人狼議事


231 獣ノ國 - under the ground -

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視点:



[ ぐい、と。男はイヤホンに繋いでいるマイクを伸ばし口元に当てがった。 ]

聞こえております。確認済み。
いやはや、脱走なんて……、

…―――いや、秘密棟の彼女は、不安ではありますが。


【人】 鉱滓皇帝 モスキート

――回想・第1棟広間――

[ そういえば、以前にも彼から“それ”の匂いを嗅いだことがあったかもしれない、と。マトモな頭で顔を覗き込む。
 幾度か施設内で見知った顔だ、と思い返しつつ、やはり名前は記憶から引っ張り出せないまま。]

  ……よくいるし俺、じっさい。

[ >>0:161イメージ、と形容されればマスクを揺らし頷いた。サイズの大きく固定されていない面体がずり、とズレるのを直す。その間に彼がサメと自身の生態の相違に思いを過らせていることなど、露にも想像しなかった。

 他にどこにいけっていうんだろう、とひねた皮肉じみる感想は喉奥に押し込みながら。
 ――彼だけの力で管理下に置かれているなんて思う訳もなかった。勿論、“実験”のアマル先生だって同様に。

それでも「管理者の先生」をマスクの下、見つめ返しては。同時に浮かぶ疑問を、そのまま面体の奥から小さく溢す。]

(3) 2015/07/10(Fri) 03時頃

【人】 鉱滓皇帝 モスキート



  …、どうして先生はここにいるの?


[ 本当の“うみ”も、においのする花だって幾らでも見られるんだろうに。と、白い壁を回し覗いた。くぐもった声はもとより、届かなかったかもしれない。聞き返されでもしなければ、何度も問うつもりもなかった。

 ――本当のうみを、彼は、管理者たちは見た事があるのだろうか。

 うみを、本当のひかりを見たら、ここでの暮らしに自分は耐えられるんだろうか。

 勿論仕事だといわれれば頷くしかない。管理者は自由に外へ出入りできることも解っている。ただ包帯に浮かぶ血を見ながら、――先ほど、滲む程握りしめられた掌を思い返す。それにどんな意味があるかなんて、自分の考え及ぶところでもなかったが。

 警告か忠告か知れないそれ>>0:162を受けつつ、別に好きで傷つけてるんじゃない、と。八つ当たりじみた感情を逃がすよう、踏みつけた血をグリと数度、躙った*]

(4) 2015/07/10(Fri) 03時頃

[今日も今日を守るんだよ。
 そんな言葉に、彼は小さく息を吐いて笑う。]

  ――聞こえたよ。

  あゝ、そうだね。
  きちんとお仕事に励むことにするさ。

[今は見回り、と小さく伝達して、
 彼はぼんやりと前をむいた。]



! from:kame >>

Test. test.

聞こえるかな。僕のこえ。
獣にしか聞こえない、秘密のおハナシ。秘密の声。

管理人に怪我させられた人は、居ないかい?


[ひみつの声、が、聞こえてくる]

注射を突き立てられたというのは、“怪我させられた”に入るのかしらね。

[ジリヤを見やって呟くのは、独り言のようなそんな言葉。
背中の傷は……どうだろう。あの女医は遠因とはいえ、凶器となったのはジリヤ自身の髪だ。そのことまでカウントするのはさすがに少し違う気がする]

――――……ああ、でも。
私たちは、日々、あの人間たちに、心に傷を負わされて、いるのかしら。


【人】 鉱滓皇帝 モスキート

 ――第1棟広間――

[ 大理石に伸びた血へ、マスク越しに視線を落とす。いくどか子供じみた八つ当たりに形を崩したひとの血は、少量であれやはり微かに、におった。分厚い合成繊維の中、ひととも獣ともよらない中等半端な身を1つ震わせる。

    さかなはうみでおよぐもの。

 とりがやまへとぶように。
 ここへ訪れるさなか、見かけた茶色の羽を過らせる。冷たい床を舐めそうなほどに大きなそれは、人工光の落ちる中におよそ不釣り合いにも、映っていた。“愚か”と、すれ違う間際>>0:114、庭園へと落ちた言葉の奥は、表情の浮かばない目に読むことはできなかったけれど。

 ……そういえば、うたう彼の背には、にたそれはなかった、と。度々届く歌声の主を思い浮かべつつ。

 外界からシャットアウトしてくれるハズの、役にも立たない硬い面体を撫でる。今日も吸収弁は“正常”に動作してるんだろう。ここにも、朝と夜が毎日決まって訪れるのと同じに。
――たとえ、と。その先はあまいにおいののぼるままに、思考すら掻き消える。]

(28) 2015/07/10(Fri) 13時半頃

【人】 鉱滓皇帝 モスキート


……あ、

[ 決まりきった動作で、替えの吸収缶をマスクにすげ付けながら。羽織ったパーカーの奥を探っては声を落とす。

 濾過の有効時間を過ぎた缶が手袋越しに触れるのみであれば、面体の中で舌を打つ。役には立たないとは思ったものの、外気に晒されるままより気休め程度にはなる。また、“ほかのにおい”になるべく触れない方が、ココではこまったことにはならない。


 ――これじゃあやはり余計に、ひとなんかといられない。


 替えの吸収缶はいつもと同じに支給されるのだろうが。今日に貰いに行った方がいいのかもしれない、と鬱とした気持ちを携えては。

硝子戸の前に見かけた、にた形の“口”を持つ姿>>0:160を記憶の端に浮かばせる。
……彼がもし“同じ”なら、管理者には内密に貸してくれることなんてないだろうか、と。

――背を向ける直前、庭園へのばされた手の先を思いながら。
同じよう触れたなら、このあまったるいにおいも一瞬は忘れられるのかもしれない。たとえにおわない、つくりものの花でも。*]

