204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[ノックスが抱いていた欲望を、恋慕を、知らないから。
本当にそれは、思っていたことで。]
……――頼むから。
幼馴染を心配する、っていうなら
…… おれたちに
ついていくか
なんて
聞いちゃ、いけない……
釣りも楽しそうだろ?
[狩猟生活とは遠いドナルドは
フィリップの生活を詳しく知らぬまま同意求め]
大変そうだよなぁ。
俺らも大人になったらそういうの気にするようになるのかな。
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[フランシスの反応もドナルドの探るような視線も当然。]
ラルフがノックスを襲った…ね。 悪いが信じられねえ。 目の前で自分の連れが本能に負けたのを見てすぐだ。 …それで何の警戒も考えもなしに他の群れのやつに近づくのは、ただの阿呆だろうよ。
[渋面を隠さない。]
(158) 2014/11/25(Tue) 18時半頃
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…それでも、情が枯れきっちまったわけじゃねえから……。
お前らからすりゃ、世迷言なんだろうが、本当に悔いてんなら、って思っちまう。
[ぼそりと紡がれるフランシスの言葉に、傷を開かせたことを知っても、男の言葉は続けられる。]
(159) 2014/11/25(Tue) 18時半頃
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ただ…
[数瞬、言葉を探して躊躇う。 口にするのが恐ろしくもあった。
疑いや責める気持ちを抱きながらも、どうかそんなことがないように、と。
その願いを自ら打ち切ってしまう言葉を男は口にする。]
心配してんのは、ノックスだけじゃねえ。
(161) 2014/11/25(Tue) 18時半頃
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[ノックスの連れには心根が幼い、なんてだけじゃ言えないおかしさがあった。 ニコラも、トレイルも、二人ともが、だ。
もしも、彼らの狂疾が三人の群れの中で芽吹き、育まれたものだとしたら――]
あいつが自暴自棄で、手当たり次第に何かやらかすんじゃねえかって心配だ。
[ノックスが狂気に染まっていないと、 断言できる術はない。]
(162) 2014/11/25(Tue) 19時頃
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[男は目を閉じ、深く息を吐く。]
杞憂なら、それでいい。 だが、万が一あいつの牙や爪がプリシラに向けられたら…。
絶対に許さない。
[肌の熱を分かち合った相手を思う。
同族の幼馴染みの嘆きよりも、庇護すべき相手を恋う罪を選んだ。]
(163) 2014/11/25(Tue) 19時頃
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傷をかきむしるような真似をしちまったな。
[僅かな謝罪と労りの色を込めて。
けれど、彼へ手を伸ばすことはなかった。]
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…ま、ただの気の回し過ぎかもな。
[ふと張りつめていた表情を和らげる。]
長く生きてりゃ、どうしてもいらんことまで考え過ぎちまう。
(164) 2014/11/25(Tue) 19時半頃
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ノックスとお前さんたちとが顔を合わせて、お互いにまたやり合えば…。 今度こそ最後まで止まらねえだろうからな。
俺が一人で行った方がいいのは確かだ。
[雪があがるまで互いに最良の選択は、これ以上関わらずに時をやりすごすことだろう。]
(165) 2014/11/25(Tue) 19時半頃
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奪われた分を奪ったところで、何にもならねえんだって…。
分かってりゃいいんだがな。
[それでも遣りきれない感情は、尽きることはないのだろうけれど。
言わずにおれないのも、また仕方ないこと。]
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邪魔したな。
[男の警戒を彼らがどう受け止めたのかまでは聞かず。
居間へと階段を降りていく*]
(167) 2014/11/25(Tue) 19時半頃
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……――……いや。
此方こそ、……すまなかった
[ 短く詫び――]
多分、手遅れだ
[ 希望的観測は抱けない。 ]
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―立ち去る前― [ドナルドの憤りや蟠り。>>166 それはノックスが悔いなかったもの。
殺されただけでなく、尊厳を貶められたことを悔しがっている姿に、どこかほっとした。 数日という短い時間に、異常な同族の姿を見続けたからかもしれない。]
お前らも、気をつけてな。
[指摘のとおり>>169、男とその連れよりも牙が向けられる可能性が高いのは――。]
(170) 2014/11/25(Tue) 21時半頃
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[過ぎた感情が、歯止めや抑制をものともせずに暴れまわる惨劇は、浸り続けていたいものではない。
どうか、このまま雪が止むまでの平穏を、と願う。
真白の雪で隠せない、赤の世界の終りを。*]
