151 雪に沈む村
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そうですわね……、最近は会っておりませんから。 特に聞いていないわ。
[>>44 そう言うお嬢様の声は、心なしか萎んでいるように聞こえただろうか。 表情こそは変わらないが、いつの間にか、その小さな耳を後ろに伏せている。 ソフィアの訝しげな視線を感じれば、小さなレディはニコリと社交的な笑顔を向ける。まるで、作りもののようだ。]
ああ……ウォーレン、ですか。
[>>2:111 そう言えば先程、村を歩いている時に金属音が響いていたけれども。思えば、あれは彼が打ち鳴らしていたものか。出来は非常に優れていたため、屋敷の調度品も彼の作品は多い。
しかし、そんな所に何故あのお子様が?弟子にでも入ったのだろうか。 そんな事を考えながら、再度カンニャムを飲もうとして。はた。もう中身が無い事には、やはりワンテンポ遅れてしまった。]
(46) 2013/11/23(Sat) 02時半頃
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――……ご馳走様ですわ! 素敵なひと時をありがとうですの。
[空のティーカップをカウンターに置くと、水筒を下げる。 再び重くなった水筒、その熱を肌に感じる。 店主に軽く会釈をすると、ポケットから重量感のある袋を取り出して、金貨をひとつ、ティーカップソーサーに挟み込む。 もし足りないと言われるようならば、さらに金貨を追加するだろう。 (尤も、足りないどころか、紅茶代としては破格の値段である事はお嬢様は気付いていない。)]
メーはちょっと……、また冒険に出かけますわ!
[店主とのそんなやり取りもそこそこに、ぱたぱたと、忙しなく店の入口に向かう。急に慌ただしくなったお嬢様の様子を見て、ソフィアはどんな表情をするだろうか。 その理由を尋ねられれば、素直に返事はしなくとも、何かしらの面白いリアクションは返ってくるだろうか。]
ソフィア! ――…春になったら素敵な紅茶を飲ませなさい!
[ドアを開ければ、風の勢いは増してきて、思わず目を瞑るけれど。構わない。]
(47) 2013/11/23(Sat) 02時半頃
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-村のどこか-
あふぁ…………
[大きな欠伸をひとつして、雪の道を歩く。 雪の量は増し、お嬢様の膝下まで降り積もっていた。 時々埋もれるので少々歩きにくいけれども、歩くのを辞めない。 こんな時、もこもこの羊毛は便利である。 雪を薙ぎ払いながら進める。]
む…………?!
[ウォーレンの工房へ入る小道に差し掛かる手前、歩幅の大きな蹄の足跡を見つけた。顔を少し近づけて確認する。 なんとなく牛蹄に見えるのは気のせいか。冒険の終わりが近い事を示していた。]
…………。
[牛蹄から逃げるように、迂回して歩く。 比較的雪が積もっていない側溝の上を歩くようにして、慎重に歩を進めた。]
(53) 2013/11/23(Sat) 11時半頃
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-ウォーレンの工房-
………え、っと。
[此処に来るのは何時以来か。やはり爺のお使いに付いて行った時以来だろうか。身体を震わせて、雪化粧を払い落す。 冷えた身体は、カンニャムで温める。 秋摘みの薫りが喉元を過ぎれば、少しだけでも身体に熱が戻る。]
ウォーレン。いらっしゃる………?
