204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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実は、おれも知らない。 一緒に勉強しなくちゃなあ……。
[鳥の躾なら大道芸が得意な一族に師事を仰ぎたいところ。 >>132フィリップに謂って、苦笑する。 ルーツの鳴き声にはあさっての方向へ視線を向けた。
本当に、迷子の子供が戸惑うような様子のフィリップには、見守るような笑みを浮かべたのだった。 ややあって、ドナルドにフランシスは手伝う気で答えた>>126]
干し肉に……乾パンがあればいいかな ジャムを塗れば美味しく食べられるだろう?
[甘味は元気になるものだと そうフランシスは思っている。]
(141) 2014/11/25(Tue) 15時頃
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[>>134 ノックがあったのは、 部屋を出るか出ないかのところだった。]
バーナバス……?
[少しばかり開いた扉の向こうに「保護者」のひとり。 彼はプリシラとどういう関係なのか、危うさを感じながら、フランシスがどうこう謂えることは、ない。問題は、彼がいま口にした名前だ。]
――どうして、……そんなこと、おれたちに謂うんだ。
[声に棘、バーナバスは肩をすくめる。 幼馴染だと謂われ、緑の眼は僅かに伏せられた]
……―――そう
[ドアノブを握る手に知らず力を込め、眼を伏せたまま唇を噛む。 言葉を、探して。]
……いいさ、それは貴方の自由だよ。 おれが、とやかく謂うようなことじゃない……
(142) 2014/11/25(Tue) 15時頃
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―――……
[やけくそになっての、先。 自身も気にしていたことだ。でも。]
行って……なにをしたら、いい。 あいつはラルフの、仇なんだ
[首を横に振って、揺れる眼を背後のドナルドやフィリップに気づかれないようにするためかきつく眼を閉じて]
……おかしなことになったら 取り押さえるくらいは 手伝ってもいい
……それくらいしか、出来ないよ**
(143) 2014/11/25(Tue) 15時頃
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――― 怒ってる
おれだって 怒ってる 憎んでる
おれは自分を抑えられても
ドナルドと フィリップが どうかは わからない
心配で
声をかけたいって謂うなら
貴方ひとりで対面した方がいい
……――ラルフの仇でも
ラルフはあいつのオルゴールを
気にいって
嬉しそうに 話してたから
ほんとうは
ほんとうは、
――こんな状況にさえならなければ
いつか、……衝動を抑えるすべを身につけたときに 会えるように はからいたかったのに
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―――心配で 、――なら ……た、 ほうが、……いい
[俯いたまま呟く小さな声は、 近くに居るバーナバス以外には 途切れ途切れにしか聞こえない**]
(144) 2014/11/25(Tue) 15時半頃
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[ノックスが抱いていた欲望を、恋慕を、知らないから。
本当にそれは、思っていたことで。]
……――頼むから。
幼馴染を心配する、っていうなら
…… おれたちに
ついていくか
なんて
聞いちゃ、いけない……
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[ふざけるなと、腕を振り上げそうになった。2人とも逝ってしまった。悲しみ、苦しみ、怒り、嘆き、寂しさ。……募る、愛しさ。
わぁと押し寄せる感情の波に抵抗するのは止めた。だからだろう。涙は出なかった。
特別だと、君だけが一番だ――と。
2人とも、選んで欲しいと望んでいた。叶えてあげられなかったのは――…ノックス。]
(145) 2014/11/25(Tue) 15時半頃
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[―――2つの星は、墜ちた。
世界は、また、深い闇夜に戻った。]
(146) 2014/11/25(Tue) 15時半頃
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[トレイルの身をニコラの横に座らせ、ノックスはニコラの手を掴んでナイフを引き抜いた。灰色と、刃の先には眼窟の奥にあるもの。 刃を舐めて、喉奥に送る。
ニコラの表情は微笑み浮かべた安らかなもの。 ふらり遊びに行くように。きっと、行ってしまったのだろう。
彼の両頬を包む。逃げていく温度を留めておきたくて。そうして、いってらっしゃいのキスを頬に贈った。
ナイフの柄から、ニコラの指を1本ずつ外してやる。もう一方の手はそのままに。]
(147) 2014/11/25(Tue) 16時頃
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………。
[トレイルとニコラと。 事切れた2人を両腕に抱き締める。いつものように、変わりなく。
亡骸だからこそ、どちらを選ぶでもなく。
永遠に失ってしまった、幸福だった日常のように。**]
(148) 2014/11/25(Tue) 16時頃
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―ムーンライト/愛し子達との過去―
むかしむかし、あるところに――…。
[愛し子達にせがまれて、膝と背中が重くなる。昨日はトレイルだったから、今日はニコラの番ね、と差し出された本を開く。
金の竪琴を持つ男は、歌い手だった。蛇に噛まれて死んだ最愛の妻のために、毎昼毎夜、歌を捧げていた。
不憫に思った神様が、死後の世界の存在を彼に教えた。条件はひとつ。 今持っている中で、大事なものを差し出すこと。]
……彼は何を渡したんだろうね。 2人は何だと、思う?
