 恐らく、これまでに無く険しい表情をしたに違いない]
おや、色男さん。今日はお一人ですか? いつも侍らせている"お姫様"はどうしました?
[お喋りな王子と、青い羽を持つ彼女。 二人の関係がどういったものなのかも、 彼女の胸に秘められた想いをも知らぬ男は、 軽々しく、舌先を転がす。
男にとっては、嫌味という程のものでもない。 ただ少し、声音に強張りがあったのは、 目の前の存在に、気後れしていたからか]
……まあ、何方にしても ぼくには関係ありませんね。
(16) めのこ 2017/07/20(Thu) 07時半頃
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[そう言って、その日はすぐに別れてしまった。 彼と違い、男は自分の物語を 進んで人に聞かせようという思いは無い。 そして、向こうの話を聞く気も無い。 話す事など互いに無いものだと決め付けて、 まるで逃げる様に、王子の元を離れたのだ。
まさか、それから幾許もせず 再び気不味い邂逅をするだなんて思いもせず]
…………げ、
[その時は、ああ、何とも不躾な対応だったろう。 男自身、流石にこれはどうかと思ったものだから、 呻きの零れた口元を、咄嗟に手で押さえて。
"失礼"と、咳払い一つ。 そうして交わすのは、一つ二つ、軽い会話だけ。 彼の話が長引く前に、さっさと切り上げてしまって]
(17) めのこ 2017/07/20(Thu) 07時半頃
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[それからも、そんな事が幾度か続けば、 いい加減腹も括れるというもの。 色男を見てもそそくさその場を離れぬ様になるまで、 そこそこの月日をかけただろうが、 結局彼の連ねる物語を聞く事にも慣れてしまって。 "ああはいはい、そうですね"、なんて どうでも良さ気な返事を返す日々。
けれど、彼の話を聞いていないというわけでもなく]
痛みの中で手に入れられるものがあるというなら、 ……ぼくも、何かを手に入れられたんでしょうかねえ。
[彼の最後の台詞>>1:25を引き合いに、何気ない呟きを。 彼からの答えなど端から求めてはおらず、 その先にも言葉を続けるつもりで、 だのに、躊躇い躊躇い、眉間の皺を深くしながら]
(18) めのこ 2017/07/20(Thu) 07時半頃
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────……手に入れられているのだとしたら、 きみもきっと、その中の一つだ。
["本"の中では得られずとも、 語らい、触れ合った縁達は、きっと。 綴られた痛苦があったからこそ、手に入れられたもの。 不本意な腐れ縁だとは思うけれど これが無かったらと思うと、胸がざわつく]
……さて。色男さん? 今日はどんなお話を聞かせてくれるんです?
[付け足す一言は、疑い様も無く、話題転化の誤魔化し。
自分らしくない言葉は、 ……さっさと、流してしまうに限る*]
(19) めのこ 2017/07/20(Thu) 07時半頃
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会計士 ディーンは、メモを貼った。
めのこ 2017/07/20(Thu) 07時半頃
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[青い鳥は、身近な幸せに気付かせてくれるのだという。
男の歩んだ物語とて、絶望の中にあっても、 幸せというものは皆無ではなかった。 だがその大体が、後に崩されるが為の布石。 得れば逆に苦しめられる事も多かった様に思う。
だからだろう、初めの内は、 彼女に対して反感めいた思いも幾らかあった。 好むだとか嫌うだとか、 そういった感情が薄い男にとっては、珍しい事に。
……それが解けていったのは、さて。いつの事か。 それはもしかしたら、 かのお喋りな色男の所為かもしれず それとも、月の化身である存在の所為か、 はたまた、夏の香りを纏う少女の所為だったのやも。
何にせよ、対極に居る男と青い鳥を繋げてくれたのは、 この図書館で出会った何某かの存在だったろう]
(65) めのこ 2017/07/21(Fri) 22時半頃
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青い鳥のお嬢さん。 ぼくも、きみの持つ羽根を貰っても?
