204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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ああ、けど。
その前に、ノックスに、……
あわせて、謝らせてやりてぇな。
ーーーーっ
ラルフーーーーーーーーー
[また 溢れる涙の量が増える
ドナルドやフランシスも同様かと
案じる心の余裕はなく そうであって欲しいことに縋る]
[ラルフが衝動を覚えた相手だから
二人が 居間で会っているのを 見かけた時
そっとしておいた それが仇になった 後悔は今も胸に新しい]
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[ニコラは、変わらない。 大きな子供。 大事な家族 そして、唯一の味方。
ほっとして、彼の言葉に頷いた。
ペチカ そうだ、火だ。
眠る前にそこで何をされたかを 忘れてはいないけれど ニコラに利き手を引かれながら、歩き出す]
(253) 2014/11/23(Sun) 01時頃
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――…いずれ、って話だ。
ラルフを手に掛けた事存分に後悔させてからの話。
うんーーーーー
あの……喰い殺すのは……おれが やるよ
ーーー人を喰ったら もう 混ざれないと思うなら
俺はもう 食ってるから
牙が疼く。
こうして声を介さず言葉交わせるあたりで
もう、ひとには戻れないンだろうさ。
気にするな。
俺は、ラルフの仇を討ちたい。
………………フランシス 悲しまない?
気持ちはとても共感できるけど……
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[あいたい フィリップの声だ そんな意味合いの言葉だと、少しして気付いた。
続いたのは、傍らのニコラの声。 会えないとさみしいのは、誰にだろう。 トレイルはここに居るのに。 不思議そうに首を傾ぐ。
開いて貰った扉。 ニコラの後ろに立つトレイルの、利き手でないほうのてにも 肉片がある]
(259) 2014/11/23(Sun) 01時頃
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[人が多いぶん、騒音も大きい。 ため息を押し殺した。 余計な不協和音を生まないように。
フィリップの視線がやたら鋭い。 思いは、内心に。 表には出さないほうが良さそうだ]
(265) 2014/11/23(Sun) 01時半頃
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哀しませそうだな。
けど、さ、フランシスもラルフの事哀しんでて
ラルフを害した奴を許せないと思ってると思うんだ。
――フランシスに手を汚させたくはない。
俺とラルフを慈しんでくれた手、だから。
もしものことがないよう、その前に、俺が……
………………フランシスのこと 詳しくないけど……
同じこと いいそうだなって……
…………一緒に 復讐を 思ってくれるのは 嬉しい
でも 冷静になって一度考えて ね?
ーー俺 ラルフの大事な人が 悲しいことになるのも いやだよ……
――…冷静なつもり、だけどな。
それをいうなら、フィリップ、お前自身もカウントしろ。
ラルフが大事にしたのは、お前さんもだ。
トレイルは、ニコラスの後をついて行く。流石に飛びかかられないよう警戒はしつつ。
2014/11/23(Sun) 01時半頃
…………うん
でも ほら 三人全員に対して
かなしいって思わせるより
一人……それももう人食ったことあるのが
ならーーーーまだ ね?
