64 色取月の神隠し
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『ああ、もう、人ってのはまどろっこしい生き物だねえ』
[たまこの髪から簪がひらひらと飛んだかと思うと ぽん、と、消えて人型に成り、三人の前に立つ]
『さっきから聞いてりゃあ、なんだい、いい妖とか悪い妖とか あたしたちはねえ、人とは違うんだよ いいもわるいも、あんたたちが決めることじゃあ、ないねえ』
『それから、そこにおわしますのは、我が同胞かえ ここの神様の気配を感じ取れるなんて、人ではなかりましょう?』
[昨晩と同じ、派手な黒いお引き摺りを肩から下げて、 丁寧な言葉と裏腹になぜか手を腰に当てて明之進を見下ろすのだ たまこはおろおろとゆりと明之進を交互に見た 近づいてくる一平太には、未だ気づいていない]
(155) 2011/09/16(Fri) 01時半頃
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―街道―
[神社で人を捕まえて、「秋月さんのお屋敷」の場所を教わってから、そちらへ向かう。 志乃の気配を辿るにしても、あまり遠くからでは効率が悪いのだ]
ああ……いたいた。 無茶するんじゃないよう、志乃。
[街道をしばらく歩いていくと、背の高い一本杉が見えた。 濃い影の落ちる根元に、目指す相手が座り込んでいる]
「じんえもん」は……もし行きたいと思うなら、あんたに会いに来るのかい? ――いや、もう、道は……
[すいと目を細め、屋敷の方角を見遣る]
道は、繋がっているようだねえ。
[隠世の里へ誘う道、今は半妖の目にも*見えるだろう*]
(156) 2011/09/16(Fri) 01時半頃
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なにか 出た
[驚いた。 見下ろされながら丁寧な言葉で問われると]
わがはらからかえ? お腹から何か買うの?
……あ、ちがうよ、ひとだよ? おしろいたべないよ。
[隠さなきゃいけない、と聞いていたから 誤魔化そうとしてみる。]
(157) 2011/09/16(Fri) 02時頃
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薬売り 芙蓉は、メモを貼った。
2011/09/16(Fri) 02時頃
明之進は、あやかしじゃないと誤魔化そうと考え、一平太にはまだ気付かない。
2011/09/16(Fri) 02時頃
お友達、になったみたいだよ。
――可愛い子だよねえ。
[柔らかく呟く声は、僅かに、昏い]
ううん、何だか変にぼかそうとして、失敗してさ……
会ったときに泣かれちまったら、ごめんよ。
[優しい、と言われれば、困ったように]
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[明之進の他に、二人ほど居るのが見えてきた。声の主は二つとも何処かで聞いたことのあるような声だった。]
やあ明之進く―!?
[>>155声をかけようとした最中に。 突然何かが起こったようで、閉口した。]
(158) 2011/09/16(Fri) 02時頃
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――じんえもんを見送ってから、さやのところに行けるといいんだけど、ね。
[一本杉の下、志乃の傍らに佇んで。しばし、時を待つ**]
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―森の中―
[ゆらゆらと、葉の間から零れ落ちてくる日をぼんやりと見ながら。]
色取月だってのに、今日も暑くなりそうだなぁ… 夏の欠片がまだ残ってる。
[しばらく眺めていたが、さて行くか、と立ち上がる。]
(159) 2011/09/16(Fri) 02時頃
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(………やっぱり)
“したほうがいいかな 相談”
[でも、何を説明出来ると言うのだろう。 神社の石段に腰掛けて、小さく息を吐く。]
“逢魔時が来たならば” “狭間で惑いし迷い子 の”
………
[「迷い子」。 風車の柄を小枝代わりに地を泳ぐ手が、ぴたと止まる。 子の字から連想した二人の子供――朝と夕の姿を、今日は見掛けていない。]
(160) 2011/09/16(Fri) 02時頃
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日向は、たまこのことを不意に思い出した。
2011/09/16(Fri) 02時頃
琴弾き 志乃は、メモを貼った。
2011/09/16(Fri) 02時頃
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>>156 ごめんなぁ。芙蓉さん。
[芙蓉を見つければ、弱々しく手を振って見せる]
せやなぁ……道開いてるなぁ。 センセくらいの妖力あったらもうちゃんと 見えてるやろなぁ。
せやけど、送る約束したからね。 それは違えたらあかん思うんよ。
[ふらりと立ち上がり隠世の道の前へと歩き出す]
さっきは、ええとこ見せよう思うて 気張ってもうたからね。 無事に送れる調べは奏でられるよ? 芙蓉さんや龍っつぁんに いつもいうわけにはいかんやろ?
