人狼議事


25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―

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視点:





    [じわり]





 [血のにおいが広がる]


     




[ぱちり、と響いたのは扇の音]

 


[届いたのは生殖管理センターからの密書
 ……知己からの手紙としか取れないそれには
 暗号で、この祭りが繁殖の場であると
 確定できたとの知らせ。

 青年はそれを受け取れば……大儀名聞は揃ったと
 ……あの人を殺した獣を狩るための……
 常の笑顔とは違う暗い笑顔を作る]


…あぁ、そうか。

[思い出したのは血塗られた記憶。
 あの椿の花は主の下へたどり着けるはずもないのだと。

 何故ならば…

 白い指はそっと、帯の上からするりと己の腹をさすった。]


[そして、使用人を装った密偵は、別に封書を差し出してくる。]

 ごくろう……

[人気のないところで、それを開け、中を確かめる。
 それは、この花祭がクロであることを告げたものと、今回の仕事の相棒の名があった。]

 ふん…そういうことか。
 化けたものだ。

[そして、見終わると、耳裏に貼り付けておいた管理センターから支給された通信装置を起動させる。]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[広間の客席の末席へと陣取れば、舞台にて歌う雛鳥の声。
 庭で戯れに歌っていたものよりも、僅かに艶めいた声に思わず目を見張る。]

 のう、旦那。
 幾人かは酷い雑草が混ざっているようだが、あの子は…よいね。

[寄ってきた肉風船の主催に酒を注がれつつ、言う声は他の花にも聞こえるか。]

(9) 2010/08/03(Tue) 01時半頃

雑草はどうせ、腹の足しにでもするつもりなのでしょう?

[勝手知ったる慣れたる事と、醜い主催に囁いて。]

あぁ、噂のみ聞く空蝉の君も、ただの空っぽであるのならあなたの脂肪に変えてしまいましょうかね。


[広がるそのにおいは、密やかにけれど確実に
じわりじわりと白を朱に染めていく]

  ――…愚かなこと。

 
 私を宴に呼んでおきながら、愉しめと。


[硬質な少年の声でなく
艶を帯びた、色香含むこえ。
パチリと
脳裏で響く音に僅か意識を向けた]


 さて

[それから聞こえるもうひとつ]

 ――…其は誰が事ぞ?


[年経ても衰えず、更に容姿が艶を増すのは。
 花上がりの分際でここまでの地位に登りつめたは。

 こうして祭に花を添えながら、子を欲しいと乞う貴人達のために胎を貸していたからゆえか。
 一人食い、一人産むそのたびに、色香を艶を増していく。
 それはまるで、遠い昔に死に絶えた男の対たる生き物に近づいていくかの如しこと。]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

お前は本当に、よく躾けられているね。

[雛鳥を褒めて見せるのは、他の花への挑発か。
 宴が進み興が乗れば、己の琵琶と合わせたいとも思う。]

(16) 2010/08/03(Tue) 01時半頃

[主を持たない花は、主のかわりに上司を得る。
 チャールズの死の現場、無残に食い荒らされた身体
 それを目撃した青年、センターの人々、
 隠蔽される事実、
 復讐を糧にその事実へ必死で追いすがった。]

[その結果が、現在である]

 ……刷衛殿……?刀を取りにいけず申し訳ない
 寝すぎて時間を失した。
 それに昼間は運んでもらったそうで……
 重ね重ね申し訳ない。

[包帯は便利だ。その下に通信器具を取り付ければ
 気付けるものはいないだろう。]


…食うには頃合いの柔らかさではあろうがね。

[隠した扇の裏側、呟く声は微か]


種をつけぬ花など、肥やしにしかならぬ事。

[く、と喉奥で哂うは声なき声。]

新しく、面白いものが来るというのは、そなたの事か?


[噂は半分が真実
半分は彼らが見た幻

身に宿る其れを
少年自身自覚の無いまま飼っている。

多彩な芸は全て種付ける相手を引き寄せるが為
花は
ときに牙を剥き、生を喰らう]


 なるほど、寝すぎか。
 まぁ、いい。

 しかし、この場がクロとはな。

 とりあえず、今は気になる件がある。

[そして、明の件を打ち明ける。
 主を探す花がいると、しかし、その主は、居所がしれぬ。管理センターのデータの場所も不在だということ。]

 考えたくはないが、
 その主が巻き込まれた可能性はある。

[しかし、明自身がもうこの世のものではないことには気づいてはいない。]


 ――さて?

[吐息混じる短な応え。
暗く翳りを帯びた冬色の瞳を細め、薄く哂う]


 まこと申し訳ない。
 ……ただ、これで私が太刀を求める理由も
 さらにお解かりになったでしょう
 獣が牙をむくならば切り伏せるまで。

[人狼病発症者はまるで人ではないといわんばかりに]

 ……アケノシン……の主ですか……
 確かにこの豚狼の屋敷に
 あのような儚げな花を
 活けたまま放置は無用心すぎますね……

[同じく儚げな花が
 既にこの世のモノではないとは知らず]
 
 ともあれ、今日の宴がすみ次第そちらの部屋へ向かいます
 


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[傾ける杯は、甘い柘榴を漬けた酒。]

張り切って歌いすぎては、喉が渇いてしまうよ?

[こちらを見て健気に歌う雛鳥を手招いて、褒美に果汁でも与えようか。]

(28) 2010/08/03(Tue) 02時頃

 なるほど、太刀が必要な理由ね。
 なれば、やはり選んでもらわなくてはならないな。

[宴が終われば訪ねる旨は了解する。]

 精々色っぽく来て貰おうか。


             ふふ、冗談だ。

[そんなからかいの言葉も添えつつ。**]


ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/08/03(Tue) 02時頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

色の白いは、それだけで珍しい…とは些か時代遅れかと。

[邦夜と視線を交わしつつ、口をつくのはやはり苦言か。]

こんど学院に小言を言いに行かねばなりませんね。
せめてまともに挨拶のできるくらいではないと、外へ出すのは師匠の恥ですよ、と。

(34) 2010/08/03(Tue) 02時頃

 ええ、飛び切り切れ味の良いものを
 選ばせていただきます。

[続いた言葉には小さく哂う]

 そちらこそ、艶やかにお待ち頂ければ
 太刀の分抱いて心地よく致しましょうか?

[口調こそ畏まったものだが、こうなれば花と主ではなく
 仕事仲間。冗談に返す冗談も大概だった*]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

お前の歌は心地よいが、張り切りすぎて喉から血を吐くのは見たくはないよ。

[行儀良く杯を受け取る様子に目を細めて。]

皆であわせるのも、良い趣向だと思うよ。
手習いをなぞる以上の技量が必要になるものだが。

[先に立って声を掛けるイアンの様子は、昔と同じように思えて。
 それゆえにその視界を塞ぐ白い布が喪章に見えて痛々しく思う。]

(37) 2010/08/03(Tue) 02時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

芸を見せる気がないのなら、酌をして回るくらい気は使えぬの?

[そろそろと逃げようとする短い秋色の髪の姿に、かける声は小姑のようか。]

噂の君だとちやほやされようと、お前はいまだ咲きもせぬ花だ。
誰も買い手がつかねば、安宿で誰にでも股を開くようになるか、内臓を売られて捨てられるだけですよ。

(42) 2010/08/03(Tue) 02時頃

───……。

[聞こえる言葉達に、僅か眉をひそめた。

本郷の家は、家系として狼憑きの血筋である。
親から子へ、子から孫へ。孕み、孕ませ、其の血の恩恵によって
裏社会でも表社会においても高権力者の立場を一層濃くしてきた家だ。

ただ、次の当主の性は、判明しない。
酷く不安定なのか、誰もまだ

答えを、知らない]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[聞こえてきた笛の音に、瞠目する。
 音が似るは同じ笛だからというだけでもない。
 ならばこの笛の主が、彼の人の夢を継いだ子なのだろうか。

 先代ほどの艶はなくとも、その音色の真摯さは耳に心地よいものだ。]

(47) 2010/08/03(Tue) 02時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

それは、失礼。
手負いでは仕方がありませんね。

[溜息一つ。
 酒が入ると些か口煩くなるのは玉に瑕か。]

ですが不注意も、お前の実力のうちと見られますよ。
ようやく見せた芸がそのそそっかしいドジではあまりに笑えぬ。
お気をつけなさいな。

[ふと、気を利かせた下男が愛用の琵琶を持ってくるところか。]

(54) 2010/08/03(Tue) 02時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

ほう?

[若桜の様子に、すいと目を細めて。]

彼が怪我をして役に立てないのなら、お前が彼の分まで皆を楽しませてごらんよ。
見たところ、大事な友達…

いや、コレは恋人同士かい?

