54 CERが降り続く戦場
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―――『万物の記憶<ユニヴァース・メモリー>』(私)を『記憶の雫<メモリア>』と呼び、『万物の夢<ユニヴァース・ドリーム>』(貴方)が『夢見人<ドリーマー>』と名乗っているのか、わかってるのか!
でしょう?
もう聞き飽きたわ…。
…!!!!
…ッ! …ッッ…ッ…!!
[結局全部言ってしまったらしい『彼女』に、ヤニクは言葉も出ないようだ。
…そう、夢見人<ドリーマー>とは仮の名(名前ではないが)であり、記憶の雫<メモリア>も同様だ。
夢見人<ドリーマー>としての彼は、大局に現れるヘンジンとして通っているが、本来の彼等の名…『万物の記録<ユニヴァース・レコード>』は、その実在をほとんど知られていない。
それ故の仮の名だったのだが…]
[そう…つまりは、今までヤニクの語ったことはうそではないにせよ、本当ではなかった、ということだろう。
ただの観劇者などではなく、自分も役目と目的を持って『舞台』にいた。
大局をの間近に身を置き、己の…彼女の害になるようなことがあれば、即座に対応できるように視る…それが、ヤニクの役目]
(やっ ば!?)
(二人とも!
君たちの事を他言無用にするのはもちろん了解するよ
君《記憶の雫》の知識を悪用されるのは僕にとっても本意じゃないし
二人のやりとりも聞いてて楽しいしねっ)
(それでもってドリーマー
先ほどの約束を覚えているかい?
僕さ 今が
本当に困ってる時なんだけど)
(つまり 何が 言いたいかというと)
怒りに震える事も嘆く事も悼む必要もないのにな。全て終わるのに。
[命があるから、形があるから、想いがあるから苦しむのだろう。
獣からすれば与える終焉は獣なりの慈悲かもしれなかった]
語りかけろアック!
今ならキミの『言葉』が聞こえるはずだ!!
始めたり止めたり、忙しいな。
[混乱する天狼の声が耳に届く。
獣としては救われようが崩壊しようが構わないのだが、不安定な泣き声はあまり心地良くは無い]
慌てるな、お前が悪いわけじゃない。
お前の大切なものはまだ生きているんだろう。
だったらそれを守ることだけに集中しろ。
いいか? お前は悪くない。
[一瞬誰が悪いか、と口に出そうとしたが、それでは天狼を操る事になる。
そこまでする気は無かった。
ただ泣き声をあやすだけ、言えるのはそれだけだった]
(ありがとうドリーマー!
責任とるとる!
これは借りだよっ!!)
……!!!
(今 か!)
(―――――…アリス………)
(アリス!!!)
[それは、横にいた男だけでなく、もう一人の声に対しても述べたもので。]
だいじょうぶ。私は、私の守るもののために、今は集中するもの…。
[お前は悪くない。といわれた言葉には、少しだけ嬉しくなるが]
こうすると決めたのは私だもの。
使命を受け入れると決めてしまったのも私。
でも、大切な人を守るって決めたのも私。
[真っ直ぐ言い放ち、それから…]
だから、この世界は終わらせる。
その罪はちゃんと背負うもの。
[背負うと決めたその罪も、償いも、それはあまりに大きく重く。]
でも…これが正しい…私の使命…。
再び同じ事を繰り返さなければならない…。
[悲しみに似たような声を上げて、それでも真っ直ぐと]
あーちゃんに嫌われちゃうだろうなぁ…。
私、最後までやりきらないといけないのに…。
[思い出したのは使命と記憶。
そして、その力の全て…。]
なんて…世界は簡単に滅ぶんだろう…。
[自分の力を持ってすれば、それがとても簡単なことだと、改めて知ってしまった**]
[己を取り戻し、しかし悲しみに暮れる天狼の声]
そうだ、命は脆く儚い。
それを気付かず大切にしなかったから世界は滅びる。
ただそれだけだ。
[傍にいれば頭を撫でる位はしたかも知れないほど厳しく、そして穏やかな声を掛けた。
獣は気紛れに情をかけ、けれど敵になれば躊躇い無く牙を突き立てる]
俺にとっての奇跡? 簡単だ。滅びるものだ。
[エフィの問い掛けに応えたのは獣。
終焉を与えるべき片割れの世界が滅びたのは少し口惜しい気もする。
だがそんな事は些細な事。
終焉を与える存在がある限り、滅ぼすのが獣の役割]
―酒場で目が覚めた後―
あ…そうだ…!
アックアッツォーネ…!
…アック…!