[恐る恐る声を掛けてみる。 本日の仕事は終えたのか、或いはひと時手を休めているだけなのか、先程まで聞こえてきた金属を打ち鳴らす高い音は聞こえていない。 工房の主は居るのだろうか。 居なければ踵を返すだろうし、他にも客人が居るのならば挨拶を交わすだろう。]
(54) 2013/11/23(Sat) 11時半頃
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-22年前-
[後にエリサ・ブランフォートと呼ばれる――……けれど当時はただの羊の村娘が、野山を駆けていた。
お気に入りのサンザシの花を摘もうとしていたから。
ジリヤに見つかれば、たちまち懲らしめの魔法でも掛けられてしまうかもしれないけれども。そんなのは慣れっこになってしまった。
ふわふわの羊毛が汚れるのも厭わずに、ガッサガッサと枯葉を蹄で蹴り上げ、小枝をバキリと踏み鳴らした。
羊毛が落ち葉塗れになった頃、羊の娘は大きな洞窟を発見した。]
………なぁに?ここ。
[ぽっかりと開いた空洞は何処までも何処までも闇を映しており。
耳を傾ければ、風の音がまるで慟哭にも聞こえてくる。ぶるぶる、と羊毛を震わせるけれど。
同時に、湧き上がるは秘密の場所を見つけたという昂揚感。
小さな探検隊は、洞窟の中へ足を踏み入れた。]
ふふ。だいはっけーん♪
[謳うようにご機嫌な口調で、跳ねるように中を歩き始める。
中は存外冷えており、歩を進めればふるりと細かく羊毛を震わせた。陽光もここまでは差し込んでおらず、次第に暗くなっていく視界に、不安げに蒼い目は細められた。
やがて。羊は己の蹄で何かを蹴り上げた。]
なに…………?―――きゃああああああッ!!!
[指でその正体を確かめようとしたが、暗くてよく解らない。
ザラザラとした蛇の鱗のような感触、じっと手を添えれば細かくそれが上下している事が解った。――……生きている?!
羊がその事に気付いたのと、龍が目覚めたのはほぼ同時だったか。
唸るような低い声が洞窟内に響けば、羊は悲鳴をあげて尻もちをついた。
やがて翼竜と言葉を交わし、向こうに敵意が無い事が分かれば羊は打って変わって強気に、そして無邪気に次々と疑問を投げかけていった。
何処から来たのか、なんで此処にいるのか、普段は何をしているのか、魔法は使えるのか、炎は吐けるのか………好奇心旺盛な羊は喉が渇くのも厭わずに話し続けた。そして、]
-現在-
――――……寂しくないのですね、良かった。
[ その返事を聞けば、安心したようにお嬢様はひとつ微笑んだ。
最初こそは恐ろしかった龍の声も、今ではもう平気だ。
優しげな声に、お嬢様の蒼い目は弧を描いた。]
ッ……お母様を知っているの?!
[お母様の事を口に出されれば、驚きの声をあげた。
あの綺麗なお母様にそっくりと言われると、少し照れた。
むふふ、と小さな笑いを零した。…………けれども、]
…………ピーター? ……大丈夫?お元気?
[なんとなく、声が弱まってきているのは気のせいだろうか。]
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-回想 教会 ドナルド>>55-
…そうね、爺は今頃大慌てで村中を駆け回っているでしょうね。
[何となしに言ってダージリンを一口。小言は多いけれど優しい爺を困らせているのは、チクリと心が痛む。]
はぁい。そうしまーす。
[片目を瞑ってドナルドに返事をする。少しだけ居心地悪そうに、両足をパタパタと動かした。
そうこうしているうちにチャールズに、墓参りの事を告げられれば、ぽんっと椅子から飛び降りて。教会の裏口へと向かう。]
……ドナルド!貴方も良い冬を。 風邪引かないて下さいねっ。
[別れ際には彼の方を振り向いて、そんな事をひとつ。ツンとした細い声が教会に響いた。**]
(56) 2013/11/23(Sat) 15時頃
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…………あらっ!
[>>54 見慣れた黒猫を見かけたので。入口に積もってある雪玉を軽く掬い、挨拶代わりに投げつけた。]
…………こんなところにいたのねっ。
[ふるっ、と羊毛を揺らして。ほんのりと頬は赤くなる。]
(60) 2013/11/23(Sat) 15時半頃
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ふんっ!
