270 食人村忌譚
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[握り飯に、味噌汁も加わった食事は、質素ながら腹を満たすには十分だった。 兄以外と話しながらというのも久しぶりで、つい、飯をおかわりなどしてしまった。]
じゃあ、今日はほんと世話になったね。 また何かあったら、頼むよ。
[そして食事が済み、進を見送れば、またいつものように兄と二人の時間となる。 兄の、後片付けをする音を聞きながら、自身は薬を飲んでこうして横たわっていることくらいしかできない。]
薬、そろそろ減ってきたし。 明日あたりミナカタさんに頼みに行かないとなぁ。
(39) 2017/11/23(Thu) 14時頃
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………………。
[そして、ふと]
あのさぁ。 兄さん……。
……今夜は、いっしょに寝ても……いいかなぁ……。
[兄の背に、小声でそう呟いたのは。 昼間、進と話したことのせいか。 ただいつも以上に、どこか、兄は己のものなのだという欲求が強まっていた。
その肉も、血も**]
(40) 2017/11/23(Thu) 14時頃
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抜荷 錠は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 14時頃
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―翌日/養鶏に勤しむ、とある農家の庭で―
帰りゃんせ――――>>0:7
[抱いた鶏を撫でながら、その首に指を絡めたところで 「なんで」>>#1との呟きを耳にし、面をあげた 足元を覆う、たくさんの鶏の囀りをも越えて 耳に届くは出鱈目な歌>>#2>>#3]
愛理さん ごきげんよう
[そう声をかけたけれど、彼女は一瞥もせずに 奇妙な歌を携え、ただただ、この場を通り過ぎていく 江津子は、その姿を追いながら
ゴッ――――
手にした首をへし折って、頭を垂れて 見送った 歌は止むことなく延々と、まるで、取り囲むように 『平穏な村』を、巡っていった*]
(41) 2017/11/23(Thu) 15時半頃
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―続・養鶏に勤しむ、とある農家の庭で―
『鶏の育ちは早くてかなわん 潰せど捌けど 追いつかん』
[これは、低い柵に囲われた、この養鶏場の主の言葉 先約として優遇された愛用の獲物は、丞の元>>8に さらばと主より借りた包丁は、切れ味が悪く、難儀する ようやく首を落とした幾羽を、庇に逆さに吊るしたところで 覚えた気付きに江津子の眉根は くっと小さな皺を寄す]
……足りませんね
[足元にたむろする鶏の数が合わない 愛理の歌に気を取られた>>41隙に、逃げ出した一羽がいるのだろうか]
(42) 2017/11/23(Thu) 16時頃
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[急ぎ、主に報告する よくあることだ と主は笑う 村の誰かが届けてくれよう、そう主の『鈍(ドン)』は笑うけど それでは江津子の気が収まらぬ 謝礼の卵も、受け取れぬ]
急いで、探して参ります ……本当に、申し訳ありませんでした
[無刀で表に飛び出せば、きょぉろりきょろりと眼を走らす 普段の微笑みも弱々しく、すれ違う村人ごとに訊ねるも 実のある応えは返ることなし
鶏さぁんと呼びかけながら、江津子は村を、巡りだす*]
(43) 2017/11/23(Thu) 16時頃
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[農家の朝は早い。 昨夜汲んでおいた常温の水を一杯飲み、畑の世話をした。 米が終わったあと、冬に向けて種を植えた畑は、収穫までまだ間がある。世話をして、土の色を見て、雲を見上げて今日の天気を想えばそれで終了だ。 朝食は冷や飯でいい、と考えながら家に戻る途中、ふらふらと歩く愛理を見かけた。>>#0 視線は向けない。 お互いに、そこにいないかのようにすれ違う。
狭い村だ。 閉じた村だ。 その理由は知らぬとも、気が違ってしまったような振る舞いをする者は、この村においては珍しくなかった。 久しぶり、だと思うくらいのこと]
