204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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フィリップと歌うのは楽しかった。
[ひとの声に意識で返す。
素敵などと言われて照れ臭いのもあり]
フィリップもルーツも
そのうち楽しく歌えるようになるよ。
ゆっくりした釣りだと
俺も初心者
[人間らしい釣り方に和むこと
食事の準備を手早く行わないでいいこと
何と無く贅沢な 狩の仕方だと ぼんやり思う]
…………ラルフと 早く大人になりたいね……って
いってたんだけど…………
そう思うと まだまだ、きっと遠い
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[ややあって、顔をあげる。]
――トン
[返事の代わりに、テーブルを1度、叩いた。>>174
炊事場に向かうバーニィの姿を視線で追う。 ラルフと同じ場所に立つものだから、視線を落としてしまう。
彼の居た証に、確かな好意があった証に。 何か造りたいとは思ったが、きっと彼等は爪のひとつだって、髪の毛1本だって許してくれないのだろうと思うと溜息が出そうだ。]
…… …………。
[数が、多いと始めは思った。4つ。 あの時も、よそったスープは4つだった。]
(185) 2014/11/25(Tue) 22時半頃
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慰めねーぞ。
[奪われたように、奪ったのだ。
誰かの、大事に思い思われていた命を。
それでも、ドナルドに告げたように情が枯れ切ったわけではなくて。
まだ、それでも、どうにかして生きて欲しいと思えるから。]
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[手伝うつもりで立ち上がり、彼から良く見える位置に立つ。]
『ありがと。バーニィ。』
[唇だけを動かし、言葉を伝える。 喉を抑えて、あー、あー、と。
声が出ないんだよと、仕草で伝える。]
(187) 2014/11/25(Tue) 22時半頃
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…………そう……なの?
[拙いばかりの歌とも言えぬ歌に
そんな風に思ってもらえると思えなくて]
そうだと…………いいな……
[そうすれば もう少し自信を持って
歌えるだろうか?くすぐったい気持ち
ドナルドも照れ臭いのは感じるから
痛み分け 何て思う暖かい心
は 帽子の男の来訪で
いまは ふつ とわくみにくく黒い感情]
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…… …
[また、トンと音を返した。>>178
あまりよく眠れないけれど。頷いておいた。]
(189) 2014/11/25(Tue) 22時半頃
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釣りは俺も初心者。
だからおんなじ。
……そっか、ラルフそんな話してたのか。
俺もはやく大人になりたかった。
けど、まだこどもでもありたかった。
おとなになったらフランシスやラルフと別れて
別の道をあるいてくんだって思ってたから。
そうだよ。
今度は故郷までの道を歩きながら
フィリップとフランシスと俺と、ルーツのみんなで
一緒に歌ってみようぜ。
[一人で歌うは気恥ずかしさばかり勝るけれど
フィリップとルーツと共に歌った先は
それよりも楽しさが勝ったから]
……
『バーニィも、2人が死んで当然だと、思ってる……?』
[慰めないとは、そういうつもりなのだろう、と。
伝わりきれないなら、水で濡らした指先を綴る。]
[初心者どうしで釣れるのか……
釣果のために 結局普段のやり方に
走ることになりそうな 先の季節を思う]
そっか……うん フランシスや ラルフや ドナルドと
……離れるのは……辛そう…………
ホレーショーとも離れたくなかった
けどーーー迷惑かけたくないなって言うのも 思ってた
死んで当然とまでは思わねえよ。
[指が綴る言葉に、嘆息する。]
だが、他人の大事なもんを目の前で踏みにじれば…恨みや恐れ、そういう負の何かは返ってくるもんだろうよ。
[庇護すべき相手がいるディーンを、その対象から奪うように喰らったニコラ。
ドナルドとフィリップの激昂の合間に漏れ聞いた、ラルフの遺体を足蹴にして笑ったトレイル。
どこで、何を違え、そうなってしまったのか。
男には知りようもない。]
――…ホレーショーがどんな人だったか
ほとんど話せなかったからわからねぇけど、さ。
保護者なら、迷惑、なんて思わねぇと思うぜ。
お前さんは、もっと甘えて良かったンだよ。
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[過度な悲しみに、声を失うこともある。 きっとこれは、そういう類なのだ。
バーニィの促しに昔を懐かしむ。>>190]
『はぁい』
[間延びした声を出し、器を手にした。]
『……プリシラは? ひとり?
