151 雪に沈む村
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[>>94近づいてきたアリスを不思議そうに見ていれば、水をかけるように、巻き上げられた粉雪。両手のガードも容易くすり抜け、顔に降りかかる。 そうして、笑い合って。]
うん。そっか。 はは、眠そー。
[>>96欠伸をする彼女にゆるく微笑む。 きっと彼女にとっては、今日は大冒険だったろう。その肩や頭をぽふぽふと払いながら、出会った時から変わらない、空を写したような蒼い眼を見つめ。]
特別に? へへっ、嬉しー。ありがとう。 でも、……うん。俺は、大丈夫だよ。
[少し赤く染まる頬でそう答える。まだ舌っ足らずだった口調は、今ではすっかり立派なレディのそれが身についていて。鈴のような声で、心配していたのだと聞かされれば、ほんのりと、暖かい気持ちになる。あの時の恩は、まだちっとも返せていないのだ。これ以上迷惑はかけられない。]
(101) 2013/11/24(Sun) 00時半頃
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バーナバスのじいさん、遅いってー。
[>>95隣に座ったバーナバスにぶーぶーと口を尖らせる。 今のカルヴィンは子供だから、目の前の老龍に対しても礼儀を欠いた行動だって取る。 ピエールに知り合いなんだな>>100と言われると、キョトンとして]
んーまー。近所のじいさんなんだ。 お世話になってる、っていうか。
[嘘は吐いていない。ねぐらの洞窟は近所にある。 おかわりのポタージュをごくごくと飲みながら>>97]
マドレーヌもパウンドケーキもどっちも食べたい!
[子供らしくピエールに我儘を言ってみる]
(102) 2013/11/24(Sun) 00時半頃
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うん。俺は、大丈夫、で。 だから、これ。あげる。
[そう言って、ポケットから先程できたばかりのチャームを取り出して、彼女に差し出す。]
作ったんだ。 俺が寝てる間。 アリスを守ってくれますよーにって。
[硬貨ほどの大きさの、丸い真鍮製のチャーム。 猫のモチーフが描かれている。アリスのは羊にしようかと、迷った末に、そちらにしたのだけど。 いざあげるとなると、やはり恥ずかしい。]
(103) 2013/11/24(Sun) 00時半頃
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……あれ? アリスだ。
[のそのそ、雪に足を取られながらジリヤとの約束を果たそうと工房まで戻ってきたところで、先ほど別れたばかりの少女の姿をみとめます。真っ白な景色の中で同じくらいの真っ白が、真っ黒と一緒に真っ白を投げ合っていました。真っ黒も真っ白を頭に被ったり、大体真っ白でした。] やっぱりクシャの事探してたんだね……。 おー……
[おーい、と声をかけようとしましたが。アリスの紅潮した頬の色を見て、はしゃぐ二人の真っ白を見ていましたが。]
……むぅ。
[何となく声もかけづらくて、木の陰に隠れる女の子でした。]**
(104) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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…………。
[>>101 俯いたままクシャミに撫でられるが儘になっていた。 なんとなく顔を上げる気になれなかった。 ――…けれども、]
…………ま、あ………。
[>>103 予想だにしなかった贈り物に言葉を失った。 真鍮独特の艶めいた金色が美しい。 細い指で表面をなぞると、僅かな凹凸。それは猫の形をしていて。 かざしてクシャミと比べて眺める。 なんとなく、真鍮製の猫も彼のように、はにかんだ笑顔をしているような気がする。]
………し、仕方ありませんわね…… う、受け取って差し上げますわ。光栄に思いなさい!
[蒼い目は、ほんのりと水を張っていた。 長い睫を瞬かせて、それを払い落とす。――…そして、]
(105) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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――…ありがとう。
[一言、それだけぶっきらぼうに小さく囁くと。 背を伸ばして、彼の頬に軽く口付けを落とした。 白い頬は、こんなに寒いのにひどく紅潮していた。]
(106) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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『随分色んなところを駆け廻りました。もうへとへとです。 >>66 物知りなウォーレンに尋ねてみましたけれど、無駄足でした。 ジリヤのお店に出かけてみたり、はたまた山の裏手にある洞窟まで足を運んでみたり。 足が棒のようになったころ、ソフィアのお店から伸びるV字型の足跡を見つけました。足跡を自分の足で消さないように慎重に追うと、それはウォーレンの工房に続いていました。なんと、入れ違いだったのでしょうか。 慌てて工房へ続く小道へ入ると、――…お嬢様の姿が! 雪塗れになって、誰かと話していました。 ひょろりとした黒猫は、紛れも無く7年前に爺とお嬢様が助けた青年。 何やら、お嬢様がいつもより晴れやかに見えるのは気のせいでしょうか。
……お嬢様! 大きな声で叫ぶと、お嬢様はハッとして振り返りました。 そして爺の姿を見とめると、シュンと耳を垂らしました。』
(107) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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ごめんなさい……爺。探していらしたのよね………、
『流石のお嬢様も罰が悪いのか、いつものように気丈な姿勢ではありませんでした。不安げに蒼い瞳が爺を見上げております。 名残惜しげに、クシャミから身を離すと。ゆるゆると爺の後ろに回り込んでいます。
……帰りますよ。 驚かせないように、優しげな声でそれだけ言うと、お嬢様の背中を軽く押して雪の小道を歩き始めました。クシャミが何かしら爺に話しかければ、挨拶の一つでも交わし、お嬢様と遊んでくれた事の御礼を告げたでしょう。 黒猫からだいぶ離れたところまで歩いた後、お嬢様は思い立ったかのようにくるっと振り返り。大声で、』
(108) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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―――……クシャミ!! 春になったら―――…お花見に行くわよ!! 付き合いなさいっ!!
『それだけ言うと、早足で屋敷へと再び歩き始めるのでした。 爺は慌ててお嬢様の後を追いかけます。 途中、お嬢様が髪飾りを欲しがれば、ジリヤの店で何かしらを買い与えたでしょうか。村の悪ガキとすれ違えば、雪合戦の第二ラウンドが始まったかもしれません。
――……そして、屋敷に戻れば、』
……また春には皆様に会えますわよね。
『そう言って、アリス・ブランフォートは冬の眠りにつくのでした。**』
(109) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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[>>102 ぶーぶーと口を尖らせる少年に、すまんすまん、と笑う。 初めてカルヴィンが老龍の正体を知った時は礼節を重視して碌に意見も言ってくれなかったものだが、今やこんな風にふざけ合えるくらいに距離は近くなっているのだろう。 老龍が人の姿でいる時に気さくな態度を取る理由は、他の龍族と変わらない。ひとえに、『過ぎる』威厳とは重すぎる鎧と変わらないからだ。 同族の龍族にさえ、『古きもの』として恐れ、敬われるだけのバーナバスだからこそ…カルヴィンの胸中も何となく察していた。]
おお、お食べお食べ。 昨日の子供にも言ったが、若い子は遠慮なんてしちゃいかんぞ? どんどん食べていいんじゃよ、私が奢るからのぉ。
[と、朝から良く食べるカルヴィンの注文を後押しするのだった。]
(110) 2013/11/24(Sun) 01時頃
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――……またね。オセロー。ピーター。
メーの大切な友達。また春に会いましょう。
[夢の間際、そっと囁き声で。**]
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