人狼議事


99 あやかしものと夏の空

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【人】 双生児 オスカー

―祭当日―

――ッええええ、ええ!?何これ!
じゃがバタとか、ステーキとか、今じゃこんなんが出てるの!?
豪華だよね、もうなんでも手に入っちゃうじゃん……。

[朝になって実体が安定したらしい少年は、
なんだかんだでテンション高く村に繰り出した。

10年前にはあまり見かけなかった種類の屋台に、
物珍しげに歩きながらも、あれが欲しいこれが欲しい、目を輝かせている**]

(50) kazanemind 2012/08/17(Fri) 05時頃

【人】 双生児 オスカー

―深夜のはなし―
[繋ぎ止めたことで、ほんの少し和らいだ心のなかの闇。
一息ついていると隣が身じろぐ気配がして、
それから手にあたたかい感触がした>>52]

ぇ、あわっ!兄ちゃ……

[抵抗する間もなく無理やり引きずり込まれてしまった。声を上げかけたが、周囲は寝静まっているから慌てて飲み込む。]

……、…………。

[うん、ひとりにしないから、ひとりにしないで。
確か『あの時』はお互い怯えきっていて、そう返した気がする。
……けれど今は、寝言に頷くこともできなかった。
その代わり、布団でなく服を握ると、暑さも忘れて近くにある体温に擦り寄った。
別れが近いかもしれないと思うと、いい年して、なんて自虐は飛んで行った。]

(60) kazanemind 2012/08/17(Fri) 22時半頃

【人】 双生児 オスカー

―お祭り当日―

[ぐっすり眠ってぺしぺし叩かれ目を覚ませば、
いきなり>>53邪険に扱われ、えーなんて抗議の声を上げたりも。
が、連れ込んだのはそっちのくせに、とは寝起きに寝癖だらけの頭では返せず。
ついでに朝日で熱せられた部屋は文句も当然なほど暑かった。

そんなオハヨウを交えつつ、
屋台の並ぶ村へと繰り出せば、そりゃあもうテンション高く。]

なかった、ぜんっぜんなかったよ!
たこ焼きとかお好み焼きとか焼きそばはあったけど、
チーズ焼きとか、バーガーとかそんなのは全然なかったよ!

[何かラーメンバーガーなどとジャンク感たっぷりの……最近ではB級グルメとか言う……品目に複雑な表情。]

(61) kazanemind 2012/08/17(Fri) 22時半頃

【人】 双生児 オスカー

兄ちゃん働いてるんでしょ?
じゃあ屋台で食べる2つや3つ余裕で……あ、すみませんっ

[>>54くるりと後ろを振り返り、腰に手を当て、奢ってもらう気満々で主張していたら、前から来た誰かにぶつかりかけた。全く注意力散漫になっている。
向き合っていた兄が遠いところを見る。
呟きに>>55 ほんの少しの間をおいて。]

そうだね。ここもいいところだと思うけど、
やっぱ生まれ故郷がいいっていうか。まだあるんだもん。
折角だし、僕もさいごはあっちで過ごしたいな。

[表立ってはこの集まりの最後だとか村が沈む前などの意味で捉えられるだろう、心の内は口に出さないけれど。

後ろを歩いていたシメオン>>63のひとこと、目を瞬かせて]

シメオン、あの村に家があったんだ?
遠くから遊びに来たとか、親が住んでたから一緒に来たとか、そんなんだと思ってた。

(66) kazanemind 2012/08/17(Fri) 23時頃

【人】 双生児 オスカー

チョコバナナ!

[>>68 声高らか。
腹を満たすものでなく結局チョコにホイホイされるのだった。
目を細める様子を、大人しく眼鏡かけとけばいいのにと見上げながら。]

屋台は好きだし来るのがいつも楽しみだったけど、
こんなのが一年中出てたら、通いすぎて体に悪そうだよね。

[じゃんくふうど>>64については周囲にずらりと並ぶ粉物屋台を眺めて、けらけら笑った。]

(73) kazanemind 2012/08/17(Fri) 23時頃

【人】 双生児 オスカー

[あまりにもサラリと出てきた>>70シメオンの身の上、というより、正体。
人懐っこい笑みが一瞬固まって、目をぱちくりと瞬かせて。]

えっ。……え?
奉られてるって、もしかして……
え、ええええ。

[マイナス感情の驚きは既にないけれど、びっくりはびっくりだ。
ラルフとシメオンを交互に見つめて、口をぽかんと開けていた。
どこか古風な口調に最初身にまとっていた着物、
兄と仲良しな、村に奉られた、シメオン……
そこまで聞けばただひとつの祠しか浮かばない。]

そっか、シメオン……って、
じゃあ僕、神様をトモダチって言ってた?