(29) 2015/07/10(Fri) 14時頃

【人】 鉱滓皇帝 モスキート

――第1棟・広間→――

[ さかなはうみでおよぐもの。
 鳥がうたってやまへとぶのと同じに。
……ならひとは、と。思考は吸収缶をすり抜け、あまいにおいが鼻腔を通るうち失せていく。

 ――そうして訪れる人影>>16に、祈りを映すことすらない面体の奥をひくり、とさせた。長髪を下ろす彼の名は知っている。自ら、いくどか傷つけたことすらあったかもしれない。

 外皮の鱗は下――足先から上へと、なで上げられれば柔い皮膚には血がにじむ。
 においに錯乱すれば同胞にすら、とかちりと歯を立てては、くつわじみた面体に触れかかりつつ。

 衣服に覆われてはいるものの。仮にも管理者なら理解してない訳もないだろう、と1つ、寄せられる歩に後退る。]

 ……ヴェスパタイン、先生。

[ いのりも“みちびき”もままならないだろう地下で。におわない花を見る様に、胸元の十字架を眺めながら。
 名を呼びつつ、足下の血をグリ、と一層隠しにじる。
――何か用か、と短く投げては、いくつか交わす話もあったろうか。やがてプールへと足を進めれば、スータンの裾を見つめ。

 “そのカッコじゃ、先生はおよげないだろうけど”と、小さく揶揄いを投げることすら。]

(30) 2015/07/10(Fri) 14時頃

[…よくわからないが、声が聞こえる。そして、その聞き方も、発し方も、何故か、わかる。それが猿共に聞こえない事も]

入るだろ。まだ頭クラクラすっしよ…他人に薬の入った注射器振り回せるってイカレてるぜ。

[鎮静剤の効果はだいぶ抜けてきたが、それでも気持ち悪さは残る。何か不都合があるわけではないが、ただひたすらに苛立つ]

あいつら、アタシらを見下してるからな。イカレ女医はその筆頭だ。この境遇を憐れンでらっしゃるニンゲンの皆様も、地下勤務のお辛さを自分より憐れな生き物を見てご自分のお心をお慰めになってるだけだよ。

[猿共はみんな敵だ。この施設に閉じ込めるような奴が友好的なはずがない。自分のような者はともかく、生まれた時から、なんてのは、ケモノである事が罪だと言ってるようなものだ。腹立たしい]


鉱滓皇帝 モスキートは、メモを貼った。

2015/07/10(Fri) 14時頃


鉱滓皇帝 モスキートは、メモを貼った。

2015/07/10(Fri) 14時頃


一人で歩けるの?
痩せ我慢しないで、支えが欲しいなら言うといいわ。

[私は気が利かないから。言われないとわからない。
くらくらするというジリヤにそう返しながら、求められない限り自発的に手を貸そうとはしない。
人と関わりを持つのがあまり好きではない私にとって、一緒に大浴場に行くというだけで十分すぎるくらい非日常なのだし]

そこまで決め付けなくても、いいんじゃないかしら。

[続く言葉には少し目を細めた。笑っているように見えなくもないかもしれない]

だって、あの人たち、私たちのことを全然わかっていないのだもの。

[“なおす”という発想が出てくるくらい、わかっていないのだもの]

同じくらい、私たちだって、あの人たちのことわかっていないのだと思うわ。

[特にわかりたいとも思わないけれど。
人間が何を考えているか。そんなことに、私の知識欲は刺激されない]


歩けるよ。気持ち悪いだけだ。色々やってる間に抜けてきたみたいだ。

[薬に身体が慣れている、というのもあるのだろう。すでに薬の効能は気持ち悪さを与えるのみになっていた。鎮静剤の投与回数は、この施設でも確実に上位だ。]

…そうだな。分かりたくもねぇけどよ。

[確かに、あいつらのことを理解しよう、なんて、思ったことはなかった。だが、こんな仕打ちをしてくる連中のことを、理解しようとは思わない。なんでこっちから歩み寄ってやらねばならないのか]


[いつものように交わされる、管理人同士の会話。
聞こえてくるヴェスパタインの声に、眉を寄せた]

 その、秘密棟の彼女だけれど。
 今は秘密棟にいないわ。抜け出したみたい。

 ……どこかの誰かさんのせいで、ね。

[マイクに向かって、少し意地悪に言ってみせるだろうか]

 怪我には気を付けて。
 なにかあったら、私のところへ。

[先程と声音を変えて、柔らかな口調で言葉を紡ぐ。
何事もなければ、それにこしたことはないけれど]


耐性ができてきているのかしら。
そうして薬が効かなくなったら、あの人、あなたにどうするのかしらね。

[薬の効果が切れてくるのが、随分早い気がする。自分だったら昏倒してしまって当分目が覚めないんじゃないかと思う。
さらに強い薬を投与する? そして、その薬が効かなくなったら、次は?
……よそう。あまり楽しい想像にはなりそうにない]

そうね。別にわかりたいとは思わないわ。
それくら相容れないものなのに、どうしてあの人、私たちを人間にしようと思うのかしら。

[続く言葉に同意して、首を傾げた。
もしも薬が完成して、見た目が人間になったとしても、きっと私は人間ではないと思うのに。
見た目ではなく、心がきっと違うのに]

見た目は“なおす”ことができたとしても。
きっと心までは、変えられないわ。


道具に頼れなくなったら、あのイカレ女医は終わりだな。その時はじっくり八つ裂きにしてやンよ。

[強い薬に変えられていくのは目に見えているが、効かなくなってくれば、チャンスはあるはずだ。今回だって、髪がカスッただけで狼狽していた。もしも、あの鎮静剤の効き目にもっと耐性が出来てきたら、とても愉快なことになっていただろうと考えてにぃと笑う]

