162 絶望と後悔と懺悔と
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人に、……、そっか。
[明にーさんの言うことはもっともだと思う。
僕らの間に絆がもたらされたとしてもそれはきっと、触れれば崩れ落ちていくほどもろいもので。
でも、だからって、触れれば崩れ落ちそうな絢矢の傍にいてあげられないのは、――苦しくて]
……僕だって、
[違う、これは強さで張り合えるかの問題じゃなくて。
同じ運命を歩んだ“家族”に刃を向けられるかどうかを訊かれてるんだ。
沈黙が肯定になっちゃうって思っても、
すぐにそれしか返せなくなる]
だが、お前だけは私の傍にいて良いと決めた。
その期待裏切るな。
[ホリーの力を得た真弓に実力では敵わぬだろうからこそ。
その忠義の心を見せろと、誘う様に笑みを投げた]
[結局、零にーさんが何を望んでるのかは訊けずじまい。
僕の耳に届いたのは、周にーさんが吸血鬼になったという結果だけ。
生きてて良かった。
みんなも同じ場所に連れて行きたかった。
こんなワガママを、にーさんはどう思うのかな。
声を、顔を、懐かしむ。けれど、そのどちらも、届かないんだ]
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ひどいね、お姉さん。
俺が安吾さんに殺されていても、別段構いやしなかったみたいだ。
[幾ら小太刀を振るっても。 ジャニスの腕を切り落とせない―――のなら。]
………っ!
[迷わず、己の脛を落とした。]
(189) 2014/02/20(Thu) 23時半頃
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[後ろに跳び、十分な距離をあける。
地面に触れた手が。白かった外套の、武器に当たった。 小太刀が役に立たないのなら。 対吸血鬼用の武器の方が傷を負わせるのではないか。]
さぁ、主はジャニスさんに飽いたようだよ?
(193) 2014/02/20(Thu) 23時半頃
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[14の誕生日の日を思い出す。
乾杯したのは『新しい家族』に。
ホリーとの暮らしがどれ程長かったかは推し量ることしか出来ない。]
確かに、あなたが読んでいた本も、また家畜が――…人が、作り、形にして、継いできたものですね。
鬼にはないものを、あなたは愉しみとしてきた。
[他には心の内の。希望に絶望に後悔に反省に幸福に苦しみに哀しみに――色の変わる、心の。]
では、どうされます?
[必要と分かった家畜を。]
あぁ、……あなたに、試して頂きたいものがあります。
きっと、美味しいですよ。
[本だけではなく、久しく口にしていない菓子も。料理も。*]
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[昇り始める太陽の、その光を背に受ける。 吸血鬼は陽光に弱いなど、そんな迷信は笑ってやろう。
真弓の気配。対峙した時にもそうと知れたが、 確かに彼女は――強い。
別の褒美をと願った時には計画していたのだろう。 こうなるように。
けれど、強くなったからといって臆することはない。 生きなければ、勝たなければ、ならないのだから。]
(203) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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えぇ、けして決して――裏切りはしません。
あなたの期待に沿いましょう。
[そう、主が零瑠に向かう笑みひとつあれば。
気力は増し、士気高まるのだ。]
……お父様、
あなたの終わる時、
それはそう遠くないのですから、
どうぞ思い出してくださいね。
わたしがあなたの終わりを祈ることを。
[姉から受けて託した死の棘、
それこそが己の父に対する祈りのかたちだ]
[絢矢に寄り添うリカルダをちらりと見た。]
……もしもの時は、お願いしても、良い?
[人に触れてはいけない。
その意味を、彼女は納得したから。
多分、悲しい事だと思うけれど、通じる、と思った]
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あの人は――何故食われたか、知っています?
[破れかけた外套は風に揺れ。>>192 あの日の弟を思わせるやも知れない。]
……さぁ、でも真弓が居るんだ。 純血の血を取り込んだ彼女が、主を倒すかもしれない。
(210) 2014/02/21(Fri) 00時頃
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