(55) 2010/08/03(Tue) 02時半頃

[歩むたびに響く痛みは、少しずつ少年を染めていく。
じくじくと響く痛み、滲む朱
与える悦びを、知っている。
交える悦びを、知っている。
黒い塊にしか見えぬ彼を
翳った暗い瞳はしっかりと映している]

 ――私がこの身を使ったなら
 海に巣食う魔物の唄でも
 安宿では味わえぬ舌技でも披露してやれるがの。

 ふふ……ふ

[たとえ少年に自覚は無くとも
生まれながらに、立派な男娼であった。
この時代で望まれぬ子が何処から出てくるのか
――…元を辿れば少年の血族に行き当たる。
血を受け継いだ親に放り込まれた花の為の学園は、良い餌場。
記憶の無いまま、幾度ひとを魅了してきたか
そうして作られた噂の真相を、少年自身知りはしないけれど]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[貪欲に競い合うくらいが好ましいと思うは、己の通ってきた道ゆえか。
 煽る事で実力を引き出せれば、それはそれで面白い。

 後に続くものは、正攻法で先達を食い殺すくらいでなければ。]

(63) 2010/08/03(Tue) 02時半頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、琵琶を差し出されると、艶めいた笑みを浮かべ撥を手に取る。

2010/08/03(Tue) 02時半頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[絡み合う笛の音、鳥の声。勇壮なる舞の足踏み。
 琵琶の胴をいとおしげにひと撫ですると、それに拍子を合わせるように弾く弦。

 古き友の舞に合わせる音は、かつて肩を並べる頃に似て、
 だがその頃よりも、老練な艶を帯びている。]

(70) 2010/08/03(Tue) 02時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[調べは技巧に優れても、決して己がでしゃばるのではなく、
 むしろ若い者達の技量を確かめるように、添えて支えて際立たせるが如く。

 久々にその気になっているのは、酒が入ったせいだけではない。]

(82) 2010/08/03(Tue) 02時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

…そう、くるか。

[かつて芸を競い合った頃の如く、舞手の拍子を煽る如き撥の音。

 されど、ついてくる笛の音と歌が振り落とされぬ程度には気を使って。
 この地位についた今でも、やはり自分は芸事が好きなのだと。

 視界の端、いい心持で身体を揺らす肉団子はこの際脇に置いておく。]

(85) 2010/08/03(Tue) 03時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[それは満ちたる月の下、舞い散る花の嵐の中で鳥達が気ままに遊ぶような。

 仕合ではなくじゃれあいである事は、昔馴染みのふたりにはよくわかっている。]

(99) 2010/08/03(Tue) 03時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[全身で楽しいを発しているような雛鳥の微笑みに気がついて、
 一つ高みに手招くように、こちらもニコリと微笑んだ。]

(100) 2010/08/03(Tue) 03時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[時に煽るほど激しい気性を見せる己と、静かでも有無を言わせぬ凄みで正論を説く同じ顔の片割れと。
 育った立場、通ってきた道、それがやはりにじみ出るものなのか。]

(106) 2010/08/03(Tue) 03時頃

 「此処は”何”のお祭りか」か。
 知ったような口だなロビン……

[歪む口元は酷薄な哂い。
 彼が獣だというのならば……]


…余計な事を、外に流すな。

[それをこちらで呟いたからにはそれなりの理由もある。
霞のほうを僅かにらんだが、結局はため息に変わった]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[最後の一音の余韻にしばし目を閉じて。]

多少これで、見所のあるものも見えたでしょうかね。

[疲労の中にも何かを掴んだ様子の雛鳥を、微笑ましげに眺める。]


あぁ、それで…お前は何が出来るのだい?
止めるのは、それを聞いてからでは良かっただろうに。

[自ら煽っておきながら、その言い様はあまりにアレだが。
 若桜と本郷と。何処か似たような気性の二人は、全くそりが合わぬか、うっかり合えば吸い付くように添うかのどちらかであろう。

 そも、本郷の慕う昔の花も、最初は酷く仲が悪かったのでは…。]

(117) 2010/08/03(Tue) 03時半頃

 ひとの裏も見えぬものに、意味などわかるまい。
 ――存外に、小心よの。

[恐怖と怒りと羞恥
憎しみ、悔しさ、幾つもの波に呑まれ
小さな冬の白はあっという間に攫われて――――

朱が言の葉紡ぐに至った経緯など、話してもせん無い事。
擦れ混じる声音でからかいの言葉を送った**]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

あぁ、乾の住職様のご子息でしたね。
挨拶にも行かず、とんだご無礼を。

[傍へ来た僧侶に緩く頭を下げて淡く笑む。]

この立場になっていまだ日の浅い若輩者です。
お父上には兼ねてよりお世話になっておりました。よろしくお見知りおきを。

[そう挨拶をして、舞台上の花が頭を下げるのを見るとニッコリと軽く会釈した。]

(121) 2010/08/03(Tue) 03時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

済まぬ。あまりに不義理が続いてしまって気まずくてね。

[水臭いとの旧友に肩を竦めて少し眉を下げた。
 訃報も耳に届いていたけれど、駆けつける事の出来ぬ時期でもあったし。

 音と舞があっている時だけは、あの頃に戻れたような気もしていたけれど。
 舞台から客席への距離と、喪章の如き白き目隠しが、やはり間を隔てたままだ。]

(126) 2010/08/03(Tue) 03時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

元はこれにて身を立てる身でありましたから。

[愛しげに琵琶を撫でる指はなまめかしく、僧侶の目にはいっそ卑猥にすらみえようか。]

老いた姥桜でも、祭の季節にはついつい気持ちが若めいていけません。
もう少し若ければ、お傍に置いて頂けましたか?
[笑み混じりにまるで誘う如き言葉。]

あぁ、この雛鳥は…昼間に庭で囀っておりましたので。
良い声だけでなく、教養も備えたいい子ですね。

(133) 2010/08/03(Tue) 04時頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/08/03(Tue) 04時頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

…根は悪い子では無さそうだが、人前に出せるほどに整えるにはかなりの腕が必要かな。

[若桜のふわふわアタマをみてぽつり。
 それを見て思い起こしたのは、ある方の連れていた虎の子か。]

(139) 2010/08/03(Tue) 04時頃

[さて、餌食に喰らわれたは、虎の親か虎の子か…。]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

とわにお傍に御仕えするのは、流石に…義父がおりますゆえ。

[首をかしげて微笑めば、粋に衣紋を抜いた背に、ちらりと覗く花の紋。]

花の祭の最中ならば、一夜の夢くらい見るのも悪くはないとは思います。
[小声で囁くは本気か冗談か。
 弦を押さえていた長い指は、淡く紅引いた唇をそっとなぞった。]

(145) 2010/08/03(Tue) 04時頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、懐刀 朧と同じ顔で、あまりに自然に媚を売る。

2010/08/03(Tue) 04時頃


[霞の言葉にふと思い出す。
虎の主を食った時には、花は食われた男のそばには居らず。
ただ、つまらぬ食事であったことしか覚えていない。
味はまあ、それなりでもあったが]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[花時代の艶をいまだ失わぬかつての花は、若き僧侶をそっと絡めとるように微笑む。

頬へと伸ばされる手に、そっと回りから気取られぬように唇を軽く触れ。]

…ここでは、人目がございます。
[意味ありげに見つめると、小さく囁いた。*]

(151) 2010/08/03(Tue) 04時半頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/08/03(Tue) 04時半頃


[途中、すごい眼つきで退席したロビンに向けられる感想。ちいさく、なるほど、と呟いた。]

 確かにあの物言いは特殊だな。
 花なのに、あそこまで花らしからぬのも不自然といえば不自然だ。

 折りあらば、話してみるかね。

[顔で逃げられなきゃな、と付け加えつつ…。]


 花、らしからぬか。

[花のありよう、あるべき姿も人それぞれ
 深く追求するでなく、ふぅん、とかえし]

 ああ、彼の言の意図が黒かどうか
 お互い確認しよう
 ……なんだ、顔に傷でもおありで?


[顔に傷、と言われて噴いた。
 そうだったと、こいつは眼を隠してやがる。]

 ああ、それはもう酷い傷だ。顔全体がひしゃげてやがる。この世のものとは思えんぞ。

 ほれ、見たくなったか?

[下品な笑い声]


 それは、まことなら下手な花より
 人の記憶にも残ろうぞ。

 ……そうだな、まことかどうか確かめてやろうか?