さぁ、猿共の考える事はわかンねーよ。どうせくだらねー支配欲とか、そのあたりだろ?なんの欲求があるか知ンねーが、迷惑な話だよ

[ニンゲンにどんな目的があっても関係ない。あいつらの欲求なんて一ミリたりとも満たしてやりたくない]

…言えてるな

[最後の言葉には同意を返す]


 言っておくけど僕は関係無いってハナシ


[ずっと聞こえていた会話に黙っていたのは心当たりがあるから、との事で
申し訳無いとも思いながら、自分が悪い事したとも思っていない…つもりだ]


 言われなくても怪我には気を付けてるつもり
 …ただ気を付けてるだけだけど


[実際に負傷した所を見れば“気を付けている”が“注意していない”ようで、その怪我は絶えない
けれど他二人の管理人はそうでないのかもしれなくて]


 怪我はしないのが一番
 見付けたら教えてほしいってハナシ


[少しくらいは責任を感じてから、マイクを切った**]


[物騒な言葉に、少し眉が下がった。
そこまでジリヤが手のつけられない危険性を示せば、それこそ殺されてしまいかねない、と思う。
けれど多分、それもジリヤの望むところなのだろう。
ジリヤは、自由に執着しているのであって、生には執着していないように見えたから]

見た目が一緒なら同じになれると考えているのかしら。
だとしたら……随分、御目出度いわよね。

[わからない。それは確かにジリヤの言うとおりで。
わかりたくもない。それもジリヤと同意したことで。
けれど、理解の出来ないその思惑に巻き込まれるのはたまらない、と溜息を吐いた**]


[ 秘密のおハナシ、と届く声にマスクごと、首を傾げる。――やがてちらつく2つの音程に、同様に耳を向けた。

 どうやら離れた位置にいるようだ。まるで文字で読む“かいちゅう”みたいだな、と何と無しに息を殺しつつ。
 針鼠が注射を打ち込まれた、と知れば、覚えのある痛みを思い、顔を顰めた。かといって余計な口をきくつもりもなく、押し黙るまま。――そういえば、彼女は外からきたのだったか。

 ほんものを知っているなら。と、羨望ににる熱はあまい臭気に潰される。うみ、と心中で反芻しながら。外を知る針鼠の彼女は、ココを出たならまずどこへ向かうのだろう。]

  ――……、人間に?

[ 続いた梟の声には、思わずくぐもった声をあげた。アマル先生の“実験”は聞き及んでいたものの、目的までは知り漏らしていた。
 それが本当なら、何のために為すのだろう。共存姿勢? 針鼠のいうように支配欲だろうか、それとも。

 いずれにしろ、奇特な話だと思う。興味のまま、己の言葉が届くなら。その実験はどこで行われているのか、と声を投げただろう。受けた経験のある者がいるなら、興味深げに話を聞き出そうとも。]


さぁてな。そんなに見た目が同じになりたいのなら、あいつらが羽生やしたり、鱗生やしたりしたらいいのによ。あいつら自分はいじらないでこっちをいじってくるンだから、堪ったもンじゃねぇぜ。

[後天性のケモノなんていくらでもいるのだから、その方がずっと楽だろ、とすら思うぐらいで。短絡的に考えれば、嫌がらせをして楽しんでる、としか思えない]


鉱滓皇帝 モスキートは、メモを貼った。

2015/07/10(Fri) 16時半頃


どこで、だぁ?
[突然入ってきた声に反応する。あの場所は他言無用、と入れられるときにいわれたが、要するにそれは針鼠にとって『いいふらせ』と同義てまある]

庭園の奥、猿共がビビって相手出来ない連中を閉じ込める檻でやってンだよ。他でもやってるらしいがな。あっちじゃ他とは違うイカレ女医が見えるぜ。
[秘密棟での女医は別人だ。大脱走なんかあったら、真っ先に殺されるのが目に見えるくらいには]


だって、あの人は私たちを“なおそう”としているんでしょう?
あの人にとって、人間が正常で、私たちは異常。
それなら、異常な方を正常な方に合わせようと思うのは、仕方ないことだわ。

[ジリヤの言葉にはそう返す。私が理解できないのは、そこじゃない。どうして人間が正常で、私たちが異常と判断されるのか、ということだ。数の暴力としか思えない。
そして勝手に異常と判断して、勝手に“なおそう”とするのは余計なお世話だということだ]

どこで……。

[新たな声の質問に、ふと、そういえば知らない、と考えた。
だって私は、そんな実験とやらに興味はないし、縁もなかった。だから実験とやらが行われている場所にも興味がなかったのだけれど]


庭園の奥に、そんな場所が。

[ジリヤの回答に思わず呟く。
私にとって、第二棟の終点は第二図書館で、まさか庭より奥に別の施設があるなんて、思ってもみなかったから]

ジリヤ、時々姿が見えないと思っていたけれど、もしかして、そこにいたの?

