89 春の風邪村
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[朝のこと。
2人の家のちょうど真ん中で待ち合わせる。
誰のか解らない広い駐車場の端で待つこと数分。
待ち人の姿。]
うん。
私は平気だよ。
理伊奈はー?
[じぃぃ、と品定めするように幼馴染の顔色を窺う。
それから額に手をあてようと右手を伸ばす。]
[朝のこと。
平気だとかえってくるとほっとする。]
おーよかった
え 私?
うん
[うん。そこで言葉はとまる。
うかがわれるとへへっと誤魔化し笑いをしたけど、額にあてられた手を避ける事はしなかった。
ちょっと熱い。でも、ちょっと、の程度だ。]
へいきへいき
[一言付け加えた。]
[朝の出来事。
ぺと、と額に添えた手。
ちょっとだけ熱い、けど高熱ってほどではない。]
…、…。
[へいき、と言われれば]
いっつも私って、
こうやって更に心配かけてたのかな。
[大丈夫、と笑った後の理伊奈の顔を思い出した。]
…へんな感じ。
いつもと逆だ。
[ふふっ、と笑う。]
[双葉は悪気があるわけじゃない。
双葉は悪気があるわけじゃない。
どうせ、女の子らしい可愛い服とか!
似合わないし!
どうせ、可愛くなんてないし!
今なら双葉を一発くらい殴ってもいい気がしたけどたぶん気のせいなのでやめておいた。]
[そしてまた、朝の事。
手を当てられての沈黙。
じ、っとエリを見ていたけれど。]
えっいや別にそんな事
[更に心配、という言葉に言ってみたが、思い出すのは無理をするエリの姿だ。]
…なくもないかもしれない
なんだ、解ってもらえたなら今ちょっと体調悪いかいがあるねコレ
[ふふっと笑ったエリに、へへっと笑った。]
でも本当に私は大丈夫だよーエリ
あ、これむり ってなったらちゃんと言うわ うん
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―朝・自宅―
[昨日。 乙飼の家に見舞いに行き、指示された買い物とお土産を渡す。 乙飼の喉がやられていたことを安井は失念していた。そのため「レアチーズの方にすりゃよかったねえ」なんて話になったかもしれない。 殆どからかいに行ったようなもので、乙飼の体調を特別心配することもなく、仕舞いには「元気なさすぎて何かウケるわ」位は口にして帰ることとなる。
幼馴染二人を送って帰宅。父母が会社から帰宅後、遅めの夕飯があり、寝る前の2時間位は友人とだらだら電話。眠ったのは夜中の2時半くらいだった、と安井は記憶している。 寝坊をしたので、家を出るのは遅かった。 衣里亜や理伊奈と行く道で合流することもなく、いつも通りの道を無感動に登校することとなる。]
(14) 2012/05/06(Sun) 01時半頃
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―朝・校舎―
[朝の生徒玄関はざわついている。 見知った顔を見つけるたびに「おぁーす」位の不明瞭ではきはきしない挨拶を交わし、一言二言世間話めいたものをして、上履きを履いて2年5組の教室へ向かった。 廊下の端っこの窓に一瞥くれて、外眩しいなあなどの感想を思い、教室の戸を開けた。]
おざあーーーーーす。
[扉を開けると、奇人(だと安井は感じている)双葉のいつもながらの口上と、無闇に瞳をキラキラさせている幼馴染が見えた。]
(15) 2012/05/06(Sun) 02時頃
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[ 朝の事。続き。]
じゃあ、ちょっとだけ風邪に感謝?