[ピンク色の鼻を小さく鳴らす。カツカツと工房の床を鳴らしながら、お嬢様は中に入って黒猫を見上げた。]
……お元気そうで何よりですわ。 む……そうね、ブラッシングが大変になっていますわ…
[羊毛を指に絡ませる。枝毛を見つければ、気付かれないようにピッと千切る。 爺の話をされれば、もう何度目かわからない脱走劇を、慣れた口調で答える。]
……という訳ですの! なので別に……、たまたまですわ、ここに来たのは。
(63) 2013/11/23(Sat) 16時頃
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……ふっふっふ! クシャミに出来て、メーに出来ない事なんて有りませんのよ!
[どや。と言わんばかりの顔である。羊毛に包まれた腕を組む。]
………用事、ですか??
[蒼い目は不思議そうに首を傾げる。なんだろうか。]
雪合戦でもするのかしら。 メーが“特別”にお付き合いしても良くってよ。
[じっ、と蒼い双眸は見据える。ニヤリと口角を上げて、黒猫を挑発する。]
(65) 2013/11/23(Sat) 16時半頃
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……ひゃっ!!
[>>68 怒声が工房に響いて思わず首を竦める。羊毛がごわごわと逆立つ。ドワーフならではの深みのある声に子羊は震え上がる。]
………ごめんなさい…。
[小さくお辞儀をして上目遣いにウォーレンを見上げた。]
もしかして、爺、ここに来ました??
[>>53 先程見た牛蹄を思い出しながら、ふるると尋ねる。]
(70) 2013/11/23(Sat) 18時頃
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[まどろむ直前、ピーターから『カルヴィン』のことを聞く。
しかし、この寒さ迫る夕刻に外へ出るのは、龍族にとっては大変危険を伴う行為だ。
老人のように特別な準備でもなければ―――だが。]
ああ…すまないが、今日はもう遅い。
ピーター殿、カルヴィン少年には明日の朝に出直すように言ってもらえないだろうか。
お詫びに朝食にパンとスープを奢ってあげよう。とね
[だけどお爺ちゃん貴方のもってる硬貨は数百年単位で現代とずれているのです。
そんなお叱りを受けそうな誘いだったが、はたしてピーターには聞こえていだろうか。]
場所は…そうだな、今日美味しいスープをいただいたお店がいい。
ピエールというコックさんがやっているお店だ。伝言を頼むよ。
[そうして、老人はゆるゆると意識の船を夢の海原へとこぎ出させる。]
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ふふっ……!言いましたわねっ。
[>>72 『それも』?と少しだけ首を捻ったけれど。雪合戦の誘いにクシャミが乗れば嬉しそうに答える。それっ!と工房から出る。目の前の雪玉を掴めば。]
………、くらえッ!!
[ふわふわの羊毛の腕を大きく振るって、投げる。当たれば楽しそうに手を叩くだろう。]
(78) 2013/11/23(Sat) 21時半頃
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朝食にパン、スープ……。
[オセローの誘いに、ゴクリと喉を鳴らす。
もしも“カルヴィン”だったら、「ありがとな、じーさん!」とはしゃいでいるところであろうが。
ピーターはオホン、と威厳を保つように咳払いをして]
う、うむ。相分かった。
そのようにカルヴィンという少年には伝えよう。
[すでに頭の中は、温かいパンとスープでいっぱいだった]
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-4年前-
『>>1:54 奥様が亡くなられて1年近く。 お父様も爺も、そしてお嬢様も少しずつその傷は癒えてきた頃ではありましたけれども。お嬢様は時折空をぼんやり見上げては、雲を目で追いかけておられました。あの空の何処かにお母様が居る、という爺の言葉を信じて。
……お嬢様、そろそろ冷えますから。中に入られてはいかがでしょうか。 そんな爺の言葉には、ふるると首を横に振って。 奥様の好きだったサンザシの花の傍で何やら物思いにふけていらっしゃいました。あれほどお転婆だったお嬢様の後ろ姿も、なんだかやたらと小さく見えました。』
(85) 2013/11/23(Sat) 23時半頃
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――……誰?
