24 明日の夜明け
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――これで、完成。
[掌の"種"は淡い光を帯び、浮いていて。
赤に染まる景色の中で、それはどこか伝説の樹を思わせる]
さあ、あの娘の身体の中に。
[アイリスの肩に触れる瞬間、そっと声をかけた]
メーちゃん。マーゴちゃん。
……わたしは、植えたよ。ひとつだけ。
[敢えてか感情の見えない声には、疲れが滲んでいただろう]
[掌を見る。
ずっと祈り続けて。
その『種』はいつしか70%の色を伴って、姿を現していた]
……っ
……っ
っっ……!
[あがる息。走りながら、開いている方の掌で。
それでも祈るのを、止めない]
[7割程できていた種。
掌を見て完成(80:30以上)していたなら、フィルの背に飛ばす]
−回想・図書室−
はい。大丈夫、です。
先輩は?大丈夫ですか?
分かりました。
[アイリスの事には、こくりと頷いた]
−現在:校舎東の扉−
……はい。
私も。
……お疲れ様、でした。
[ぎゅっと手を握りしめたまま、ポツリポツリと。
疲労の滲む声にそう*返した*]
うん、メーちゃんも。お疲れ様、だよ。
[ぽつぽつとした彼女の声に、そう返して]
(守護神は、わたしの願いを叶えてくれたから)
[あの日を、飲み干した契約の水を、思い出す]
(だから今度は、わたしが頑張らなくちゃいけない)
[みんなを死なせたくない。掌をぎゅっと握り締めて]
[メアリーやマーゴは、何を願ったのだろう。
ふとそう考えてから、自分だって言っていないのにと自嘲する]
狼に、会った?
わたしは今、体育館だよ。アイリスとラルフくんと一緒。
[ふたりに、それだけを簡潔に報告した]
きっと皆には疲れがないんだ。忘れないように、しないと。
["種"を作るのに、その法則は適用しない。
それだけは不便だなと思ってしまい、ため息をつきそうに]
ちょっともたつきすぎたかな。
メアリー、先輩を…助けられるなら、早くした方がいいかもしれない。
でも、先輩を落ち着かせてあげられるのは、メアリーだけだと思うから、一緒にいてあげて、ね。
……ちょっと、無茶しちゃいました。
でも子供の狼でよかったです。
あ、怪我は無いですよ。
[マーゴの怪我がない、ということに]
良かった。……無理しちゃ、駄目だよ?
今フィリップくん達が体育館に来たけど、一緒じゃないんだね。
……分かった。
危なくなったら、必ず呼んで?
[携帯が繋がらなくても、必ず声が届く。
この能力があって良かったと思った。・]
[狼と対峙した丁度その後、声が聞こえて]
……会いました。
先輩は、会いましたか?
無事ですか?
分かりました。
[ のホリーの言葉に、苦笑めいた感情を混ぜて]
ちょっと。フィリップ先輩、怒らせちゃったかな、って。
…おかげで、わたしは逆に少し冷静になれたかも、なんですけど。
あと、わたし達は固まらない方が、種の選択枝が増えるかな、とちょっと思ったものですから。
[先ほど慎重に階段を上っている間に紡いだか、手のひらには「その感触」がある]
……とはいえ。誰に、使うべきか、悩んでいますけどね。
[ メアリーの心に答えて]
…うん。ありがとう。
今、わたしは理科室についた。
こっち、エド君とか、たくさん人居るみたいだから、心配しないで。
……私の種は、ひとまずソフィアちゃんに、今しました。
……エド君が頑張ってくれるなら…彼女も助けてあげたいし。
何か、不安とかあったら。言ってくださいね。
理科室か。
……うん。分かった。
[こくり頷いて]
……ん。了解。
……おつかれさま。
[ソフィアの事には、ホリーの時と同じように。
そう言った]
[他の人に聞こえない心の声で]
温かい、ね。下に何か居るかもしれないから、気をつけて。
ありがとう。
[そう言いながら、前に回された彼女の手に、
脆いものにさわるような優しさで、そっと触れただろう]
[マーゴの声が聞こえれば]
うん、分かった。お疲れ様、だよ。
[労わるような、でも感情の読みにくい声で。
それでも続けた言葉には心配げな色があっただろう]
じゃあ今は、サボり魔……テッドくん達と一緒かな。
ひとりじゃなくて良かった。
…………。
[彼女の中に育つものを、透かすように、見た]
[倉庫に着いた後、メアリーに心の声で]
心配かけてごめん。
狼に会って逃げて、今は会長と倉庫にいるんだ。
怪我とかはないから安心してね。
[彼女が周りに伝えられない事は分かっている。
その辛さも想像している。けれど。
やはり安心させたくて、そう伝えただろう]
絶対ですよ?
よーかいアンテナ……じゃないや。
しゅごしんアンテナ?で受信しますから。
[そう言って。
手に優しい感触を感じれば、力を抜いてふんわり抱きしめる形に]
先輩!先輩!!
どこですか?無事ですか!?
[逃げている最中ならば、答えられるわけもない言葉を叫んでしまって。
その瞬間に、思った。
もしも逃げている最中なら、邪魔でしかないと]
……。
[聞こえていたなら、落ち着いたら返事をしてくれるだろうと。
祈る気持ちで。それ以上は何も言わず]
[『固まらない方が良い』と言っていたマーゴの言葉を思い出す。
ぎゅっと掌を握り締めて。その場で返事を待った]
[そして、聞こえてきた声にびくりとして。
その声の主に気付いて]
よか、た。良かった。
……先輩も。
怪我なんてしたら、すーぱーいなずまキックですから!
[怪我人にいなずまキックは、むしろトドメだけれど。
安堵しすぎて少し泣きそうになりながら、先程フィルにも言った様な事を*言う*]
そうだ。
ヴェスティ先輩とバークレイ先輩が、先輩を探しに行きました。
私とフィルは、体育館です。
……気をつけて下さいね。
[メアリーの台詞に、思わず笑って]
すーぱーいなずま、キック? 強そうだ。
ふふ。それは是非ともフィリップくんにするべきだね。
[なんて明るく冗談を言ってから。
ふいに先程見た彼の様子を思い出し、沈黙する]
本当に……心配かけて、ごめんね。
[そうしてアイリスとラルフについて、聞けば]
分かった。どうにかして連絡、取ってみる。
[しかし通じなかった訳だが、礼を言い携帯を手に取った]
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