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――……ピーターに。オセローね!宜しくですの!
[
ただ、お館様の書斎にアンティーク代わりに置かれていたオセロ盤で、何度か爺と暇つぶしに遊んだ程度だ。
四隅だけは取れるのに、何故か負けてしまうという謎の才能を発揮していた。]
お爺様…じゃなくって…――オセロー、
[呼びなれた名前も、この秘密の囁きでは【オセロー】とコードネームで呼び合う事にした。お嬢様自身がそう決めたルールなのだから。]
ピーターは洞窟の奥に住んでいる、すっごく大きな龍らしいわ!
知ってた?!こんな田舎のどこに住んでいたのかしら?!
[
お嬢様としては単純に、…そう。それこそいつもの調子で。
いつも自分の話を優しく聞いてくれるお爺様に、報告しているだけの、それだけの行為だったのだけれども。]
【人】 小悪党 ドナルド―回想>>1:28チャールズ― (36) 2013/11/20(Wed) 15時半頃 |
【人】 小悪党 ドナルド―回想・続>>1:29 チャールズ― (37) 2013/11/20(Wed) 16時頃 |
【人】 小悪党 ドナルド―回想>>1:32 クシャミ― (38) 2013/11/20(Wed) 16時頃 |
【人】 小悪党 ドナルド―回想>>1:70 サイラス― (39) 2013/11/20(Wed) 16時半頃 |
[自慢げにオセローに自分のことを報告し始めたチェシャ
(ひいぃ、もうやめてくれよ)
[耳まで真っ赤になるほど恥ずかしかった。
よりにもよって、あの老龍に対してキャッキャとピーターの凄さを報告するとは。
……チェシャ、恐ろしい子]
ご老体。笑っておるだろう。
[やっとのことで捻りだした言葉には、威厳もへったくれもなくて]
チェシャ、我のことはあまりやたらと口外するでないぞ。
我は隠居の身。あまり世間にその正体を知られてはならぬ。
[などと適当なことを言いつつ、なんとか話題を逸らそうとする]
……そうなの?……そっかー、……そうね。
もしピーターの事がお父様にばれたらきっと、血相を変えて狩りに出かけるかもしれませんわね!
……返り討ちにされそうですけれど。
[
ピーターにとっては烏合の衆だろう。
マシュマロのように、ぽいぽいっと次々に羊が口の中に吸い込まれていくのを想像する。ぶるぶる。羊がまるでゴミのようだ。
恐ろしくなってきたので話題を変えようか。]
ピーターやオセローはどうしてこの村に来たの?
それとも、昔からずっとこの村で暮らしているのかしら。
[季節が穏やかで、料理と空気が美味しい事くらいしか取り柄がないこの村。
もっと街中に行けば、華やかな劇場や美術館や露店だって沢山ある。尤も、お嬢様自身も数える位しか連れて行ってもらったことはないが。
時折、お父様に連れて行かれる城下町は、キラキラと輝いていて。
いつか一人前のレディになったら、そういう世界で華々しく踊りたいものだ――…
そんな憧れを胸にして、二人に問う。こんな片田舎のどこが良いのだろうか。]
[
枯れ木のごとき肉体と、木枯らしのような魔力。
そんな己の魅力など疾うに尽きている。龍族のもつ華々しいイメージは、幼い(――老龍から見れば、だが。)彼に譲ることにした。]
ほう。それはすごいですな。
龍族は強い生命力故に、多くが強い魔力を持ち、
悠久の時を過ごしていると聞きます。
さぞやピーターは威厳ある龍族なのでしょうな…
[もっとも、格式や序列を重んずるカル…否、ピーターのことを考えると、あまりチェシャの言葉に乗るものよろしくない。
勿論、ピーターが苦々しく口にした言葉(
否、何を笑うことがある。
チェシャ嬢から、『自慢の友人』に関するお話を聞いていただけだよ。
[結局、茶化し半分誤魔化し半分の返事を返すのだった。]
凄いですわね!そんな龍がこの村にいたなんて!
そんな凄い龍とメーがお話しているなんてっ。流石、メーね!
[
まさか、そのオセローまでもが龍だとはお嬢様は露も知らない。]
それだけ強い魔力をお持ちなら……魔法とかももちろん使えるのかしら?
例えば、……
メーをお姫様にするとか!
カボチャを馬車にしたり。ネズミを馬に変えたり。
[ガラスの靴は履けないので飲み込んだ。それにしてもお嬢様は龍を何だと考えているのだろうか。]
【人】 小悪党 ドナルド―教会>>69― (75) 2013/11/21(Thu) 01時頃 |
【人】 小悪党 ドナルド[子羊のお嬢様と何らかの言葉を交わしたろうか。 (78) 2013/11/21(Thu) 01時頃 |
【人】 小悪党 ドナルド―工房― (79) 2013/11/21(Thu) 01時頃 |
[
しかしながら、龍は魔法使いではない。
人間の中には魔力を持って術の行使を可能とするものもいるが…おとぎ話のような芸当は不可能だろう。]
チェシャ嬢、その物語の主人公は『灰かぶり』の名を持つ娘。
お嬢さんに灰をかぶらせるわけにはいきませんな。はっはっ。
[しかし、ピーターが本当にそんなことを(魔力ではなく労力をはらって)できたら、さぞチェシャは喜ぶだろうな、などと考えてみたりするのだった。]
……むっ。そうね……
灰は被りたくありませんけれど…でもお姫様にはなりたくってよ!
[
女の子らしい欲望そのままを口にした。
誰も居ない広場で、唇を一人尖らせた。]
オセローも若返る事が出来るよう、ピーターにお願いしてはいかがかしら?
[尤も、悠久の時を生きた者にとって若返る事が必ずしも幸せとは限らないのだけれども。そんな事情はチェシャには解らない。]
[―――若返り。
かつては、それを望んだこともあった。
その渇望さえも、今や風化して記憶の砂に埋もれてしまっている。]
はっはっは。いいですな。若返り。
ですが、私はチェシャ嬢とお話できるだけで、
まるで己が若返ったかのように感じるのですよ。
それだけで―――既に魔法みたいなものです。
[そう、いつの時代にも芽吹いて間もない命がある。
それを見守って、長い時を過ごしてきた。]
ピーター殿、どうですかな。
私を一つ若返らせてはくれませんか。
[オセローは、冗談の一つでもこぼしてみたり。]
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