(171) 2014/11/25(Tue) 21時半頃
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[フランシスの言葉に、掠れた吐息だけ零す。
肯定するようなため息にも似たそれ。]
もうこれ以上はごめんだな。
[失うことも。失う姿を見ることも。
我が身に直接降りかかったことでないとはいえ、平気でいられるわけではない。
次に失うのは自分ではないかという恐怖は、胸を締め付け続けている。]
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―居間― [扉を叩く。>>160 血の匂いが薄くなった中からの返事を待って、扉を開けた。]
…よぉ。片付けたのか。
[ソファに腰かける幼馴染の姿。 その傍らには毛布に包まれた誰か。 問うまでもないそれには触れず、ニコラが自らを貫いた血の痕跡が拭き取られていることに僅かに緊張がゆるめられた。
さすがに血だまりがそのままであれば、平静ではいられなかったろう。]
(174) 2014/11/25(Tue) 22時頃
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[馬鹿が、とか。 もっと連れの手綱を握っておけ、だとか。
思うことは山のようにあったはずなのに、いざ顔を合わせるとノックスの喪失の痛みに何を言えばいいのかが分からない。
ニコラが最後に詠った声を教えても>>5:505>>5:506、やはり傷つくのではないかと思えて。 メモリアルジュエリーを手掛けたことはあっても、悲しみを形に残しておけだなんて言えるはずもないまま。
湯を沸かして、茶を淹れる。
四人分。 男と、ノックスと。寝ている彼の愛し子の分。]
(175) 2014/11/25(Tue) 22時頃
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山を下りるんだったら、きちんと食って寝とけ。
[湯気の合間に、そんな他愛のないことを。
ニコラにずるいと言われたことも、 こんな事態にならなければフランシスがラルフの大事な思い出としてノックスを扱ったことも。 何も言う気にはなれなかった。]
(178) 2014/11/25(Tue) 22時頃
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フィリップと歌うのは楽しかった。
[ひとの声に意識で返す。
素敵などと言われて照れ臭いのもあり]
フィリップもルーツも
そのうち楽しく歌えるようになるよ。
ゆっくりした釣りだと
俺も初心者
[人間らしい釣り方に和むこと
食事の準備を手早く行わないでいいこと
何と無く贅沢な 狩の仕方だと ぼんやり思う]
…………ラルフと 早く大人になりたいね……って
いってたんだけど…………
そう思うと まだまだ、きっと遠い
慰めねーぞ。
[奪われたように、奪ったのだ。
誰かの、大事に思い思われていた命を。
それでも、ドナルドに告げたように情が枯れ切ったわけではなくて。
まだ、それでも、どうにかして生きて欲しいと思えるから。]
…………そう……なの?
[拙いばかりの歌とも言えぬ歌に
そんな風に思ってもらえると思えなくて]
そうだと…………いいな……
[そうすれば もう少し自信を持って
歌えるだろうか?くすぐったい気持ち
ドナルドも照れ臭いのは感じるから
痛み分け 何て思う暖かい心
は 帽子の男の来訪で
いまは ふつ とわくみにくく黒い感情]
釣りは俺も初心者。
だからおんなじ。
……そっか、ラルフそんな話してたのか。
俺もはやく大人になりたかった。
けど、まだこどもでもありたかった。
おとなになったらフランシスやラルフと別れて
別の道をあるいてくんだって思ってたから。
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[仕草で声が出ないのだと訴えるノックスに軽い舌打ち。>>187]
早く休めっての。 ほら、これ飲んだらとっとと寝ろ。
[疑っていても、警戒心を抱いていても。 その何もかもが嫌悪に染まりきるほどにはなれず。 黙って茶を飲み干す間、その場にいた。]
(190) 2014/11/25(Tue) 22時半頃
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そうだよ。
今度は故郷までの道を歩きながら
フィリップとフランシスと俺と、ルーツのみんなで
一緒に歌ってみようぜ。
[一人で歌うは気恥ずかしさばかり勝るけれど
フィリップとルーツと共に歌った先は
それよりも楽しさが勝ったから]
……
『バーニィも、2人が死んで当然だと、思ってる……?』
[慰めないとは、そういうつもりなのだろう、と。
伝わりきれないなら、水で濡らした指先を綴る。]
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[フランシスやドナルド、フィリップに告げたのは本心。 もしもノックスが血迷ってプリシラを手にかけるようなことがあれば、きっと許さない。
ノックスよりも、自分自身を。 爪と牙持つ者が在るのを知って、用心を怠った己を。 守るべき者を守れなかった未熟を。
けっして許しはしない。
そして、己への怒りと憎悪は、八つ当たりめいた勢いで加害者へと牙を剥くのだろう。]
(191) 2014/11/25(Tue) 22時半頃
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[ノックスを恨む心も容易く想像でき、 同行者を失ったノックスを憐れむ気持ちもある。
男とて、危ういバランスでいつどちら側へ落ちるのかしれたものではないのだから。]
(192) 2014/11/25(Tue) 22時半頃
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