[柔らかな癖のあるマロンと、さらりと指通りの良いプラチナブロンドを撫でて答えを待つ。]
(149) 2014/11/25(Tue) 16時半頃
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[『決して振り返ってはいけません』。その約束を守れなかった男は、再び妻を失った。
最後のページには、まぁるい月の下で、歌を歌う男の姿が描かれていた。**]
(150) 2014/11/25(Tue) 16時半頃
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―グリーンフォッグ/居間―
……。
[目を醒ましたノックスは、天井を見上げた。耳を澄ませても、聴こえてこない音に安堵した。
それは眠りの最中のこと。 ふと、意識が浮上した時、漏れ聞こえた音があった。>>96
天井の向こうから、フランシスの歌声。意識を逸らせば聴こえなくなるかも知れない。けれど。]
……トレイル。
[彼の両耳を塞ぎ、頭を抱きかかえた。聴こえない。もう聴こえない。 大丈夫。大丈夫だから。]
(151) 2014/11/25(Tue) 17時頃
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[歌うなと言ったのに。 トレイルが死んだから、もう良いと思ったのか!
呆れた笑いが口から零れる。
つまりそれは、ドナルドのした事をフランシスが認めたという事だ。
トレイルを殺そうとしたフィリップを、手伝ったドナルドを。
直接手を汚さずとも、3人がトレイルを殺したも同然だった。]
(152) 2014/11/25(Tue) 17時半頃
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[フィリップ。僕と同じになるなら、同じ悲しみをというなら――…。 大事なものは、すべて渡さなければならない。そうだろう? ホレーショーとラルフの2人。同じだとでも?
ドナルドには躾が必要だ。 保護者が出来ないなら、他の大人がすべきだろう?
ペチカに火を入れずに眠るには、愛し子達は冷たかった。**]
(153) 2014/11/25(Tue) 17時半頃
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―― 三階/個室 ――
[立派になったとほめてくれる保護者>>138に ドナルドは少しばかり照れくさそうに笑った。 フランシスの悩み深きが感じられるはその眉間。 影が出来るをみて「悩みがあるならいつでも聞く」と そんな言葉を彼へと向ける。
ルーツに関しての言>>139にはきょととする。 真顔で紡がれるそれに一瞬本気で狩られる事を危惧するのかもと思った。 とは言えどルーツがそこまで強いとは思わぬから 髪が、とかそんな心配をするものの それなら前のようにフランシスの盾となればよいだけのこと。 「じゃあ狩られないように守ろうか」と 冗談とも本気とも知れぬ響きのまま綴る。]
(154) 2014/11/25(Tue) 18時頃
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[止めてまた歌うその旋律>>131にあわせるように声帯を震わす。 声が重なるは心地よい感覚なのだと認識する。 歌をうたうことを好むのは自分ではなく保護者のほうで 人前で歌うことも殆どなかった。 ただ、調律を手伝う際、倣うように自らの声でも音程を確認することもあり まったく歌えない、ということもなく――。 フィリップの声が止めば、ドナルドもまた口を閉じる。 聞こえくるフランシスの言葉>>140にはたと瞬き 「嬉しいけど照れくさい」と微か染まる目許を隠すようにやや俯いた。]
(155) 2014/11/25(Tue) 18時頃
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[知らないというフィリップ>>132に過ぎる途惑いを仄か感じる。 フランシスの応え>>141聞いてひとつ頷いた。]
知らないなら知っていけばいい。
[それはこれまでの彼の世界になかった全ての事象にかかる言葉。 兎の話をするフィリップ>>136にはきょとと瞬いて]
それなら香辛料の類もさがしてみるか。
[乾燥させた香草の類もあればうまいものが出来そうだと思う。 フランシスが乾パンと言うを聞きなるほどと思う。]
乾パンにジャムもみてみるかな。
[こくと頷き動こうとする。]
(156) 2014/11/25(Tue) 18時頃
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釣りも楽しそうだろ?