あーー
いやいや、だめだめ。
…いいものじゃないよ。
風邪の後が、とくに。
[風邪を引いているときは治す事に専念していたが
治って学校にまた行こうとする日の気怠さと
せっかくついた体力の低下が酷いのだ。
正直、だるい。さぼりたい。
でも、――― 理伊奈が 待ってるから。
だから、また 行けたんだとおもう。]
うん。
無理して倒れでもしたら、怒るからね。
[双葉とこうして話をしてると…
ガールズトークだ。と思う。錯覚。]
[朝の続きの話。
ちょっとだけ感謝、という幼馴染に、また軽く笑ったけれど。
いいものじゃない、という言葉には、ううわあという顔をした。]
じゃあやっぱり絶対休みたくないわ私…
[休まなければ倦怠感などない気がするし。
エリの気持ちの支えになっていた事は知らない。
でもエリが休みの日は何となくやる気が減る程度には寂しかったから、早く学校おーいで、というメールを送ったりもしていた。エリには遠慮なんてしない。
よくある事だとわかってはいても、やっぱりそれはそれ、これはこれである。
無理して倒れたら困る、という言葉に眉を寄せて笑って。]
それこっちのせりふでもあるんだからねー
エリこそ具合悪くなったらすぐいってよ
[と、言った。
幸い時間通りだったのでそのまま学校へ向かう。カズマの姿は見えなかったので、寝坊かなー?と*笑いながら*]
[授業中、ちょっとまただるだるとした様子があった。
んー とか むー とか、小さなうめき声が時折後ろまで聞こえたかもしれない。]
はー
[つっぷして、ちょっとの間目を閉じたりする。
声をかけられて復活はしたけれど。]
[移動教室ではない限り、前の席が変わるわけもなく。
たまぁに、じぃ、っとその背中をみつめる。
いつもより肩が上下するのが多い気がして。
辛いのかなぁ、とか 心配する。
へんな声も聞こえてきたし。]
[うぐ。
わ 私のせいかなあ。
私のせいかもしれない。
狭い教室だし。]
[理伊奈のせいかな。
理伊奈のせいなのかな。
そりゃ、思うよね。
微妙な顔にもなってしまいます。]
[皆のために明日は 休む べきかなあ。
で でも
うう
もそもそと箸は動かしているけど、お弁当はあんまり減っていなかった。]
[でも、普通に授業は受けてたし
熱もそこまで出てなかったし。
ちゃんと寄り道しないで帰って
休むを繰り返したら
案外よくなるかも ?かも?]
[私に風邪がうつれば
反省して休むかも、とは
思ったけど…
それはちょっときついなぁ。
お互いに。
と思う。
幼馴染は悩みます。]
…、…。
[あんまり減ってないお弁当を見た。
じぃ、と少しだけ長く見た。箱の方を。]
[減っていないお弁当は、碧のコスプレを想像してきもかったから食欲が減った、とかではない。
視線がお弁当にきているのにハッと気付くと、ご飯をはむりとたべた。
お茶ものむ。]
……
[ぱたぱた手を振って笑うけど
ちゃんとご飯食べなさいよ。
と、眼だけは語っていただろう。]
[視線がくる。すごくくる。
うっ、とたじっとした表情を一度浮かべてから、お弁当に視線を落とした。]
…
[あぶらものはむり。って気分なんだけど。
からあげさんと目があった気がした。
話をしながら、手元でからあげをつっつく。]
記者 イアンは、メモを貼った。
2012/05/06(Sun) 23時半頃
[強い視線で見られた。
そのままそっとお弁当箱を閉じようとしていたのがばれているみたいじゃないか。
仕方がないので食べ進める。
味がしない気しかしない。]
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―朝の2-5教室―
[返ってきた朝の挨拶には>>21、>>23]
オレはエリが貰って帰ってるんじゃねって思ってたけど。
[理伊奈も衣里亜も元気そうだ。]
なに。双葉の恋話? つうか双葉は家でも変な格好してんの?
[世の中広くて深いなと、昨日同様考えさせられることになった。]
(111) 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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―ホームルーム―
[チャイムが鳴っても後ろの席に、暑苦しい感じの筋肉達磨(のようなものだと安井は思っている)である碧は現れず、ホームルームが始まった。 担任である仁句屋曰く、碧と麦穂は休みだそうだ。 昨日のあの様子では仕方あるまいが、乙飼も休み。乙飼よろしく碧も寝込んでいるのだろうかと思うと、あまりに似合わなくてどことなく面白かった。
担任にこめかみを拳骨で押されているいつもの赤堀の光景を眺めて、ホームルームは終わり、午前の授業が始まる。 安井にとってはひどく退屈で、授業は起きているとやたらと長く感じられた。 それも終わり、昼休みとなる。]
(112) 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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―昼休み―
[教室内で交わされる話が、碧に何を着せると気持ち悪いかの話題から双葉の好きな女の子の話題に切りかわったところだ。 まざらない理由がない。 ひとつ席をずれて、碧の席に居座ることにして、]
いやいや、朝きけなかったから聞くんじゃん? ヒントヒント!
[と、衣里亜に乗っかることにした。]
(116) 2012/05/06(Sun) 23時半頃
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イアンは、乗っかっておいてなんだが双葉の反応に、エッと視線を向けた。 エリのようすをうかがう。
2012/05/07(Mon) 00時頃
[視線を感じる。
超感じる。
まさか、
まさか、
こんな展開は 予想外だ。]
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―昼休み―
えっ。 女装趣味の変態のところはガチじゃねえ?
[なぜ衣里亜が「そこまでは思わない」と否定しているのかがちょっと分からないなという顔で思わず本音を零しつつ 衣里亜の反応にはひどく満足がいった様子でにやにやとしている。]
(124) 2012/05/07(Mon) 00時頃
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