207 Werewolves of PIRATE SHIP-2-
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[頭を抱えている様子に、何かを悟ったかの様に人が引いて行く。 確かに正面切って何かを言って来る連中は少なくなりそうだが、 違う意味で居心地が悪そうな視線を感じて、 じろりとそいつらを睨んだ。]
ったく……死にたくねえなら、昨日のレディーの船まで 泳いで行けよ。
(304) 2014/12/12(Fri) 23時半頃
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ギリ―、後でその傷見せろよ。
[泣いていないと言ったギリ―と、彼の怪我に聲を上げた船長。
ヴェラとの会話も耳に入れながら、この聲が繋ぐ者達だけは
助けたいと言葉にしないまま、ギリ―の傷を気遣った。]
巻き込まれたかったからだよ。
[ミナカの問いへの返しに、聲の調子に愉しむような色が乗る。]
La faim chasse le loup hors du bois.
飢えは狼を森から追い出す。
[私は歌うように唱える。]
覚悟を決めるためだ。
仔を護る為に…船員たちを裏切る覚悟を。
[「仲間たちを裏切る覚悟を」と言いかけたが、そもそも最初から仲間ではなかったなと言い換えた。]
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死にたく無い奴は怪我治療するから、 一通り終わったら医務室へ来い。
[甲板の喧騒はまだ終わりそうにない。 長居をしても面倒だと、医務室の前に自室へ戻る事にした。
腹は減っていない。
第二甲板も食事をする所か怪しい様だが、 ちらりと横目で見るだけで仮眠を取ろうと第三甲板へと降りた。]
(314) 2014/12/12(Fri) 23時半頃
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[大嫌いなオルガンの音が聴こえていた。]
(315) 2014/12/12(Fri) 23時半頃
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……あんた、何でそんな優しいのに、無理するんだろうな。
[唄う様な返答に、また泣きそうになる。
泣きたいのは赤子なのか、自分なのか、もう判らないほど
彼を仲間と慕う想いは強く。]
俺はあんたを尊敬するよ、ヴェラ。
[2人の会話を聞きながら、その孤高の強さを羨んだ。]
[甲板に一つだけ残っていた死体を抱えるとその死体を海に落とした。
もちろん、一口二口味見をしてからだ。
唇と指についた血をぺろりと舐めとる。
それからはあと吐息を吐き一言。]
嗚呼……美味。
ミナカ、
[グレッグが動く刹那、ガリリと左耳を掻いて叫んだ。
現実的な声は間に合わなかったが、
咄嗟に彼を呼ぼうとした思考は、伝う。]
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[ギリ―の背中に隠れてチビガキの姿は見えなかった>>323 だから陽気な声に、何処か怪我をしたのかと、一瞬油断した。]
あ? どうした。何かいざこざに巻き込まれたか?
[問い掛けが終わる前に、鈍い煌めきが飛び込んで来る。 普通なら、いずれかは食らってしまっただろう。]
グレッグ!?
[思わず、全て叩き落としてしまう。 それこそ、今まで見せた事のない、 人では無い事を示す様な異常なスピードで。]
(331) 2014/12/13(Sat) 00時頃
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優しくなんかないし無理もしてない。
[ぴしゃりと言った。
デジャヴを感じると思ったら昨日グレッグにも同じ事を言われたのだったか。
そんなつもりは、断じてない。決して。]
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グレッグ……何のつもりだ。
[直後に自分の失態に気付くが、動揺を見せぬ様に睨み返す]
(333) 2014/12/13(Sat) 00時頃
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[本当は1、2本受けてしまえば良かったのだ。 だが、彼は毒を使うと知っているからこそ。 反射的に避けてしまった。
これは致命的なミスだと、即座に判断する。
ルイスの仇については誤魔化せる可能性があったが、 今の動きは誤魔化しようがない。
徐々に瞳は戸惑いから殺意へと、色を変えていく。]
(338) 2014/12/13(Sat) 00時頃
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俺は大丈夫だけど、大丈夫じゃないな。
[ギリ―の呼び掛けに反応はしたが、不可解な言葉の説明をする
理由は今は無かった。]
ミナカ 死ぬ困ル
あの仔 生きル
[それが優先すべき何よりの“命令”であり、
男の中に芽生えた細やかな望みだった。]