[まるで子供に良い子にしろと脅す風だ。
 なれば、此方もからかう様に
 売り言葉に買い言葉を花で笑いながら返して]

 それとも、触れて見聞でもしようか?
 その傷が何処まで刷衛殿を覆うものか


 さすがの花だな。
 ならば確かめてみるがいい。

 見ずに我の醜さがわかるほどなら、
 俺はこの顔をなお、愛おしく思うことにしよう。

[こいつは面白いといった口調で。]

 まぁ、潜入で助けがいれば呼べ。
 わかっているだろうが、力もそれなりにあるぞ?

 まずは刀か。
 ではのちにな。**


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[法師の肩へとしなだれかかり、画家の指先を窓の月のごとく眺めながら酌をする。
時折、卓の下にて絡めあう指先。]

ほぅ、これはまた…なかなかに雅な趣向で。

[笛の音が画家の所作へと彩りを添えていくのには、流石に感嘆の声も出たか。

 睦み合うような己の所作は、やがて花の殆どが身につけねばならなくなるだろう世界の作法にて、
 また、幼く穢れない者たちに見せたくないとも思う大人の穢らしい一面でもある。

 あの雛鳥にはさせたくないとも、だが手を出してみたいとの裏腹な気持ち。
 それは胸の中に秘めたままで。

 今はただ、この生真面目そうに見えた法師が色香に当てられて艷めいていくさまに見惚れる。
 このような方ほど、よくお乱れになるのだから。
 向ける視線は、まるで獲物に狙いを定める猛獣のごとく。
 同じ顔がこのように人に媚び、いちゃつくさまは、やはり高嶺の当主には目の毒か。

 宴席が一通り落ち着く頃に促されれば、法師と共にそっと華やかな場から姿を消すもまた良し。]

(193) 2010/08/03(Tue) 09時頃

 己の醜さを愛でるか?
 なかなか面白い趣向よ。
 触れてつまらぬ顔ならどうしてくれようか

[こちらもクスクスと愉快気に哂い零す]

 ……私を運べるほどにははわかっている。
 研ぐに慣れても、切るに慣れぬなら逆に呼べ。
 獣狩の舞なら幾度も舞った。

[主の好んだ武舞の動作は、
 時に太刀を、時に鉾を獣の血で赤く染め上げた]

 退屈な宴はもう座した、適慮向かう

[舞台の上にいた時、興が乗ったのは本当だが
 こうして狩に思いをはせればそれは色褪せて
 包帯の奥、紅が更なる朱をと*瞬いた*]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

…まぁ、これは……
[舞い立つ胡蝶は夢のよう。
手妻の使い手が今迄いなかったわけでは無いが、これ程の腕は珍しく、
また、それがひょうきんそうな彼の雰囲気に似つかわしいか。

それにしても、]

佳い、月……
[カンバスの上の紅い月を眺めて呟く微かな声は、何処か不吉な昏い色。]

(212) 2010/08/03(Tue) 11時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[名乗りすら被る仲の良さに、思わず微笑ましげにコロコロと笑う。]

のう、法泉殿。
…今宵の花は対の者が多いのかしら。
仲睦まじいのは佳いけれど、纏めて手折るのは中々に難しいのでしょうね。

[それぞれに
別な主の元へと行けばなかなか会えぬは、あの旧知の仲の舞手と己も同じだったが故に。]

あの二人は、全く違って、違うからこそ佳いのでしょうね。

(217) 2010/08/03(Tue) 11時半頃

つがいで飼うのが無理ならば、共に血肉となってもらうも一興か。

それならば、彼岸でも共にあれようて。
主にはぐれた花の如く、迷い出る事もなかろう。


 この手を離れて行くならば
 たれかの元へたどり着く前に

 そう、いっそその翼を手折り――縊り殺してしまえばいい

[少年の自覚は無きままに
浮かぶほの暗い朱]


ランタン職人 ヴェスパタインは、説法師 法泉の手を取って、恥らうように控えめに頷いた。

2010/08/03(Tue) 13時頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

ええ、みなさまもごゆるりと。
[琵琶は部屋へと片付けさせても、弾き手の向かうは違う部屋。
寄り添いてゆく傍らのお方は、己を良い音で奏でてくれようか?]

(247) 2010/08/03(Tue) 13時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[法泉の部屋へと向かう折、すれ違う姿は白拍子。]

迷い子は いまだあわれに 彷徨うか
とうに泡沫の あわときえても

[ちろり、淡い紅引く唇を舐める。]

(269) 2010/08/03(Tue) 14時半頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[広い寝台の傍らへ、からりと転がる下駄の音。
 敷布に広がる長い髪。
 帯解かれ、衣も髪も乱されて。

 時折交じる艷めいた嬌声。
 月下美人を刻まれたこの白ルのやわ肌に、幾人の貴人が乱れ、醜態を晒したものだろう。

 法師の逞しき腕に抱かれ、一夜の淡き夢を紡ぐ。**]

(278) 2010/08/03(Tue) 15時頃

[遺しておきたいものと
食らってしまいたいものと

己の感覚にとってそれらは違うもの]

…傍に置くに値しないなら、ただ食えばよいまでの事。

[そうして、生きているのだから]


[屋敷の構造を把握しながら
 通信を介し、雇い主であるセンターに
 極秘裏で屋敷の封鎖と
 豚狼を捕らえる手はずを整えていく。]

 ――シュレーゲルは今は宴で最後の愉しみといったところだ
 彼を狩るのも任せてもらおうか?
 ……わかってる、情報を吐くのなら殺さぬよう自重する
 


[打ち合わせる間、聞こえる声は愉しげに
 さて、今度の狩りでは幾つの獣を狩れるのか*]


 ん?

 仕事熱心だな。
 ああ、ヘマをしないのならやってくれ。

[そして、少し間をおいて]

 そうだ。殺すなよ。


 ……何故……?
 人に害なす獣、殺すのが当然であろう?
 害をなして殺されぬなど……
 
[聞こえた声に返すのは心底わからぬと言う声]

 獣を殺さねば、獣に殺された人々の無念は晴らせん

[低く告げる声は*暗い*]


 なるほどな。
 言いたいことはわからんでもない。

 お前はお前だしな。

[暗い声に少し、声はまっとうになる。]

 じゃあ、言い直そう。
 殺されるな。
 身体だけじゃない、心もな。

[そして、しばし沈黙したあと]

 とっておきを貸してやるから。

[そう告げた。*]


…肉を。

[食らいたいと願う。
あのように追い立てられては、たまらない]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[その背へとゆるりと回す白い腕。

 かつて花も盛りの頃合いに、野心溢れる花主達はまことしやかに噂した。
 その花を抱けた男の末路は二つ。
 運開け巨万の富を得るか、若くして散るかの二つに一つ。

 噂の真偽は、誰にも判らぬことなれど…]

(315) 2010/08/03(Tue) 17時半頃

[子を為して大成するか、食い殺されるか、二つに一つ。
 それゆえ高嶺を名乗れぬ花は、2つと居らぬ高嶺の花と。]


ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/08/03(Tue) 17時半頃


…食ってみたい男でも、見つかったか。

[不意に投げてみる声。
特に目的があるわけではないが。
花祭に出入りする関係、
あの人食い花とは何度か面識もある。

当然、共に"食事"をしたことも、だ]


…乾様も、お父上同様…血は争えぬようで。
このまま色に狂うなら、容易に手の内に落ちましょう。

[嬌声に混じって聞こえる囁き声。]

良い体つきをしておりますし…寺にて節制しておられるのなら、味の面ではあなたのお気に召すのでは?


