103 善と悪の果実
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……あぁン?
[厭味ったらしい視線を、不躾に見返してガンつける。 コトを構える気は無いが、辺りに殺伐とした空気が漂ったろう。
大柄な自分の容姿が、ことさら威圧的なのは自覚がある。 小太りでハゲた小柄な父親には、似ても似つかないが、 くすんだ赤毛は、後妻としてハインツ家に入り込んだ母から継いだものだ。]
(126) 2012/09/25(Tue) 11時頃
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[漂う殺伐とした不穏な空気。 宴の場に相応しくないものではある。 緩やかに腕を組んで、己よりも背の高そうな豪商の放蕩息子を見下すように横目に見た。]
―――、……ふん、 父親に似ず―――
[粗野な男だ――と、夕闇伯は思う 威圧的な態度が気に食わぬ、と隠しもしない態度は反感を買いやすく、実際伯に、敵は少なくない。]
(127) 2012/09/25(Tue) 11時半頃
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ケッ、……お高くとまりやがって。
[二人の間に漂う不穏な空気に、周りはどう反応したか。
好事家の男。女のように伸ばした髪に、スカした見なり。 ここが普通の酒場であれば次の瞬間には…と思わなくもない。
苛立ちや、あたりのとまどいや、注がれる視線のギラギラした欲望や。 そんなものを映して、黄金の果実は静かに輝くのみ。]
(128) 2012/09/25(Tue) 12時頃
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……場末の酒場で相応に在ればいいものを。
[この館の女主人が客人を「平等に扱え」と使用人には命じているが、客当人は知ったことではない。 見下した視線そのままの言葉を紡ぎ、 グラスに口をつける。 はじけるシャンパンの泡は黄金色。
もしこれが林檎の色であればと思えば 露に剥がされていく心地がする。知らず、知らず。]
(129) 2012/09/25(Tue) 12時頃
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[それとなく注視していた招待客。 例の刺青の男が夕闇の伯爵相手に気色ばんでいる様子を、男は離れた場所から眺めていた。
一触即発、にも見えなくは無いが双方共、男には良い面識は無い。 仲裁に向かうような理由など元からなく、内心では成り行きを面白く思いながら冷ややかな目で見守る。
ふと、かかる声に気付きそちらを向いた。]
(130) 2012/09/25(Tue) 13時半頃
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[最初に目が止まるのは、ややくすんで見える桃色がかったブロンドの色。 テラスでグラスを合わせた時と変わらぬ穏やかな笑みを暫し見つめる。 煙草をふかし、彼女に笑みを返すまで少し間があった。]
どうも。ミス・ペラジー。
[楽しんでいるかという問いかけには応えず。]
生憎、私も未だ林檎を見れておりませんでね。
[煙草を持つ掌を口元にあてたまま暫く、浅黒い肌のその顔を眺める。 そして、視線を刺青の男の方にやって示した後、再びその顔に目を戻した。]
行かないんですか? お連れさんが何やら揉めているようだ。
(131) 2012/09/25(Tue) 13時半頃
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[離れた場所から注視する間、男は、刺青の腕が白いローブの腰に馴れ馴れしく回されるのを見ていた。 少なくとも、顔見知り程度の関係ではあるまい。
あの刺青の男にも、幾らか賭博の借りがあった。 この女が声を掛けてきた事も加えて不振に思わずにはいられず、男は、自分の身体が微かに強張るのさえ感じる。
それは、日常を何かに蝕まれ始めるのを危惧するあまりの、怯えなのかも知れないが。
薄い笑みを顔に貼り付けたまま、男は目の前の女を見詰めた。**]
(132) 2012/09/25(Tue) 13時半頃
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ヴェスパタインは、粗野な男を横目に見たまま、一口シャンパンを嚥下する**
2012/09/25(Tue) 16時頃
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[>>103困り顔の少女の返事を聞いて] そう…無理はしない方が良いでしょうね。 落ち着くまで、少し休憩したら如何かしら。
せっかくのお披露目ですもの。 今すぐでなくても、見たくなった時に近付いてみると良いと思いますわ。 [小さな身体には、会場に漂う ある種の熱気が堪えるのかも知れないと考えながら。 先程聞いた、怖い、という言葉が蘇る。]
(133) 2012/09/25(Tue) 20時半頃
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[>>105何かに気付いた様子の彼女の視線を追うと、 その先に居るのは、白と朱の上に止まる黒い蝶。 中庭のベンチで二人が話していた光景を思い出して訊ねる。] あの方は、お知り合い? [蝶と、少女の手元の間を往復する視線を不思議に思い どうしたのか訊ねると、『人に酔った』との答えが返ってきた。
本当に疲れているのだろう。 休むために、壁際の椅子の近くまで、 少し危なげな足取りで歩いていく彼女を見送ってから、 壇上を見上げた。
魅惑の果実は、未だ大勢の視線を惹き付けて止まず。]
(134) 2012/09/25(Tue) 20時半頃
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[最初に受けた感銘らしきものは消え、 どこか値踏みするような光を湛えた視線で、壇上を見つめる。 そうして、どれぐらい禁断の林檎を眺めていただろうか]
なに……?
