252 【飛び入り歓迎】学園の七不思議
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全
特に心を揺さぶられた二人の言葉の共通項。
それは、トシミが僕でない誰かに心変わりする可能性。
ああ、そうだ。
確かに、共に飛べなかった後悔や、
彼女に対する申し訳なさという感情はあった。
けれど、そのような大きな感情の底に、
彼女の時が止まって《死んで》しまえば、
僕でない誰かに心変わりする可能性はなくなると、
そんな想いがあったのだ。
だから、自分が死んだ後。
彼女と話すことができるのと知った時、
僕は自分の心を閉ざしたのだ。
話せると言うことは、変化の可能性があると言うこと。
死への恐怖から共に飛べなかった僕を、
彼女が許さないことを恐れた。
そして、僕は自分の心を閉ざしたことで、
今、二度彼女を裏切ったことを知る。
(#0) 2016/08/26(Fri) 18時頃
そんな想いを、ポツリポツリと溢せば、
叱咤をくれた人たちは、どんな反応を示しただろう。
どのみち、最低だと自分でも分かっている。
でも、今更かもしれないけど、
僕は、変化を受け入れようと思う。
「途中で弾けなくなって最初に戻るのはね、
丁度、最後から二ページ目に、
僕の彼女への想いを書き留めていたから。
幸せな思いより先を弾いて、
終わりを見るのが怖かったからだよ」
思い出の楽譜をくれた生徒に、そう告げて、
受け入れた証しに、
その曲を最初から最後まで通しで引き始めた。
共に歌うと言ってくれた、
楽譜の生徒は歌ってくれたのだろうか。
それすら意識できぬほど、一心に音を奏でた。
(#1) 2016/08/26(Fri) 18時頃
最後の一音。
引き終えたニコラスは、そっと視線を上げた。
そこには、たまこに連れられた、トシミの姿がある。
「先生、思い出したんだ」
覚悟は決めていたとはいえ、トシミの冷たい視線に晒されて、
ニコラスは身を縮めた。
「私が許す……なんて、思ってないよね?
先生が私と同じ時間、同じ回数、
屋上から飛び降りたとしても、
私の先生への怨みは消えないわ」
ただ、ニコラスは、今回は逃げずに真っ直ぐに彼女の視線を受け止め、
断罪の言葉を受け入れる。
(#2) 2016/08/26(Fri) 18時半頃
「でもね、先生。
私、先生のこと、憎くて憎くてしょうがないけど、
それでもやっぱり、先生のこと好きなのよ」
馬鹿よね……と、トシミは周りに同意を求めるように笑って
「だけど、今のままの記憶を持ったまま、
先生と一緒には居れない。
だから、先生が、今度は本当に一緒に来てくれるなら、
生まれ変わって向かえにきて。
ここ《頭》では忘れてしまっても、
ここ《魂》で私を忘れずに探しにきて」
それが精一杯の譲歩だと、トシミはニコラスに手を差しのべた。
その手は、今度は離されることはなく、
二人の姿が次に向かって消えていく。
(#3) 2016/08/26(Fri) 19時頃
二人が消え行く間際、
ふっと思い出したようにニコラスが振り替える。
「ごめんね。トシミは君にはあげれない。
元の世界で君だけの人を見つけて」
「よかったら、君は、マッチョ君によろしく伝えてくれないかな?」
そして、話しかけられた二人は、
ニコラスとトシミが消えると同時に元の世界へと……。
(#4) 2016/08/26(Fri) 19時頃
「わー、よかった!
みんなのおかげだよ!!ありがとう!!」
多分、色々思うところがある面々の空気を壊すように、
たまこさんーー見た目はなんだか猫を思わせる、
着物を着こんだ少女がピョンピョン飛びはねながら手を叩く。
彼女が飛び跳ねるごとに、チリンチリンと鈴の音が鳴った。
彼女の声は、不思議とその場に居ない人の耳にも届く。
「えっとね、みんなにお願いは次で最後だよ!
七不思議って言ってたけど、
今回背中を押せそうな子は、あと1人なんだ。
あ、でも安心して!
ちゃんと、皆は元の世界に送るから」
(#5) 2016/08/26(Fri) 19時頃
「じゃあ、次の子を紹介するね!
ジョージ君、私に隠れてないで出ておいでよ。
さぁさぁ」
音楽室に居た面々ならば、
たまこに押し出されるように前に出る
小さな男児を目撃するだろう。
「えっと、あの、その……
僕はジョージ・クリンゲルっていいます。
……もうずぅっと前に、
かくれんぼの途中に隠れてるのみんなに忘れられちゃって、
その、……お手洗いに落ちて、死んじゃったんです」
物凄く恥ずかしげに真っ赤になって、
彼は自分の望みを話し出す。
(#6) 2016/08/26(Fri) 19時半頃
「僕の願いは、僕をかくれんぼで見つけて欲しいんです。
……僕、ちょっと汚い死にかたしたから、
嫌がられるかなって思ったんだけど……
あなたたちだったら、大丈夫ってたまこさんが。
それに、優しそうで綺麗なお姉さんが多いから、
大丈夫かなって」
ちなみに、ジョージ君がもじもじしながら、
ちらっと見つめたのはカトリーナ[[who]]だったかも?
(#7) 2016/08/26(Fri) 19時半頃
「お願い、できませんか?
受けてもらえるなら、時計の針が12時になるまで、
見つけて貰えたら、またかくれるを繰り返すから、
あそんで欲しい……です」
誰か一人でも是と答えたなら、
ジョージ君は嬉しそうにかくれんぼを始めるのでした*
(#8) 2016/08/26(Fri) 19時半頃
ー本日の流れー
【かくれんぼの参加は任意です】
【吊りはバーナバスにセットしてください】
【明日の更新でエピになります】
1d6を2回振るが1セットになります。
例:24
ゾロ目がでたら、ジョージ君みーつけた!になります。
見つかったジョージ君は、姿を消して次の場所に隠れますので、
一人何回でも挑戦可能です。
また、actで振る必要もありません。
村建て最低一週間の入院を言い渡されましてorz
なんとか村をまとめて終わらせたいという思いから、
このようにさせて頂きました。
ご迷惑おかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします*
(#9) 2016/08/26(Fri) 19時半頃
これは、ジョージ君とのかくれんぼが終わった後、
たまこさんが、残っていたみんなを元の世界に送る時、
自らの願いを託す中で語った言葉。
「先生、戦争に出掛ける時、
私がここに戻るまで、ここのこどもたちのことは頼んだよ
ってたまこを撫でていったの。
真面目な人だったから、きっと約束通りここに戻ろうとして、
戻れなくて困ってると思うから」
きっと先生は約束を守ろうとしている
そう言うたまこさんも、
律儀に先生との約束を守ろうとしている結果が、
七不思議に囚われるという怪談の真相。
先生と約束を交わした時の生徒でなくても、
たまこさんにとっては託された《ここのこどもたち》に
かわりなかった。
(#10) 2016/08/27(Sat) 06時頃
残っていたみんなを元の世界に送る時。
「ありがとね!」と手を振り見送るたまこさんの手首。
チリリーーと鳴るのは、赤いリボンについた鈴の音。
学園に猫がよく集まるのは、その鈴の音が示す事情もあるのかもしれない*
(#11) 2016/08/27(Sat) 06時頃
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