25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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―――…華月。
[窓の外を見ていた琥珀を、声がした方へ向ける。]
靴…?ああ…。
[忘れてた、とばかりの声を漏らす。 靴も履いていなければ、チャイナシャツの前も肌蹴たまま。 とても花とは思えないような格好である。]
(@78) 2010/08/06(Fri) 23時頃
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[ぴくり、と小さく動いたそれは、 花の憐れむ目線も知らず。
ただ、やはり、と。
“主”は、あの白い桜花を迎えるが為に、 己を手放すと言ったのだろうと、 俯く黒紅に揺らぐ緋を灯し。
>>751 続いた言葉に面をあげて、怪訝に眉を潜める]
(@79) 2010/08/06(Fri) 23時頃
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個性にしては、並ぶと、化け物展覧会だと思ったことはないか?
というか、俺は実はヨアヒムを殺すな、と言った。
それは、もしかすると、奴が孕んでいる可能性もみたからだ。
本人は罪を犯しているが、
もし、そこに繁殖の結果がでたとして、
その子は罪を持っていると思うか?
……化け物博覧会などと……ギリアン殿に
頭突きされて、ザック殿のメスで切り裂かれますよ?
[何と言う言い草だと、叱るような声を出して
ただ、続く言葉には……まるまるとした豚狼
確かにその可能性はなくはないと]
…………
[理屈では、否だ。
けれど、感情がそうと答えることを許せなくて
青年は言葉が返せない]
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[ロビンの言葉は友なれば、当然であろう。 けれどどこか疎ましく―― 感じる胸騒ぎも、黒い感情に覆われて。 去り行くその小さな背をぼうっと見続ける。
主にとって、唯一の花でありたい、と そう願うことは、けれど]
月瀬殿を花と迎えられるから、 ……私をお捨てになるのではなかったのですか?
[黄泉花は――迷い子は、 “主”が袖を握り、見上げる。 泣けぬ花なれば、涙は決してみせねども]
(@80) 2010/08/06(Fri) 23時頃
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[沈黙に言葉を続ける。]
お前のやり方は、狼たるものを殺すためなら、そこら殲滅タイプだったかもしれん。
実際、酷い事態であるならば、それは仕方ないこととして認められているしな。
だが、すべてが死なずとも、狼ではない者が狼の子を孕むケース、逆に狼がそうでないものの子を孕むケースは経験しているだろう?
その後彼らがどうなってるかは?
[知っているか?ときいてから、]
[無言でいたならば……言葉が続けられる。
……青年は何か、凄くいやな予感がして
動悸が激しくなりつつあるのを自覚する。]
……しり、ません………
[かろうじて、それだけ絞りだした。
これ以上、聞いてはいけない
そう思いながらも手が強張って
通信機器を外すことさえままならない]
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……っ
[肌蹴た胸元を指摘されると、視線を其処へ落として。 その折に、不意に手が伸びてくればびくと肩が揺れて、反射的にその手を弾いた。]
あ…、……
[ハッとして見上げる琥珀。 一瞬浮かべたのは申し訳無さそうな表情。]
悪い、…びっくりした。
―――…体温が、低い?
[微かに俯いて小さく呟くは謝罪。 そして眉を顰める華月の言葉に顔を上げると、虎鉄は不思議そうに首を傾いだ。]
(@81) 2010/08/06(Fri) 23時半頃
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そうか。知らないか。
そう、知れば、また心痛めるものもいるしな。
今回、お前と俺を組ませたのは、そろそろお前も知っておくべきだからだろう。
復讐として、どれほど殺した?
それでも、まだ、終わらぬのだろう?
だったら、知れ。
そういう奴等は、管理センターで管理されている。
人狼病から起きる繁殖行動を抑えるために、虚勢や不妊と言った手術をするんだ。
結果、害の及ぶ人間ではなくなる、ただし、副作用として、身体のバランスが崩れ、さまざまな病気もちになたり、身体や顔のどこかを欠損していたりする。
共通するのは酷い顔だ。
――……それは
[耳を塞ぎたい。けれどできない。
出来ないままに言葉が流し込まれて。
言葉の意味を理解したくないと、一度強く頭をふった]
―――………っ
[去勢と不妊][それ以外は獣の遺伝子を持つ]
[100年前はそうではなく排除だったではないか]
[―――………どうして]
[言葉は紡げず、ただ、通信機の先で
青ざめた青年は床を凝視してた]
……腹が空いた
[種植え付けた身が
本能的に血肉を求めている。
きょろきょろと
獲物を探すような視線]
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他に、とは――。 それは誰なのです……
[>>774 主であることを否定され、他にいる、といわれれば、 やはり沈んだ表情をするのだけれど。 見えない、という言葉にはふと身を震わせた―― 使用人たちの己に対する態度が過ぎる]
――あと、あの……ひとつ お詫びせねばならぬことがあるのです。 先だっての折り、少し混乱して “前の主様”のなされたことを…… 主様のなされたように、言ってしまったか、と。
[――己の道塞ぐ天の火を望んだ、と、 そのように告げた言葉を思い出して、いまだその袖を掴んだまま見上げる]
(@82) 2010/08/06(Fri) 23時半頃
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……、…
[赤くなった手。 それを見詰める琥珀はやはり申し訳なさそうに。 しかし、ちろと舌でひと舐めする姿には少しばかり琥珀が丸くなった後、ぱっと視線を逸らした。 続く言葉の意味は、皆まで言われなくてもわかる。]
今のは、ホントびっくりしただけだから…。
でも……ごめ…ん、聞くつもりじゃ…なかった…。