[狩猟生活とは遠いドナルドは
フィリップの生活を詳しく知らぬまま同意求め]
大変そうだよなぁ。
俺らも大人になったらそういうの気にするようになるのかな。
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[部屋の戸をたたく音>>134がした。 扉の間から見える来訪者の名をフランシスが綴る>>142。 バーナバスの言葉を聞いて息を吐いた。]
――…ラルフがノックスを襲った、って ノックスの言葉を信じてるの? それとも幼馴染だから目を瞑るの?
[知りたいと思うバーナバスの天秤。 反応芳しいかそうでないかはさておき見極めようと視線向けた。**]
(157) 2014/11/25(Tue) 18時頃
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[フランシスの反応もドナルドの探るような視線も当然。]
ラルフがノックスを襲った…ね。 悪いが信じられねえ。 目の前で自分の連れが本能に負けたのを見てすぐだ。 …それで何の警戒も考えもなしに他の群れのやつに近づくのは、ただの阿呆だろうよ。
[渋面を隠さない。]
(158) 2014/11/25(Tue) 18時半頃
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…それでも、情が枯れきっちまったわけじゃねえから……。
お前らからすりゃ、世迷言なんだろうが、本当に悔いてんなら、って思っちまう。
[ぼそりと紡がれるフランシスの言葉に、傷を開かせたことを知っても、男の言葉は続けられる。]
(159) 2014/11/25(Tue) 18時半頃
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―ローズタンドル/居間/現在―
[剥いだ背中の皮をテーブルの下に広げた。テーブルクロスで見えないから、捲られなければ大丈夫だろう。
動く必要のなくなった心臓の壁。一口大に刻んだ薔薇色を幾つか、指先で摘まんで口の中に運んだ。
2人分の遺体を抱えて山を降りるのは難しい。ならば形を変えてやれば良いだけのこと。灰にでもすれば、もっと軽くなるかもしれない。
彼等が腐ってしまう前に。 色を失ってしまう前に。
記憶が鮮明なうちに、シノワズリと灰色を再現しておきたかった。]
………?
[居間の扉を叩く音がした。 2人に毛布をかけた手を止めて、振り返る。
微笑む準備をして、手を放した。*]
(160) 2014/11/25(Tue) 18時半頃
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ただ…
[数瞬、言葉を探して躊躇う。 口にするのが恐ろしくもあった。
疑いや責める気持ちを抱きながらも、どうかそんなことがないように、と。
その願いを自ら打ち切ってしまう言葉を男は口にする。]
心配してんのは、ノックスだけじゃねえ。
(161) 2014/11/25(Tue) 18時半頃
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[ノックスの連れには心根が幼い、なんてだけじゃ言えないおかしさがあった。 ニコラも、トレイルも、二人ともが、だ。
もしも、彼らの狂疾が三人の群れの中で芽吹き、育まれたものだとしたら――]
あいつが自暴自棄で、手当たり次第に何かやらかすんじゃねえかって心配だ。
[ノックスが狂気に染まっていないと、 断言できる術はない。]
(162) 2014/11/25(Tue) 19時頃
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[男は目を閉じ、深く息を吐く。]
杞憂なら、それでいい。 だが、万が一あいつの牙や爪がプリシラに向けられたら…。
絶対に許さない。
[肌の熱を分かち合った相手を思う。
同族の幼馴染みの嘆きよりも、庇護すべき相手を恋う罪を選んだ。]
(163) 2014/11/25(Tue) 19時頃
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傷をかきむしるような真似をしちまったな。
[僅かな謝罪と労りの色を込めて。
けれど、彼へ手を伸ばすことはなかった。]
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…ま、ただの気の回し過ぎかもな。
[ふと張りつめていた表情を和らげる。]
長く生きてりゃ、どうしてもいらんことまで考え過ぎちまう。
(164) 2014/11/25(Tue) 19時半頃
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