64 色取月の神隠し
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[ふと、安堵したように子どもらしい笑みが浮かんだ。 嬉しそうに笑うと、おかっぱ頭の黒髪が揺れる>>116]
そのほうが、嬉しいな。落ち着けるもの。 夕は、そんなにえらい……じゃないから。
[途中、言葉は口の中に小さく紛れる]
(120) 2011/09/15(Thu) 01時頃
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───…お里、朝と一緒に帰ろうかな。
[ぽつ。と呟く。
道を通れるのは、ひとりかふたり。
他にひとの子が通るならば通れはせぬ。
なれど通らぬならば、通れぬ道理もまたないもの]
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かみさまにお願いする人がえらい人? ……あ。それじゃあ、かみさまの声は聞こえてないんだ。 かみさまがいるかどうかも、分からないね。
[確認するように口にする。 どこか奇妙な熱意に聞こえるだろうか]
うん。だって、かみさまのお祭りだから。 かみさまは……
[ふと、社の方へと目を向けた。 うっすらと、笑みが浮かぶ。神の気配は、ごく薄い]
…いるんじゃ、ないかな。
[どこにとは言わず、笑みを含んだ視線をゆりへと戻した]
(125) 2011/09/15(Thu) 01時頃
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あらぁ。仁右衛門先生にもうお会いしたんやねぇ。
気が合いそう言うってことはもうお話もしたんやろか?
そうやなぁ。いろいろやけど、縁が深かった持ち主に似る思いますんよぅ?
うちもそうですから。
眼鏡に縁がある御方ならそうなるんやろうねぇ
うん?朝と一緒に、戻るのか?
[童女に尋ねる声は優しい。]
確かに朝顔一人だと心細いかもしれんよなぁ…
なら、朝と夕、しっかりと見送ろうか。
俺か芙蓉が見送れば迷わないだろう。
ほな、夕顔のお友達の朝ちゃんいうんは、
夕顔が連れて行ってあげるんが一番ええやろね。
夕顔は一緒に暫く向こうに居てもええし
またお友達探してもええんちゃう?
向こうにもこっちに来てへんあやかし
ようけいおるしなぁ。
退屈はせん思いますよぅ?
うん。だって、朝が迷ったら困るから。
[辰次の声に、こくりと頷く。
優しい声に、童女の顔に笑みが浮かんだ]
お団子もね、あるの。
一緒に食べようと思って、とってあるの。だからね。
[ごく嬉しげな声が返る]
ん……それならそれでええ思いますよぅ?
あやかしはこっちのお祭りはそう知らへんからねぇ
二人でこっちの楽しいお祭りを作ってみても楽しそう思うんよぅ。
こっちのお祭りより大きなお祭りにしたら
きっと楽しいやろうねぇ
お友だち……お里にも、いるかなあ。
[ほんの少し、自信なげに声が揺れる
それでも志乃の優しい響きと、何より朝顔の存在に頷いた]
お祭りだから。きっと、にぎやか。
[これからも。そう言って、笑う]
双子 夕顔は、メモを貼った。
2011/09/15(Thu) 01時頃
せやなぁ。うちはあんまり奧まで送るんに向いてへんし、奴延鳥さんも身体不自由なところもあるみたいやし。
龍っつぁんと芙蓉さんなら千里も駆けようなぁ。
お二人共よろしぅ。
夕顔もここから向こうにうちの音色届けるからなぁ。
楽しんでおいでよ。
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うん。ありがとう、ゆりおねえちゃん。
……えらい、かなあ。 えらかったら、もっとお友だち増えるかなあ……
[ごく嬉しそうに笑う。 ふと、気配が揺らいだ。茜色の空に、溶け込むように]
(132) 2011/09/15(Thu) 01時頃
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そうだねえ。
人間には慣れない道だろうけど、
朝顔って子も、夕顔が一緒なら、怖がりゃしないだろ。
辰次もあたしも、ここいらで迷うこたあないし。
いいよ、あたしらで送って行こう。
団子か、いいね。あとで俺も探してみっか。
里にも仲間はいるし、夕顔たちが寂しくないよう、ちゃんと土産を持って帰るよ。
[土産と呼ばれるのが、食べ物か玩具か、はたまた人間か。
内容については触れぬまま、くすりと笑う。]
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…ううん。夕ね、ゆりおねえちゃんのことが好き。 だからちょっとだけ、教えてあげる。
かみさまは、近くにいるよ。 見えなくても聞こえなくても、ちゃんといるよ。 かみさまも、他の──…いろいろなものも。
ゆりおねえちゃんの、大切な雷門さまも。
[とん。と、地面を蹴る。 からんと下駄が鳴って、ゆりとの距離を少し開けた。 陽は既に傾き、背後から差す光が童女の表情を覆い隠す]
(136) 2011/09/15(Thu) 01時半頃
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団子……ああ、団子ね。
あれは旨いよ。
[ぺろり舌なめずりをして]
夕顔も、あっちでのんびり食べるといいさ。
朝顔と一緒にね。
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──…夕ね、もうおうちに帰るの。 だから、今日はこれでおしまい。
ゆりおねえちゃん、ありがとう。 おねえちゃんもいつか、遊びに来てくれたら嬉しいなあ。
[くすくすくす。夕暮れに、無邪気な笑い声が響いた]
(138) 2011/09/15(Thu) 01時半頃
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大きなお祭り……?