(44) 2017/11/23(Thu) 17時頃
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[朝飯を済ませれば、昨夜乾かしておいた鉈の様子を見る。 柄が濡れていないことを確認して、口金を嵌め、目釘を打ち付ければそれで完成。 実用のための鉈だ。刃以外の部分は磨いてもいない。美しさなどは欠片もないが、ただよく切れる、というだけで十分であろう 出来上がった鉈をぞんざいに包むと、江津子の家へ向かおうと戸を開ける。
風にのって「鶏さぁん」と呼びかける声が届いた。>>43 江津子の声が響くのはめったにないことだが、それでも日常だ。 頼まれた時と同じく戸の外へ置いてもいいが、少し考えて声の下へ向かうことにした。手にした包みで用件はすぐに知れるだろう。途中、鶏を見つければ捕まえてもいい。また逃げ出したのだろう、そう軽く考えていた]
(45) 2017/11/23(Thu) 17時頃
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―鶏さんを求めて―
[右へ、左へ、逃げた鶏を求めて彷徨う 久方ぶりに、胸に焦燥が宿っている 遂行しなければならない 託された『仕事』は恙なく そうしなければ――――
気もそぞろに眼を走らせば、目に付いたのは丞の姿>>45]
今日は>>26お会いできましたね 丞さん 昨日は、不精なお願いで、失礼いたしました
[鶏はその手にあっただろうか ともあれ、手にした荷物、愛用の一物だろう包に気づいたならば、 まず述べるべきはその言葉 彼のもとへと歩みより、微笑みとともに頭を下げた]
(46) 2017/11/23(Thu) 17時頃
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[鶏の一羽くらいは捕らえてみたものの、それが探している鶏かどうかは知れず。といっても囲いの外にいるならば、それは誰のものでもないはずだ。 首を捻り大人しくなった鶏と鉈で塞がった両手]
いやぁ、 俺は大抵畑にいるからな 肉、 ありがとよ
[対価は貰っているのだから問題はないとばかりに、少し迷う素振りの後両方の手(の中のもの)を江津子へと差し出してから]
おっと、これじゃ両手が塞がっちまうな これでよけりゃぁ届けよう 違うならば俺が食っちまうが、 どうなんだい
(47) 2017/11/23(Thu) 17時頃
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[この村の男も女も古くからの命の巡りに
何の疑問も持たなかった。
その疑問に持たぬ者の中に、
俺も確かに含まれていて、間引きに仄暗い愉悦を
独り抱えていた頃の事。
疑問を持つ者がいた]
へぇ……。
[どうしてそんな事を聞く?とは尋ね返さず、
返した俺の表情は普段とはまるきり違う狂気の一端を
唇に浮かべたまま、ニヤと笑う]
家畜も村の人間も同じだ。
いや、群れを作る動物とこの村の人間は同じ。
群れを守る為の統一の行動に疑問なんて持ちはしない。
だからお前は今、家畜から人間に成った。
おめでとう。
だが気を付けろよ。
群れは群れを乱す特別な考えを嫌う。
気付かれたら群れを守る為に排除される。
群れの中で自分を殺して従い続けるか、
群れを嫌って行動するかは好きなように。
あ゛?
何でそんな事話すのかって?
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― 翌日 ―
にー。 にー、にー。
にゃー。 にゃー、にゃー、にゃーっ。
[日が沈み、また昇って。朝の村を、娘はぱたぱたと駆け回っていた。空き地めいた材木置き場の片隅、灰の縞柄の一匹の猫を追って。呼ばわるように鳴き真似しながら、右往左往に]
――あっ。
[その途中。娘の意識が、ふと、他に向いた。 見えたの、は遠く歩く、一人の少女、愛理の姿。彼女の出鱈目な歌を、娘は真似たり、別の出鱈目を歌ったりと、その度「一緒に遊んで」いるのがしばしばだった]
(48) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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あいりー! あいりー、おはよー!
