42 廃棄人形ーeverlasting love marionetteー
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[部屋をノックする音が聞こえ>>73、はっと顔を上げる。]
どうぞ。
[部屋主の代わりに声をかけると、派手な井出達の東洋人が姿を現した。 暗い部屋に似つかわしくない色彩に、きょとりと首を傾げる。何の用だろう。 やがて彼は恭しく礼をし>>76、話を切り出した。どうやら自分は席をはずしたほうがいいだろうか。 悩んでいると差し出されたのは、2枚のチケット。]
・・・あ。
[そこで、思い当たる。 先ほど広場でショーを行っていた東洋人ではないか。 険しい表情で足を止めた>>77に、立ち上がって声をかける。]
あの。 よろしければ、コーヒーでもどうぞ。
貴方、昼間広場でショーを行っていた人よね? 私、ああいうの大好きなの。
(102) 2011/01/14(Fri) 09時頃
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[返事を待たずにコーヒーを淹れてくると、男の目の前に置く。 彼は残っただろうか。 部屋主が手にしたチケットを覗き込むと、目を凝らして書かれた文字を読んだ。]
カゲツサイ、と読むのかしら。 東洋の方の名前は難しいわ。
これ、私も行っていいのかな。
[そう言うと、期待の眼差しを込めて部屋主を見つめる。 サイモンは面倒くさそうに顔を顰めると、『好きにすれば』といい放った。 素直じゃない様子に笑う。]
(103) 2011/01/14(Fri) 09時頃
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―昼・人形資料室―
ん…。
[窓から差し込む光に目を眩ませ、目を覚ます。 ここはどこかぼんやり考えて、思い至って。 慌ててがばっと起き上がった]
ぎゃー!! 私、寝てたのー?!
[昨夜はそのままサイモンの傍にいることにした。 もやもやとした何かがあったかなかったか。 ソファーに座り、落ち着かないまま彼とぽつぽつ会話を交わすうちに、眠ってしまったらしい。 夜には帰るつもりだったのに。]
(162) 2011/01/14(Fri) 16時半頃
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うわっしかもこんな時間! 起こしてよサイモン!
[時計を見遣って、時間に気づくと目の前の彼を睨む。 彼は意地悪くにやりと笑っただけだった。]
んーもー…。 まぁ、いいか。今日は休みだしね。
[諦めたように溜め息をつき、服が皺になっていないか払いながら全身を見渡す。 幸い、着崩れするような服装はしていなかった。]
…帰るか。
[そうひとりごちて立ち上がる。朝食代わりに、喫茶店かパン屋に立ち寄ろうと考えながら。]
(163) 2011/01/14(Fri) 16時半頃
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―喫茶店―
[通いなれた喫茶店に入ると、すぐにパンのいい香り。 バイトの青年は今日入っているのか、わからないが。 特に確認もせず中に入り、適当に空いている席に座る。 ウエイターが来ればサンドイッチとコーヒーを頼み、しばらくぼんやりとしているだろう。]
(164) 2011/01/14(Fri) 16時半頃
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[ふと聞きなれた声>>165が聞こえてそちらに目をやると、 こちらも行きつけのパン屋の看板娘の姿。 一人見たことがあるようなないような青年がいるが、気にせず声をかける。]
ソフィア来てたの? おはよう。 私もそっち混ざっていい?
…あ、この人。
[貼られたポスターに、昨日人形資料室で会った東洋人を思い浮かべた。]
(168) 2011/01/14(Fri) 16時半頃
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ミッシェルは、ソフィアにひらりと手を振って。
2011/01/14(Fri) 16時半頃
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[促されて>>169にこっと笑うと、お冷を持ってテーブルを移動。 ラルフの姿を見止めるとこちらにも挨拶をし。 もう一人、始めましてをしようとして…昨日人形資料室で会った青年だと思い出した。]
ああ、昨日の。 なんだ、2人の知り合いだったのね。 資料は集められました?
[心持ちまだ遠慮がちな口調でサイラスに声をかける。 それからポスターにもう一度目をやり、頬杖を付きながら少し平坦な口調で言った。]
昨日、会ったよこの東洋人。 人形資料室に来た。
え?何ハニートースト?食べたい食べたい。どうしたの?
[ラルフに言われ>>170目を輝かせる。]
(172) 2011/01/14(Fri) 16時半頃
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ソフィアがトチるなんて、珍しいね。 いつも元気に働いてるイメージしかないからさ。
ありがと、じゃ、遠慮なくいただこうかな。
[少女の厚意に甘えることにして、フランスパンをいただくことにする。 続いた言葉には目を丸くした。 昨日直接話した印象はさておき、彼―華月斎―の第一印象は、広場で見たとおり、軟派なままだ。]
ふぅん、チケットを彼にねー。 私は、というよりサイモンが貰ってさ。2人で観に行くことになったんだけど。 ソフィアも行くんだ。1人で行くの?