[すごく無礼?と笑いつつ眉を下げた。]

(75) kazanemind 2012/08/17(Fri) 23時頃

【人】 双生児 オスカー

[空を仰いだ兄をもういちど見上げる>>72
含みが伝わってしまったようだ。僅かに流れた空気に
行こうと切り出されるまでは沈黙していた。]

……大丈夫。

[片手を目の前で広げる。
今はまた生きた体のかたちを保っていて、足元は透けていなかった。
だからしっかりと頷いて。]

花火、あっちからでも見れるかな。

[夜に予定されているらしい打ち上げ花火。
距離がありすぎる……というわけでもないけれど、
どうせなら見たいと、それでも村に戻る事は優先したかった。]

(76) kazanemind 2012/08/17(Fri) 23時半頃

【人】 双生児 オスカー

なッ、そんな、だって驚くよ普通!
僕も驚かれる立場なのはわかってるけど、けどさッ
前から知ってる神様だったなんて余計だよ!

[握りこぶしを作ってぶんぶんと必死に主張した。
>>78見せられた笑みはどこか妖艶。時折あった不思議な感覚の正体も理解できて、
あの時掛けられた言葉。つまり、出会った頃あたりからこちらは知られていたという事で、少し恥ずかしい。けれど。]

でもさ、僕のこと、覚えててくれたんだね。
うん。……ありがとう、シメオン。

[兄と狐神のあいだにあった出来事を知らないから、認知されていた、それだけで恥ずかしくも嬉しかった。
そしてどうやら友達で居させてもらえるらしい。
もっと照れてあははっと変な笑いが出た。]

(83) kazanemind 2012/08/17(Fri) 23時半頃

【人】 双生児 オスカー

[差し出された、少し小さな手>>81
兄や祖母達が信じていた狐神様。それはいざヒトの形になってみれば、想像以上に可愛らしい少年だった。
打って変わって幼く見える表情に、
昔のケヴィンや景子達も、ほんの少しだけ思い返しつつ。]

だいたい味濃いけど、大丈夫?
や、……きゅうりの浅漬とか見えるけどさ。
でもお祭りといえばやっぱり焼きそばとか、たこ焼きだよ。
けどね、僕も食べたことないんだけどアレ気になってるんだ。
ラーメンバーガー。絶対重たいけどさ!

兄ちゃん、ほら早く!何見てんの?
トウモロコシ買うなら買っちゃおうよ!

[繋いだ手を引き小走り、もう片方は屋台を指さして。
歩みの遅い兄を振り返り大声を張る。
さて、財布の中身は、この時だけでどれだけ削れるのやら。
稲荷寿司はお弁当コーナーにあったとか、なかったとか!]

(89) kazanemind 2012/08/18(Sat) 00時頃

【人】 双生児 オスカー

[様々な屋台を見て回り、食べ歩き、兄の財布を軽くする。二人がかりだから順調だった。
……そんな時、人ごみに見知った背中を発見すれば、
ラルフ達に一声かけてから、駆け寄って。]

……景子っ!

[呼び止めれば、大人になった幼馴染が驚いた顔で振り向いた。]

よかった。やっぱりこっちに来てたんだね。
……ほら、『お返し』しようと思って。
今日の……ええと、夕方に時間空けられる?

それでね、ゴメン。この村じゃ出来ない事なんだ。
少し手間だけど、あっちで合流できるかな?
場所は……そうだね、大ケヤキの下で。

僕、待ってるから!