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[ペチカの向こう、炊事場にあった平たい鍋。 これはどうだろうと、ニコラに見せた。
鍋に肉をおいて、塩を一掴み振って あとは、火の上に置けば良いのかと、首を傾ぐ。 料理など、殆どしたことのない二人。 手間がかかる]
(279) 2014/11/23(Sun) 02時半頃
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[ペチカの傍に向かっていたニコラ。 彼の考えていた事を、トレイルは知らない。 居心地の悪そうな、音だった。
ここは、いらない人が多すぎる。
トレイルにとって、必要なのは、家族。 大事な二人 ニコラと――――
炊事場から平鍋を持ってきたトレイルは、そのまま 自分が持ってきた肉片を調理する。 何しろ利き手が酷く痛んで、まともに鍋がもてやしない。 両手で支えた平鍋の中、塩にまみれたホレーショーの欠片]
(281) 2014/11/23(Sun) 02時半頃
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[音がする。 懐かしい音。 閉じてしまった記憶の向こうの、音だ。
振り返って、その姿を確認して >>280伸びてきた手を、利き手で振り払う。 鍋は落ちなかったが、振り払った腕が鉄芯で殴られたようにぐわんぐわんと痛む。 痛みに顔を顰めた]
(282) 2014/11/23(Sun) 02時半頃
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[片手でいつまでも持っていられるわけもなく トレイルは早々に諦めて鍋を火の上に置きざりにする。 兎肉の二の舞
名を呼ぶ音がする。 別の名を、幾度も呼んだ声。 唇を噛む。 かさぶたが出来かかっていた所だったのに またじわりと赤くなった]
(285) 2014/11/23(Sun) 03時頃
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[ニコラが、彼の名を呼んだようだ。 >>287眉を下げて、どうしようと彼を見る。
唯一の味方だから 彼だけは 助けてくれるのではないかと、
期待]
(288) 2014/11/23(Sun) 03時頃
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[>>290彼は何を言っているんだろう。 トレイルは眉を顰めたまま、彼をちらと見る。 ただ 諦めて 汚いものとして、蓋をしてしまっただけだ。
脂が鍋の中でとけだして 特有の臭いを出し始めた]
(292) 2014/11/23(Sun) 03時半頃
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[余所の音も、トレイルの耳には届いている。 ただ、それを言葉として認識するのに時間がかかるだけ。
フランシス達がいることも プリシラ達がいることも
耳で感じてはいる。 ただ、視線はニコラへ そして僅かに、トレイルの名を呼んだ彼へ]
(295) 2014/11/23(Sun) 03時半頃
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トレイルは、プリシラに渡した指輪の行方は、諦めの彼方で絶望の欠片に変わっている。
2014/11/23(Sun) 03時半頃
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[鍋の中へ、視線を戻す。 火の上で、肉は 底が焦げ始めていた。
しかし、表面はまだ赤い部分が残っている。 ひっくり返すという発想が出ず トレイルは肉の表面まで火が通るのを待った。
ひとの脂の臭いの次は 焦げたにおい。 異臭に、トレイルは眉を顰めたままだ]
(297) 2014/11/23(Sun) 04時頃
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[どうするの、とニコラを見る。 彼も料理については知らないようだから 二人で熱した平鍋をじっと見ていた。
声がする。 大きな音だ。
平鍋が横から浚われてしまって トレイルは不満げにその鍋を追う。 初日に僅かな食事をした後、何も食べていないのだから]
(302) 2014/11/23(Sun) 04時頃
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[食べられないことはない筈だ。 漸く表面も、やけた所。
トレイルは、彼の制止も構わず 鍋の上の肉に傷む利き手を伸ばす。
熱を感じて、びくりと離して 反対の手で腹を押さえてニコラを見た。
おなかが空いたね。 ニコラは、ディーンを食べたから そうでもない?
少し力のない微笑みを向けて、そんな風に**]
(304) 2014/11/23(Sun) 04時半頃
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っとに…馬鹿野郎が。
[毒づくも、何を怒ればいいのか。
未だに分からない。
イライラする気持ちを抱えて、幼馴染を見ていた。**]
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[場所を変えよう、謝らなくては そう、聞こえて トレイルはゆっくりと顔を彼の方へ向けた。
保護者
二人だけだと言ったその口で トレイルが一番、といったその声音で
美味しい 好きだ
なんて
トレイルには我慢ならない事だった それは総て二人の――自分のものだと思っていた それを知ってか知らずか 彼の行いは、トレイルの希望を叶え 絶望を呼び起こし 結果、彼自身にも不幸を齎しているのだろう。 漏れた吐息の音が、そう物語っている]
(312) 2014/11/23(Sun) 11時頃
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[喰うだけなら、よかった。 それはトレイルが望んだ事だったから。 けれど 其処に付加したものが、多すぎた。
彼が彼に傷つけられたのもまた、許せない。 誰の許可を得て左耳を渡したのか。 彼の姿を見る事も、極力避けたい。 どうして どうして 絶望が深くなる前に トレイルはいつものように、諦める。
両親と同じくらいの年月を傍に居た相手だ。 そう簡単には、出来ないけれど 諦めて捨ててしまえば、それ以上傷はつかない]
(316) 2014/11/23(Sun) 12時半頃
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