(177) 2011/01/14(Fri) 17時頃
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[トレイで青年を叩くウェイターの姿>>176に目を丸くして。 今度は自分がそのウェイターを小突く番。 常連と言えど、このやりとりを見るのは初めてだったのだ。]
お客さんに何してんのよ。
[ついで聞こえた天罰>>178の言葉に首をかしげ。 ウェイターを叩いたことはまぁいいか、と棚に上げた。]
ん?ラルフも行きたかったんだ。ちょっと意外。 そうだなぁ、私が貰ったものなら一緒に行く?って言えたんだけどさー。 なんか、直々に団長?からのサイモンご指名みたいで。
[困ったように眉を顰めて。]
(179) 2011/01/14(Fri) 17時頃
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そう、あんなんでもね。
[ラルフの言葉>>181に小さく同意して、うんうんと頷く。 人工生命の創り主に敬意はあれど、変人なのも否定しない。 つくづくよく自分も世話を焼いているものだと思うくらいだ。]
まぁ、アナログな人形って却って珍しいからね。 私も楽しみにはしてる。 じゃぁ今度感想聞かせるよ。
[それから、砂色の髪の青年に顔を向けて。]
うんと、サイラスさん・・・だよね。 ここの人だったんだ。会ったことがないのは意外。
名乗ってなかったね。 私はミッシェル・パークラー。よろしく。
[にこりと笑みを作って、2,3言交わしただろうか。 ウェイター2人が去っていったのをひらひらと手を振り見送って、しばらくはソフィアと雑談。]
(183) 2011/01/14(Fri) 17時半頃
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ミッシェルは、そうねー。悪い人ではないんだろうけど、ともう1度頬杖。
2011/01/14(Fri) 17時半頃
ミッシェルは、ソフィアに聞こえないように苦笑い。まぁ、変人だけどね、と。
2011/01/14(Fri) 17時半頃
[クレープ屋が面した通りを、ひゅうと一枚のチラシが飛んでいく。
派手な色彩と独特のデザイン。
内容は見なくてもわかる。先日隣町に行った際、これと同じものが沢山撒かれているのを見たから]
――これも人工生命排除運動の一環か。
全く、過激派はやることがえげつない。
[忘れもしない。徹底的に破壊された人形が横たわる姿。
その上に降り注ぐあのチラシ――モノに心は、魂はいらぬと。
そう主張する紙切れが、何百枚と風に吹かれていた]
[そのチラシを撒いたのが隣町の襲撃犯と同一なのか、便乗なのかまではわからない。
自分にとってそんな細かいことはどうでも良かった]
あの時の人形は……
[事件現場の凄惨な光景が、ずっと頭から離れない。
そして、あれを見た時の不思議な高揚感も、なかなか忘れられなかった]
あの女に似てた、な。
[狂気に満ちたチラシが舞い散る中で、己は静かに笑っていたのだ]
[頭ではわかっているのだ。
自分は父親が入れ込んでいる人形の女が気にくわないだけで、人形そのものに辛く当たるのは間違っていると。
それでも、心の中にはずっと…
人工生命など最初から存在しなければ良かったのにと、そう思う自分が居た。]
[好きになろうという努力はした。
元々の人形史という専攻を生かして、理解しようとした。
しかし、心の中に芽生えた暗い感情は完全には消えなかった。
研究に没頭して、昔よりずっと深い人形の知識を得ても]
…やっぱ、無理なもんは無理なんだよな…。
[あの光景が、自分が苦心してしまいこんだその感情を一瞬で呼び起こしてしまったのだ]
…嫌なタイミングで嫌な奴に会っちまったなあ…
[クレープをほおばりながらぼやいた言葉は、
周囲からはもごもご行儀の悪い音にしか聞こえなかっただろう]
良くお似合いですよ。
[心にもない言葉。着物姿の人形を見ているとまるで鏡でも見ているようで、けれど自分とは全然違う人形の態度に酷く不快感を覚えた。]
[頼れる兄貴分を気取る、いつものテンション。
演じようとせずともすらすら出てくる台詞。
どこまで本気なのか、自分でもよくわからなかった]
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え?ああ、嘘。 ありがとう!
