3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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『そうだね、用具室の場所――』
[用務員を見た。]
『ねえ、鍵。取り替えちゃえば。』
『って、無理かな、これ。』
『過去に戻った、って言うより……記憶、っぽい気もする。』
――…。生徒も知っているものなのかな。
[用具室、と呟く。聞いてみる価値はありそうか。]
…記憶。 だろう、かな。
ケイトに 気をつけろ、と謂ったが
……一笑に付された。
あたりまえだな。
知らないん、だから。
[何か確かめるようなバーナバスを見遣る。
そういえば少し、手の甲に体毛が多いような]
… …――どうした?
ああ、それはいい手だ。頭いいな。
やってみようか。
[鍵の場所など一緒だろうか。]
…みればわかる。
そうじゃなくて。
[視線で示す、手とか。]
『知らないのかな。“この”ケイトに聞いてみれば早い気もするけど。』
[彼女の記憶なら。]
『確信は無いよ、ただ、実際タイムスリップしたなら。』
『僕を見て平気な人たちが居るとは思い難いね。』
[くすり、と自嘲う。]
『あ、あ、そうか。』
[一笑に付された、知らない。
なら用具室もわかるか、どうか。
バーナバスの体毛は、気に留まら ない。]
『それとも今なら、見取り図とか、残ってるのかな。』
ああ、手……
[見た。
人間の手…にしては、もう、かなりふさふさだった。]
……増えたな。
[ぼんやり]
…――
そう、知らない可能性が、高くて。
…一応、聞いてみるか。
[緩やかに1つ瞬く。]
――…、…タイムスリップよりは
記憶の幻影、と謂ったほうが…
幾らか合点がいきそうだ。
[自嘲を見、少し眼を伏せて]
見取り図か。…学校案内とかに乗ってないのかな…
……――
……それが、異変か。お前の
[ふさふさと、けもののような手。
大丈夫かなど 聞けるはずもなく。]
…――
[小さくため息をついた]
[答えながら]
[気配が少ない]
[それに 気づいて]
[ディーンは メアリーは ]
[居ない]
[もう居ない]
[甘さに飲まれた虚ろな記憶の中で、交わされていた赤色会話がぼんやりと浮かんでは消える。]
なんか、お前が好きそうなのがいるな。
[蛇みて思い出すのが触手というのは、何かおおいに間違ってた。]
『まあ、知らないなら、知らないで。』
『当たる相手を変えれば いいって、ことで。』
[例えば その“せんせ”とか。]
『……だよね。まあ、本当に彼女の記憶化は 保証出来ないけど。』
[学校の記憶かも痴れに、闇の記憶かもしれない。
その辺は今答えが出ようもないので、横に置いた。]
『そだね。』
[見てまわる、それに賛成の意を見せる。]
…どういう意味だ
[ろくでもない連想をされた気がして
声がとてもとげとげしい。]
[異変 言われて、バーナバスを見て。]
『ハゲそうにないね、よかったね。』
[軽口。
戻れたら、元に、なんて希望はもう――抱きたくない。
彼が去ってから。]
『何が居たの。』
[答えが聞ければ笑いを噛み殺すか。
仲間も ―― も 居なくなっても笑える 狂気。]
…、「せんせ」、を見つけたいが
先生 は いっぱいいる か。
……――、
[さてどうしたものか。]
…探るしかないな。
…体調不良で抜け出すか?
[ふと、言葉途切れ。
記憶を辿る。――5個も目が増えちゃった]
…、――
……――
[減っちゃったね]
……―― 、ぁ
…、
……、
……、
[―――― いない。]
…ああ、…そうか
いなく、
なった、 のか
おに、…ふたり
『うん。』
『でも、向こうには皆居るし。』
[少なくとも彼は、自分が殺した。
もう 戻れなかった から、と。
闇 が覆う。]
『よかったのかも ね。』
『クラスの人に、ケイトがそう呼んでる先生を訊く、とか。』
[どうかな、と。
何となく直接本人に、聞き辛いと思うのは。]
『ン、そうだね。』
[体調不良で、と言う声に同意の気配。]
いないのか?
ディーンに、あの、子。
[蛇を見つつ……]
もう君たち…
仮病の相談は先生に聞こえないところでしなさい。
[携帯を閉じると 立ち上がる。]
『と言うわけで、行って来る。』
『何か、北棟の一階に会議室があるんだってさ。』
『結構改装入ってるみたいだね、階も増えてるし。』
『仮病も病気だよ、センセ。』
[教室を出た所、これから逢う人物を思い出して。]
『そうそう、これからキャロライナに逢って来る。』
『彼女、おっさんのビー玉が赤いって、言ってたよ。』
『良く、知ってるね。』
[正しくは黒の印なのだが、彼女が覗き見る範囲までは知らない。少なくとも、バーナバスのビー玉は、赤で合っている。]
皆、 いる……
[みんな。ふたり。ピッパ。ジェレミー。
きこえた、それから、――だれ]
(鬼を連れて)
…――…、 わから、ない。
……そう、なんだろうか。
…。……?
先生?
[――様子がおかしい、と不思議そうに]
嗚呼、北棟――あそこ、古いんだな。
……二階建てだったなんて。
[立ち去る姿を、見送る。
矢張り体調不良といっておくべきだったか]
――キャロライナに?
――、…
赤、……
[――“覗き見する、悪い子が居るよ”]
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