[手を振ると、少年の影は人ごみへと混ざりこんで。シメオン達におまたせと走り寄り、次はアレとパスタ揚げを指さした。
お腹いっぱいでも満足するまで、容赦なくあっちこっち遊び回る。]

(99) kazanemind 2012/08/18(Sat) 03時半頃

【人】 双生児 オスカー

―夕暮れ時―

[来る時は使わなかったバスに揺られ、>>86遠ざかる祭囃子を聞いていた。
美味しい物を沢山食べた。シメオンと珍しい物を沢山見て回ったし、兄の食べている何かを一口よこせと、自分の持っているものを一口分押し付けたりもした。フリーダムといえばフリーダム。
それなり満足だった。お祭りに関しては。]

……んー。うん。
本当は何もかもやり残してて、まだまだ足りないって思うけど。
大丈夫、やりたい事は、だいたいこっちかなって。

[少しだけ考えあぐねるが>>86駆け抜けていく緑の木々を目で追いながら。
バスを降りれば、歩みは締尾様の祠へと向かっている気がして
途中で自然と足を止める。]

ん。貸すも何も、だよ?
わかってる。僕もちょっと、用事があるから。

[シメオンに笑って>>90首を傾げると、二人とは別の方向へ歩き出す。]

(100) kazanemind 2012/08/18(Sat) 05時頃

【人】 双生児 オスカー

―大ケヤキ―

[日が傾き熱っぽさの和らいだ風が、濃い緑を揺らす。
樹の根元まで辿り着けば、幹に手を置き、
じっと目をとじると、ただ葉の揺れる音を聞いた。

ここで過ごす時間も、きっと最後。
だから、木のぼりの練習をさせてくれ、時に遊び場になった
大切なこの木にも別れを告げたくて。]

……ここも沈んじゃうのか。
宿泊所も、雑貨屋も、祠も、家も……。

[きっと『天国』へ行かずに留まり続ければ、
自分も村と共に、水中で過ごすのだろうと思ったけれど
この奇跡が終われば、きっと、留まる理由はなくなる。]

(101) kazanemind 2012/08/18(Sat) 05時半頃

【人】 双生児 オスカー

[緑越しに空を見ると、木漏れ日がチラチラと眩しかった。
ここからでは、一反木綿と出会い、登って枝を折ったあの場所はよく見えない。
不思議な出会いも巡り合わせてくれたよね、なんて
数日前の事なのにどこか懐かしく、死後友達となった妖怪を思い出した。

そうして、]

――……景子?

[しばしの後、幼馴染が姿を現せば
10年前と変わらない少年が、柔らかく笑んで出迎えた**]

(102) kazanemind 2012/08/18(Sat) 05時半頃

【人】 双生児 オスカー

[待った待ってないとか、お祭りは楽しかったとか、
他愛のない話をしながら草の中を進む。
先を歩くのは少年。道案内は勿論、人の入った形跡が全然ない野道なのだから、背の高い草を分ける必要もあった。]

虫さされとか、気をつけてね。
前は容赦なく突っ込んだけど……。今は問題あるでしょ?

[やろうと思えばそんなの無関係に草を歩けるのだろうけれど、今の女の子らしくなった景子は気にかけるべきかなと。
なのにこんな場所に連れてきてしまったのは申し訳なくもある。
苦笑して、暗くなった夜道をかき分け進んで――]

あ、着いた着いた!

(136) kazanemind 2012/08/18(Sat) 22時頃

【人】 双生児 オスカー

[幼馴染は、『お返し』が物質だと思っていただろうか。

木を抜けた先には、自然にできただろう小さな空間があった。
中央には泉と、苔の生えた倒木、
そして――眩い程の、蛍たち。

泉の上部には葉がなく、瞬き始めた星々に見下されている気になれる。
人工の光が存在しないはずなのに、蛍と星のおかげか、
足元がわかるほどに、その空間は明るかった。

少しの間、お気に入りの幻想的な光景を目に焼き付けて。]

『お返し』。……気に入ってもらえた?