[そもそも、私は普段はこんな時間には起きていない。他の人たちとは活動時間の違う夜行性。その上、人と関わるのがあまり好きじゃない。
私のそんな生態ゆえに姿を見かけないのだとばかり思っていたけれど、それだけではなかったのかもしれない。
そうだ、そもそも、ジリヤは人間と面と向かっていがみ合っている分、目立つはずなのだ]


あー、そりゃそーか。傲慢な猿共だ

[言われてみれば、確かにそうだ。そう信じていたら異常に正常を近づけるわけがない。]

あぁ、結構な間な。要するに独房だよ。猿共の手に負えない獣を入れておくな。基本一人で過ごさせられる。飯のときもな。設備もひどい。…錆び臭くないシャワーを浴びたのは久しぶりだよ。
檻に閉じ込めてなんとか安心しようとしてンだよ。ンで、好き放題だ。イカレ女医、暴れても怪しげな薬投与して来やがる。
[秘密棟で悲鳴が聞こえる時は、大体女医が実験をやっている。壁がボロいから近くの部屋でやってるなら女医の声も微かに聞こえるのだ]


独房。

[ジリヤの言葉を反芻する。
考えてみれば、物騒な実験をやっているのだ。物騒な場所があってもおかしくはなかった。
けれど、その存在を予想するのと、実際にあると確認するのでは、やっぱり受ける衝撃は違うらしい。
暴れても怪しい薬を投与されて。それでもジリヤは暴れ続けるのだろう。抗い続けるのだろう]

ジリヤは、強いわ。

[愚かだとは思う。けれど、自分にはない強さがあることも間違いないと思う]

私、ここを出られるとは思っていないの。
だけど、もしここから出られる獣がいるとすれば、それはジリヤのように抗い続ける人なんだと思うわ。


…強くねーよ。従うより抗うほうが楽ってだけだ。アタシには

[自由への執着、それで立っているから、だから、従うなんて、ありえない。抗う他に道がない、という事も、あるのだ。あの反抗には]

…アタシも出れねーとは思うけどよ。諦めねーよ。諦めねー自由だけは、持ち続けるんだ。アタシは

[外に出たい、自由を得たい。それに向かって抗い続けるのが、抗う事自体が、彼女の「生」を、形作っている]


[ ざわ。ざわ。耳に届く「飼われる側」の声に、僕はすぅと息を吐いた。
口元の機械を通して、混ざった音が外に流れる。

実験を知らない、場所を知らない獣人
実験そのものをされる獣人

実験自体、僕は口うるさくするつもりはなかった。獣から人へ。また、獣から人へ。―――なれるなら、それで良いじゃないか 。
だって、そうしたら古の――鶴が紡いだ物語の、終止符も。きっと打たれる事は――― ]

………?

[ 僕は首を傾げた。 ごちりと機械の端が、マイクに当たって音が弾けた。

むかしむかしの物語…って、なんだっけ。

『「 異物 」を処理することが無ければ、良いんだよ。』――と、 誰かは言っていた ?

こきりと僕の首が鳴いた。…最近、運動不足かなあ。 湿った肌を撫でると、少しだけかさついた。
ノイズの混じる思考はキライだ。ふるりと首を振る。]


こわいなあ………。

[ 僕は何も知らないふりして、態とらしく声を出した。 まるで抑揚も見えない声だった。
…耳の奥でざわざわと、先程鸚哥の弟と話したときに、凪いだ幻聴の一端が聴こえた気がした 。

その雑音をも振り払って、僕は運動した後に図書館にでも行こうと思った。 僕の知らない、いや知ってた気もする、物語。 クエスチョン。]


―――ここから出られたら、どうするの?


[ 直近、聞こえた声色に。 僕は何気なく問うた。僕の声が 聞こえたかどうかは、わからない。

お外の世界。 ひろいひろい、箱舟なんて目じゃない、遠い世界。

漆黒に塗られた、永久に続く宙のキャンパス。
流れるきらめきは、遠い星の欠片?
手元の水面に映る月に、この身を投げた、―――むかしのきおく。

ぎりり、いつの間にか握り締めていた手のひらに、爪の後が微かに残っていた。 ]**


[抗う方が、楽。そのジリヤの言葉は、すとんと私の胸に落ちてきた]

……ああ、そうなのね。

[私は、知識を求めている。第二図書室で本を読むことを求めている。
それが私の優先順位の第一であるように、ジリヤは抗うことを求めているのだろう]

ジリヤには、諦めないでいてほしいと思うわ。

[その姿を愚かだと思いながら、それでも。
折れてしまうジリヤは、見たくないと思った]


ここから出られたら……?

[誰かから投げかけられた質問に、考える。
聞き慣れない声だった。私はここに10年いるのに、聞き慣れない声だった。
けれど私は、ついさっきまで独房の存在も、知らなかったのだ。
知らない誰かがいたとしても、多分不思議なことではないのだ]

……わからないわ。私は外の世界を覚えていないから。
でも……そうね。思い切り空を飛んでみたいとは、思うわ。

[大きすぎる私の翼で。本物を知らない、夜の、空を]


【人】 鉱滓皇帝 モスキート

――回想/第1棟・広間――

    ……さみしいって顔じゃないな。

[ 形容する言葉とはほど遠く、見据えられる表情に短く落とした。
 隙、狭められる距離には体を硬くしたまま。――屈みこまれる首もと、薄い皮膚をマスクごしに映せば喉奥がひく、と鳴る。ひとのにおい。

 覗き込まれる視線に、反射材入りのレンズ越し目を合わせては。間近であれば、融合した獣――鮫らしい黒目がちの瞳が、寸暇男のそれとかち合ったかもしれない。食欲に滲むそこを隠す気もなかったが、挑発するような仕草にはただ、耐えるように眇め見つつ。]

   ヴェス、……パタイン。そこ危ない、

[ “センセイ”は先ほどの名残と、また気まずさから距離を取るように付けていたものの。慣れない、といわれれば素直に呼び捨てに切換え、警告じみて余裕なく声を落とす。

 長い施設暮らしの間――といっても、自分にとってはココが”せかいのぜんぶ”だったが――良く言葉を交わした男とは、多少気を許す仲だったろうか。
 ただその体に幾度と、錯乱した己がしたことを忘れたわけでもなく。分かってるだろう、とわざと手袋をズラし脱いで、生身の掌を晒した。]