乾?
…ああ、あの色坊主の。

[小さくわらう。
引き締まった、と聞けば幾らかは
興味があった]

脂身が多いのは好かん。


わたしは悪食ですから…脂のしっかり乗ったものも嫌いではありませんよ。
それに…祭りにて喰らうはただのエサではないのですから。

[子息を送り込んできた家のいくつかは秘密裏に、その子ではない世継ぎを望んでいる場合もある。
 当人たちはおそらく知るまい。]


[熱が身を侵食していく
満月が
近い

少年は夢うつつ
真っ赤に染まった先を垣間見る]


 肉を――…喰らい、種を植えつけて


[裏の路地で
望まず生まれ、捨てられる子供たち
この世界に何故、底辺と呼ばれる其れ等があるのか
知っている
知っていた]


 壊す
 
 この世の理

[遠くに会話を聞きながら
さらに深く、夢の奥へと堕ちていく**]


…わかっている。

[食うだけではない。
その言葉がどういう意味なのか]

…ああ、もうすぐか。

[さざめくような声。
もうすぐ、またひとつ人喰らいの花が咲く]


 ……イアンの心は主が亡くなった時に、
 既になくなっております。

[ぽつり、そう零せど、すぐに小さく笑って] 

 なんて……殺されるようなへまはいたすまい。

[取って置きのの言葉には嬉しそうに笑みが零れる]

 ……殺すな等とおっしゃるから
 太刀を拒否されるのではないかと危惧しました。
 今、受け取りに参ります。
 お時間よろしければ、部屋にお帰りください


ああ戻る。
だが、こころはな、なくならぬよ。



それにそういうことを奴は望まないと思うがな。
[それはさりげに、実は知っていること、告げた。]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[白い肌、漆黒のひととき前の髪。
 汗の香と枕元の香油が香る中、その引き締まった身へと縋って。
 薄紅に濡れた唇は、求めに応じて柔らかく交わされる。]

お会いしとうございました。
…貴方のような優しい方が、初めてであればよかったのに。

[耳元へ返す睦言。いとおしげにその頭を胸に抱く。
 ひとひら、ひとひら、綻ぶように、いたわるような指に開かれ、色づいていくからだ。
 熱い衝動を深く重ねる時にすら、その所作はあまりに優しくて。

 


 息もまだ乱れたままに、胸元に縋ってうっとりと余韻に浸る。
 つかの間の一夜の夢のことだから、答えずただ淡い笑みを返すのみ。]

(332) 2010/08/03(Tue) 21時半頃



 ……なくならなくても……いりません


 それに……主の真意は今となってはわかりません……

[高峰の言葉同様に、主の意思を推測する言葉へは
 そうとだけ零した]


 ――其は、幾多の言霊
 其は、この世ならぬ鳥のうた
 それから

 其は、この私よ 

              愚かなロビン

[つかの間の歌は
途切れ

脳裏で
哂うこえが

する]


 そうか。
 じゃ、しばらくは、俺に預けておけ。

 仕事中は、以心伝心しておかないとだからな。

[さらりと]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[それでもやはり、己は罪深く浅ましい。
 男の腕の中で眠る時にすら、夢に見るのは違う方のこと。

 「このまま見つからず居られたら、ずっと一緒に居られるのに」
 同じ顔に違う装束。
 納屋に寄り添って身を潜めたのは、漆黒を切りそろえた二人の童。

 己が彼に成れなかったか、彼が己に成れなかったか、
 幼い二人には抗うことは許されず、二人は分かたれそれぞれのみちへ。
 羨むことが無かったのは、彼の背の荷の方が重そうに思えたから。

 堕ちて穢れてしまった己を、彼はどう思っているのだろうか…]

(338) 2010/08/03(Tue) 21時半頃

…………

[預けておけといわれて、はいそうですかと
 言えるほど人に甘える性分でもなく
 仕事も絡めば露に拒絶するほど頑なでもなく
 返事に窮して俯く]

 ……先程触れて確かめるとも
 申し上げましたし

[そう言って自分が軽口で交わした約束を
 律儀に守ることを口にしながら話題をそらした]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[やがて夜半に目覚めれば、眠る法師を起こさぬように、
 そっと身支度を整えて、夜の霞がごとく消え去る。

 夢の名残に残すのは、胸元に歯を立て刻んだ紅色の花びらが如き痕ひとつのみ。]

(343) 2010/08/03(Tue) 22時頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、塗り下駄を片手に提げて、そっと廊下を去ってゆく。

2010/08/03(Tue) 22時頃


[親は天性の誘惑者だった。
何故彼が裏町に居たのか、知る事は結局無く
教わった事といえば満月の夜毎行われる――

多才な芸妓を持つ花と
その稽古を身につけたのは少年なれど
型どおり
譜面どおりの所作
毒花咲かずしては凡才に留まる

噂のロビンは、少年の内で眠る朱いろの花
芽吹くときは、もうあと僅か]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[一人部屋へ戻りて、窓辺から見る月は僅かに足りぬ。
 あの日二人で身を寄せ合って、こわごわ見上げた納屋の窓の月には。]

おやおや。
随分と大きな猫が屋根の上へ。

[本邸の屋根の上に見えた影を、思わず窓を開けて微笑ましく眺めた。]

よくあのようなところへ登れるものだ。

(348) 2010/08/03(Tue) 22時頃

 お前は、本当に正直なんだな。
 まぁ、いい。

[冗談交じりの件を、また新たに口にしたときは、小さく息をついて…。]

 無理せずともよい。
 俺なんぞ見なくても触らなくてもよい。
 お前の手と目を大事にしてやれ。

[一途な花というものを感じている。]


 ……そのように、育てられております

[主を知っているならば、主が信仰する神と教義
 それも主を通して知っているだろうと]

 ……無理を、しているつもりはありませんが……

[大事にしろ、そう言われても
 大事にする意味を失っている青年は
 頷くも否定も出来ず
 また返事に窮しそれだけを零す]


 ああ、そうだな。お前は何も悪くない。
 亡くした主のため、すべてを込めていくのは、花として幸せなのかもしれん。

 ああ、そのとおりだ。

 余計なことばかりを言ってすまないな。
 まぁ、気にするな。

[本当に見えぬのならば、だが、
見えて見ぬのなら、それは、何かが違うと思った。

 そして、その事実は、ひさびさに気分を落ち込ませるものだったが、気にしても仕方ない。]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[窓から漏れ聞こえるは、本邸の宴からの笛の音か。
 ゆるりと寝台に足を投げ出したまま、窓辺に持たれて耳を澄ます。]

 誰を想うて、吹く笛か…

[夜風がふわりとカーテンを揺らす。]

(361) 2010/08/03(Tue) 22時半頃

 …………はい。

[眼前の仕事仲間の口にする言葉に
 青年は何度も返事を窮し]

 ……例え、あの人が望まなくても
 それでも私の咲き方です。
 私が選んだ以上、私が悪くないとは申し上げられません
 ……が、おっしゃるとおり幸せだとは、思います。

[それでも、外を眺める刷衛を紅で見据えながら
 静かにそうと告げて

 例え己が目を塞ぐ様子が
 他者の気を塞いでも……己に積はないとは言わないが
 曲げることはない]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

恋すれば、芸は色香と艶を増す…

[幾人かが競い奏でる笛の音は、それを纏っているや否や。
 確実に分かるのは、あの時の雛鳥の声が、幼いながらに艷めいて聞こえたことなれど。]

されども、それに溺れては…焦がれた炎は身を焦がす…か。

(364) 2010/08/03(Tue) 22時半頃

[ふと、こちらを見ているのに気がつくと]

 おまえ、見ないといっただろう。
 見たのなら、笑え。

 見たのなら、貸した代償は払ってもらうぞ?

[今度はふざけた声になる。]


 ……見なくとも触らずとも良いと仰られましたが
 見るなとは、触るなとは仰っておりますまい?

 何故……?何故笑いを求めますか?
 眼が二つあり、鼻が一つあり、口が一つある
 皮膚があり、眉がある…けれど笑う要素が何処にありますか?

 ……それでも、笑えと言うならば笑います
 代償をと言うのならなんなりと。

[ふざけた声にはそう、紅を細めながらも
 座る刷衛を真摯に見詰た]


ランタン職人 ヴェスパタインは、本邸から聞こえてきた絹裂く悲鳴のような音に、思わずぱちくり。

2010/08/03(Tue) 23時頃


 お前、結構屁理屈な花だな?
 あれもさぞかし扱いにくかったろう。

[またおどけたように、かつての旧知にそう同情するようにわざと言う。]

 ああ、目と鼻と口がついている。
 歯はむき出しで、毛穴はでかい。
 目は落ち窪んでて、鼻はつぶれているさ。

[そして、くくくっと笑う。]


[様々な考えの合間に思うことは多々あれど]

…何の騒ぎだ?

[鼓膜に強く響く音に、誰か理由ひとつ知らぬものかと。
笛の音であるということは、よく解るのだけど]


 まぁ、代償も冗談だ。
 心持たぬものを抱いても虚しいだけだしな。




 まぁ、安心してあれを思って剣を振るうといい。
 ちゃんと見守ってやろう。

[喋っている間も、きっと顔を触る手には、少しだけ心地よさげ。]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

…ほぅ?