……これが、僕の、とっておき。
他に誰も知らない自信があるけど、
僕はもう、何も持ってないから。
これくらいしか、あげられないけど……。

(137) kazanemind 2012/08/18(Sat) 22時頃

【人】 双生児 オスカー

でも、もしかしたらここもダムに沈んじゃうのかな。

[哀しげな色を乗せて、ぽつり。
それが皮切りか、景子を一度見て、顔を伏せる。]

……ゴメン。
突然死んで、かと思ったら10年経って突然出てきて……
ものすごく悲しませただろうし、驚かせたよね。

[悪夢については>>1:123知らなかったけれど、
それに匹敵する程衝撃だっただろう、身近な死は、小学生だった彼女にどれほどの傷を残したのだろうと。]

(142) kazanemind 2012/08/18(Sat) 22時半頃

【人】 双生児 オスカー

でもね、僕は嬉しいんだ。

死んだのは確かに……後悔ばっかりだけど。バカみたいに足滑らせてさ。
景子が帰ってくるタイミングで、こんな奇跡が起きた事。
また、逢えて……話ができた事。
モノじゃないけど……これのお返しも、ちゃんとできた。
ずっと引っかかってたんだよ?

[笑ってペンダントトップを持ち上げた手は――薄っすらと、透明になっていた。
景子がそれに気がつけば、困った顔で首を傾げる。]

大丈夫。……元のかたちに戻るだけさ。

(143) kazanemind 2012/08/18(Sat) 22時半頃

【人】 双生児 オスカー

……景子、ありがとう。
僕を覚えていてくれて。遊んでくれて、――好きになってくれて。

[あの頃向けられていた気持ちには>>4:75なんとなく気づいていたから、最後のひとことを出す時には照れた笑顔を見せる。
本当は、素直な言葉を伝えたかった。
でも、もうその気持ちには応えられないから。
向けるのは想いではなく、感謝。]

僕は、そろそろ行かなきゃ。
……ほら景子、前向いて。蛍がまた集まってきたよ!
星もよく見えるし……、綺麗でしょ。流石僕のとっておきだろ?

[少し強く押して、泉に向かわせる。
こちらを絶対見させないように。
背中合わせで、弾んだ声で――]

ねえ、景子。
ずっと、ずうっと応援してるからね。

(146) kazanemind 2012/08/18(Sat) 22時半頃

【人】 双生児 オスカー

[幼馴染が振り返った時、
そこには……もう誰も居なかった**]

(148) kazanemind 2012/08/18(Sat) 22時半頃

【人】 双生児 オスカー

――ジェフのもとへ――

[兄貴分はどうしていただろう、
誰かと歩いているのであれば、ほんの僅か孤立した瞬間、ふわりと目の前に降り立った。
少年の体は半透明。そこが人ごみだったとしても、ジェフ以外に姿は見えないだろう。]

ジェフ。
……やりたいこと、できたよ。

[表情はとても晴れやかで、
兄と和解できた事は伝わるだろうか。]

ジェフのおかげで、この何日か、本当に楽しかった。
昔の……ほら、酒飲もうって約束も果たせたし。嬉しかった!

(151) kazanemind 2012/08/18(Sat) 23時頃

【人】 双生児 オスカー

[外見も登場もまごうことなき幽霊で、彼は今更驚くか、どうか。]

ジェフはさ……もうひとりの、兄ちゃんだったよ。
たまに本物の兄ちゃんより兄ちゃんらしいと思うくらい。
勉強だって教えるのうまくて、わかりやすくてさ。

[一瞬黙りこんで、
表情は哀しげなものに変わる。]

僕が死んでるって、これで信じれるかな。
もう、あんまり時間がないみたいで……。
……だから、挨拶だよ。

(156) kazanemind 2012/08/18(Sat) 23時頃

【人】 双生児 オスカー

[そこまで言って、また笑った。
10年ぶりの再会、そしてきっと、永遠の別れ。
なのに明るく笑えるのは、彼との思い出が同じように楽しいものばかりだったから。]

……さよなら、ありがとう。ジェフ。

僕のこと、忘れないでよ。
もし忘れたら、化けて出てやるんだから!