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はっ、誰が化け物だ。このクソチビ。
[挑発に挑発を重ねる様に唇は弧を描くが、 昨夜の目撃証言にひくりと、眉を動かした。]
俺が血塗れ? 当たり前だろ。 あんだけ馬鹿な怪我人の山を治療したんでな。
[最初にそう言えば誤魔化しきれただろうか。 だが一晩を共にしたと言い切った船長がいる以上、 もうグレッグの言葉を誰かに聞かせるわけにはいかない。]
そりゃ光栄だ。じゃあ酒位寄越して欲しかったね。
[投げられるナイフに構ってはいられない。 早くあの口を塞がないと。 あの呪詛を吐く口を。 腰の短剣を抜くと、ナイフを払いながら距離を詰めようと 駆け出した。]
(351) 2014/12/13(Sat) 00時頃
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俺はいい。彼を黙らせないと船長が死ぬぞ。
[ギリ―の想いを嬉しいと思う余裕もなく、
口にしたのは船長に疑惑が向くと言う不安。]
待った…一体何が起きている。
何処にいるんだ。
[囁き交わされるギリーとミナカの聲を聞き、
何かが起こったのだと気づく。
私は第三甲板へと降りる足を急がせた。]
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[背後からジェレミーの声が聞こえる>>352]
く……。
[油断と共に、肩口に痛みを感じた。 執念の様に届いたナイフを握り棄て、叫ぶ。]
(357) 2014/12/13(Sat) 00時半頃
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仲間?
おまえは、おれを仲間だと思っていたのか。
[少しだけ驚いたように問う。
この船に乗る事になった時から、ずっと変わっていない。]
───俺としては、極端な話、おまえが人狼であろうがなかろうが、どうでもいい。
おまえが、他者を畏怖させる存在であるのなら、それに従う。
そうでないなら、おれはおまえに牙を剥く。
それだけだ。
[もし、公に、人狼であることが知れたとしても、それを曲げるつもりはない。
だから、やがて食事の席でニコラスに問われた時も、そのままに答えたのだった。*]
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アホか、貸せっ!
[怒鳴ったのはグレッグでもジェレミーでも無く、 ギリ―>>355へ。 ナイフを掴んだ腕を引っ張ると、傷の確認もせずに 手首をハンカチで強く縛り血を止めた。]
(361) 2014/12/13(Sat) 00時半頃
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[あの時。
あやしてくれたその手が落ちるのは。
その命が、落ちるのは。
この聲を交わせる者が死ぬのは。
嫌だった。]
───あの煩い声、止めても構わないか。
[静かな男にしては珍しく、幽かに、感情の乗った聲を、どこかへと響かせる。]
なんでもいい。好きにしろ。
[煩い声とはどれのことかは分からないが、今はそんな場合ではない。]
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ナイフなんぞ掴まなくて良いから、血、思い切り絞れ。
[それこそグレッグやジェレミーの刃が向いても 気にする余裕はなかった。 ナイフを掴んだ傷に短剣を突き立てて、広がった傷から 血を滴らせ、更に絞る様に手首から掌へ掛けて強く扱く。 絞り方を教えてから、ギリ―に同じようにやれと]
(373) 2014/12/13(Sat) 01時頃
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おれ、狼なれナイ
カシラ 本当の仲間 なれナイ、おれじゃ
あの仔、大事
[漏れ聞こえていた聲の遣り取りを聞き、
男は漠然とそう思っていた。
所詮、聞こえる“人間”でしかない自分では
彼が求める存在には成れないのだろうと。]
[どれだけ血を絞っても、手当もしても助からないのかもしれない。
焦る自分が何を理解しているのか、理解したくなくて。]
セシルを守る前に、自分を守れ。
[初めて、祈った気がした。]
ギリー…お前は唯一、私が最初から仲間だと思ってた者だ。
孤独な船の旅の中で。
[刃を振り下ろしながらグレッグを睨みつける瞳に力が入る。
――けれども、グレッグは自分に恐怖を抱かない貴重な存在だ。
些かの躊躇いも私の中に存在して。*]
違う。違う。違う。同じじゃなくても。
[ギリ―の言葉を必死で否定する。
泣いているのは誰なのか。
震えそうな聲を必死で抑えた。]
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[血飛沫が頭から降って来る>>384 紅く染まった頭を撫でるのはギリ―の掌>>382]
グレッグ……。
[どちらに視線を向けて良いのか、判らなかった。]
(386) 2014/12/13(Sat) 01時頃
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