[彼女の持つ羽根の存在を知ったのは、 一体誰に聞いた事だったか。 もしかしたら、何某かが貰っているのを 見ただけなのかもしれない。
青い鳥の羽根に興味を唆られるだなんて、 男らしからぬ感覚だとは思うものの。 この図書館で出会った面々と話す内、 尖った心が多少丸くなっただろう事は、 男自身も気付いていた。
……余り、認めたくはないけれど]
(66) めのこ 2017/07/21(Fri) 22時半頃
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[手渡された、青い羽根。 それを指先で弄び、目を細める。
絶望や不幸を嘆くのは容易く、 すぐ傍にある幸運を受け入れるのは難しい。 歓びを知らなければ、深い絶望を知る事も無い。 だから、目を逸していようと思ったのに。
"此処"に居る本達は、どうにも優しいものが多過ぎて ふとした時に、その輝きを教えられてしまうのだ。
それならいっそ、その"象徴"を手に持っていよう。 傍らにある幸せを教えてくれた存在の、その一人。 幸せの青い鳥が持つ、その羽根を]
……幸せというものは、身近にあると言いますが 一度手を離れてしまった幸せも、 いつかは再び手に入るものでしょうかね。
(68) めのこ 2017/07/21(Fri) 22時半頃
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[それは、いつか来るだろう別れを惜しむ言葉。 此処で得た出会いという幸福を、 いつかまた、得る事が出来るだろうか と。
彼女に聞いても、仕方が無い事だけれど。 幸運を説く役が似合うのは、彼女以外には居ない]
いつかまた、再び得られるというのなら ぼくが重ねた別れも、 ……無意味では、なかったのか。
[ごく小さな声音だったから、 付け足した言葉が、彼女に届いたかどうか。 解らないし、 男としては聞かれたい言葉でもなかったので 仮に聞き返されたのであれば、 きっと、にこりともしないまま誤魔化したのだろう]
(69) めのこ 2017/07/21(Fri) 22時半頃
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……羽根、ありがとうございます。 きみの青い鳥にもよろしく言っておいて下さい。
[彼女にとっての青い鳥は、一体何なのか。 男には、与り知らぬ事。 ただ、彼女は既に見付けているのだろう と 漠然と、そう思っていた。
何せ彼女は、"しあわせの青い鳥"。 身近な幸せ探しは、 彼女の方が、ずっとずっと上手なのだから*]
(70) めのこ 2017/07/21(Fri) 22時半頃
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会計士 ディーンは、メモを貼った。
めのこ 2017/07/21(Fri) 23時頃
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─ 別れの先で、 ─
[かの女の手に渡ってから、幾日か過ぎて。 此処が居場所という程思い入れは無くとも、 段々、居心地の良さも覚えてくる頃合い。
時折、脳裏に過る面々の顔は、未だ鮮明で。 存外思い入れてしまったものだ と、 何とも自分らしくないものだ と、 呆れ半分、諦め半分。
それは勿論、 真夜中に交流を交わした本達だけでなく。 男を図書館へと招き入れてくれた、 いわば恩人とも言って良い、館長もその一人]
(91) めのこ 2017/07/22(Sat) 22時半頃
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["読めば死ぬ"という、男の本にかけられた呪い。 だが、あんなのは眉唾でしかなく かの図書館が閉じられる事になったのは、 男の所為だと言う程自惚れてもいないものの。 それでも、思い出すには少し、苦さを伴う。
離れてしまった面々と、 再びまみえる事はあるだろうか。 一処に留まられぬ男だから、 その可能性は、皆無とは言わぬだろう。
……で、あらば。 土産話の一つや二つ、携えておかねばなるまい。 今はもうなき図書館で出会った、幾冊かの本達に、 悲嘆ばかりを語るわけには、いかないから]
(92) めのこ 2017/07/22(Sat) 22時半頃
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……一先ずは、 己の親について知るべし、ですか。
[机へ向かう女を横目に、ぽつり。 研究は遅々として進んではいない様だが、 今更、焦る事も無い。
寧ろ、すぐに棄てられなかっただけマシだろう。 彼女の娘が男の本を手に取った時なぞ、 随分と慌てていて、 下手をすれば焚書されかねない勢いだった。
……教育には良くない内容だろうと、 それを無造作に本棚に入れていたのは彼女なのだから、 男からしたら、全くのとばっちりなわけだが]
(93) めのこ 2017/07/22(Sat) 22時半頃
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[……なんにせよ。 この家の騒々しさは、思いの外悪くは無い。 少なくとも、研究が進められる間は 此処に居られるだろうし、長い目で見よう。
この地が男の居場所になるとは思えねど、 この地に来た意味は、きっとあるのだから]
(94) めのこ 2017/07/22(Sat) 22時半頃
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……でも、 さっさと研究を進めてくださいね。 ぼくってば、そんな気が長い方ではないので。
あんまり焦らすと、悪戯しますよ。……ね。
[声は聞こえぬと知りながら、悪戯っぽく。 ある日開いた奇書が真っ白になっていたら、 この女はどうするのだろうかとほくそ笑む。
少なくとも、 かの館長の様に、穏やかではいられないだろう*]
(95) めのこ 2017/07/22(Sat) 22時半頃
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