204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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うん。
そう、だね。
――なんか、安心する。
[保護者といるのとも違う。
そんな安心感。
嬉しさが、嬉しさを呼ぶ気がした]
俺も。
フィリップがいてくれて、よかった……
|
うん、大丈夫……だよ? ふらついてないし
[いつものように左足に力が入らないから少しふらついたけど、それは風邪のせいじゃないと思ったから、嘘じゃない。 だから手はいらないけれど……伸ばされた手をとってしまった。 助けてもらうときの手だけは、触れてもいいのだから。 だから、ぎゅ、て握って]
大丈夫だよ えっと ありがとう
[心配してくれたのだと思う。 たぶん、きっと、そう。 だからありがとう、を言った。 間違えてないと思う。
本当は手を離すつもりだったのだけれど、 階段を下りるのが少し大変だったので、 やっぱり、助けてもらうことにした]
(123) 2014/11/17(Mon) 22時半頃
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……春の森 木々の隙間 木漏れ日がさ
ちょうど ラルフみたいで
[少し前 一瞬だけ 冬を思い出す
冷たい風が吹き込んだ そんな気もしたけれど
いまは そんなことがあったことを
忘れるように 重なる思考が暖かい]
ーー俺もだよ
いなかったらーーーを 考えたくない
……俺、そんな、綺麗じゃないよ。
てれる。
[照れる。
そんな、褒められ方したことがないから、そわそわ落ち着かない]
うん。
――、おなじ、だね……
|
― 居間へ ―
[扉をあけて、ニコラが見えた。 そして、細い指が見えて――ペン以外も握るんだな、とぼんやりと考えた]
フランシス、さん ラルフ ありがと
[離された手だけがあたたかくて、いっそ寒気がした。 何のために来たのか思い出せない。 手に持っていたはずの荷物も今はもう床に落ちている]
俺、やっぱり寝てくるね
[そう言って、踵を返す。 喉渇いたな、と何故かはっきりと考えた]
(131) 2014/11/17(Mon) 23時頃
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そうかな? でも そんな風に 暖かい
[照れてるらしき気配に
自然と微笑んだ気配が滲んで]
同じ 嬉しいなぁ…………
…………雪 止んで欲しくなくなっちゃう
暖かいのは、フィリップもだと思うけど……
……フィリップのは、小春日和みたい、だと思う。
[普段は冷たくても、きちんと暖かいところがある。
冬の、小春日和のあたたかさ。
微笑む気配に、ほわり、とまたひとつ、温かさを感じた]
うん……雪がやめば、また別々、だし。
――――それは、悲しい、ね
|
― 階段 ―
[居間を出て、階段を半分まで下りて、立ち止まる。 足が熱い。 熱い。 右だけ靴を脱げば、その拍子に下に落ちていってしまった。 階段を弾む音が、幽霊の足音みたいに響いた]
あ、れ
[本当は今頃暖かい居間でポトフを飲んでいるはずだったのに。 何故、片方裸足なんて間抜けな格好で、こんなところに座って。
何故あの時、涙が出たのだろう。 暗い部屋で、一人目覚めた時、何故]
(140) 2014/11/17(Mon) 23時半頃
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ーーー…………言われたことない
[きょと と驚く気配
側にラルフがいたらまじまじと 見てしまうだろう
暖かく くすぐったい 寝わらに寝返り打って]
ーーせっかく 会えたのに……ね
悲しい し きっと 寂しい だと思う
[邪魔をする男。
‘保護者’ではなくなった男。
ノックスの声にも顔をあげない。
シメオンが立ち去っても、見ようとしない。
こうして果実の樹にしがみ付き、乞うている。
誰に? ―――ニコラに。]
――俺は、そう思うよ。
[驚く気配に、微笑む気配がかえる。
胸の中、暖かいから。
視界のなか、みえたことに、まだ、耐えられる]
うん。
さびしい。
フィリップの、声、聞こえなくなったら。
寂しいし、悲しいね……
|
え、あ
[顔をあげて、慌てて俯いた。 頬をめちゃくちゃに擦ってから、ゆっくり立ち上がる]
うん、俺の ……ありがと
[受け取ろうと一段降りれば、裸足のせいでバランスを崩し 手すりにしがみついて、また座り込む羽目になった]
ごめん ……取りに行くから ちょっと待って
(148) 2014/11/17(Mon) 23時半頃
|
ーーーありがとう…………
[ラルフが何を見たのか 耐えているのか
寝藁でうとうとと 心の温かさに包まれ
ゆっくりしていたから知らなくて]
…………一人が 当たり前だったのにね
何も聞こえないのも…………
きっと とても辛い……耐えられる かな?