(108) 2015/07/11(Sat) 00時頃

【人】 鉱滓皇帝 モスキート



  ……ひとおよぎ。

[ 勿論単に脅しであれば、目の前に翳すのみに留め下し、手袋を嵌め直した。あごをプールの方向へく、と向け、不親切ともとれる端的な語を投げる。]

  ――、…どうして、そんなカッコしてる。ここで、

[ ひとつ、緩く視線を見上げる顔へと擡げては、伸ばされる十字架模様に小さくくぐもって落とす。生まれてこのかた施設で生きていれば、“神”なんて概念すら持つ事もなく。当然いのりすらささげたこともなかった。また、スータンの似合う教会も、施設内には知る限り見当たらない。

――天すらマトモに見えないつくりもののココで、ひとの信仰の象徴を身につける事に、奇妙さすら感じえながら。]

  ……、

[ 誇らしげな顔に鼻を鳴らし、泳げないんじゃないのかと薄い笑声すら漏らした。]

(109) 2015/07/11(Sat) 00時頃

【人】 鉱滓皇帝 モスキート

――第1棟広間→プール――

[ 間を置いて、あるく、と反芻しては、“そとを?”と興味じみた色を漏らす。管理下に置かれたココでは、禁止されている話題だろうとは咄嗟に考えも及ばないまま。

ほんもののひかりを、うみを、彼の目の奥に覗き込むように、今度は自らと顔を寄せる。
 ……やがてはたと気付き体を離しては、ごまかすようにプール方向へと足を滑らせつつ。


 ――ふら、とその背が廊下の喧噪に消えるのを見れば、ひと気とついでに血の気の多そうなそこに、自らは足を背けただろう。まざって錯乱でも起こせば、余計事を荒立てるのは分かり切っている。

 長い髪の揺れる背姿に、気をつけて、と決まりじみた言葉を投げつつ。*]

(112) 2015/07/11(Sat) 00時頃

【人】 鉱滓皇帝 モスキート

――→プール入り口――

[ およぐ必要がない。――歩けるから。

 とりはやまへとんで、さかなはうみへおよいで。
 ひとは歩くなら。

 ――それなら結局、やはりどうしても、隔たってしまうままなんだろうか、と硬い靴先へ視線を落としながら。その方がいいのかもしれない、と“困った事”を思い返し、先ほど覗いた薄い皮膚を思う。

 男の消えた廊下の喧噪、さけびごえ。えものが暴れるのににた不規則な音。――ちらと見えたなか、確か昼間に出会った管理者の姿もあったろうか。……怪我にきをつけて、と掛けられた最後を、今度は心中で返しつつ。

 やがて喧噪に、行く先につん、とかおるにおい>>84に。
 ひくりと硬い面体の下で動物めいて鼻を動かしつつ。

 ――領分を弁えてしまえば、きっと自分もニンゲンも楽になるんじゃないか。“うみ”にいて罰せられるさかなは文字の中に見た事もない。それに、とあまいにおいの届き切らない頭の隅で声がする。おれには、ひとも、…ほかすら、


 ――だってどうしても、おいしそうなんだ。]

(115) 2015/07/11(Sat) 00時頃

…………かあさま。

[夢見る私が零した寝言。
きっと目を覚ませば、忘れてしまう]


― 寸刻 ―

[ ――― ”ぼくら”の声が聞こえる。

 ヒトという生き物に諦めを抱く梟に
 僕よりも強く激しく外と自由を希う針鼠

 呼吸器で覆われた鮫の声を聞いた時は
 普段聞くより幾許か 鮮明に聞こえて
 彼の難儀な重装備ぶりを思い出す。

 ……それまでは、よかったのだけれど。

 ”彼”の声に 僕は押し黙る。 

 ( だって そいつは )

 どうしても 脳裏にちらつかされた「鍵」が過って
 ジリヤに「鍵」の話なぞをしたらと考えたら
 ふるりとひとつ 背筋が震えた。 ]



  ……そとを飛ぶきみは
    きっととても綺麗だと おもう。

    見たいな そんな日が来たのなら。


[ 暖かな月夜も 冷たい雨の夜も 
 僕はどちらも知っているけれど
 きっと彼女が飛ぶ空は 星に包まれている。

 繰り返すことも
 喉を詰まらす事もなく出た想いの言葉は、
 誰に聞かせるでもなく、零れた。*]
 


[本物の空は、青いのだという。
本物の夜空は、月が光り、星が瞬くのだという。
空から雨という水の雫が降ることもあるのだという。
どれも私は知らない。知らないけれど]

……ありがとう。

[フィリップが翼を羨んでいることは知っている
色を持たない私が、夜を飛んでも、きっと闇に溶けてしまうだけだと思うのに、フィリップはきっと綺麗だと言ってくれる
モノクロの私より、フィリップの方がよほど綺麗だと思うのに]

そんな日が来たら、いいと思うわ。

[来るとは思っていない。けれど、来たらいいと思う。
外の世界に出て、私が夜の空を飛ぶ日。
そんな日が来たら、フィリップに見せてあげよう。
そう、それに……]


私の翼は大きいから。
一人くらいなら、連れて飛べるかもしれないわね。

[空に憧れているフィリップを連れて、飛ぶことだって、できるのかもしれない。
もしも、そんな日が来るのなら]


【人】 鉱滓皇帝 モスキート

――プール――

   ……、あ、

[ >>84プールの入り口に立つ背を見つければ、ひたりと靴底で床を踏み進む。見覚えがあると思ったら、昼間に見た“口仲間”のようだった。
 ――何か頼み事を考えていた気がする、なんだったか。
 こつ、とパーカーの中で吸収缶のかち当たる音がして、一瞬だけマトモな頭があまいにおいを吸い込む。そうだ吸収缶の替えだった。ひとの、ほかのにおいがするから。こまることになるから、


 ――……なんでにおいがしたら、ダメなんだったっけ?