[きょとんと大きな目を瞬いた。
志乃の言葉に、笑みが少し大きくなる]
うん、……楽しそう。
[音色届けるとの言葉にも、嬉しそうに頷いた]
さあて、じゃあ、支度ができたら行くとしようか。
ああ、急ぐこたあないよ。
他の人間たちともね、ちゃあんと挨拶しておいで。
またきっと、会えるだろうけどね。
ありがとう、芙蓉のお姉ちゃん。辰のお兄ちゃん。
お土産嬉しいな。
お祭りやっぱり、楽しいの。
[こうして同胞と新たに語らうのもまた、祭りならでは]
───楽しみに、してるね。
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うん。夕も、ゆりおねえちゃんとお友だちになりたいな。 きっと、いつか。約束ね。
[うん。と頷いて、ごく嬉しそうな声を響かせた>>140]
それじゃ、ゆりおねえちゃん。 ───またね。
[他愛もないほどの約束交わして、踵を返す。 から、から、から…ん。 夕暮れの道に、下駄の音が小さく響いて消えた*]
(142) 2011/09/15(Thu) 01時半頃
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─ 祭りの日の片隅で ─
…あさ。……朝?
[ゆりと別れ、向かった先は朝顔の元。 ふらりと現れた気配は、馴染みのようで違う何かのようで]
見つけた。 ねえ、一緒に行こう?
[どこへと言わずに、手を差し出す。 鏡写しの自分の手を取り、にこりと無邪気に微笑んだ。
狐のお面の朝顔に、仮面を差し出されたなら、 素直に喜んで朝顔とは逆の額へと括ってつける。 ───ちょうど、鏡写しの反対に]
(148) 2011/09/15(Thu) 02時頃
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かぁごめ かごめ…
[ほそく響く手毬歌。祭囃子に紛れて流れた]
…… かごのなかの とりは…
[きゅ。と繋いだ手。導く先は彼岸花の道]
つると かめが…
[鏡写しのふたりの童女の行く手を、幻の然灯が照らし行く]
(149) 2011/09/15(Thu) 02時頃
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[ふと、振り返る。そこに見えるぼんやりとした影。 微かに楽の音が響いている。それへと、小さく手を振った]
(150) 2011/09/15(Thu) 02時頃
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…この先、ね?だいじょうぶ、迷わないよ。
[見送ってくれた妖たちに囁きかける。
振り向いて頷いた、それが最後]
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───うしろの正面、だぁれ……?
[彼岸の花の向こうの道。 手を繋いだ童女らの姿が、ふつりと揺らいで*消え失せた*]
(151) 2011/09/15(Thu) 02時頃
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[身体が微睡めば、霊魂だけが彷徨い夕顔を見送ろうと馳せ参じる]
ごめんなぁ。
身体は箏からそう離れられへんから、こないな格好で。
嗚呼、やっと夕顔の姿を見られたわぁ。
ほんに可愛い姿やなぁ。
また逢えるやろうから、さようならは言わへんからな。
気ぃつけて行っておいでや。
嗚呼大事なお団子すぐ食べるわけに行かんやろ?
これ、沙耶にもあげたんやけど、夕顔にもあげような。
[小さく色とりどりの金平糖の入った袋を彼女に手渡した。やがて霊魂が奏でる誘いの音が夜の風に乗って征くだろう]
ああ、ちゃんと朝顔と会えたんだね。よかった。
ふふ、本当にそっくりだ。
気をつけていくんだよ。
あたしらがそっちに帰ったら、また遊ぼうじゃないか。
――またね。
わあ……やっぱり、志乃は綺麗。
あの音色みたい。
[ひとつの目が、志乃の姿に輝いた。
手渡された金平糖を大事に仕舞って、嬉しそうにおかっぱの髪を揺らす]
ありがとう。朝と一緒に大事に食べるね。
うん。行ってくるの。
…また、楽しみにしてる。
[再会の約束に頷いて、たおやかな音色に目を細めた]
双子 夕顔は、メモを貼った。
2011/09/15(Thu) 02時頃
ふふ。…似合う?
[おかっぱの髪を揺らして、首を傾げる。
朝顔とちょうど対称に、括って付けられた狐のお面。
芙蓉に見せるときだけ、ほんの少し悪戯めいた表情で]
うん。いってくるね。お祭り楽しんできて。
…待ってるから。
[また。その言葉があるから、寂しくない。
だから笑顔で、小さな手をも一度振った]
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(お祭りたのしいね)
(お祭り続くと嬉しいね)
[鏡写しの手に手を握って、共に向かう彼岸花の道。 狐のお面の下の小さな顔には、
───大きな大きな、一つ目が黒く*輝く*]
(153) 2011/09/15(Thu) 02時頃
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