224 Cнег дьявол〜凍ったケツ村〜
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[近寄ってくるリー>>142やドロテア>>147を見据えて、しっかりと握った銃身を向ける。そのまま、降りようとするメルヤは放っておいて、入れ替わりに二階廊下に上がる。全員が見渡せる、廊下の一番奥。]
動くなって言ったでしょ。 ……でもいいわ。おばさまの言う通りよ、リー。 死んでくれって言ってるんじゃないの。 全員、降りて。 せんせいもよ、そっちの階段から。 [メルヤが降りた方に黙って続いてくれるなら、それでいい。 懐かしい筈なのに、もう見たくもないあの帽子は、その先の酒場のテーブルに鎮座しているのだから。]
(157) 2015/06/02(Tue) 00時頃
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……そう。
[ため息ももう出ない。 落とした武器を拾おうともせず、メルヤに、シメオンに続いて階段を降りる。
今になっておとなしくしている”シメオン”が不思議ではあったが、それで変わるものがあるわけでもない。 紙に書く名前はもう決まっていた。**]
(158) 2015/06/02(Tue) 00時頃
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[ケイトの言葉に肩を竦め、それに従う。 どちらにせよやる事は決まっている。 雪鬼に死を与える為にはそこへ行かねばならないのだから。
謝罪は紡がない。そして運命のときを待つ。*]
(159) 2015/06/02(Tue) 00時頃
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[銃はしっかりと握ったまま、けれど銃口はもう下ろされている。 全員が階下へ向かう中、少し間を空けて降り始める金髪の後ろ姿>>153を、ケイトは最後尾で見詰めていた。
ギシ。ギシ。足元で階段が軋むたび、数えなくともそれが何段目なのかが分かる。 すっかり慣れているはずのこの宿屋が、今はまるで別の場所に思えてならなかった。
先程の熱気がすっかり取り払われた、耳に痛い沈黙の中、粛々と続く『話し合い』の準備。 小さく切った数枚の白紙と、懐かしくも忌まわしい、叔父の古い山高帽子。 話し合い、とは名ばかりの、殺し合いに課せられた『ルール』だ。
皆が同じ名前を書くのだろう。 分かりきった事だ。 読み上げられる事を待つ必要もないほどに、分かりきった、事なのだ。]
(160) 2015/06/02(Tue) 00時頃
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ヴェスパタインは、渋々階段を降りる。
2015/06/02(Tue) 00時半頃
馬鹿ね、シメオン。
[ひとりくらい、守らせろよ。
囁きに乗った声は、確かに少女の知る彼だ。
脊椎に忍び寄り溶け込んだ鬼のものとは違う、彼女の知っている、彼女を知っている、彼の。]
あなたって、ほんと、馬鹿だわ。
[守れれるんじゃなくて、守りたかった。
昔、アランを見送った時。
最初の晩、叔父に首を絞められた時。
疑いを他所に向けて。親しかった誰かを裏切って。
いっしょに行こうと、手を握ってくれたのは、折れそうな心を守ってくれたのは、他でも無いシメオンだった。
今だって、そう。
命懸けで逃げ道を捜してくれている。
棘のない声で、言葉で、手を引いてくれようとしている。]
ひとりで平気な筈、無いじゃない。
いっしょに行こうって、あなたが言ったのに。
私なんかのために、……ほんと、馬鹿よ。
[確かに指の隙間に合った体温を、覚えている。
本を読まない彼には、あの晩、アランから取り出した桃の実を捧げた意味は、きっと分かりはしない。
それで良かった。
二人で逃げ切れるんじゃないかなんて、温い幻想を見せてくれるほどこの殺し合いは甘くは無かった。
それでも、いつかこうなるとしても。
ただ護られるんじゃなくて、隣に立ちたいと、そう在ろうと、決めていたから────。]
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[開票結果を待つこと無く、少女は酒場の一角で壁に背を預ける青年に近付く。>>155
俯いた彼は、誰のどんな声にも全く反応を示さない。 視界の端で、開かれる票。一枚。二枚。 青年の見えないその表情を、伺い知ることは、出来ないけれど。]
ねえ、シメオン。
(161) 2015/06/02(Tue) 01時頃
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[少女の下ろされていた腕が、再びまっすぐ上がった。撃鉄は、とっくの昔に起こしてある。
合わせた照準の先にあるのは────]
(162) 2015/06/02(Tue) 01時頃
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あなたを護らせて、って。私、言ったわね。
…あれ、嘘だったわ。
私ね、ほんとはあなたを、
[言った少女は、少し困ったようで、ちょっとだけ泣きそうで。
けれど、確かに笑っていて。]
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……──── =B
[食堂の空気を切り裂く破裂音。 唇から滑り落ちた、たった5文字の別離の言葉は、他の誰に聴こえる筈もなく。
青年の心臓を撃ち抜いたその瞬間、菫色のワンピースを纏った少女の口元は確かに、笑っていた。]**
(163) 2015/06/02(Tue) 01時頃
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