[問いかけには否定を返すものの、それとは別に謝罪をひとつ。 素直に、情事を聞いてしまったと伝えた。]
冷たいって…、汗かいたからじゃねえの? …そんな冷たいかな、俺……。
[シャツの前を止め終えて、己の手を触ってみるもよくわからないといった様子。]
(@83) 2010/08/06(Fri) 23時半頃
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――……。
[通信の声があきらかに動揺している。
なので、あえて、黙っていたが。]
ロビンが可能性が高いのだよな。
ならば、俺はロビンに投票しよう。
ロビンがもしそうなら、セシルは繁殖の繭にされたかもしれぬな。
[仕事だと割り切る形で話をする。]
…………
[耳に声が届いて。身を竦ませ耳を塞ぐ]
[仕事の話に移っても動悸は治まらず
なぜなら今話している は 。
そう ならば殺さなければ。
けれど、 は 。]
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[強面の眉の寄る表情に、 ちいさく惑う笑みを浮かべて]
――記憶は、 記憶は……ないのです。 ただ、あなたがそのように、呼び、撫でて下さる から。 私は――、
[友人の言葉に、幾度が眸を瞬いて]
それは、前の主様のことでしょうか。 金の髪の、……私を手放し学院へ 戻した 方。 だから、私は新たな主様の元に――
[呟くように続ければ、 見つめる顔にまた戸惑い、拗ねたように唇を引き結んだ]
そんな――引き取るなどと、犬猫のように。 私を望んで下さるのでなければ、嫌です。
[それでも袖は離さぬまま]
(@84) 2010/08/07(Sat) 00時頃
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[眉尻を下げて謝る兄弟子に、ゆると頭を振る。]
謝られる事は何にもねえよ。 迷惑かけたのは俺だし…。 ……高嶺殿にも、礼言わなきゃな。
[花の為の棟とは違う作り広い部屋。 そこには剪定された二つの花。 虎鉄が寝ていた部屋が誰の部屋なのか、答えに辿り着くのは簡単だった。]
―――…。
[それから、手を差し出されると一度兄弟子を見上げて。 そっと、その手に己の手を重ねた。 伝わるぬくもり。 暖かい、そう思うと同時に酷く胸が締め付けられる気がして眉を寄せた。 じわりじわりと伝わる熱は優しいはずなのに。]
(@85) 2010/08/07(Sat) 00時頃
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[返事が返ってこない。
やはり早かったのかと悟った。]
一つ、付け加えよう。
お前の主だったチャールズ。
彼は命を大事にした。
もちろん、この管理についても、知っている。
[だから、どうだったとまでは云わない。]
あの人のことを語るな!!
………が……っ け……が………
…………………っ
[咄嗟に怒鳴る。けれど続く言葉
通信先を指す言葉。青年は声が出ない]
[言えない?][言いたくない?]
…………っ
[2〜3度頭を強く振って。
振るたびに畳みに、袴に雫が落ちる]
そうか。悪かった。
[呂律もままならぬ様子に、さすがにもう名にも言えず。]
[そのまま、通信は切る。]
[思うのは、イアンの心が狼にならねばよい、と。]
…………っ
[言葉が耳に脳に届くのを拒否するように
何度も何度も頭を振る。]
[肯定しても、否定しても何かが壊れる]
[そして、どちらをと言う取捨選択が出てること
それ自体もまた何かを壊していく。]
[だから、只ひたすら外界から逃避した]
[通信先の願いも知らぬまま……]
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[長い沈黙には不安の色の、揺らぎ。 続いた言葉には、少しだけ安堵と不満の過ぎった]
―――……、 ろくに見ていて下さらなかったくせに。
[根に持っていた事実を、 ぽつり、呟き]
ならば、私の芸事を きちんと見ていて下さらないと、 ……わからないではないですか、主様――
[黄泉花は刷衛その人に儚く微笑み、 わずかの間、その袖にぽふりと顔を埋めた]
(@86) 2010/08/07(Sat) 00時半頃
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…わかん…ね、…。
[確かにぬくもりは感じても、それが極端な差なのかどうか、虎鉄は測りかねている様子。 気分や痛みはどうかとの問いには暫く沈黙して。]
ずっと痛かったり苦しかったりはしねえけど…。 …主の事を思い出したり、…今こうやって手を合わせてると、胸が…苦しい。
[言って、ゆっくりと手を離す。 微かに琥珀を伏せる表情は常のそれと違って。 風が噴けば消えてしまいそうな儚さを纏っていたか。]
…それよか、華月。 それ、返しに行かなくていいのか?
[一度琥珀を伏せ、再度開いた時にはもうそこに儚さは無く。 それ、と兄弟子が片手に持つ茶器を指で示した。]
(@87) 2010/08/07(Sat) 01時頃
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……すまぬ
[短い謝罪。
若し己が喰らうとすれば
法泉以外に無い。
短な間、毒孕む花は随分変わった
他の者が喰らうなら、其れを止めはしないけれど]
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[主が袖に小さく作った染みは、 きっとすぐに消えるもの。 悩ましげな言葉には、ひとつ頷き―― でもあの時は、と思い返していたけれど口を噤んだ]
――…月瀬殿、をですか。今でなければ? その、どちらへ?
[情事の名残ののこるであろう部屋に足を踏み入れるは、 さすがに躊躇われたが、その言葉には従って扉にそっと手をかける]
(@88) 2010/08/07(Sat) 01時頃
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今宵研ぎ師喰らうは、二人で。
私はもう
喰らう相手はひとつでいい**
[己が選んで喰らうのは、再び躰を重ねた夜に。
幼き毒花が法師を喰らうとしても、力添えはすれども自ら喰おうとする気は無いか。]
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