223 豊葦原の花祭
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夢を見るんだ。
[男の着物の裾が揺れる。ひらりと薄桃色の蝶が舞って、融ける。
ゆっくりと登る半月が、宵闇のような瞳に映り込む。]
昔の夢。
と、少し前の、夢。
どれもさびしくて愛おしくて、春になるのが待ち遠しい。いつだって。
[遠くの山の端は、落ちる陽の残滓で未だ明るい。
真上は疾うに藍色だ。やがて完全な夜が来る。
新緑の匂いを吸い込んで、息を止めた男がくるりと回る。
握った両の拳をやさしく開いたのと同時に、桜の巨木に着いた無数の硬い芽が、薄紅を伴ってふわりと膨らんだ。]
綺麗に咲くから。
今年も、綺麗に咲くからさ。
[離れた場所で響く歓声。
笛と、太鼓と、人々の声。たった一夜の邂逅に、胸が踊らない筈はないのだけれど。]
────また、…会いに来て。
[桜の花のなかりせば。なんて詠った誰かの声が蘇って。
今宵ばかりは、なんだか酷くそれが恨めしかった。]*
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[気がつけば周囲も薄暗く翳り、空には半月が申し訳程度に顔を出す頃。 人の気配や賑やかさにつられて、フラフラとミツボシは広場へと向かっていた。]
わぁ……すげーなー
[遠景から眺めてみれば、天を突くような巨木に薄く桃色が芽吹き、提灯やら何やらで根元にも明かりが点っている。 光る木と光る草の絨毯のようだ。]
に、しても…これは…
[腹部に響く太鼓の音、脳を貫く笛の音。 原始的(プリミティブ)な音の波にはまだ慣れず、ミツボシは独り言さえ聞こえぬ祭りの喧騒に酔いそうになる。]
っ!あ、すいません…
[よろめいて歩いていると、通行人にぶつかりそうになった。 それが後ろから来たものなのか、前から来たものなのかも分からない。
……そもそも、己が今どこに居るかも分からなくなっていた。**]
(3) 2015/04/18(Sat) 09時半頃
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─???─
楽しいねぇ、楽しいねぇ。
[くつり、くつりと笑い声を漏らす。
左手にぶら下げた竹の葉の包みから、摘み上げた金色の木の実を口の中に押し込んだ。
食めばしゃりしゃりと口の中で砂糖と果汁が混じり合う。
目を伏せると、少し離れた『身体』の傍に誰かが居る感覚。
心のうちで話し掛ける。久し振り=B]
あんたには、会えるかな…
[誰に届くでもない、細い呟きがそうと空気を揺らした。]*
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->>25-
[ミツボシはふわりと尻の浮く無重力を感じたのもつかの間、流し眼の美しい男性に背中をトンと支えられて重心を取り戻した。]
ぉえ?あ?久しぶり?
[男とは面識がないと思いつつも、オウム返しに同じ言葉が口から出た。 よくよく男の姿を見てみれば、ぼんぼりの光に反射する顔はやや赤い。ほろ酔いイイ気分か。 そして、男が手に持つ綿菓子が、先程の光の木と草の絨毯を思い起こさせる。 淡いピンクのそれは、ああ、ここが死後の世界だとしても、ミツボシにとっては映像でしか見たことのない過去の遺物で。]
……美味し、そう…
[ごくり、と男の手の中の綿飴を見つめながら、ミツボシは未知のお菓子へ想いを馳せるのだった。
中々卑しいぞ、この小娘。]
(46) 2015/04/19(Sun) 00時半頃
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->>51-
[ミツボシは、砂利と煤で汚れた身体も気にせず、ほいっと手渡された、幻の菓子――少なくとも、少女の生きてきた世代には絶滅していた――を恐る恐る受け取る。]
ほぉをぉぉ……! これが…What'a amen...!