『ふいに後ろからガサガサと茂みを掻き分ける大きな音。 不思議そうに、お嬢様の蒼い瞳は物音の主を探そうと振り向きました。
……そこには、枝葉塗れの少年達の姿が。 一人は金髪に上品そうな焦げ茶色の瞳をした小生意気そうな少年。 もう一人は褐色の髪に円らな煤竹色の瞳をした、少し落ち着いた少年。
村の子供達でしょうか。突如現れた小さな乱入者に、恐怖や混乱よりも先に好奇心が湧いてきました。』
貴方達。ここが何処だかお解り? かのブランフォート家の御庭ですわよ。 その汚い恰好でお入りになるなんて。不届き者ねっ!
『そんなお嬢様の言葉とは裏腹に、口元は楽しげに弧を描いていました。長らく見ていなかったお嬢様の笑顔でした。』
(86) 2013/11/23(Sat) 23時半頃
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[大丈夫、というチェシャの心配そうな声に苦笑する。
まさか彼女にも指摘されるとは思わなかった。
もうそこまで魔力が消耗しているのだろう]
――今日は心配されてばかりだな。
[思わず小さな呟きが漏れる。
村の皆の優しさが、温かい]
我も、冬眠の時が近いのだ。心配はない。
チェシャの母上とは――そう、友人だ。
[敢えて過去形にはしなかった]
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ふふふ!やった!当たりましたわ! クシャミの、のろまさんーっ。
……きゃ! む〜〜〜〜〜〜、やりましたわね!!!!
[>>87 手を叩いて笑っていると、肩の辺りにぼふんと雪玉が当たった。 痛くは無かったけれども、雪の欠片が顔に細かく当たる。 ぷ、と頬を膨らませると、わしゃわしゃと膝下まできている雪を蹴り上げて、クシャミの近くまで来る。 至近距離までくれば、彼を見上げる。……こんなに背が高かっただろうか? 昔は、もっと背丈に差がなかったように思うのだけれど。]
……えいっ!
[気持ちを悟られまいと、手元の雪を、乱暴に掻き上げて粉雪を傍の猫にかけてみたり。もはや雪玉にすらなっていない。渾身の一撃!と大きく作った雪玉は、すぐに二つに砕ける事を学んだり。 雪塗れの顔で、時折二人で目を見合わせて笑う。 その笑顔も息を切らして、不器用に。]
(94) 2013/11/24(Sun) 00時頃
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ぷ!………子供なんだから。
[>>92 やれやれと大人ぶった小さなレディはスカートを捲し上げる事も忘れて、雪の中、転んだクシャミに近づく。 >>93 そうこうしていると、クシャミに問われる。冬の過ごし方。蒼い目は静かに揺れた。]
メーは……お父様と爺と一緒に、屋敷で冬眠するわっ。 そろそろ爺が迎えに来ると思いますわ………ふぁぁ……
[欠伸をひとつして、そんな事を答える。 黒猫の過ごし方を聞かされれば、足元の乱された雪を見ながら、ぽつりと呟く。]
……そうですか、もう塒を……。 良かったじゃないですか。お子様のくせに。 ……よく見つけられましたわね。 お困りじゃないかと。少し心配していましたのよ。 ………何なら、”特別に”屋敷のベッドでもお貸ししようかと思っていましたけれど。……不要ですわね。
[蹄の先で、雪の塊を踏みつぶした。]
(96) 2013/11/24(Sun) 00時頃
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そっか……友人だったのね。
[ 雪遊びの最中、ピーターの優しげな声が聞こえれば穏やかに微笑んだ。ピーターやオセローともこんな風に遊びたいなと思いながら、]
メーも………友達ですよね?
ピーターとオセローは、メーの友達ですよね?