きっと とても会いたくなる 会えないのに
[力が入っているせいで、肩の骨が服の上からでも見て取れた。
腰に下げたナイフに手が伸びそうになった。
背骨を抜いて、肉と肋骨を削ぎ落として。
ベッドの脚にするのはどうか。
3階にある安物のベッドも、少しはマシになるだろう。髪は束ねて飾りにして――…]
……
[黒く昏く、冷えていくのは瞳と……]
[気づかれなくて悲しいのも、見ていて辛いのも。
いまはまだ、暖かさのおかげで、それほどつらくはない]
……うん。
なにも聞こえなくて、……それが当たり前だった。
耐えられるかな、耐えられないかもしれない。
だって、こんなにあたたかいのに。
それがなくなる、とか、つらいよ……
凍えてしまうね……きっと凍えてしまう
身体が寒いのは……慣れてるつもり……なんだけど
…………ラルフと 一緒にいたい……ーー
許して もらえないかな ……5人で旅する とかさ?
[ラルフの同行者と自分の せんもないこと思う]
|
[あっという間にやってきた影を 見上げて、そして目元が赤くなっているだろうことを思って俯いた。知らず旋毛を見せることになる]
ありがと
[受け取って、なんとか靴を履こうとする。 無意識に擦った右足首、抉るように凹んで、色が変わっているのが見えたかもしれない]
……ありがと
[普通の声が出た。 よかった、ともう一度口にした]
(155) 2014/11/18(Tue) 00時頃
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(早く、その毒のような熱を遠ざけてくれ)
[プリシラから――、否、俺たちから。]
……今までは知らなかったから……
凍えてることにすら気づいてなかったのかもしれない……
――――俺も、フィリップと一緒にいたいよ。
5人で、旅をできたらいいね……
でも、ゆるして、くれるかな……
[心配性な、保護者。
それを思えば、難しいかもしれないと、思う]
旅をしたい理由をいったら……反対に、引き離されそうだ……
あゝ…………
知ってしまったら 気づいてしまったら
ーーーー…………戻れない
駄目 かな…………
…………?
どうして…………?
ただ 一緒にいたい だけだよ??
|
寒い、けど……ずっと此処にいたの?
[ペチカもなくて、布団もない場所。 ようやく履いた靴を慣らすようにとんとん、と叩く]
居間はあったかいよ
[行かないの?って口にしかけたけれど 問い返されたらなんて答えればいいかわからないからやめておいた。
手を借りなければ、降りてもこれなかったし、と悔やんでも遅い。 心配してくれたラルフが出てきてくれたことにも気づけずに、 今は寒さに肩震わせて小さなくしゃみをまたひとつ]
(163) 2014/11/18(Tue) 00時頃
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うん……
知らなかったころに、戻れない。
フランシス、心配性だから……
俺が先祖がえりだって伝えたりしたら、きっと、……
フィリップと。
仲良くなったから一緒に旅したいって、そう、いって。
許してくれる、かな……
[守ると、言ったのに。
僕は、愛しい子を―――…]
…………心配性……
けど 優しそうな人だから
一緒じゃないと 辛いって……
説得出来ない かな?
だって……仲がいいだけ……なのに
[と そこまで考えた時だった
ちょうど 実際に ラルフとしっかり目があったのは
とん と心臓が 一つ脈を打つ
彼は その脈動に 目をまたたかせる]
|
狼……?
[首を傾げながら見上げれば、あったかい、が落ちてきた。 被せられた防寒着はフィリップの体温であったかく、 他人の体温に慣れていないから、その温もりにいよいよ戸惑う]
ラルフ
[振り向いた。 冷えるのに、なんで。 わからないことだらけ。 今立ち上がれば、やっぱりまたバランスを崩しそうで 座ったまま、二人の顔を見比べるばかり。 寒さに白くなる頬、擦った雫の痕は未だ赤い]
(175) 2014/11/18(Tue) 00時半頃
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うん、優しいよ。
優しいけど……決めたことには頑固だから……
説得、できたらいいな。
辛い理由を、聞かれるかもしれないけど……
はなれたく、ないし……
[フィリップと視線が合った。
ほっとしたような、安心感を感じて。
それは、三階で、目が合ったときにも感じたもの、だった]
[それは予感では無く、確信だった。
ニコラの掌に炎を見たとき、
それは長らく冷えたままの氷を溶かす火だと確信をした。
だからこそベネットに――信頼できる友人に、
一番大事なものを託したのだ。
炎に触れた氷は溶け、元の形を失う。
大人であったディーンは、もう何処にもいない。]
――…………すまない。
[悲痛な声に返す囁きは小さく、口の中で消えた。**]
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