[眼をキラキラ輝かせ綿飴を眺めるミツボシ。 はむはむと綿飴の端を口に咥える彼女は、ふと気がついたように男に向かって問いを投げた。]
はっ…!肝心なことを忘れてた! おじさん、なんでみんなお祭りなんかしてるの!? River San-Zuを渡る時ってお祭りなの!?
[どうやら ミツボシは さくらんしているようだ! 意味不明なことを口走る少女に、男は花祭りのことを教えてくれただろうか。]
(70) 2015/04/19(Sun) 13時頃
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−屋台村→巨木の方へ−
バイバイ、おじ…お兄さーん!
[綿菓子を貰ったからか、すっかり気を許した面持ちで手を振り男に別れを告げる。 袖の近くでヒラヒラと舞っていた蝶はホログラムだろうか?とミツボシは一瞬思ったが、どうやら男の話を聞く限りこの場所はそれほど電子技術が発達しているようではないらしい。 その代わり、旧世代のアミニズム的な信仰の下、この祭りが行われていると聞いた。花祭り。 そもそも、ミツボシの住んでいた世界では祭りなど開かれなくなって久しい。
だから、少女にとっては、初めてのお祭りなのだ。]
おぉー…なるほど、糖をひも状に溶融させてるだけなんだなー…キシシ、糖の粘着力があるから幾重も絡みついて綿のようになるわけねー……構造は単純なのに不っ思議ー…
[あむあむ、と妙な咀嚼音を出しつつ、屋台通りを巨木に向けて抜ける。 綿菓子の男と話をした結果、巨木――薄墨桜に向かえば迷わないだろうと推測がついた。]
……外神(ことかみ)、ねぇ。
[綿から覗いた芯棒をペロリと舐めながら、少女は先程の男がチラリと口にした言葉を反芻した。]
(73) 2015/04/19(Sun) 14時半頃
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散ればこそ いとど桜は>氛氈c
[意識してか、無意識か。抱え上げた一人分の重みが口ずさんだ詩に、左胸の奥がぎゅうと鳴る。
そうだ。男は思う。
そうだ。永遠は、不変は、選び取るのが酷く難しい。]
(でもさ、)
[欲しかったのは、それじゃない。
男に必要だったのは、果たされなかった約束を待つための、時間。
その為にだったら、]
(神様、ってのは、以外と不便なモンだなぁ。)
[飲み込んだ音は誰に届く訳でも無い。
それでも、一夜限りの紛い物の肉体でも、心臓が痛むような感覚には、まるで人の身を得たような密やかな喜びがあった。]*
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[はてさて屋台の並ぶ通りを歩いていると、綿菓子もミツボシの口の中へ吸いこまれては溶けて消えてゆく。 死後の世界かと思ったこの場所は、どうやら自分が元居た世界ではないのかもしれない。既に絶滅したはずの文化がこうして根付いているところを見ても。 それに、ミツボシの記憶には地上にあんな大きい桜の木はなかったはず。]
そりゃ、桜見たいって思ったけど…思ったけどさぁ…>>0:76
(…神様、今わの際の願いを叶えるスケールがデカすぎです。)
[最後の綿の一欠片を口の中へと運び、芯棒の竹串を近くのゴミ箱へと放る。 と、そのゴミ箱の傍には何やら食べ物を売る屋台があり。]
「……にゃァー!」>>85
[突如、店番らしき女性が悲鳴を上げながら着物を正す。 ビクリ、とその悲鳴にミツボシの身体も反応してしまう。]
え、ちょ、アレですか!これはまさか捨てちゃいけないものでしたか! 芯棒は流石に捨てるものと思ってましたが!ジャパンが世界に誇るモッタイナイ精神!?
[店番の女性が目の前で落ち込んでいるとも知らず、ミツボシは捨ててしまった芯棒を探そうとゴミ箱へと手を伸ばそうとしていた。]
(94) 2015/04/19(Sun) 20時半頃
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