 面体の下で鼻をくんとする。僅かに薄まってはいるものの、足を進めるたび強くなるそれに、緩く身震いしながら。歩幅を大きくし、においのもとへと歩み寄る。

 ぼうと滲む思考のまま歩んでいれば、姿はプール内部へ入り込んだのだったか。足が届けば、ゆるゆると壁辺りにくるのを見計らい、追いつめるよう身を迫らせるつもりでいた。もし尾っぽが触れる位置にあれば、緩く手袋越しの手を掠らせようとすら。

 はたまた自分の姿に気付けば、事前に離れられることもあったかもしれない。そうして歩が届かず、また施設の影に見失ったなら。それ以上を諦め、プールへと入り込んだだろう。]

(131) 2015/07/11(Sat) 01時頃

鉱滓皇帝 モスキートは、メモを貼った。

2015/07/11(Sat) 01時半頃


[ 夜は梟が思うほど暗くはない。
 月があって星があって
 人里が放つひかりは 空の雲が反射して
 山に雪があれば空まで青白く照らすんだ。

 その中じゃあ、僕の持つ色は意味を持たず
 空を切り取って飛ぶ 彼女の闇は
 どれだけ映えるだろうと 思う。]

   そうだね、そんな日が来たらいい。

[ 誰にも見つからず 兄と2人見上げた夜空を浮かべて
 僕はそこに彼女の影を重ねあわせる。

 夜空を渡す、白鳥の十字の上へ重なるように
 彼女の翼が 伸びた気がして。]

   きみが居てくれたら  …僕も鳥になれるね。

[ そらへ、と 憧れを乗せた瑠璃の目が 細く笑った。*]


[返ってきた同意の言葉に、私は来るとは思わない未来を思う。
そんな日が来るとは思っていない。けれど、願う自由だけは私にも許されているはずだ。
願うことは、人間にだって止められないはずだ]

……フィリップは、鳥だわ。

[私が居なくても、と言外に滲ませて。
私は、私たちはこういう生き物なのだと思っている。だから、フィリップが自分のことを欠けた生き物だと感じることは……それは、悲しいことだと思った。
百科事典によると、飛べない鳥もいるらしい。
フィリップは鸚哥だけれど、夜明け頃、第二図書室から自室に戻る時に聞こえるフィリップの歌声は、金糸雀のようだとも思うのに]

フィリップは、鳥だわ。

[だから私はもう一度、そう言った]


【人】 鉱滓皇帝 モスキート

 ――プール――

[ 乱れた調子で聞こえた声>>146に、小さく首を傾げつつ。おれのなまえ。どうしてしってるのか、つまりは、なんてことも。水気の滲む室内に掻き消える。

 ――ひたりと壁へと寄せる体ははり付けたまま。
 “ほんもの”の血のにおいを探るよう、硬い面体ごと顔を近づければ、地上の獣のように嗅ぎこする。]

      た…?、――

[ 間。 たべると怪我をする。するのも、させるのも。気をつけなくてはならない。わずかに“マトモ”な頭が、ふらりとその体を後退らせる。我慢、我慢しないと。

 ――文字のさめはえさを食べても、罰せられたりしないのに。

 シャワーヘッドから、はたりと水滴の落ちる音は届いたか。おれの“領分”だ、と、深い宙なんて1度も知らない動物めいた瞳が、面体の下焦点を暈す。

 空腹のひとが、湯気のたつご飯をのぞきこむように。*]

   おなか、へってて、

 

(165) 2015/07/11(Sat) 13時半頃

【人】 鉱滓皇帝 モスキート

    …たべたら、ダメ?


[ 心底から疑問というように。“きみもいっしょなら、”わかるだろ、と尾の先に触れかかる。

 留め具の緩んだ面体がずり、と動いた。この前も「くつわ」を壊し剥がして、ひとにかみついてしまったのだったか。

 ――しかられる。あのときは弱いところを捻られて、怯んで。“マトモ”にさせられて、

 今度しかられたら処分されるだろうか、とパーカーのフードをぱさりと下ろす。空腹はあまいにおいを閉ざしていく。手袋を外しつつ、短く、目と同じに黒いひとの髪を掻き分けて、マスクのベルトを弄った。]

   …、はずしてくれる?

[ 手間取れば、面体の下で人と同じに、幼く困ったような顔で問いかける。
 過敏すぎる意識は音や作業に散りやすく、管理者であるなら連絡端末の類いは持っていたかもしれないし、使う隙すらあったかもしれない。

 ――また外されなかったとして、暫くして自分で外し壊せば。まずは、と鋭利な歯先で衣服を噛み剥がし、一息に胴体へかみつこうと。マスクを取り去り、ひとと似た――それでも獣の特徴として、“弱点”の鼻先を無防備に晒したまま。]

(166) 2015/07/11(Sat) 13時半頃

【人】 鉱滓皇帝 モスキート

 ――回想・第1棟廊下――

[ エゴ。
 先ほど、十字架を胸にのせた男が零したそれを反芻しつつ。さり際落とされた>>135“そとのひかり”に白亜の視界を一間、細めた。彼すら行けないとおく。そこがそとのどこにあるのか、果たして知りもしなければ。

 水槽のさかなもそとを、深くを歩けるなんて、そうしてそれを己にただ「与える」なんて、――成る程エゴじみて、残酷な“教え”だった。

 そんなのどうしても――欲しくなってしまう。例えその報いが、2度と人工のひかりすら望めない事を意味するのだとしても。]