[顔面をびしりと指さしてやって、
悪戯坊主は、ゆらりと空気に溶けて消えた**]

(160) kazanemind 2012/08/18(Sat) 23時頃

【人】 双生児 オスカー

―川辺―

[降り立ったのは村を流れる川のうえ。正確には橋の上だった。
よくここから亀吉に突き落とされたものだ。
思い出して、身を乗り出すと遠い水面を見た。

この川で自分は溺れて死んだ。
けれど溺れる恐怖はあっても、川に対しての恐怖はない。
むしろどこか落ち着いてしまうのは、死に場所だからこそか。]

…………。兄ちゃん、どこ。

[呟いて、両手を広げる。
身体はもうすっかり薄くなっていて、感覚はあるがいつ霧散するか。
人の感覚を辿って移動する事はできたが、
焦りからか兄の居場所が掴めない。

不安な顔で、周囲を見渡した。]

(162) kazanemind 2012/08/18(Sat) 23時頃

【人】 双生児 オスカー

[空はすっかり暗くなって、そろそろ隣村の花火が上がる時間だろう。
ここからだと楽しみにしていた花火は見えるか、どうか。
何より、――間に合うかどうか。
指先どころじゃない、身体全体の薄さに不安は滲むけれど。]

……、兄ちゃんっ!

[届いた>>163兄の声に、ぱっと顔を輝かせると
消えかけた足で駆け寄った。]

……シメオンは?

(164) kazanemind 2012/08/18(Sat) 23時半頃

【人】 双生児 オスカー

[>>168 抱えられた狐の像。いないという事は同じように誰かに挨拶でも行っているのだろうか、
意外と重そうなのに持ち歩く兄に、思わずくすくすと笑ってしまった。]

え、……あ、うん。
……夢じゃ、ないよ。僕は死んでるから。

[これは夢だと言っていた兄に、上目遣い。
時間はあまりない。けれど、]

花火……。……うん、行こう!

[諦めかけていた花火はこちらからでも見えそうで、
早く行こうと小走りに前を行く。

身体はやはり薄くて、遠くの闇を透かしていた。]

(173) kazanemind 2012/08/18(Sat) 23時半頃

【人】 双生児 オスカー

[場所を移動して谷のそば。
遠くから聞こえる破裂音に心躍って、
薄い手で兄の手を掴むと引っ張る。まだ、ものは掴む事ができた。]

わ、……!!!
すっごい、あっちよりよく見えたりして?

[人ごみのない兄弟ふたりの特等席では、
打ち上がる色彩の花がよく見えた。]

兄ちゃん、あのさ。……ええとね。

[言いかけて、口ごもる。]

(177) kazanemind 2012/08/18(Sat) 23時半頃

【人】 双生児 オスカー

[>>178 声をかけるタイミングが被って、
慌ててどうぞどうぞしかけたけれど、促されれば頬を掻く。]

…………え、と。

[目の前で咲いては消えていく花火。
見れないかもしれないと思っていた、最後の夏の、大イベント。
感動なのか、何なのか、用意していたはずのものが出てこなくて。

かわりに出てきたのは言葉ではなく、兄との思い出と、
透明な涙だけだった。]

……あれ。おかしい、な。
10年、……ずっと、言いたかった事、あったのに。
ホント、どうして出ないんだろう

[名前を呼んでもらえて嬉しかったとか、
夜に零したごめんなさいとか、
伝えたかった事は沢山あったのに。]

(181) kazanemind 2012/08/19(Sun) 00時頃

【人】 双生児 オスカー

[少年の影は花火も透かして、
身体のあちこちから光の砂が舞い上がって行く。
時間がないのに、なのに。]

……あ、わかった。

[はらはらと涙を零しながら。
この兄を相手に、今更、長く長く言葉は必要なかったんだ。]

(183) kazanemind 2012/08/19(Sun) 00時頃

【人】 双生児 オスカー

――……兄ちゃん、ありがとう。


[泣き笑いと、ありがとう、それだけ。
それだけで全部伝わると、そう思った。]

(184) kazanemind 2012/08/19(Sun) 00時頃

【人】 双生児 オスカー

[頭を撫でられた、その手は途中でするりとすり抜ける。
けれど最後に、誇りだと言ってもらえた。
嬉しくて、嬉しくて、また涙がでるけれど。]

そんな事ない。僕だって、兄ちゃんの弟でよかった。
幸せだった。


大好きだよ。
――幸せになってね、ラルフ兄ちゃん。

[笑顔は、夜空の花と一緒に、消えていった**]

(188) kazanemind 2012/08/19(Sun) 00時頃

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