[今までの吹き手のものとは違う。
 有り体に言えば「なってない」と言っても良い。

 されど、その音は…誰のものよりもより強く、滲み出る何かを帯びている。

 吹き手をこの目で確かめたいと思うも…
 さすがに今は夢のあと。母屋まで行くには身が怠い。]

(377) 2010/08/03(Tue) 23時頃

 御存知ありませんか?
 チャールズも普段は温厚なれど
 神学と言うなの論争の場では名うての論客
 ……床では伽話の変わりに艶もない論戦に遊んだものです

[そう言って少し紅が遠くを見て
 それから現在へと焦点を合わせる]

 刷衛殿はそれで刷衛殿です。
 そしてその眼は刃脈を真摯に見つめ、
 その歯は熱される釜の前でも怯まず結ばれ
 熱から守るため身体は汗を毛穴から流し
 その花は上質な鉄を香りからも見極める。

 右に倣えのモノばかりが良きもの等馬鹿げている
 形なぞ様々だからこそこの世は面白いのです

[己が欠点をあげるような刷衛の笑いに
 そう返してから、心地よさげな刷衛から
 指を離し戸口に向かう]


 心がなければ楽しめぬ御仁ならば
 そればかりは、満たすことが出来ず申し訳ございません。

[ゆるりと戸口に向かいながら笑って]

 ……ありがとうございます
 ああ、そうだ……明日の宴までには
 封鎖と根回しは終わるとのこと。
 明日の宴には告発をおこないます。
 お見守りよろしくお願いいたしますね。


 なるほど、
 じゃ、その屁理屈は、あれ仕込みか。

[そして、泣く笛の音は己にも響いたか。]

 本当に、普通の花祭にはないものがここにはあるな。

[そして、また考え込みつつ…]

 あの月瀬も紅い月を描いていた。
 あと、月のつく名前もなんと多いことよ。

 やはり、まんまるは早く捕らえて何かを吐かせるべきだな。


 ああ、頑張れよ。

[戯れに誰かを抱くなどということは、
 昔ならば喜んでいたか。

 だけど、年齢を経れば、それも、また、心なければ、終わり虚しくなる。]

 ああ、見守ろう。
 くれぐれも、用心だけはしろ。

[そして、去りいく花を見送った。]


これもまた、おもしろき音色よ。

[返す言葉は気怠げに。]

宴席はまだ続いているようだけれど…今少しは身を休めたくてね。
[ひとときの淡い眠りだけでは消えぬ甘い余韻に、今は酔うばかり。]


 ええ。12の時からの主ですから。
 なにもかも、あの人の名残です。


 ……趣味の悪い豚狼なれど
 この趣向は悪くありませんね
 ……狩の舞場まで提供なさりますし

[月と獣の病の関連性を思い
 刷衛の言葉に狂狂と赤を細めて]

 豚狼への尋問はお任せいたします。
 ……刷衛殿も御用心を


[聞こえた音、ふたつ]

 この身宴に在らずして
 知り得る事叶わぬが

[病の元は、いま此処に。
硬い蕾が人食い花に化けるまで、動けずに居る]


 先刻の
 夜光の音とはまた違う

 食欲そそる音――…嗚呼、私の目覚めは

 満月は、未だか**


あぁ、月が…満ちる、ね。

[くす、と微かに笑う音は、蕾が花咲く時を待つ。]


 まぁ、こんな男を食おうとはあまり思わないだろう。
 大丈夫だ。



 それに俺は死ぬ気は全くないんでな。

[とそこまで言ってから…。ああ、と何かを思い出す。]


…まったく。

[慾深い花達だと思えど、己もまた変わらない。
喰らいたい。月が真円へと近づけば近づくほど

喰らいたくて堪らない]


[イアンが部屋を出てしまってから、その言葉は届いただろう。]

 明之進という花だが、
 俺の友人の花でな……。

 こんなところにいるはずがないんだが、なぜかいる。

 そして、俺を主と呼んでいる。
 肝心の主には連絡がつかん。
 不思議でならん。

 口外して、その明がきちがい花呼ばわりされるのはたまらないので、このことは誰にもいうな。

 知っているのは、白鳥と本郷のみだ。

[何かその件でもわかれば教えてほしいと告げた。]


ランタン職人 ヴェスパタインは、気怠げに身を横たえて暫しまどろむ。

2010/08/04(Wed) 00時頃


 勿体無いことを

[小さく笑って零すのはそんな言葉]


 ええ、刷衛殿はこれからも素晴らしき業を
 振るっていかなければなりません。
 研者が血に溺れてはいけません。
 ですから死地には赴くことなきよう。

[廊下を歩きながら答え、
 もう一つ届いた話には、ふむりと思考する]

 花が主を違えて呼ぶですか……
 あの儚い花がなんらかの策略でそうするとも思えませんね…

 わかりました。なお気にかけながらも
 何方にも申し上げません。
 本郷殿と白鳥…鵠ですかね…は知ってると…


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[つかの間の眠りを破ったのは、こいに溺れた水音か否かは…さて。

 いつもとは違う刻限に眠りに落ちてしまったがゆえか、
 それとも、あまりに月が明るいからか。
 すっかり目が冴えてしまって、落ち着かぬ。
 
 夜着の合わせのみを整える程度で、下駄の音と夜風を伴って漂うは霞。
 未だ足元は少々危ういが、そのふらつく足の運びすら艷めいた所作に見えてしまうか。]

(483) 2010/08/04(Wed) 04時頃

ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/08/04(Wed) 04時頃


ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/08/04(Wed) 04時頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[やはり大人は穢いと、思われてしまうかも知れないけれど。
 
 それでもいつしか歌に誘われて、姿を見れば手を差し出すか…**]

(485) 2010/08/04(Wed) 04時半頃

[眠っているとは知らず]

 高嶺が鵠と華月を摘もうとしているらしい。
 さて、これをどう見るか。

 高嶺はもう少し、慎重に剪定をする男に見えたがな。


 ―――…んぁ?

[聞こえた通信機器をとうした声
 意味もわからず返した声は眠そうな声だった]


 寝ぼけてやがる。
 それとも色事の最中か?

[くくくと笑いつつ…。]


 ――……かんぴょーまき

[敷布にまるまるロビンに添い寝中と
 言いたかったらしい。
 うとうと眠る青年は聞こえた笑いに答えた]


 かんっぜんに寝ぼけてるな。
 かんぴょう巻もってこいってか?

[そして、かんっぜんに勘違いした。
 大広間の食事の中にかんぴょう巻があるかどうか探している。]


 えーっと、かんぴょう巻あったけど、切れてないな。
 まぁ、あとでもってってやっから、端っこから咥えて食ってくれよな。

[声は多少エロくなった。たかがおっさんだった。]


[違う][違うのだが]

 ……………はら、へったぁ…………

[宴で酒しか口にしなかった青年は
 若い食欲には勝てず
 夢うつつにそう反応した]


 ……うん、そーする、あり、がと
 おもて、ざ、しき、ロビンにも………
 
[えろい含みにも気づかぬまま、
 ぼんやり頷いて笑みながら礼を溢して]
[まだみぬ干瓢巻きを夢にみつつ、
 また眠りは深くなり次にかえるは寝息ばかり]
[半分以上寝てる青年にくわえさせたら
 *寝ながら食べそうだ*]


 表座敷な。
 他も見繕ってもってきてやらぁ。

[と一応言ってるけど、食べながらだった。
 片や寝ながら、片や食いながら。


 だけど、それでも仕事はちゃんとやるつもりである。**]


[そして散った花のあとに咲くのは
生あるものを惑わせからめとる、毒の花]

  我こそ
 巷に流れる噂の花

 月夜に、艶やかに咲き誇る――私の名はイビセラ。

 愚かな駒鳥は、もう要らぬ**


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

…そなた、は………

[月の光りに照らされて、その子はあまりに儚く笑む。
 絡めた指先。拙い口づけが白い指へと火を灯す。]

天翔ける 両の翼を 捨ててでも
鳥は望むか 月の囲いを

[夜着が濡れることも構わず胸へと引き寄せるのは、
 枝から落ちて芽吹き、いままさに咲かんとする一輪の花。

 今宵既に他のものに抱かれ、幻を紡いだ唇が、
 潤んだ紅石榴の雫に触れ、そっと吸う。]

このままわたしの元へ来れば、お前は変わってしまうよ?
気ままに囀る雛鳥では、居られなくなる。

[濡れて冷えた体温は、このまま抱けば溶けて消えてしまいそうで。
 されど、それでも奪いたい。このまま喰らってしまいたい。
 そんな衝動は胸の奥を既に痛いほど焦がしている。]

(505) 2010/08/04(Wed) 11時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

わたしの腕は止まり木ではなく、お前を囚える籠になってしまうだろう。
それでも…

そなたの歌を、わたしは聞きたい。
枝の上でも、舞台でもなく

この、腕の中で。

(506) 2010/08/04(Wed) 11時頃

[月の光に当てられて、思いは胸を焦がすのみ。]

あぁ…このまま穢れず美しいまま、永遠にわたしの中に納めてしまいたいのに、
この子が穢れに染まりきり、艶やかに色を変えるさまにも心惹かれてしまう。

[喰らってしまえば、永遠にそのままを留めて置けるけれど…]


 永遠など……生有るものには訪れぬ

[宵待月冴える夜
薄い笑み零し、聞こえた音を拾うは
泡沫に消え行く名も無き花でなく]

 死と生が、我等が力
 そうでしょう





 満月の前夜の小望月――…子持月
 ……臨月は訪れた

 明日はお目見え出来ようか
 この声届く貴方方に**


満ちては欠け、また満る、空に輝く月が如くに、
せいを喰らいて死出へ導き、新たなせいを蒔く我らなれど…
[複雑な胸の内は、焦がれる痛み。]

花ひらくを、楽しみに待っているよ。


ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/08/04(Wed) 11時半頃


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[湯船満たす清い湯と、まっさらな替えの着物が、
南端の角部屋に用意されたかは返答次第。

気怠げな 朝の眠りに 寝乱れて
かいなに縋る 夢はうつつか

独り寝の夢か、ともに見たかも、返答次第。]

(516) 2010/08/04(Wed) 12時半頃

…何の花が開くかと思えば

[まどろみの中に聞こえた聲に小さな欠伸が一つ。
気だるげな声は数拍置いてから]

見えるは"晩餐"の時にて。
……愉しませてもらおうか。

[低く、哂う]


[目覚めた花は、ふと思い出す]

 ――…して、晩餐に並ぶは
 誰ぞ?