    ……、――

[ 渇望と、拗ねじみた思いこそあれ、男の、ひとの奥に潜む傲慢さを恨むこともなかった。
 スータンの似合わない白壁の中で、「善」を信じるように十字架を身につける姿を思い返しては。
 ――本当に救いをもとめているのは、果たしてこの地下で、誰なのだろう。

 宿題、と。“センセイ”じみた言葉を思い返しては、正答できたらご褒美は昼食にしてもらおうと巡らせつつ。
 定時どおりに食事をとっていなければ、服下でくうと腹が鳴る。]

(183) 2015/07/11(Sat) 18時頃

【人】 鉱滓皇帝 モスキート


     “うみ”、

[ いずれ、>>135と投げられた最後に、ただ文字でしか知りえない場所を思いながら。

 誘ったところで泳がない、といわれれば何をするつもりなのかと思いつつ。見かけたら声をかける、と1つ置き。「しおき」されてなければ大抵いる、とだけ返した。

 ――鱗の薄くのる掌に一間、のぞいた男の目を巡らせる。いずれ奇特な事だ、と衣服越しに頭を撫ぜた感触すら思い出しては。

 きっと、けものとひととは相容れないのに。と、
幾度と擦らせ滲ませた、皮膚に垂れる液を思いかえし、喉を鳴らす。

 いっそ生身の己と、”ホーム”とで、再度またああいった煽りじみた仕草を見せるようなら。

 今度こそきちんと、それこそ“昼食”にしてしまおうかと、
喧噪に空腹に、ぐらと平衡を失う頭の隅、過らせた。*]

(184) 2015/07/11(Sat) 18時頃

[ 僕を鳥だと 祈るように願うように響く声
 いつもの彼女には珍しい 力が篭められていて

 朝靄の図書室で 彼女の羽を羨ましがりながら
 その翼が本来拡がるべきだった
 外の世界の夜空の話をしたときにも おなじように
 彼女は、僕も同じ鳥だと 言ってくれた。

 あの時伸ばした手は 彼女の羽に届いただろうか。

 瑠璃の目に憧憬ばかりを乗せてしまうのは
 彼女には少し迷惑だったかもしれないけれど]

   僕も夜空に行けたら、唄うよ。
   ………鳥だからね。

[ それでもやっぱり彼女が居なければ夜空は行けないから
 小さな声には ちょっとの苦笑が混ざった。]



―――頭を撫でれば、落ち着くんですかねえ……


―― 一間 ――

[ ひとが羽や鱗を生やせばいい、という針鼠には小さく息を漏らし笑った。獣人に獣を足すのも可能なのだろうか、それこそ“    ”みたいだ。

 ――体はともかく、その実験体の心は今度はどこにいくんだろう。獣かひとか。新たに宿った獣だろうか。
 心、と梟の告ぐそれに1つ、首を傾げた。まざりものの体に宿るのは、果たしてどんな心なんだろう。

 同じになれるわけがない、という2人の声に淡く頷く。どうしてもわかりあえないのなら、いっそ領分を分けてしまえばいいのに。]

 ああ、…あそこ。ありがとう。

[ 返る返事に秘密棟、と面体下を歪めつつ、礼を告げる。“イカレ”と称される女医の姿を見たいわけではなかったが、獣を人にするなんて考えには興味があった。*]



[ 2羽の“とり”の声をききながら。
 ひたりと水に浮くよう、“よぞら”に映るその姿を描く。
 夜のそらを縫う彼女の姿は。彼がうたう姿は。きっととても、冴え冴えとはえるのだろう。

 合間、漏れ聞こえた微かな声色には、首を傾げ微かに、かあさま、と反芻する。“かあさま”って、なんだろう。*

 ――やがてぐるりと頭を回し、声の正体を探りながら。
 これなら、ひとに見つからずこっそり相談事もできるんじゃないだろうか。――例えばそう、「自由」を得るための。

 実際反抗を図っている針鼠の彼女へと、(離れてる以上意味があるのか知れないが)視線を向けつつ。]


  ……誰かと出て行こうとか、思わなかった?


[ 首を傾げては、小柄な体を思い返す。針があるとはいえ、少女めいた体躯では限度があるだろうにと。
 ――そういえば、同じくらいの“猫”の少女もいた気がするけれど。ここでの声は聞こえているのだろうか、とぼんやり思い巡らせながら。]


鉱滓皇帝 モスキートは、メモを貼った。

2015/07/11(Sat) 19時半頃


[私の知らない、あるいは覚えていない、外の世界の夜空の話を聞いた時、私は知識を求めて本を読む時と同じくらい、もしかしたらそれ以上に、未知なるものに対して知識欲が満たされる充足感と、憧憬を覚えていたかもしれない。
伸ばされた手には、瞬き一つ分の驚きを示したけれど、フィリップの翼への憧れは知っていたから、そっと翼を広げてみせた。鳥籠で生きていくには大きすぎる私の翼を。
伸ばされるフィリップの腕の蒼碧や、真紅の爪を私は綺麗だと思うから。だからきっと、それはおあいこなのだ]

楽しみだわ。

[きっと、そんな日が来ることは、ないのだろうけれど。
それでも、そう返した私の声音には……そう、“幸せ”の色が、きっと微かに混じっている。そんなもの、私は知らないはずだったのだけれど。
私の翼は、一人で飛ぶにはきっと少し大きいから。
外の世界の夜空は、一人で飛ぶにはきっと広いのだと思うから。
飛べないフィリップの声には苦笑が混じるけれど、それを言うなら私は歌えない。だからきっと、それもおあいこなのだ。

――――……きっと。きっと。きっと。
そんな日は来ないのだろうと思う未来に、私はたくさんの「きっと」を重ねていく]