なら、早く戻ってあげないといけない、ね……。 ねぇ、ならさ。
早く寝られるおまじない、久し振りにしてほしい、な。』
[だめかな、と。少々上目遣いで訊ねる。駄目元だ。]
(197) 2014/11/25(Tue) 23時頃
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ふはっ
[物凄く騒々し一座だと ドナルドの思考に
思わず笑みがこぼれる
気がついたらそこに 一人 混ざってるといいな
なんて 思ってしまうのだけれど]
山の中でも 熊がきっとこないね
[こんな楽しそうな時を思えばこそ
ラルフもいないのがとても寂しいけど
そんな騒がしい先に ラルフの過ごした世界が
あるのだと思うと 寂しさいがいに目を細める]
それでも、お前が悲しんでるのを指さして笑うほど、俺も悪趣味じゃねえよ。
[信じきれない。その気持ちの中で、せめて嘘でないものを。]
[笑み声に空気が和らぐ。]
熊?
ああ、いるンだっけか。
熊がこないなら道中も安心だな。
[熊を見かけぬのは賑やかだからか。
考えたところでからりとした笑み声が重なる。]
[そう、か。ひとまずの安堵を得たが。
……踏みにじる?
ノックスの知らぬところで何をしたか、そこまでは見当がつかない。
知っているところ――…では?]
『……待って。バーニィは、トレイルとニコラが何をしたと、聞いてるんだ? 思ってるんだ?』
[確かめたくて、問いを重ねる。]
…………でも
そう おもってたの……
[今となっては 何もわからない ただ
あの大きな手の 撫でるのを もう少し
味わいたかった とは思う]
……そっか。
お前さんの保護者はちぃと不器用だったのかもしれねぇな。
――…フィリップ。
甘えても迷惑だなんて思わない。
だから、我慢すんなよ。
|
っ
[バーナバスの存在は、ノックスにとって明かりだった。 今でもほんのりと灯る、明かり。
弾かれた額を抑えた。油断していたものだから、余計に痛く思える。 髪に僅かな感触。
目を閉じ、ゆっくりと深呼吸して。 目をあける。フロスティブルーにバーナバスを映し。
微笑んだ。ようやく、笑えたような気がした。]
………?
[だからだろう。ぽろと、涙が浮かんで流れ落ちた。]
(200) 2014/11/25(Tue) 23時頃
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|
[慌てて袖で目元を拭う。
バーナバスの言葉から、何か…… 以前とは違う様子を感じ、彼に手を伸ばした。
つい、と服を引く。]
(201) 2014/11/25(Tue) 23時頃
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『悪趣味というよりは、ロクデナシだ。
それは……。
……こうして話が出来るだけで、充分さ。』
[充分慰められているのだ。
ぐずとした思いが溶けていく、感覚。]
[ふぅ、とため息を零す。]
今更言っても仕方ないだろうが。
[指を一つ立てる。]
保護者を喰らえば…残された仔狼はどうなる?
それを見た他の奴は…何を感じるんだろうな。
[庇護されるべき者から、保護者を奪ったのだと。
それを止められぬ者と、止まらぬ者に覚える恐怖。]
[二本目の指。]
死者を足蹴にする。そいつを大切に思った奴の前で、な。
俺が直接見たわけじゃねえ…が。見た奴が半狂乱で喚き散らしてたんだ。でっち上げにしちゃ急すぎる話だ。
[名前が挙げられることはない。
けれど、ノックスにも伝わるだろう。]
[罪なき存在は無い。]
だからって、死者やお前をこれ以上追い詰める気もねえ。
それに、話すべきは、…俺じゃない。
[短く告げて。
それでこの話はしまい。]
[誰の事を言っているのか、すぐに分かった。]
『あの場にバーニィも居たじゃないか……。
あれは、あの男がニコラを誘った。
止められなかったというなら、僕も――あの男の腕を落としたって、ニコラから引き剥がしてやれば良かった、んだ。』
[忠告も、警告も、何もかも無視をして。あの男はニコラを選んだ。特別に、した。――ニコラの願いを、叶えた。]
『シメオンには、僕らが代わりに‘保護者’になれば良い。――何を思うか。けれど、シメオンはフィリップに……喰われた、から。』
[フランシスの様子に 空気が緩めば
ふっと 心も軽くなる]
熊よけの鈴より 効きそう
[なんて 明るい日差しのような笑みに思う]
[名前を呼ぶ思考の そう言われながら
呼ばれる名前の くすぐったい心地よさと]
……何を我慢してるのか……よくわからない
[何が甘えることなのか
何を自分が我慢してるのか
いまが当たり前すぎて 困ったようにぽつり]
[2本目の指に首を振る。]
『何故、トレイルが足蹴にしたか、バーニィは知らない。
フィリップも、知らないだろう。
トレイルは、僕がラルフに取られたと――そう、思った、から……。』
[喉が痛い。眼の奥が痛くなる。]
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