[時折歯にしっかりとした食感を寄せるのは
細かく刻まれた塩漬けの心臓。
悪くはないが、殺したての肉に比べれば鮮度が違う]

主から喰らうか。花から喰らうか。
…イビゼラ、だったか。
お前は誰を喰いたいと望む。


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

…儚く壊れて消えてしまったかと……

[低く掠れた声で、すり寄る温もりに目を細める。


朝の光のなか、乱れた夜着もそのままで、
華奢な身体に刻んでしまった、幾つもの紅い花びらを辿る。

幾度も啼かせて囀り疲れただろう身体の、
塗り込められた香油の香りにいまだ淡い夢を…]

(525) 2010/08/04(Wed) 13時頃

 喰らいたい……私が?

[短く吐息を零す。
暫しの間]

 種を植えるなら、育ててゆけぬものを
 喰らうなら、財有るものを

[声の届く二人とは、間逆かもしれず
謡うように節をつけて囁く]

 嗚呼 しかし
 幼い肉は柔らかく美味と謂う

 悩ましい


…柔い肉の味は霞に聞くがいい。
私は、あまり好まん。喰らわぬわけではないが。

[率先して子供を、とはあまり言い出さぬ口。
霞のほうは、誰を好むのであろうとは思いはすれど]


 …――雛鳥は

[からかうような囁き]

 さぞ、美味かろうや


…雛、ねえ。

[あまり興味はないのか、呟きもうつろ]

旨味はあるが、食感に欠ける。
まあ、初物に食うには好いかも知れんが。


 先ずは前菜
 幾つか挟んで漸くメイン
 デザートは最後にとっておくもの

[さて雛鳥は何処に当てはまるか、と哂い]

 ただ…――形式に拘らぬ晩餐であれば
 好きなものを好きなだけ
 皿を手に歩き回れば良い

[付け加える]

 此度の晩餐は……どちら?


初物は傷みやすい。
喰らうなら早めが好かろうね。

[くつ、と小さく喉を鳴らすのは愉快さか。
それとも、憶える餓えによる期待か]

皿を持ち歩くも構わんが、食後の甘味ぐらいはゆっくりと味わいたいもの。
…そういうものは、取っておくが良いと思う。
皿を持って歩きまわってばかりでは、忙しなかろう。


 喰らうて良いなら、今すぐにでも


[腹の底から込み上げる本能が
急かすように焦らすように蠢いている]


 嗚呼……腹が空いた


糧として、喰らうのならば…

[そっと腹を撫でるのは、一夜の夢を見せた法師のことか。]

食べ頃ならば、若い桜の猫が盛りか。
だが、ようやく開く花のお目見えならば、先ずはどなたかに、一夜の夢でも魅せてごらんよ。
いくら美しくとも、徒花は要らぬ。


腹が空いて堪らんならば、一番食いでが有るのは小山のような肉饅頭では無いかえ?
[くく、と落とす揶揄。]

ああ、雛鳥は食後の水菓子に…


 桜の猫は、其処に見えるが
 嗚呼でもこれは……若しかしたら

 これから、化けるやも。

[冬色の瞳が春を見る]

 ……私が、徒花と?
 面白い

[薄く、哂った]

 噂の花を咲かせてみせよう
 一夜でなく、この日の下で


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

流石に少し…戯れが過ぎたか……

[部屋を去る雛鳥を見送って、乱れたままの寝台に身を投げ出す。
情けなく重い腰をさすって、夢の続きをいましばし。]

(536) 2010/08/04(Wed) 14時頃

脂身が不味そうで食う気にもならん。
悪食のお前と一緒にされては困る。

[そも、元々の基準が違う立場。
好みの肉に困ったことがなければ
不味い肉を放り出すなど日常茶飯事]

…なるほど。
随分と面白い趣向だ。

[低く、喉が哂う。見せてみろ、とばかり。
丁度視認できる位置から鉄色は咲き始めの花を見下ろす]


 肉饅頭は肉饅頭を喰らうているよ。

[今しがた伝えられたそれを聞かせ]

 余程、執心の様子。
 他所に懐いた雛鳥など、もう要らぬ

 喰らうにしろ、あれは
 人数分も無いようだ

[胸を押さえながら呟く。
テラスからの視線に気付き、つと目を伏せた]

 此処ならば、置いてある筈
 暫し間を。

 流石に私は、ナイフ刺さる痛みに耐えて舞う気は無い故に


ランタン職人 ヴェスパタインは、しどけなく寝台に身を横たえたまま、窓からの景色を眺めていた。*

2010/08/04(Wed) 14時頃


ランタン職人 ヴェスパタインは、メモを貼った。

2010/08/04(Wed) 14時頃




では…愉しませて貰おうか。


[微かに口元を歪めて、嗤う]


 噂の主を、その目で見るといい 

[艶を抑え、爽やかな春の音色を自在に操る。
小鳥の挨拶も木々の葉が甘く囁くさまも
確かに其処に映し出されていた**]


よーし、食え食え

[寝てるのにひどいもんだった。]


…存外、普通だな。

[周りの噂如何ではなく。
随分な口を叩いて見せたように聞こえたので]

てっきり、猫を食らうつもりなのかと思っていたのだが。


 おや、普通と謂うか

[苦笑を零す]

 ……朝日の下に相応しい音色を選んだ心算だったが
 ひとつ、惑わしの歌でも奏でようか


 猫を喰らうて欲しいなら


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[まどろべば、傍で囀る声も心地良く。
はべる姿もいじらしい。

気の利かぬ下男が朝餉を持てば、
冷たい果汁くらいは口にするか。]

お前は育ち盛りなのだから、ちゃんと食べなければね。

[そう勧めつつ、傍にいる様を微笑ましく眺めながら、
好きなところにいれば良いと申しつけて、
己は昼頃まではゆるりと過ごすつもり。]

(550) 2010/08/04(Wed) 16時半頃

何、直前で喰う喰らう如何の話をしていただろう。
それゆえ。

[確か、あの花は種を植える云々とも言っていた気がするが
さてどうするつもりなのかとは思う]

私を惑わしたところで仕方なかろうに。


技巧だけは、かなりのものか。
[窓から漏れ聞こえるを耳にして。

ひと味足らぬは焦がれる思いか。
雛鳥の歌に加わった艶や、あの狂い咲きの笛の音のような。
何かするつもりなら、そっと窓から見守る所存。]


植えたいのなら、誘うて蒔いて構わぬのに。

その為の、祭りであろう?


 っふ……

[微かな吐息を洩らす]

 否

 惑わしは、これへ。
 流石に……聞かせる相手が夢の中では届かぬやも


[謡う相手が違うと、微かに視線を向け]

 元より貴方がこの血に惑うとは思わぬけれど
 戯れくらいは、如何?