[         梟と鸚哥がそらを飛ぶ。 星の欠片の流れるそらで。

      その場にいれば、僕は首を擡げて彼らを見つめるのだろう。
      きらきら照らす、ひかりの舞台で、 彼らが踊るさまを見届けるのだろう。
      手元に揺蕩う水中では、 鮫が呼ばれて来るのだろうか?
      水に堕ちた月に肌を重ねて、深海のくろに夜空のくろが混ざり合うことも、あるのだろうか。

      僕は陸続きの岩場で、 空を眺めて、そのまま夜が明けるまで。―――]

        ―――――。

[ はた、と僕は目を瞬かせた。 いま僕は何を考えていたのだろう?
こてりと首を傾げると、やはり口元の機械がかちりと鳴った。

ぼうやりとした思考の奥。 隙間を通り抜けて届いた声は、―――「獣人」の脱走計画さえ、覗けるかもしれないもの。 ]

        ………。

[ 締め付けられる胸は、なんだろう? 僕はぎゅうと胸元に手を当てたまま、 引き続き耳を欹てた。 ]**


[ジリヤへと投げかけられた質問に、小さく息を飲んだ。
抗い続けるジリヤですら、ここから出られるとは思っていないというのに、その質問は、まるで]

誰かと一緒なら、出ていけると、思っているの。

[私のその呟きは、質問だったのか、それともただの独り言だったのか。
私自身にも、その境界は酷く曖昧で、だから返事が来ることは、期待していない。
声の主に、漏らした寝言を聞かれてしまっていることも、知らない]


["猫"である私にも、当然獣たちの言葉は届いていた。

けれど、人間への感情も、外への思いも、何もかもの価値観が、私とは異なっている者たちに。

それらの事で、何を言う事があろうか]


【人】 鉱滓皇帝 モスキート

 ――プール――

[   わるいこ。
 “ いただかれます ”の挨拶だったろうか。かすかに聞き覚えのあるそれ>>188に、ちかりと意識が点滅する。

 赤みがかった茶色、自分とにた機械ごしの声。ふれかけてそらされる背後からのびる尾っぽ。

 『だめだよ。』

 ひた と、ベルトの留め具を弄る手が止まる。くせじみた、反射的な静止であれば、自分でもぐいと首をひねった。―――だめ。たべたら、どうしてだめなんだっけ?

 “はは”も“ちち”も知らないまま、施設で育った己に、さとす声を思い出す。――いついつも、おなじすがたのこわいろの、そう彼は。ここは。


    うみじゃないから。


 ああ、と。水滴の音にかき乱される頭の奥、あまいにおいの混じった嘆息が漏れる。幼いころ、本にならぶ“うみ”の綴り。その発音をしったのは、そう――この声だったろうか。

 告げられる「ほんとう」を、どこか凪いだ意識で聞きながら。]

(237) 2015/07/12(Sun) 00時半頃

【人】 鉱滓皇帝 モスキート


        チェビィ、

[ いついつも――朝も夜も人工的につくられるここで、年月や“きせつ”のそれは、鈍い頭に殆どすり切れていたが――記憶のうち、
 かわらないままだった気のする彼のなまえは、いつかどこかできいたのだったか。
 わずかに“マトモ”な低い声で、ふると揺れる頭へ落とす。
 それでも髪に触れる湿めった空気が。空腹が。じわとその身からたつにおいが、どうあっても。――ヒトにはなりきれない、と叫んでいる。]

  しんかい、

[ きみの、と覗き込まれる瞳>>189に一瞬、獣ともひととも付かない、“乞い”を滲ませながら。
 それはそとの? おれにもあるける?と、
 おれはいつになったら、と。
 綯い交ぜになった意識がおおきく平均台上で傾いていく。

 ――それもぐう、と服下、再度本能が鳴けば、ひたと乾く喉奥側へと雪崩こみ。パコン、と存外軽い音をたてマスクが外れたなら、
 まるでにげだすように、鮫は亀に歯を立てかけた。
                     ものの、*] 

(238) 2015/07/12(Sun) 00時半頃

【人】 鉱滓皇帝 モスキート

    いッ……、っ

[ 無防備に晒した感覚器官の、――ひと際過敏なそこを摘まれたなら。それだけでヒトらしい仕草で眉間をぐ、と顰めさせ、苦悶を訴える。

 まま壁に押し付けられるのにも、怯んだ身におよそ反応し切れる筈もなく。
 痛みにひゅうと吸う喉奥、あまいにおいが水気を含んで滑り込み、欲に暈された視界が整っていく。]


   ――、ッ…あ、………俺、


[ 鼻を捕まえる正体の奥と焦点を合わせながら。苦痛に浅く息を吐いては、軽くその腕へ手を叩き解放をアピールする。]

    ――…、ま、た。

[ 見知る姿に気まずげに、面体で覆われていない瞳を逸らしかけ。
 じわとのぼる血のにおいに耐えては、相手を確認する。生存欲。当然のごとく映る瞳のいろ。あまいにおいのしみ込んだ体に、じりと腹の虫を抑え込みつつ。
 やがて状況を理解すれば、“ばつか”、と。諦観じみる声で尋ねかけながら。
 これで何回目だったろう、ひとをほかを、襲うのは。秘密棟のすすけたにおいは鼻腔の奥染み付いている。
 ――いい加減、『処分』かもしれない、と。転がるくつわを一瞥しては、目の前の相手へ視線を戻し。言い渡されるだろう処遇を待った。]

(239) 2015/07/12(Sun) 00時半頃

鉱滓皇帝 モスキートは、メモを貼った。

2015/07/12(Sun) 01時半頃


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