(161) 2011/09/16(Fri) 02時頃
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>>157
[腰に手を当てたまま じい、じいいぃ、と間近で明之進を覗き込んで それからすっと風のように裾を翻して立ち]
『ちがうのかえ。 初めて出会う同胞かと思いきや、そうでないという。 ところで、おしろいとは、なにやらうまそうな響きだねえ。』
ちょ、揚羽…! わ、わたしも、明ちゃんがあんなこと言うから… ほんとに、あやかしなのかしらって思ったけど、 違うの?
(162) 2011/09/16(Fri) 02時頃
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『わからぬ。 あたしは、未だ現世に慣れていないしねえ。 ここいらは、人の気配と妖の気配が混ざりすぎていて 見当がつかないのさ』
[えらそうな割に、役に立たないのだった たまこは、もう、諦めて、ゆりにことの顛末を話す]
明ちゃんが、妖じゃないって言うんなら、 いいんだけど。悪い子には見えないし。 …でも、ほんとは、はっきりわかれば安心なのになって。
…
[揚羽とて、先刻自分で言ったように、 よい悪いの区別が人とはちがうのだ、それがあやかしなのだと]
(163) 2011/09/16(Fri) 02時頃
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約束は守りますよぅ センセとも沙耶のともな
[普段のように薄く笑えば、隠世の道の前に立ち箏を爪弾く]**
(164) 2011/09/16(Fri) 02時頃
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―回想:森でまどろみながら―
は?藤に……明まで?
入れ食いじゃねえか…「先生」の家、完全に“開かれた”なぁ。
[何だかなあ、そういうものを引き寄せやすい体質なんだろうか、などとその時は感想を抱いていたが。本当にあやかしと近いものであるのを知るのは、もう少し後のこと。]
しおらしい…?はあ。
奴も男か……
[ぼそり。]
いいって、齢なんて関係ねえよ。
力がより強い奴が、他の奴を守ればいいんだし。
……ああ、そうだな。
武士は、嗜みとして龍笛を好んでた…な。
龍笛は男、筝は女が扱うのが普通だから…
志乃さんは女らしい気を貰ってたんじゃねえの。
だから、やんちゃでたくましい俺が、守る側で問題ないさ。
[少しだけ複雑な色が混ざったけれど、それを誤魔化すように笑う声を残した**]
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ちがうちがう。
[覗きこまれるとふるふると頭を振って]
うん、白粉はおいしいよ。 ……ちがった、おいしくないよ。
(165) 2011/09/16(Fri) 02時半頃
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明ぃ?
とっつかまりそうになったとかさっき聞こえたが、大丈夫か?
神社にいるけどいないって、何だ?
[ふと気になって、囁きを飛ばす]
たまこは、一平太を振り返った。今の話は聞いていただろうか?
2011/09/16(Fri) 02時半頃
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一平太ちゃん!
[言いかけた口をそのままに、固まった幼馴染を慌てて引っ張り寄せる ゆりに話した話を、聞こえていなければもう一度するだろう]
(166) 2011/09/16(Fri) 02時半頃
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大丈夫、捕まってないよ。
逃げられた。
[得意げに逃げ切った武勇伝を語って]
神社ね、やっぱりいたよ。
すごくおっきい。
間違ってなかったよ、いたんだ。
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一平太?