[はらり、とひとつ雪粒が鼻先にかかる。
祈るような囁き声は、二人には届いただろうか。
されど、ぼんやりと……声が遠くなっていく。
頭に霞がうっすらとかかっている気がする。眠りの時がすぐそこまでに近づいていた。]
ああ。もちろんだとも。友達だ。
[チェシャの問いに、ピーターは深く頷く。
“カルヴィン”ではない自分も友人として受け入れてくれたチェシャの言葉が、ひどく嬉しくて]
――ありがとう。チェシャ。
[“カルヴィン”では恥ずかしくて言えないことも、今なら正直に言えた。たまには大人も便利だな、と思う。
眠りにつこうとする彼女に、その感謝の言葉は届いただろうか。
春に会う時は。ピーターとカルヴィン、どちらが先になるだろう。
想いを馳せながら]
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…………。
[>>101 俯いたままクシャミに撫でられるが儘になっていた。 なんとなく顔を上げる気になれなかった。 ――…けれども、]
…………ま、あ………。
[>>103 予想だにしなかった贈り物に言葉を失った。 真鍮独特の艶めいた金色が美しい。 細い指で表面をなぞると、僅かな凹凸。それは猫の形をしていて。 かざしてクシャミと比べて眺める。 なんとなく、真鍮製の猫も彼のように、はにかんだ笑顔をしているような気がする。]
………し、仕方ありませんわね…… う、受け取って差し上げますわ。光栄に思いなさい!
[蒼い目は、ほんのりと水を張っていた。 長い睫を瞬かせて、それを払い落とす。――…そして、]
(105) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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――…ありがとう。
[一言、それだけぶっきらぼうに小さく囁くと。 背を伸ばして、彼の頬に軽く口付けを落とした。 白い頬は、こんなに寒いのにひどく紅潮していた。]
(106) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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『随分色んなところを駆け廻りました。もうへとへとです。 >>66 物知りなウォーレンに尋ねてみましたけれど、無駄足でした。 ジリヤのお店に出かけてみたり、はたまた山の裏手にある洞窟まで足を運んでみたり。 足が棒のようになったころ、ソフィアのお店から伸びるV字型の足跡を見つけました。足跡を自分の足で消さないように慎重に追うと、それはウォーレンの工房に続いていました。なんと、入れ違いだったのでしょうか。 慌てて工房へ続く小道へ入ると、――…お嬢様の姿が! 雪塗れになって、誰かと話していました。 ひょろりとした黒猫は、紛れも無く7年前に爺とお嬢様が助けた青年。 何やら、お嬢様がいつもより晴れやかに見えるのは気のせいでしょうか。
……お嬢様! 大きな声で叫ぶと、お嬢様はハッとして振り返りました。 そして爺の姿を見とめると、シュンと耳を垂らしました。』
(107) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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ごめんなさい……爺。探していらしたのよね………、
『流石のお嬢様も罰が悪いのか、いつものように気丈な姿勢ではありませんでした。不安げに蒼い瞳が爺を見上げております。 名残惜しげに、クシャミから身を離すと。ゆるゆると爺の後ろに回り込んでいます。
……帰りますよ。 驚かせないように、優しげな声でそれだけ言うと、お嬢様の背中を軽く押して雪の小道を歩き始めました。クシャミが何かしら爺に話しかければ、挨拶の一つでも交わし、お嬢様と遊んでくれた事の御礼を告げたでしょう。 黒猫からだいぶ離れたところまで歩いた後、お嬢様は思い立ったかのようにくるっと振り返り。大声で、』
(108) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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―――……クシャミ!! 春になったら―――…お花見に行くわよ!! 付き合いなさいっ!!
『それだけ言うと、早足で屋敷へと再び歩き始めるのでした。 爺は慌ててお嬢様の後を追いかけます。 途中、お嬢様が髪飾りを欲しがれば、ジリヤの店で何かしらを買い与えたでしょうか。村の悪ガキとすれ違えば、雪合戦の第二ラウンドが始まったかもしれません。
――……そして、屋敷に戻れば、』
……また春には皆様に会えますわよね。
『そう言って、アリス・ブランフォートは冬の眠りにつくのでした。**』
(109) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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――……またね。オセロー。ピーター。
メーの大切な友達。また春に会いましょう。
[夢の間際、そっと囁き声で。**]
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