92 【バトルRP】歴史英雄譚
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[――百二十年。
長かった。永遠にも思える時間だった。
あの曇り空の下で、私はただ、見ていた。
街が、人が変わっていくのを。
私が忘れ去られていくのを。]
[元より私を顧みる事のなかったこの世界は
私が居なくなっても変わらず、回っていく
私の小さな足掻きなど、全て無駄だと嘲笑いながら。]
いやだ
――ひとりは、いやだ
[いっそ、すべてが闇に呑まれてしまえばいい。
誰も彼も、私と同じように]
[こえがきこえる。
こころのこえ、胸が苦しくなる、切実な訴え()。]
あなたは誰?
[声に出さず、問いかける。]
貴方は独りではない。
一緒に世界を変えましょう。
人々が疑い、騙し合い、肉親ですら躊躇なく殺してしまうようなこの世界を。
[訴える。]
貴方の名を。
私の名は、ジャンヌ・ダルク。
かつて救世主と持て囃され、そして、神の名の元に、異端者として犯され、生きたまま灰すら残さず焼かれた、神の代行者。**
[声が、聞こえる。
先刻の禍々しいそれとは別の。]
――女?
[女。そう、殺した。たくさん]
わたし、は
私の名は
[答えようとして、ふと口を噤む。
私の名に、何の意味があろう。
そう、今の私は]
[それは私ではない誰かが名づけた、イーストエンドの殺人鬼。**]
[どこかためらいがちに、名が告げられる。]
そう。ジャック。
[彼につけられた名の意味も、彼の罪も、何一つ知らない。]
世界を救いましょう。
今のこの世界を、正しい方向に導きましょう。
そうすれば、貴方のことを忘れる人間なんていなくなる。
[かつて数万の民を率いた「こえ」を今、たった一人の人間に**]
ええ。世界を。
どうしようもない、今のこの世の中を変えましょう。
私たちの、すべての人の、暮らしやすい世界にしましょう。
そうすれば、誰もあなたを忘れることはない。
[こころのなか、訴えかける。
世界を救うこと。彼はそれを望むのか。それも探る。
全ての人が、同じことを望んでいるとは限らないから、人の心を掌握するために、その人にとって望むものを。
無意識のうちに学んだこと]
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