[愛理に向かい、大声で呼ばわる。ぶんぶんと大きく手を振ってみせる。と、愛理は気が付いた様子で娘の方を向き]
? ……行っちゃったー。
[だがそのまま、去っていってしまった。それを見ると、娘は少し残念そうにして、 ただ、すぐにまた、猫を追い始めた**]
(49) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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[くく、と喉震わせて彼を見つめた瞳に宿るのは
殺意でも憎悪でも脅す様な圧迫感を
感じさせるものではない。
どろりと、どの常識とも違う異質さを蕩かした色。
それでも人差し指を立て、シーっと秘密と示すこと位は
忘れない理性よりも戯れ。
その後、彼から問われることは無かった。
そして村から糾弾されることも無かったから。
俺がこの群を乱す可能性のある
異質な特別を間引くことはしていない]
看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 17時半頃
[それをしない理由の1つに
彼の疑問に思うところがあったから。
別段この村で暮らし、薬師として生き、死んで
誰かの腹に収まるのも良いだろうと思っていた。
だがこの村を、家畜、動物の群れと称して気が付いた。
死んで誰かに食われれば、またこの村に生まれてくる。
人間の皮を被った家畜の群れに]
[ぞぅとした。
嗚呼、本当にぞぅとした。
俺は特別だと理解して、間引く歓喜に震えても。
所詮この群れから逃れられない。
そんな気味の悪いものあってたまるものか。
俺は家畜を間引きたいのではない。
人間を殺したい。
人間を殺して食ってみたい。
その為に……死んでも連れ戻されるこの村なんて。
……要らない]
[不要なものを間引くのが俺の役目。
俺にとって不要なものは……。
この想いは未だ誰も知らぬまま。
淀んだ血と臓物の中に埋まったままだ**]
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―回想:母が死んだ日・その後―
[突如農家を名乗り始めた巫女の姉へ 向けられた視線は様々だったと思う。 湧き出た噂話に、私は否定も肯定もせず、 噂を吐き出そうとする舌先があったなら、 自らの力で作った料理を突きつけ、恩を売る。
そうすれば、人の噂など直ぐに薄れるものだ。 ましてや、尊い巫女様当人でないと言えど その職に泥を塗るような下衆の勘ぐりを、 大声で話すことなど出来まい。
隠しきれない哀れみ、奇異、好奇の眼差しを 時折感じながらも気付かない振りをして、 私は畑を耕し、作物を育てた。]
(50) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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畑は落ち着いた時期>>44だとしても お世話は欠かせないものですね そう言っていただいて、嬉しいです 相互に託しあえる仲も、とても尊いものですから
[丞から差し出さ両の手を見>>47、くたりとした鶏に安堵する 潰せど捌けど追いつかん>>42のなら、一羽余分でも構わないだろう 丞の言葉から、焦りの声が聞かれていたことを恥じらいつつも 鈍(ドン)の養鶏場での出来事をさらりと話し]
では、まずこちらから
[と、愛用の鉈を受け取った。 それを、常のように腰に差して、続いて鶏に手を伸ばす]
(51) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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残念ですが、そちらも託されたものなので…… お礼に卵をいただく予定ですので、そちらでよければ、後ほど必ず
[命を失った鶏を、赤子のように胸に抱き 残る片手で、鉈をすらりと抜き放った 武骨な獲物を陽に透かし、刃先を見つめて、ほう、とつく 抱いた鶏の首筋に刃をあて、ひと思いに薙ぎ払えば ことり、と落ちる、小さな首]
御見事なお手前ですね…… どうしたら、これほどの業を得られるのか 素晴らしいお仕事を、ありがとうございました
[胸を鮮血に湿らせながら、再び頭を下げたのだった*]
(52) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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[丞さんに教えを乞うた判断は間違っていなかった。 与えられる知識はどれも適切だった。
元々、料理も食べることも好きだ。 好きに裏打ちされてたとはいえ 小娘に教えるのは骨が折れたろうが、 彼は、根気よく知識を与えてくれたと思う。]
もし、私が丞さんより先に死んだ時は、 ……いいよ。私の舌と頬、食べても。
だから、農家の心得を、やり方を教えて。
[あの時、突如語られた彼の好みの話は、 即ち、対価を求めるものだろう。そう推し量った。 自分の死に実感を持たない人参を好む娘は、 あっさりと頷いて頭を垂れただろう。
はるか未来の話より、 ただただ、巫女の影から逃れたかったのだ。]
(53) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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[そして、偶然にも、彼の好むそれは つい先刻私に受け継がれた 母の一部と同じでもあったから。]