[囁くようなざわめきが、波のように背後から伝播してくる。 視線をやれば、 刺青の男と夕闇伯の間に、険悪な空気の漂う様が見て取れた]
やれやれ、なんだか楽しそうだな
[傾いた微笑を浮かべつつ、そっと呟く。 とはいえ、当人らに聞き咎められると面倒だ。 ついうっかり地金が出てしまわないよう、気をつけねば]
(135) 2012/09/25(Tue) 21時頃
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やあ、また会った。 魅惑の果実の味はどうだった?
[壇上を見上げるドレスの女性>>134を見かければ 先ほど少し話した美声の女性だと気づき、声を掛ける]
だけど。
鳴くことの出来ない自鳴器って、何だか少し可哀想だね。 輝くばかりの容姿を備えていても、ただ在ることができない。 そのために作られたものだとしたら、我慢出来ないと思うよ。
[それとも、あれは自鳴器では無いのだろうか。 ただ人によって模られた 役割の枠に嵌るものでは無いのかもしれない。 取り留めの無い思考の泡が弾けて、曖昧な笑みを模った]
よくわからないな、自分でも何を言っているのか。
(136) 2012/09/25(Tue) 21時頃
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[ポーチュラカと別れたのは、もう一度、近くでじっくりと 果実を眺めたいという気持ちが湧き上がっていたため。 そうして人垣に近付こうとした時。
>>126沈黙とざわめきが、波紋のように広がるのを見た。 刺青の男の不機嫌な声が、空気を支配したかのように。 男が睨み付ける先には、夕闇伯。 こちらも剣呑な雰囲気を醸し出している。]
…どうしたのかしら…
[仔細な会話までは聞き取れていなかったが、 仮に一目見ただけの人間であっても、 この二人が正反対の性質を有している事は 想像に難くないだろう。
秘宝の前で、これ以上の悪態を吐くことも無いだろうと 気を取り直し、様子を見るために、近付き過ぎない程度に 壇上前へと歩み寄って行く。]
(137) 2012/09/25(Tue) 21時頃
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―大広間・窓際―
……おや、それは残念。
貴方様が近くで林檎を見てたなら、 ぜひ感想を伺おうと思っていましたのに。
[男の様子に微かな躊躇を認めても、 受け止める微笑みは穏やかなままで]
嗚呼、そんな。連れだなんて。
[けれどその話題が刺青の男へ触れた時、 初めて表情を曇らせ、やや苦い困ったような笑みになる]
(138) 2012/09/25(Tue) 21時頃
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私(わたくし)のような者を連れてくださる方など、 …そんな奇特な方など、何処にもいらっしゃいません。
ねえ、ミスター?
