3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[ぞくり。
肉体の無いはずの背筋に寒気を感じた。]
まさか、ケイトは……
[用具室へ連れ込まれ、蹂躙される姿が脳裏をよぎる。]
………、……
そういうのじゃないといいんだけどね。
いいもわるいも、ないのかな…
――それでも知りたかった。だから、私は嬉しいの。
[隣の気配に小さく囁きかけた**]
――――
……いやな、想像か。
……下世話な、ことだ。
ろくでも、ない
……―、ん。
…それは、…否定、できない
[教師と、生徒と。
―――触れた唇を少しだけ思い出す]
[何か思い出してるっぽい人の顔を見た。]
[それから、唐突にさっきの木の下のシーンを思い出した。]
あー、やっぱ、こう、強引なのよりは…好きあってるやつのほうが
[おいさん黙れ]
っ、
な、…!っ、に謂、
[盛大に狼狽えた。
―――――すき?]
え、あ、…
[もう、声は響かない。
伝えるべき相手が何所にもいないから。
だからもし本来繋がる相手以外が聞こうとしても、
今しばらくは何の音もしない。
これからも、きっと]
…… …、…っ
[薄紫が泳いだ。
わからない。]
…わか、らない、だって。
[だって、なんだと謂うのか。
見えないように隠した顔が赤かった気がする。]
わかんねー奴とはちゅーしないだろう。
[おっさんだった。]
それとも、おっさんとしてみっかぁ?
[にやにや]
ど、何処から見てた…!!
[狼狽えた。]
何でそうなるんだ…ッ!!
[にやにやを睨んだ。]
どこからってあっちらへんから
[ベストショットが見える位置だった。]
もっと素直になればいいのに
[冷やかしではなく、真顔で言った。]
っ、…
[ますます、困った顔になった。
あっち、つまり、見ていた。
かなり、しっかり見られていたということで]
…――っ、
[居たたまれなくなって眼を逸らした。
けれど、真顔で謂われれば]
…、…――、…うる、さい。
[言葉捜しきれずにそう謂った]
[黒板の音も不快だった、が。喉奥から漏れて聞こえた特殊な声に眉を寄せる。忌々しげに。]
『このタイミングかあ。』
[向けられた笑み。
唇を噛んだのは、気付かれたか、と言う苦い気持ちと。
闇 に 、まだ 飲まれてない ―― が。]
『ふぅん。 ……そう。』
『仲、いいね。』
[誰と誰のことを指して戸は、言わず。]
[押し黙る様子に、くす、と。]
『悪い子が いつ盗み聞きしてるのか ってね。』
『見てたのはそのためもあるでしょ?』
[解ったかもよ、と、闇は言う。]
…――
[ちいさな笑い声は聞かない振り]
…、見てた… 嗚呼、…
……――分かったの、か?
[覗き見るひと。聞くひと。見てしまうひと。
鬼を探しなさいと
笑うように
夫々の
役割が――]
『多分ね。』
『ふふ、盗み聞きなんて ひどいな。』
『君を 送 ってあげると言ったら 怖 い かな?』
[目の前の人物に、今は届かないと解って。闇は囁く。]
…、――
……、怖い。か。
聴こえるはずなのないものを聞いたときに
…見張られているのがわかれば
――疲弊した人間の身には、…
耐えられないかも、しれないな。
[――、闇が、ささやいた]
[耐えられない、その言葉に、愉しげに闇が哂う。]
『盗み聞きなんて するからさ。』
『飲まれてしまえば いいよ。』
[闇 に。]
『そうすれば、楽 になれる。』
――…、…
[わらう。闇が]
――……覗き見たり
……盗み聞いたり
[わらう]
……――…嗚呼、…本当に。
……それで、楽に なるのなら
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