[名前が聞こえて、たまこの向いた方をみる。]
あ、一平太だ。 こんにちは。
(167) 2011/09/16(Fri) 02時半頃
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“広場の、同じ路を歩いているとも 限らないし”
[顔を上げて、右に左に行き交う人々を目で追う。 まだ知り合ったばかりであっても、鏡写しの幼子。 通り過ぎれば見紛うことはない。]
………っ
[まだ判断するには早い。 しかし、もう遅いことも識っていた。]
(168) 2011/09/16(Fri) 02時半頃
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あわわわわ…。
[事の顛末を見ることが出来―いや見てしまい、尻餅を堪えるのが精一杯だった。見えたのは、何かが飛んで、何か何時の間に人になったこと。そして奥の姿を見る。]
ゆりさ、んと、 たま、こね、えさん…!?
[言葉が体躯の各部から零れるように落ちて。 そのままたまこの>>166引っ張る力に体を流した。]
(169) 2011/09/16(Fri) 02時半頃
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[現世とも、隠世ともつかぬ。 いずこからか聞こえる 『聲』 ]
[耳を澄ます。 楽しげな笑い声。幼きこどもの戯れ。]
“貴女の望みは 其処から先にゆくことですか” “それとも、 此方に戻ることですか” [耳を、澄ます。声無き声で問いかける。 繰り返し、繰り返し**]
(170) 2011/09/16(Fri) 02時半頃
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…神社に、いる。 すごくおっきい、何か…?
[要領を得ない明之進からの知らせに、眉を寄せて]
……見に行った方が、早いか。
[頭をかいて、神社の方角に向かう。]
(171) 2011/09/16(Fri) 02時半頃
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はい、凄く綺麗ですし…え?その簪が…?
[>>153 小首を傾げるが、明之進の言葉にたまこ同様そちらを見て]
雷門様が、いない…?
[言葉の意味を反芻している間に>>155たまこの簪がひらりと飛んで人の姿を形作れば口をぽかんと開けて]
っ!? えっ、え、え・・・・ な、なんですか?え??
あ、「あたしたち」って…あ、あなたは…
あやかし、なのですか?
(172) 2011/09/16(Fri) 02時半頃
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[目を瞬かせる。明之進を見下ろすあやかしの言葉には明之進のことも驚いたように見つめるが、>>162>>163 顛末を話されれば、信じられないという面持ちのままとりあえずは理解して]
そんな、ことが…信じられません…。 やっぱり、いるのですね。あの方も…本当に…。
[たまこの言葉には少し逡巡する]
はっきり、わかれば安心……。
[逡巡する。言ったほうがいいのだろうか、本当に明之進が人ならば問題はない。でも、もし違ったら…。ぎゅ、と手鏡を隠した胸元で手を握った]
(173) 2011/09/16(Fri) 02時半頃
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うん、逃げ切ったか、偉いなぁ。
…おっきい、何?
よくわからんから、俺もそっちに行こう。
ああ、危険そうなら俺を待たずに逃げろよ。
[明之進にそちらへと向かう旨を告げた]
たまこは、ゆりの表情を見て、あの方…?と首をかしげた。
2011/09/16(Fri) 02時半頃
おっきいよ。
上から見てるんだ。
お腹から買えっていわれた。
[事実をそのまま伝えた。嘘なんてついてない。勘違いはしてるだろうが。]
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一平太、様…。
[声に驚いてびくりと体を揺らすが、その姿を認めれば、ほっと息を付く。それは鏡で確かめた、人だと知っている唯一の人物だったから。]
(174) 2011/09/16(Fri) 02時半頃
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―神社―
[社の周りの木々の合間。 そこよりするりと這い出てきたのは。]
はぁ、やれやれ。あっついなぁ。
[肩の上の葉を摘みながら、神社に集まる何人かを視界に入れて]
よ、おはよう。
(175) 2011/09/16(Fri) 02時半頃
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[聞いた聞いてないといえば聞いていないと、首を振る。ぱくぱくと口を開けたり閉めたり、それに音が乗ることははない。
最中、ちりん、と鈴が鳴った。それに反応するように、大きく息を吸い吐き、思考が再び甦ってきた。]
は、あ、びっくりした。
(176) 2011/09/16(Fri) 02時半頃
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