[そう言って、くすりと肩を揺らして、男の顔をじっと見上げる。 やがて漸く思い出したかのように、 流れる髪をフードの内へ仕舞い]
あのお方は、きっと、 いつもあのような調子なのでございましょう。
[取り成しに行く意思はないという風に、 そっと彼の傍らに控えたまま]
(139) 2012/09/25(Tue) 21時頃
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[>>136どうだった?と問われれば]
素晴らしかったですわ。 美しさは勿論の事、心奪われる不思議な魔力を 持っているようで…まさに、禁断の果実と呼ぶに 相応しいと感じました。
…オスカー様は、お優しいのですね。 あの果実も、きっと、歌えないことを悲しんでいるのでしょう… 私には、あの果実をどのようにすれば歌わせてあげる事ができるのか、分かりません。 ただ、いつか歌えるその日まで、生き長らえることができるよう大切にしてあげて欲しいと… グロリア様なら、きっとそうして下さるでしょうけれども。
悲しみで萎れてしまう前に、あの果実に音を届けてあげたいですわね…
[俯き、少しだけ寂しげに微笑むが、すぐに表情を取り戻して]
そんなこと。オスカー様のお話、とても興味深いですわ。
(140) 2012/09/25(Tue) 21時半頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/09/25(Tue) 21時半頃
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心奪われる魔力、あの自鳴器に相応しい表現だね。 否応なしに人を惹きつける 人が惹きつけられる、かな。そんな魅力を確かに感じる。
[私も貴女と同じように思いますよ、と賛同の表情を浮かべ 続く言葉には、微かな含羞の色を載せた声が柔らかく否定する]
自分が優しいだなんて、勘違いしていると思うよ。
[毒の滴る果実は、さぞ芳しい芳香を放つだろう。 そうなれるように、自らの人生に科す誓いの一つ。滑稽だ]
(141) 2012/09/25(Tue) 22時頃
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[館の主の名前を出した時 はたと、大広間に通されてすぐの挨拶の後 一度も栄光の姿を見かけていないことに思い当たった。 何処に行ったのだろう、というぼんやりとした疑問は しかし、そのまま誰に問い掛けるでも無く。
閉ざされた世界で与えられた煌びやかな時間を享受し その外で進む事態に気付くはずも無かった。]
(142) 2012/09/25(Tue) 22時頃
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さあ、どうやれば歌えるようになるのか。 それを知りたいとは思うけど。自分にも難しいかな。
いつか、用を成す在り方と、 思い通りに廻る機構が、交わる日が来る事を願って。
[驚いたことに、半分ぐらい本心が混じっているのかもしれない。 禁断の果実の魔性が心に伝播したかのように、戦慄した]
ええ、グロリア様なら、きっと大切にしてくれそうだ。
……萎れる前に、もぎ取る不届き者が出ないといいんだけど。
[最後の呟きは微かに。寂しげな彼女の表情を見て取ると]
そんな表情は似合わないよ?
[内心を糊塗するように、冗談の調子を交えて告げる]
(143) 2012/09/25(Tue) 22時頃
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[――猫や、獣は威嚇するとき眼を見、 先に逸らしたほうが気圧された、という掟があると言う、が。
見ようによっては縦に長いようでもある 夕闇伯の瞳孔は、気に入らぬという感情を隠すことなく放蕩息子を見据えていた。 小さく鼻で笑う様まで見せる。
見かねた使用人が間に入らなければ、 さて――どうなっていたことか]
(144) 2012/09/25(Tue) 22時頃
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[視界の端で、白い布地がふわりと翻った。 わずかな一瞬だけ、余所に注意と視線が外れる]
……?
[ペラジーととある男が話しているのを見て、 美女が良くやる仕草の真似 裏社会で何となく癖になった、で、柳眉を持ち上げた]
あの男、どこかで見たことがある顔だな。
[呟きは静かな声で。視線は彼女を一度通り彼へ。 解れた記憶の糸は、直ぐにスルスルと脳内で体を成す。 賭博に溺れた、そしてこれが大事だが、警官じゃないか。 仮面の下で、ぞっとするような酷薄な笑みを浮かべた]
(145) 2012/09/25(Tue) 22時頃
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[横を向き、煙草の煙を吐き出す。]
近くに行ってみようとは思いましたが。 まぁ、あれが無くなる訳もないでしょうし。 後でゆっくりと見に行きますよ。
[目を戻しても、そこにあるのは穏やかな笑みを浮かべた顔。 だが、その色に微かに苦いものが混じったのを見る。>>138 彼女の表情が何を言おうとしているかまでは解らなかったが。
続いた言葉には薄く細めていた目を僅かに開いて見せた。]
(146) 2012/09/25(Tue) 22時頃
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それは ――…、失礼しました。
[連れではない、と告げるその言葉を額面通りに受け取った訳でも無かったが。 謝罪した後に溜息を吐き、煙草をサイドテーブルの灰皿に押し消す。]