[唇が笑みを浮かべる]


 嗚呼、技巧は
 物心付いたときより学んだ数だけ、この身にあるが

 舞もうたも武芸も――
 どれをとっても、風情が無いと師が。

[それ故少年は才が無いと塞ぎ
けれど技巧はあったものだから
やがて其れは形を変えながら人々の噂に上る。

いま奏でるその曲には情景を浮かべる色がつく。
それでも
誰を想った一芸には有らず]

 眠る桜を誘うなら……急く事もあるまい
 どの道これは、冬を恋うていたのだから


技巧だけは。
流石、花の言うことは違うな。

[く、と低く喉が鳴った。
思うことは他にもあれど]

何だ。
あれだけの大口を叩いておきながら、
夢の中まで惑わせて見せるとは言わなんだか。
まあいい。

[浮かんだ笑みを見たのは、テラスを下がるその少し前のこと。
向けた鉄色は冷ややかな温度のまま]

戯れ?
…気が向けば、付き合ってやっても構わんよ。

何時気が向くかは、知らんがね。

[唇歪めて、微かに嗤った]


 花であれば――…技巧はあって当然のもの
 凡才と思う定義は其々に

[視線が一度交わる。
温度はどちらも同じ]

 嗚呼

 意地の悪い

[歪む口元から視線を下げて、頬を染めた。
拗ねた口調で囁いて
やがて春のうたは終わりを告げる]


意地が悪い?今更だな。

[見えなくなった姿を気になど止めない。
止めるはずがない。
強い興味を持てぬのであれば
総ては興味の蚊帳の外]

悔しければ、その気にさせて見せれば好かろう。
魅了し、手玉に乗せてこその───悪の華よ。

[低く喉が嘲る様に震えて、嗤った]


 それでは同じ言葉を。


「その気になれば」魅了に向かおう

[溜息ひとつ。
姿を追う事はしない]

 鍵爪で引き裂くなら
 背が良いか
 腹が良いか

 私がこの手にしたいのは


つまらん事を言う。

[それは幾らか低い声]

引き裂いてまで、何がしたいイビセラ。
腹を裂いて背に傷をつけて。

それで何とする。

[嘲り交じりの言葉は続き、ゆっくりと冷えた音になる]

悪いが、この身はそう簡単にお前にくれてやるほど
安いものではないのだよ。


 ……嗚呼、私の言葉は何時も足りぬ

[溜息。
苦笑を零す]


 鍵爪で引き裂きたいのは別のもの。
 此処に

[視線を投げる姿が
相手から見えるかどうかはさておき]

 冬を慕う桜を引き裂くならと。
 彼の甘い声を聞くか、悲鳴を聞くか

 どちらを手にしようかと。

[冷えた音に、変わらぬ音を紡ぐ]


…成程?
お前達の言葉はどうも遠回しで好かん。

[人喰い花独特なのかと思うほどの婉曲さ。
呆れたように溜息をつきながら]

…どちらも叶えればよかろうに。


 貴方の身を欲しいとは思って居らぬ
 私を試してみるならば、と
 誘った裏に他意も無い

 未だ、この身を少し
 持て余している
 所作を試してみたかっただけのこと

 要らぬなら――…構わない


 思うように、伝えられぬ
 嗚呼、冬の名残か

[軽い笑みを含んだ吐息
朝の日を浴びながら、瞳を細める]

 花主は欲張りだ
 ……私には、思いつかなかった


所作を試すなら、霞に頼むが良かろう。
私は、いつ気分が乗るかもわからん。
霞が手いっぱいと言うことであれば、まあ、考えなくもないが。

[やっと手に入れた聞きやすい言葉に
己もまた率直な意見だけを返す]

…欲張りだからこそこの世で未だ法の網の目を抜けて
狼憑きとして生きている。
運動すれば腹も空くと言うもの。

甘い時を過ごした後の晩餐は、特に格別だろうさ。

[低く、嗤う]


 ――…矢張り、意地が悪い。

[拗ねたように呟き]


 裏の世で生きるなら
 全てを捨てて一つを選べと
 教わったのは、間逆

 狼憑きが生きるには
 常に危険が伴う場所故に。

[薄く哂う]

 この足では、激しい運動は難しいのだけれど……
 ……其れよりも、昨夜の汗を流したい
 貴方は――哀れな花の運び手になる気も無い、か?


どうせなら、花遊びに慣れぬお方を誘ってみては?
天満月の御子息とか。


 天満月の御子息さまとやら
 ……何処に居るのか
 とんと顔を見ぬが……。

 やれ、どちらも私では不足と謂うか。
 流石に
 傷の付く事よ


お前を抱いて…食いたくなってしまうのはまずかろう?

喰われるのもごめんこうむりたい。


 ……抱く?


 私を幾ら抱いても孕まぬよ
 受け継いだのは、種付ける術

 喰らいたくなっては――確かに困る。


何だ、まだ言うのか。

[からかうような響きを残して幾らか低い声は嗤う]

危ないと言うなら其の身を矛に身を立てれば好い。
丁度いい手本が傍にある。

[なあ、と話の矛先は霞へと向かう。
傷が付こうが付くまいが、己には関係ないとは口にはせねど]

…いいだろう。
ならばしばらくそのままで待つがいい。


 本当の事。

[嗤う音に、拗ねたこえ。
暫し間が空いた]


 簡単に謂う。
 私の居た場所は、貴方達の想像のはるか底辺
 誰にも見捨てられた裏路地に子捨てが何故この世に起きるのか
 財持つ家に生まれたものには遠い話。


 ――では、俟とうか
 幾時も幾日でも


だから、今更だと言っている。
少しは学べ。

[間が開いたことに疑問など持たない。
こちらもまた、幾らか喋っていた故
一つに意識を集中させるほどのことはしない]

その無理難題を越えたくて花になったのではないのか?
己が選んだ道に、後悔するのであれば去れば好いだけのこと。

…では、お前が稲羽の松になる前には、迎えに行こう。

[それは古いうたの話]


 花になったのは……嗚呼、解らない
 親は何故
 同じ道を歩ませてくれなかったのか

 世を狂わせる
 其の為に危険の中へ留まり続けたのでは、無かったのか

[思い馳せるも、答えは出無い]

 ――直ぐに帰るといいながら
 待てども待てども、置き去りのまま

[詠うこえが聴こえた気がした。
古い古い、知っているのは、冬の知識]

 それは、失せもの戻るまじない歌……?


知りたければ、調べればいい。

[書庫にいけば答えは見つかる。
敢えて答えるつもりもない。]


 別れを詠む
 去なばの山の
 ……知りたいのは、うたの意味ではなく

[記憶の引き出しにあったのは
もう千年もそれ以上も、古い古い書物のうた]

 私が知るは
 失せ者かえるよう、願うものでもあった故
 其れを知る貴方は……失せものでもあったかと

 詠み違えたか?


読み違えも甚だしいな。

[それは結構な切り返しであったように思う]

言ったはずだ。
遠回しな言い回しは好かんと、ついぞさっき。
大体、失せものなど

[少しだけ、間が開いて息を吐き出した]

私には、ない。


 そう――…か?

[僅かな間は微かな疑問を浮かばせたが]

 なら、良い

[短く零す]


何だ。この返答では不満か。

[どう聞いてもその言葉尻は上がっていて、
息を一つ吐き出す]

…それで。
何処に迎えに来いと言うんだ。


 否、詮索はせんよ
 立ち入るなと謂うならば。

[冬色が翳る
眉を下げて]

 先刻の、庭に
 そのまま居る

 足の怪我を失念していて
 ……立ち上がれなくなった


 ひとつ花が其処にあるけれど


[無言の答え。
それが意味するものは推して知れとばかり
男は答える言葉を作らない]

…立ち上がれない?
お前は子供か。

[呆れたように呟いて、息を吐き出した。
花と聞けば目を細め、もうすぐその花の後姿も見えるだろう頃]


 ……姿は見ての通り
 私も、昨夜生まれたばかり

 子供には違いない

[くすくすと、わらう。
花開く
柔かな花びらの其の通り
徐々に変化しているのは
トゲ混じる冬の名残が消えていく証拠]


成程、まあ、それは確かに道理やも知れん。
随分老成した子供もいたものだ。

[納得はすれどそれよりも先にまず呆れが生まれる。
軽い笑い声に肩を竦めれば溜息は重く一つ吐き出される]


 ……私は何を言った?
 私に何をした……?

