80 わんことにゃんこのおうち
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[獣の毛に埋もれた小さなマイク。
イヌの聴覚はヒトだった頃の数倍
私の耳は僅かな音すら、マイク越しに大きく拾ってしまう]
……愚問だ
[何時まで?
死ぬまで。
私は理解している。
彼よりも後にホームに来た
私のほうがまだ、理性を保つ時間は長いのだろう
思考が残った方が良いのかどうか、考えるのを最近止めた]
……
[捜査官だった日々の記憶も段々薄れている。
最後の記憶も、断片的なもの]
[鏡に向かう子犬を見つめる私の蒼と灰は
特殊なコンタクトを通して鏡の向こうまで見えてしまう]
……三人
[今日の客は、三人。
私の役目は彼等の望むイヌネコを箱庭へ連れて行く事]
|
……どうした。
[じっと鏡の方を見ていたイヌは ふと傍に金色ネコが居ることに気づき、頬を摺り寄せる]
遊ぶ 何で?
[似た色の毛並みを毛繕いしてやりながら、問いかける]
(22) 2012/03/05(Mon) 21時半頃
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こうやって……命を映してやることしか俺には出来ないからな。
[またぽつりと呟きが1つ零れた。
生きていた証…いつか本になり、ずっとその中で生きればいいと]
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[イヌは寝転がった金色ネコの上にマウンティング ぺろりと頬を舐めると少しミルクの味がした]
散歩 好き
[歩き回るのは嫌いじゃなかった。 ホームではあまり外へ出歩けない。 イヌは目の前を過ぎる光に一度驚き顔を上げたが 寝転がった金色ネコの耳をまた丁寧に舐める]
……絵も 好き
[クレヨンで描いた絵は、悪くなかった 隅っこのガラクタ置き場に仕舞いこんだのは黒茶のイヌの絵だったけど]
(29) 2012/03/05(Mon) 22時頃
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残された俺らが忘れない。
そう思わないと。
[素晴らしい絵本を書くのは知っていても、中身は読めた試しがない]
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[ぺたぺた やわらかい前脚で触られて、イヌは瞳を細める]
ホーム 狭い 走れない
[しょんぼりと肩を落としたところを 毛づくろいしていたネコに耳を食まれる。 イヌは力が抜けて、押しつぶしかけたネコの上から身をよじる。 ころんと床に転がった身を半身起こしながら]
何 描いた? ……家?
[何を描いたのか、前脚の動きを追って問うてみる]
(39) 2012/03/05(Mon) 22時半頃
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ぐるる……ウォンっ!!
[狭いホーム内を駆ける子犬が 首を傾いだイヌと、傍に居たネコとを巻き込んで お構いなしに暴れる様子に、 毛を逆立てて低く唸った後大きな声で吼えた]
(40) 2012/03/05(Mon) 22時半頃
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[お客様の接待をしながら、ホーム内の子たちに目を配り、
やんちゃな子を宥めたり、具合の悪い子を見つけて知らせるのはこっちのお仕事。
向こうへ連れていくお仕事は、力の強いジェフの役目だから、自分はみまもるだけなんだ。]
[統率しようとする金のイヌを一瞬見つめ、直ぐ目を逸らした。
職員からの説明で理性を誰より残したイヌ達の事を
知らないわけではない。
知っているからこそ目を逸らした。
逸らしてはいけないと判ってはいたが、逸らさずにいられない。
無垢な瞳に、責められているように見えるから]
あー、これは悩むなあ。
誰と遊びたいだろう。
どの仔も遊びたいが。
[ヴェスはお仕事があるから、前回もだったけれど最後にとっておく。
そうすると、その前は…]
[特殊なウィルスの所為で、理性は残っているとはいえ
私もまた発病者である事に変わりはなく
薬で抑えなくては、理性保ち続ける事が難しい。
黒白の彼ほど感覚が狭まってはいないけれど、
本能に押しつぶされて理性が飛ぶ事も、まま有る
が。]
……ヒトにもあの調子じゃ、ないだろうな。
[常に本能むき出しの子犬の姿に、私の眉間には皺が寄る。
其処にあるのは彼等を管理しなくてはと言う理性だけでなく。
少々はしゃぎすぎたイヌに向けて、低く吼えた]
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[黒白のイヌが子犬を組み敷きに行く姿が見える。 イヌは落ち着きを取り戻そうと身を震わせた]
怖い?