[彼と…そしてアリスの安否が気にかかり語り掛ける。
しかし、アックに彼女の言葉は届くかもしれないが、アックの「言葉」は彼女に届かない。
彼女自身は、そういった会話手段…声にならない言葉を受信する手段を有していないのだ。
ヤニクの力の影響や何らかの形でアックの「声」が強まっていれば彼女にも聞くことはできるかもしれないし、同じ場所に飛ばされていたなら、直接的に『言葉の記憶』によって得た人と同じく、空気を伝わる声で語りかければ、もちろんそれは聞こえただろう]
※
訳:『彼女』のみでいる間は、『アック』の声を飛ばす力が強まっている等なければ、『彼女』には聞こえないかもしれません。
『言葉の記憶』で人語をしゃべれるようになっている(はず)なので、直接話しかけられればそれは当然聞くことができます。
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[ぐらり――
表《Front》の崩壊の序曲は、一体である裏《Rebirth》にも届いた。]
―― 始まった、か。 想定よりも、遥かに早い。
[呟き、天を仰ぐ。 昏く暗雲たちこめる《Rebirth》の空に、亀裂が走っていた。]
(1506) 2011/06/06(Mon) 02時半頃
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思ったよりも早く、願いが叶いそうだな。
[言葉とは裏腹に声は冷たい。]
[冷たい声が届く]
まさかここまで表が崩壊、いや消滅するとは思ってなかったか?
[彼の望みは《Rebirth》だったはず。
最早そんな事を言っていられないような事態になっているとぼんやり思っていた]
ああ――最早セカイは反転《Rebirth》だけに留まらない。
宇宙は歪み、天は崩れ、全てが混ざり合う――
[小さな溜息]
暴れる必要性がないか…獣の存在を認めてもそう言えるかね。
[ククッと口元が歪む。
獣の姿を知ればどれだけの者が裏切り者と罵るだろうか、憎むだろうか、そして戦いを挑んで来るだろうか]
楽しみだな…。
[獣の見えぬ牙がギラリと光る]
混沌《Chaotic》――
[しかし、次に呟いた声は、僅かに高揚していた。]
[僅かに昂揚が耳に届く]
お前さんも魅入られた者だな。
[それは嘲りではなく称賛なのか。
問い掛けられても答えるつもりはなかった**]
……ここまで崩壊すれば、後は自滅を待ってもいいものだが。
《契約》は、果たされなければならない。
確実に。
全ての"混沌を望む獣"を《解放》する為に、《栄光》を手に掛ける。
[ 賞賛とも嘲笑ともとれる声に、僅かに笑みが零れた。それは、自嘲的であったかもしれないが。]
律法《ルール》は、人を護らない。
混沌《カオス》の前では、人は無力だ。
あまりにも簡単に、全てを失う。
[街に《雨》が降り始めた日。理不尽に全てを失ったその日から。
絶望した人は、反転《Rebirth》を望んだ。]
神ですら、自らの律法《ルール》に縛られる。
ならば俺は、俺も。獣に為ろう。
[《Front》が崩壊し、消滅するよりも早く。
男は、時空を跳ぶ。
その姿は、《光》と見紛うばかりの輝く白い毛並を持つ狼にも似ていた。]
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― 《Rebirth》上空 ―
[ ぱきり――
空に走った大きな亀裂は、瞬く間に全てを覆い尽くし
――ぱきり
澄んだ音と共に
ぱきり――
砕け、無数の"欠片《嘆きの雨》"となり
ぱぁ―――ん……!!
裏世界《Rebirth》に降り注いだ。]
(1523) 2011/06/06(Mon) 04時頃
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[《Front》と《Rebirth》は表裏一体のセカイ。 本来ならば、表(あちら)が消滅すれば、裏(こちら)も消え去る律法《サダメ》。
しかし、 >>1465 運命の民の祈りが >>1499 少女の涙が
その運命《サダメ》を、変える!]
(1524) 2011/06/06(Mon) 04時頃
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― neu《閉ざされし光の都》 ―
[《Rebirth》側の"閉ざされし聖地"の場所は ムパムピスに『裏の鍵』を奪われた1000年前に潰えたとされ 今では大罪人の名と共に、《Rebirth》側の教団の禁書の中に伝えられるのみ。
ただ、真名だけは消える事なく残っていた。 それが、中央都市・ノイ
表と裏、天と地を繋ぐ場所。 かつて、獣《ベースティア》を封じたともされる場所。
"閉ざされた"聖地はその意味を失い。 その地の上に人は刹那の繁栄を築いていた。]
(1526) 2011/06/06(Mon) 04時半頃
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[だが今。 運命《フォルトゥーナ》の本体と『表の鍵』を転送され、 聖地はその役割を取り戻した。
街は瞬く間に樹木に覆われ、無数の枝葉芽を吹かせ、淡い光を抱く。
……そこに住んでいた人間達をも巻き込んで 聖地は再び何人たりとも寄せ付けぬよう、閉ざされた。>>1522]
(1527) 2011/06/06(Mon) 04時半頃
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[表の鍵を取り込み、閉ざされた聖地を復活させたことにより、《Rebirth》は奇跡的に崩壊を免れたかのように見えたが
セカイの『秩序』の揺らぎは、歪みは止まらない。
《Front》の消滅は、やはりただの序章《プロローグ》に過ぎなかった。]
(1528) 2011/06/06(Mon) 04時半頃
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[聖地が再び閉ざされる寸前 白い《光》が雨と降る空に向かって跳んだが それに気づいた者は、そう多くは無いだろう。]
(1529) 2011/06/06(Mon) 04時半頃
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