どうも…、余計な事を勘ぐる癖がありましてね。 ご不快に思われたでしょう。 謝罪いたします、ミス・ペラジー。
[もたれていた身体を壁から離し、女に目礼する。 そして、白いフードの中へ仕舞われる不思議な色の髪と、その指先を目で追う。>>139 傍らに立つその気配に、何事か考えるように黙った後。]
貴女は変わっているな。
[低く、呟くように言った。]
(147) 2012/09/25(Tue) 22時頃
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[>>141青年の言葉に、そうですよね、と相槌を打ちながら、 続く否定の言葉に困ったように首を傾げる。]
…だって、あの黄金の果実の事を可哀想だと言う方って なかなか居ませんわ。 ついつい、眩しい姿に目が行ってしまいがちですもの。
[青年の言葉の奥底にある考えには思い至る訳も無く。 ただの謙遜だと受け止める。]
(148) 2012/09/25(Tue) 22時半頃
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>>143 機巧にはお詳しそうですけれど、それでもやはり、分からないものですのね…
[現代の技術では届かないという、謳い文句通り。]
ええ。その日が来ることを、願って止みませんわ。
[青年が本心を隠そうとしている等と思ってもみず、 戦慄にも気付かず。 だが、呟きにはしっかりと答えた。]
禁断の果実に手を出せば、罰を受けるに決まっていますわ。 そんな人は居ないと思いたいですわね。
[似合わない、と言われて、今度はしっかりと微笑む。]
…ありがとう。
[否定されそうな気がしたので、そういう所が優しいのだと思う とは、心の中で言うだけに留めておいた。]
(149) 2012/09/25(Tue) 22時半頃
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[困ったように首を傾げる彼女を見ながら ふふ、と微かな自嘲の色を滲ませて唇を緩める]
確かに可哀想ってのは変だったね。何でだろう。
[何故そんな感想を彼女に話してみる気になったのか。 黄金の優美な曲線で描いた鏡面を輝かせるために、 皆で強い光を当てると、後ろの影が濃くなるような そんな捻くれた感想を抱いていたのかもしれない]
禁断の果実、美しい自鳴器の音色は聴けないけど そう言えば、コリーンの声は美しいね。 何かやってるの?
[事情は知らず、そんな感想を漏らす]
(150) 2012/09/25(Tue) 23時頃
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――回想・大広間――
[濡れ羽色>>99の語る、でまかせの古美術品。
歌わない至高の果実が壇上に飾られている為か 小物の興を惹くには、その口振りでも充分だった。]
オスカー殿の客に、妻が含まれていないことを祈るよ。 きっと彼女気に入りの品が在る。
[冗談とも本気とも知れない、離れ際の弁。 特に琥珀に興を惹かれたが――― その理由を告げるよりも前に、青褪めた顔は、凍る>>115]
(151) 2012/09/25(Tue) 23時頃
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―――…そうですね、禁断の果実が消えてなくなる訳もなし。
[ジェフの言葉に同調するように静かに一度頷くが]
けれど、お気をつけてくださいませ。 どうか後悔なさいませぬよう。
今宵この宴においては、 果実を狙う人の子と、蛇が潜んでいるようにも存じます。
[僅か声を潜めて、囁くように告げる言の葉。 縁起でもないことを告げながら、 語り口は何処か楽しそうでもあり]
ええ、ですが。 かの林檎を目前にすれば、それも無理のないことでしょう。
(152) 2012/09/25(Tue) 23時頃
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[くゆる煙が押しつぶされる]
思慮深いのは美点だと思いますよ、ミスター。
[謝罪の言葉に、気にしていないと小さなお辞儀を返す。 やがて低くつぶやかれた声に、瞳を数度瞬かせた]
おや。よく、言われます。
――――…変わり者はお嫌いですか?
[警官の心中までは分からないままに。 ゆったりとした口調で、学者は彼を見つめる]
(153) 2012/09/25(Tue) 23時頃
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>>150 珍しいけれど、変、ではないと、思いますの。 [青年の真意は見えずとも、 そう間違った感想では無いだろう。]
私、ですか?
[どう説明したものか、少しだけ逡巡して]
…今は、お休みしているんですけれど。 歌い手をやっておりましたの。 お褒めに預かり恐縮ですわ。
(154) 2012/09/25(Tue) 23時頃
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分からない、誰か分かる人が居るのかな。
[先ほど目にした禁断の果実。 目蓋に焼き付けた構造の未知も、魅力の一つだ]
罰……か。禁断の果実を徒に齧ると、 よく聞く話しでは、楽園から追放されたりするけど。
[ちらりと鋭い犬歯を見せて、鷹揚にくすり笑う]
そうだね、そんな人は居ない事を祈ってるよ。 あれがもう見れなくなるなんて、ぞっとしないから。
[こっくりと頷くと、大仰にお辞儀をするのだ]
どういたしまして。
[口角に、直ぐ消える薄い微笑みの残滓を曳いて]
(155) 2012/09/25(Tue) 23時頃
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