[酷く寝惚けて醜態をさらした夢と
 眠りながらも、巻物を口にくわえ
 少し苦しげに微か喘いだ夢をみたから。
 恐る恐るどこまで現実か確めた]


…イビセラと呼ばねば、自分だと解らないか。

[微かに空いた言葉の間に首を傾げる。
目の前にいるからには、流石にそれぐらいには気付くというもの]


 ……ロビンでも、名も無き花でも、徒花でも
 何とでも呼ばれれば気付く。

 少し意識が飛んだ。
 日に当たりすぎたか……何かしたのやも。 

[空いた間は名の通り空白の一瞬。
咲いた花にその間の感情が無い]


 ん?
 あ、そりゃもう、なかなかに大胆なことを…。

 さすがに長く躾けられた花だと感心した。

[なんだか焦った声がしたので、
 悪乗りしてそんなことを言ってみた。]


[米粒の存在と、自分の記憶のあやふやさもあり
 夢の様子ならそこまでのことはしていないはずと
 否定することは出来ず、頭を抱えた]

 ……忘れてくだされ。

[かろうじてそれだけを零して]


だったら、すぐに反応するんだな。
狼憑き以外のいる場所で、少しでも余計な疑いを
持たれるような事はするな。

[見下ろす視線は幾らか冷たく。
それは己にとって不利不必要となればいつでも切り捨てると言わんばかりに]


 ならば余り動揺させぬよう願う
 まだ……抑えられぬ

 どちらもなど、貴方が謂うから。


 ん?忘れるにもなかなかに…。
 寝ぼけてるとぬしは中々に楽しい。
 童心の心と大人の身体と…。
 いや、チャールズもたいしたものだな。

[本当に何も覚えてない風味な感じに、やはり楽しげに悪乗り追加。]

 まぁ、また拝ませてもらおう。

[気にするな、とまで言い残して…それから少し真剣な声に戻る。]

 さて、さっきも言ったが、花買いもはじまっている。早々に決まれば祭途中でも辞すものも出るかもしれん。
 ここで逃げられては……な。
 そろそろ、動くか。


 は、はぁ……

[主を褒めてもらえてることもあり
 強く何か言うこともできず
 かと言ってその礼を述べることも出来ず
 零したのは間の抜けた返事。
 ただ、続いた言葉には嘆息一つ]

 ……御容赦願いたい……刷衛殿は意地が悪いですね……

[かろうじて、少しばかり言い返したが
 話が真面目な話題に及べば、コクリと頷いた]

 ……夢うつつの記憶が確かならば
 高嶺が二つ花を摘んだと

 ……そうですね。封鎖の手配は今宵の宴までには整います
 宴開始一番に舞台上で
 現状の説明と封鎖の報告を済ませましょうか。


動揺?何のことだ。

[動揺させることなんて何一つした覚えはない。
当然、何か動揺させるような事を云った覚えもない]


 ふむ、そうだな。よかろう。
 では俺は知らぬ素振りでその様子を眺めておく。

 クロならば、焦りの行動も出るかもしれんしな。

[そして、また考え込み]

 まんまるは、すぐに逃げるかもしれん。
 先に確保しておくべきか?


[あまりに酷い扱いだったが
同じ担がれ方で無いのは、救いだった。
自覚こそ無いけれど]


 ……剪定の、くだり
 どうにも冬の名残が、抜けぬ


 どちらも叶えれば良いなどと
 欲を張る事を覚えてしまったら、如何する。


[足りぬ言葉を注ぎ足して
花は大人しく担がれている]


ランタン職人 ヴェスパタインは、流石にそろそろ、部屋にて湯を使い身支度を…

2010/08/04(Wed) 23時頃


 それがよろしいかと。
 私が表舞台は勤めます……舞台で舞うのは花の役目ですから

[豚狼の話には、小さく考えて]

 ……宴までに捉えることは可能ですか?
 宴で捕まえたあれを引き出しましょう
 さすれば、より現実を突きつけられる


 なるほど、あいわかった。
 では、捕まえてきておこう。

 表舞台はよろしく頼むぞ。

[明の件を済ませば、まんまるのところに出向こうと思った。]

 ああ、でも、あまり奴等を炊きつけるなよ。


ん?
……ああ。

[よくは解らないが、選定に関して
何か動揺するようなことがあったのだろう。
芝を踏みながら向かうのは主達の客室のある棟]

別に構わんのではないか。
慾など貼りたい時に張らなくて如何する。

[やはり平気な顔をして、男は花を担いで歩を進めた]


 よろしくお願いいたします。
 相棒が頼りになるのはありがたいですね。
 花か花主に相棒がいるとは聞いておりましたが

[幼い花を思い出し彼らだったらかなり難儀だったろうと
 そうではなくて良かったと]

 ……気をつけます。出来る限り事務的に
 済ませたくはありますゆえ


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[後先考えぬ無茶が祟ったか、まだ昨夜の疲れが抜けないが、
流石に雛鳥に腰をさすってもらうとか情けない事は出来なくて。

湯を浴び、衣に袖通し、帯を締めればシャンとする。]

そなたは、ちゃんと休めたか?
[あまりに囀るその声が、己の熱を煽るものだから、
華奢なその身に障りは無いかと少々心配になったりもした。]

(656) 2010/08/04(Wed) 23時半頃

 其れは、いけない。
 慾を出して、二つを追っては
 どちらも手に入れられず、終わる
 
[花は否定するが]

 種付けも食事も
 秘密裏に
 見つかっては……身の破滅

 余所見をしては、ならぬ
 手玉に取るのは私の筈
 とられては……

[胸を打つ音が、幾らも早い。
くだんの話が予想以上に響いているようだった]


ランタン職人 ヴェスパタインは、色々と愚かしい己が情けなく、よもや溺れておるのだろうか…

2010/08/04(Wed) 23時半頃


 ああ、気をつけろ。
 頼りになるのはこちらも一緒だ。

 だから、死んでいなくなるのが一番困る。

 俺に迷惑かけるなよ。


…まあ、何でも構わんが少しは黙れ。
そのままでいると

[階段を上がった瞬間に口にした]

舌を噛むぞ。


[威勢が良い方が踊り食いが楽しいとか、そういえばそんな話はあったけれど、そんな事が噂になっているなどとは存ぜぬ。]


 ――――…

[呟いた時には既に咬んでいたものだから
思考までそこで一度止める]

 こちらで話すに、支障は無かろうに。

[媚混じる拗ねた声色]


[そして、明との用事が済めば、まんまるの元に向かうだろう。
 やはり刀を研がせろ、などいい、奥座敷に案内させたあと、そこで、有無言わさずふんじばる。
 そして、さぁ、この花祭の真実を語ってもらおうかと、拳をゴキリと鳴らした。


 ある程度の情報が聞き出せたのなら、そのまま、また連行する。使用人たちは急な出来事に怯えてはいるが、管理センターのIDカードは免罪符になっていて…。

 そして、その身を大広間の控え室に放り込んでおいた。]


 ……そうですね、死んでいなくなるのは……

[置いていかれた方は、どうすれば。]
[刷衛の言うことは青年の思う先とは
 違うだろうと、思いながらも
 死で浮かぶのはなきあの人の姿]

 ……はい。ご迷惑おかけせぬよう
 最大限努力はいたします……

[けれど、何処か死地を求める気持ちは青年にあった
 勿論、そのことは口の端上らせはせねど]


 だが、少し、感じている。
 昨日部屋でした会話もあって…。

 彼は、本懐は……。

 だけど、それをそのまま、ではそうなれとはいえないのだから…。



 そう、多くは言わず、ただ死んだりするな、ともう一度言っておいた。


文句があるなら私は今すぐお前を
後ろに放り出してもよかったんだが?

[後ろ、すなわち顔面から階段に落ちることになる。
結局は放り出さないまま自分の部屋へと連れてきたわけだ。

まさか声を挟まず垂れ流し状態の会話を聞いて
霞が踊り食い云々など考えているとは知る由もない]


 ……善処、いたします。

[重ねて告げられた一言。
 命を重く、大事に思う方なのだろうか?と
 そう言えば殺すなと、言われたことを思い出し。
 それでも、口にした言葉は約束ではなく、努力するとのみ]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

[部屋に軽い食事を運ばせると、ついでに伝えられる旧友からの言伝。]

なるほど、それも良い。
…何処か適当に、場所を整えてもらえるか?

[細かい手筈は先方に任せ、琵琶の手入れを丹念に。
 雛鳥が付いてくるかは彼次第に任せるつもりではいるが。]

イアンとは、わたしがまだ花だった頃に共に技芸を極める友でね。
わたしの音で彼が舞うことが、恐らく一番多かったはず…。

(669) 2010/08/05(Thu) 00時頃

[階段から放り出されたなら
どうなるかは目に見えている。
暫し、恨みの念だけを思い浮かべた。

粗末な褥での踊り食いを見たことはあっても
まさかいまここで脳裏に過ぎることは流石にない]


【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

…愛い奴め。
[殊勝な言葉と恥じらう様子に目を細める。
そのような仕草を見せられると、このまま二人きりこうして引きこもっていたいくらいだが、流石に周りの手前そうもいかぬか。]

(693) 2010/08/05(Thu) 01時頃

【人】 ランタン職人 ヴェスパタイン

良い心がけだ。
見聞を広める事は、芸の肥やしにもなるだろう。
[旧友との芸での語らいに同席したいとの願いを聞きいれる。
舞台の手筈が整う頃に、琵琶の包みを持たせて供をさせる気だ。]

(698) 2010/08/05(Thu) 01時頃

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