[突然置かれたプレート>>198に、恐縮しつつ嬉しがりつつ。 店主と彼とのやりとりを見ると、くすくすと笑う。]
仲いいんだね、ここの人みんな。
[笑顔のままパン屋の看板娘に話しかけると、彼女は何か言葉を返しただろうか。]
悪いなー。なーんて。 すごく美味しそう。いただきます。 …ん、美味しい。
[新作と言われたデザートは確かに今までこの喫茶店では見たことはないメニューで。 口いっぱいに広がる新しい甘い香りに、満足げに口元が緩む。]
(230) 2011/01/14(Fri) 21時頃
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―自室―
[しばらく雑談の後帰宅し、一番最初にしたのはシャワーを浴びること。 隣人の部屋は違うかもしれないが、一応バス・トイレ別の物件だ。そこだけはこだわった。 寒さに身を縮めながら衣服を脱ぎ、素肌に思いきり温かなお湯をかける。 その身体のどこにも、隣人のような刻印はないけれど。]
人形が、人を愛することが出来るなら。 そんな「感情」を持つことが出来るなら。 私みたいに、創造主に憧れる人形が、いてもいいよね。
[人工生命の創造主の言葉>>59を思い出しながら、目を伏せる。 糸のようにシャワーは自分に降り注ぎするりと肌を滑っていった。]
(231) 2011/01/14(Fri) 21時頃
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[自分を育ててくれた「両親」には感謝している。 自分が「造られて」以来、実の娘のように可愛がってくれた。 今度は自分が「生み出す」側に立ちたいと言い出した時も、驚きながらも心から応援してくれて。]
あのね、サイモン。 私は貴方のように、「生み出す」立場に立ちたい。 恋よりも、ずっと。
[自分が人形であることは、サイモンしか知らなかった。 彼がどんな気持ちでその言葉を紡いだのかはわからない。 けれど、時々そんな風に自分に問いかける彼の言葉の中に、 自分なりの「答え」も、形成されている気がしていた。
『人を愛する』というのも、『幸せな感情を生み出す』ことに他ならない、と。]
(232) 2011/01/14(Fri) 21時頃
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[喜び。人形が居なくなって初めに感じたもの。哀しみ。必死に人形を探す主人の姿に自分では変わりになれないのかと、当たり前の事で落胆する。そして]
・・・・・・探してきます。
[人形が居なくなったのは嬉しいことだったが、悲しむ主人の顔を見たくないという一心で人形の姿を探す]
…っち……
[ケイトには届かない、小さな舌打ち。
話せば話すだけ、心がざわついた]
…それで良い。
それ以上、俺にそんな話を、するな。
[笑顔にも、言葉にも、嘘はない。
ただ、語らない言葉が多すぎるだけだ。]
この方がお嬢様を・・・
[この男が居なければあの人形は・・・。人形を見る。]
人形がいなければ・・・私は・・・
[誰にも聞こえないほどの小さい呟き。]
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→人形資料室―
[しばらくうとうとしてから家を出て、人形資料室へと再び向かう。 そろそろ華月斎のショーが始まるのではないだろうか。 近くに差し掛かると、資料室から現れたのは赤い着物の少女>>266。]
うわ、可愛いー… お人形さんみたい。
[思わず呟いた声は彼女に届いただろうか。 届かなければ、一度パン屋で差し入れを買ってからサイモンのところへ。]
(278) 2011/01/14(Fri) 23時頃
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―劇場前―
うーわー、人並んでるね。
[思った以上の人の列に慄きながら、 その一番後ろに自らも並ぶ。 時間は、公演ぎりぎりとなっていた。来客があったせいだと、隣の男は相変わらずの仏頂面をしている。 風が一陣、身体中を撫でて。ふるりと身震いしてはポケットに両手をうずめた。]
あーサイモン。 シャツ曲がってる。ほら。
[隣で背中を丸めている男の襟元を正す姿を、周りはどう受け止めるのか。 自分達にとってはそれは日常的な光景過ぎて、想像もつかない。]
(291) 2011/01/14(Fri) 23時半頃
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もーしゃんとする! 今日、楽屋寄るんでしょ?!
[ばしっと背中を叩くと、連れの男は恨めしい顔。 本当に寄る気があるかどうかはわからない。いずれにせよ、自分は公演が終わればすぐ帰るつもりだ。 挨拶くらいは顔を出したいと思ったが、話の邪魔になりたくはない。]
そんな顔しないの。 あの人、華月斎。…なんか大事な用だったんでしょ?
[昨日資料室を訪れた男の姿を思い浮かべる。 丁寧に礼をする姿>>256は、幾らか彼に対する印象を変えた。 それでも広場での第一印象を払拭するには至らなかったけれど、 ふと、気づいたのは、その瞳が少し揺れていたこと。 それだけが、胸につかえていた。]
(292) 2011/01/14(Fri) 23時半頃
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手妻、マジックショーか。 どんなかな。ちょっと、楽しみ。
[それは、彼に対する興味か。 純粋に、ショーへの期待か。]
(293) 2011/01/14(Fri) 23時半頃
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ああ、ソフィア。
[ぶんぶんとこちらに手を振る少女に気付き>>296、手を振り返す。 あまりの大声には苦笑して。 こくこくと頷くと、なんとかジェスチャー。]
『席、近くだといいね。 全席自由席みたいだから。』
[先に並んでいる彼女のほうが、いい席を取れることは明白。 だから少し遠慮を含んだ言葉になる。 …最も、難易度の高いジェスチャーが、彼女に伝わったかはわからないが。]
(302) 2011/01/14(Fri) 23時半頃
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[開場し、席につく。 劇場に来たのはやはり遅かったのか、お世辞にもいい席とは言えなかったけれど。 せっかく頂いたチケットなんだから、もっと早く来れば良かったと後悔。]
まぁ、せっかくだから楽しまないと。 どんな夢のような舞台を見せてもらえるのかしら。 …なんてね。
[芝居がかった言葉を紡ぎながら、目を伏せて開演を待った*]
(320) 2011/01/15(Sat) 00時頃
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