118 津 村
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― 昨日 ―
[昼ごろ、関町に用があるとかで、妹が教室までやってきていたようだが、彼女らの細かい話は聞こえていない。 内容を聞いたのは、若しかすると帰宅してから。 もし、しまちゃんが倒れてしまったという心配事を、律が零していれば耳にしたろう。]
(0) 2013/04/13(Sat) 01時半頃
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風邪、はやってるんだなあ。
[名取は、どこかぼうっとした様子でぽつりと言って、ひとつ息ついて、律の顔を見た。]
律も気をつけろよ。
(1) 2013/04/13(Sat) 01時半頃
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[もしも粂鳥からメールがあったなら、家にいる間なら、その内容は律に画面をそのまま見せて伝えたろうし、学校に居たとしても、律へメールを転送しておくことは出来る。
隣のクラスで早退した者が出た事は、学校で聞いた。 勿論それも粂鳥だという事は知っている。 名取からも粂鳥へメールを送る。]
――――――――――――――――
From: fuuten_no_torasan@easyweb.ne.jp
―――――――――――――――― よいちんはお大事にな 飯くっていっぱい寝れ
返事はいい
END ――――――――――――――――
(2) 2013/04/13(Sat) 01時半頃
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― 昨日:なとり生花店 ―
[帰宅後、弁当箱を洗わねばと取り出して、その重みで、残したまま帰宅していたことを思い出した。 結局余りは家で食べる事となった。 ひんやりとして、硬くなった飯をもぐもぐやって、空にしてから洗って、流しのそばへ置いた。 少しなのに、圧倒的満腹感である。 むしろ、昼のを消化しきれているのかも、怪しい。 この調子では、夕飯は、あまり入らなさそうである。]
(5) 2013/04/13(Sat) 02時半頃
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[その夜、寝苦しくて目を覚ました。
鼻がつまっている。
はあと、熱い息をはいて、体を起す。
ふらふらと、ティッシュ箱に手を伸ばし、鼻をかんだ。
頭がゆれる。
若しかして。これは風邪気味というやつかもしれない。
そういえば、昨日も、一昨日も、鼻水と頭痛が何かと邪魔をしていて、困っている。
学校で流行っているから、貰ってきたとして、別段不思議はない。
空咳きを、こふ、こふ、と、何度かやって、あまりの体のだるさと、頭の重さに、もう一度布団に横になった。
うつぶせのまま、動く気がしない。
明日は部活がある。
部活ももうすぐ終わる。
グラウンド練習がせっかく出来る。
眠ろう。風邪は、眠れば治ると、相場が決まっている。]
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― 朝 ―
[夜中に寝苦しくて目を覚ましてしまったこともあり、今朝も起床は遅めだ。 冬眠中の熊のように丸まって眠っていたが、渋々布団を出る。 起きてすぐ、鼻をかみ、耳を痛めながら丸めてごみ箱へ捨てる。 ごみ箱は、気付けばティッシュで白くフカフカしていた。 粂鳥が花粉症でぼろぼろになってる様を連想する。 居間へ出て、家族の様子を見て、名取はきょとんとさせられた。]
律が風邪。
[娘が風邪を引いたからか、仕事をしに店へ出ないとならないからか、忙しそうにばたばたしている母親から、妹が、今日は学校を休むことを聞いた。]
(6) 2013/04/13(Sat) 03時頃
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[学校へ行く準備を寝起きのせいか気だるげに整えてから、家を出る前に律の部屋をノックし、顔を見せた。]
律? ……大丈夫か?
[あまり、大丈夫ではないように思う。 妹の様子を見て、兄は困ったような顔をした。]
かあさんが林檎もってといてって言ってたから。 ここ置くぞ。
父さんと母さん店にいる時は、何かあったら内線つかえ。
[塩水につかったウサギ耳つきの林檎と、電話の子機が差し入れである。 机の上に皿と子機を置いて、名取は部屋を出ていった。]
(7) 2013/04/13(Sat) 03時頃
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[本日、部活は、本当に珍しく、グラウンド練習である。 部活用のバッグを持ち、今日も単身自転車で登校し、時間はぎりぎり。 着席したのは、*担任の到着とほぼ同時だった。*]
(8) 2013/04/13(Sat) 03時頃
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[寒い。外が寒い。体がだるい。けれど、部活は、出たい。
階段を上った。腿に力が入らない。廊下をまっすぐ歩けていないような気がする。
頭痛が気になって、額に手を置く。よくあたたまった手と、よくあたたまった額をくっつけあったところで、体温は自分でわからない。
喉が痒く、ひりついて、頭は重い。
喉が、目が、かわいている。
教室に向かう前に買った「うぇーい!お茶」が、やけに手の平のなかで、ひんやりとしている。
教室に辿りつく。椅子が冷えている。体がばかみたいに重たい。
冷えた椅子が、じわじわと温くなっていくのを、尻や腿で感じる。
なにかもう一枚、羽織るものが欲しい。ジャージでは足りない。
クラスの者の私語と、出席をとる教師の名を呼ぶ声が、まじりあって、曖昧になっている。
*名取とよぶのだけは、聞き逃さないように、しないと。*]
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[息切れしながら椅子を引き、どっかりと座る。]
……ん?
[>>10関町の声がよく聞こえていなかったのか、一度聞き返し]
あぁ。 いや。間に合ったから寝坊じゃない。
[そこは譲らず、顔を横にふった。]
妹が風邪ひいて。 珍しがってたら、なんか遅れてしまった。
[担任に名前をよばれ、はい、と返事をしてから]
……なんか関町も、眠そう?だな。
[関町との軽いやり取りの内に、HRが終わる。 今日の午前の授業では、居眠りをしてしまった。]
(13) 2013/04/14(Sun) 11時頃
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[普段は内容はわからないなりに、授業中はせめて起きていようとするのだが、今日は体のだるさに任せて、大分眠ってしまった。
こんなに寝てばかりいるなら、いっそ遅刻でも何でもして、もう少し家で眠ってくればよかったかも、とも思う。
机が少し冷えて感じて、顔がくっつく分には少しきもちがいい。
すうすう寝息をたてて熟睡してしまった。]
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― 昼 ―
[午前中机で眠りすぎて寝違えたらしく、首をおさえながら、席をたった関町の顔を見上げた。彼女の腕の中には、ファイルやら紙が抱えられている。]
今年も部誌みたいの、あるんだな。
[前年の学園祭に置かれていた文芸部の小冊子は、部員の誰かにより、熱心にすすめられ、一冊頂いた。 もし関町も書いていたなら、それは読んでいるはずだ。 安達弘志の小説も読了済で、内容も記憶にある。 文学好きな人が書いた吸血鬼モノの耽美小説……といったような感じだったと記憶しているが、書いた張本人は斯様なうすっぺらい表現はして欲しがらないかもしれない。または名取五郎の読み方が浅い可能性もある。]
どんな風か、たのしみにしてよう。
(14) 2013/04/14(Sun) 12時頃
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― 昼 ―
買い出し、買うもん分かってるんなら、いってきてもいいぞ。
[と、*千彰へ顔を向けた。* その拍子に寝違えた首を痛めてうーんと唸った。]
(15) 2013/04/14(Sun) 12時頃
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