きっとね、美味しいと思うよ。 そこだけは、巫女様に愛されたから。
[冗談めかして、そう付け加えたりもしただろう。*]
(54) 2017/11/23(Thu) 17時半頃
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PPP イルマは、メモを貼った。
2017/11/23(Thu) 18時頃
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[空になった手のひらは所在なく、腕を組んで江津子の手並みを拝見することとなる。 見返りが欲しくて捕まえたわけではないが、卵を、と言われれば遠慮をする性質でもないし、江津子も気にはしないだろう。 こういうのはお互い様だ。決まった価格の金銭でやり取りするのでなければ、恩は売れる時に売ったほうがよい。 仲良しこよしなんてするつもりは毛頭ないが、閉じた村で心穏やかに過ごすためには、それなりに良好な関係を保っていかなければならない]
いやいや、 江津子さんの技こそ、腕ってもんさ 鶏を絞めるのは誰にでも出来るかもしれねぇが それでもどうだい、 あんたが絞めた肉は一味違う
[声にするつもりはないが、江津子はやはりどうにも年増だ。 若い頃ならまだしも、今時分「そんな気」は起きないが、なかなかどうして―――赤に濡れる姿こそは、女らしい。いつも思う。勿論それも、声にするつもりはない]
(55) 2017/11/23(Thu) 18時頃
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あんたの腕は皆が認めてる
似合わねぇ台詞かもしれねぇが そのあんたの得物を研ぐのは、 結構誇らしいもんだぜ
[頭を下げる江津子に、また一つうんと頷いて背中を向けることとする。口にもしたが、柄にもない台詞だ。少しばかりの気恥ずかしさも手伝って、顔を見ずにすむよう帰ることにしたのだ。
またな、と別れの挨拶もあまりしない。 狭い村だ。下手をすれば、今日中にだってまた会うこともあるだろう**]
(56) 2017/11/23(Thu) 18時頃
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[ビユッ と、刃の血を振り払い、袂で拭って清めたならば、 鉈は定位置の腰へと戻す 小さな首を拾い上げ、その手で首なき鶏を逆さに吊るし 残る片手を胸元に添え、微笑みながら小首を傾げた]
お互い、齢(よわい)を重ねた分だけ、 積み重ねた業が、宿っているのかもしれませんね
[丞の心中>>55はいざ知らずとも、 口にした自身の言葉に、はっ、とする いえ、丞さんは、まだお若いですが、と非礼を正すも 続く言葉>>56に、重い眼もとに光が宿った]
(57) 2017/11/23(Thu) 18時頃
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そうですか……身にあまる過分な評価ではありますが、 そう言っていただけて、とても、とても嬉しいです ぜひまた、お願いいたします
[背を向けた>>56丞の表情は、うかがえぬ だから、ふと去来した思いを、彼の背にそっとかぶせた]
『一味違う』というのなら、 昨日、容さんからお弁当をいただきました>>0:13 お野菜の煮ものもとても美味しくて…… 丞さんの手ほどき>>53の賜物ですね
[礼の言葉も出そうになるが、それはなんとも畑違いなもの 言葉は飲み込み、かわりに礼の仕草を送る 見えぬだろうお辞儀で見送り、 やがて、首なき鶏を逆さづりにしたまま、来た道を戻りだした**]
(58) 2017/11/23(Thu) 18時頃
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エツコは、鬼丞に話の続きを促した。
2017/11/23(Thu) 18時半頃
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一緒に? 別に構わないが。 なんだ随分と甘えん坊だな錠。
[一緒に寝たいと言う弟の目はどこか見覚えがあった。 あれは己の目と同じだ。 嫉妬と独占欲に曇った目。
私達は確かに兄弟なんだと実感させてくれる、目。
それに気付かない振りをして。 仕方ない奴だと呆れたような、慈しむ視線を投げかける。]
ああ、それとも熱が溜まっているのか?
[望むのならこの身体を与えよう。 熱を発散して精を吐き出したいのならば幾らでも差し出す。 子供も成せぬ男同士でなど無為な行為だと馬鹿にする者もいるだろう。]
(59) 2017/11/23(Thu) 20時半頃
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[弟の脚が病に侵されてから彼の生活を支えてきたのは兄である自分だ。 食事を食べさせ身体の垢を落とし薬師の元へ連れて行くのも。 何もかも面倒をみてきた。 その中の一つに性処理もあっただけ。 そこに情もあったから少々厄介ではあったけども。
でもそれを表に出した事はなく。 誰かに指摘された事もない。
だから兄はただ弟の為と嘯いてみせるのだ*]
(60) 2017/11/23(Thu) 20時半頃
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