[間近で耳を寝かせてしまった金色ネコに気づく。 イヌはじっと色の違う双眸を向けた]
(47) 2012/03/05(Mon) 22時半頃
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ふふ……それにしても驚いたわねぇ。
ここにいるなんて。
[金色の毛並みの大型犬を見てつぶやく。
前ここに来た時にはいなかったような気がしたが、いつのまにここにやってきていたのだろう。]
他のホームで遊び過ぎたかしら?
そんな姿でいるとわかってたらもっと遊びに来てたのに。
可哀想にねえ、こんな扱い受けながらもちゃんとヒトとしての記憶も残ってるなんて。
[ラヴィの言葉に漸く顔を鏡から離す]
なんだ、あの金のイヌ、知り合い?
[楽しそうな残念そうな様子に興味深そうに尋ねた]
知り合いってほどじゃあないわ?
そんなにいい関係ではないもの。
[ゆったり椅子に腰かけて、抱いた猫のぬいぐるみを撫で、
鏡の向こうにいるイヌとネコ……もともとは人だったものを見る。この優越感がたまらない。]
捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/03/05(Mon) 23時頃
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なら 良い。
[>>50尻尾が背を撫ぜると、イヌは前脚にあごを乗せてへたりと座る。 室温が少し高い。 全身が毛に覆われているわけではないから、口元緩く開くだけ]
……家 空 見えない
[ジェスチャーで描かれたものを思い出す心算か、少し目を細める 遠くを見つめるような灰と蒼は、室内をさまよってから伏せられた]
(54) 2012/03/05(Mon) 23時頃
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知り合いが落ちてたら、ちょっと遊びたいなあ。
[悪趣味な笑顔を覗かせた。
残念ながら今回も、ここには居ないようだが]
[強面の客がが意図的に視線を外したのには、気づかなかった。
私は私で、意図的に視線を向けぬようにしているのだから。
珍しく女性の姿があった。
悪趣味な事だと毒づきたくなるのは仕方ない事。
私はパンティングなどと気づかせぬように、
体温調節しながら視線を落とす。
瞼の裏に浮かぶ景色
捜査官を辞めざるを得なくなった最後の捜査。
飛び散った赤い花
倒れる赤い人
あれは私の]
ところで…
また、いつも通りヨーラに行ってもらう?
[銀の毛並みのおとなしい猫は、いつも接待が上手。
文句ひとつ言わずに、存分に可愛がられます。]
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……ミルク ない?
[ぺたりと隣に寝そべるネコをちらと見る。 イヌは吐息が時々乱れるくらいで、暑がる様子を見せない]
絵 残る 描くと いい
[イヌは周囲の様子を気にしながら、色の違う双眸で一度 ぎろりと鏡を睨んだ]
(64) 2012/03/05(Mon) 23時半頃
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[体温調節さえイヌネコになっている彼等にとって
空調を乱される事は命にすら関わるというのに。
私は不快を露に今日の客を一度睨んだ]
……ヨーラが良い。
あれで気を逸らす
[少しでも長い間、彼等に平穏を与えたい。
ヨーラを見捨てるわけではないけれど、来客の好きなネコだから
彼女が適任だろうと、聞こえる年長犬の声に私は同意した。
其の声に聊か憤り混じっていたとしても、仕方の無い事だ。
理性残っているとはいえ、ヒトであった頃ほど我慢は効かない]
頃合を見て、連れて行く。
[不快を露わにし、こちらを睨むイヌをみてにっこりほほ笑む。]
そんな顔しちゃだめよぅ?
[いじめたくなっちゃうから。
そう小さく呟いた。]
|
もうすぐ 水 くれる
[金色ネコの様子に、視線を戻す。 イヌはふるふると首を振った]
……何でも ない
[ぐらぐらと頭が揺れる。 イヌはそのままどしゃりと崩れ落ちた。 気丈に振る舞いはしたものの、身体が先に限界を訴えたようだった**]
(72) 2012/03/06(Tue) 00時頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/03/06(Tue) 00時頃
変態。
[崩れ落ち、意識が途切れる前に
私は視界の隅に捕らえた客を見ながら
ぽそりと吐き捨てた**]
褒め言葉ね。
[金の大型犬が崩れ落ちる前に吐き捨てた言葉。
それに満面の笑みで答えた。]
――おい、不快だぞ。
[無性に苛立たせるのが上手い。
折角仔たちと遊ぶのを楽しみにしているのに]
悪いけど、へばってそうな銀髪のネコ、調子悪そうなら
こっち連れて来て。
少し休ませるわ。
[首輪に声をかけて、あ、と思い出す]
調子悪かったら声掛けろ。
そいつからでいいから。
[消える命ならなるべく笑っていて欲しいとも思う]
ええ、わかりました。
ヨーラ、ジェフが連れて行きます。
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