22 共犯者
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今は放っておけ。
そのうちに、な。
[ その対象が新聞記者であるのか、リンドクヴィスト家のことであるのか。
定かにはせぬまま、声は消えた。*]
…ああ。そうだな。
彼女の魂と肉体も、我らの祝福された場所へ。
[鋭く氷を思わせるその声に少し圧倒されたか、それ以上は何も言わず、森全体が闇に包まれる時を待つ事にした。]
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―ソフィア発見現場―
[なんとか怒りを鎮め、周りに居る人々から情報を得ようとする。 辺りは人々の慟哭や、恐怖、動揺…様々な感情が交錯している。]
あれはソフィアなのか…。 だったら頭部は…どこに?
くそっ、誰か何か見てねえのかよ!
[その瞬間浮かんだのはあの来訪者の顔。 …イアンは何処に?]
おめえらもあんまりふらふらと出歩くんじゃねえぞ!
[近くに居たマーゴやテッドらにそう告げる。]
(150) 2010/07/29(Thu) 22時頃
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>>152 そうだな、俺もそうしようとしていたトコだ。
[騒ぎを聞きつけ、現場に来る者の数はさらに増えているようだった。]
祭の日に…死体。 ただの殺人事件にしては気になる点が多すぎる!
[マーゴの提案に同意し、踵を返す。]
かわい子ちゃんは守ってやらにゃ。
[テッド>>155にはそう言って、無理矢理引きつった笑顔を向ける。]
(159) 2010/07/29(Thu) 22時頃
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―ヴァンルナール家・倉庫―
[マーゴやテッドらと別れ、一路自宅へと戻る。 広間に居た下男と2・3言交わすと、薄暗い倉庫に入って行った。
倉庫に掛けられたイノシシの剥製の口の中に手を入れ、隠されたスイッチを押す。 倉庫の角に掛けられたキャビネットが移動し、6畳ほどの隠し部屋への入口が現れた。]
お集まりかよ。 って事はもう耳に入ってんだな。
[隠し部屋にはヴァンルナール家の当主である祖父と父、そして伯父らが深刻な顔をして座っていた。]
ソフィアが死体で発見されたぜ。 この「祭の日」にな。 あんたら、どうするつもりなんだ?
[そう言って部屋に入り、入口を閉じると、マーゴがナタリアの意見も仰いでいる事や、長老が出る必要があるだろうと、男たちは話し合い始めた。]
(172) 2010/07/29(Thu) 22時半頃
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[ヴァンルナール家の代々の家長は、古くから人狼を熱心に崇拝していたようだ。
(人狼と「契約」を交わしたのも、遡れば彼らの祖先に当たるのかもしれない。)
ヘクターは当然実子ではなく、「実子として」家に迎えられているに過ぎない。
対外的には、ヘクターの「祖父」が家長だが、実質的に実権を握っているのはヘクター自身であった。
――尤も、それについて知っているのは、ヴァンルナール家でもごく限られた者のみである。
ヘクターは彼らを「キツネ」と呼び、彼の命令は、対外的に「祖父が出したもの」として実行されていた。]
「約定」はやはり忘れ去られている、か。
[ 平静な声音。]
……それもそうか。
[ 小さく鼻を鳴らす。]
お前の言った通りだ。
彼らは忘れてしまった。
[ 遠巻きにソフィアの死体を眺めながら騒ぐ人間たちを凝視し、同胞に語りかけた。]
ああ、そうだな…。
[苦々しい思いで吐き捨てる。
――我らを思い出す者はおらぬか?思い出しても畏れから口に出さぬだけか?]
村の年寄り共もどれだけ使えるやら。
[ヘクターを補佐する立場にある「キツネ」も、人口が増え、近代化へと向かう村に対し絶対的な力までは持っておらず、祭の形骸化を食い止めるには限界があったようだ。]
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>>198 [しばらく会談>>172は続いていたが、室内のベルが鳴った。 ヘクターは席から立ち上がり、下男からの要件を聞く。]
…ラトルの長老様が来られたみたいだぜ。 ああ、ナタリアの婆さんだ。
[そう告げると、家長である祖父は応接間へ移動し、散会となった。]
(238) 2010/07/30(Fri) 00時頃
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[何故忘れる・・・何故・・・
こんなにも人の子は愚かだったのか?
我等が慈しみ護ってきた者らよ
幾度の潮の満ち引きと共に、汝のその英知はいずこかへ消えてしまったのか]
[ 同胞の憤りがじわりと伝わってくる。
「声」は殆どの場合において、音声による言語以上にその感情を能弁に伝える。
彼は伝わる怒りの感情を、舌の上で転がすようにじっくりと吟味した。]
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―広場―
[日が高くなると、森で見つかった「変死体」の噂で村はもちきりになっていた。
ナタリアの来訪で祖父が部屋から出て行くと、ヘクターも再び広場に出る事にした。
きっと長老連中でこれから長い会合となるのだろう。自分が部屋で祖父の戻りをただ待っていても仕方ない。
村をぐるりと回りながら、不審な点は無いかを確認する。]
そういえば、あの記者はどこへ行った? 事件前後に誰か見たりしなかったか?
[誰かに出会う度に、イアンの行方や事件について聞いたりしていただろう。]
(308) 2010/07/30(Fri) 21時半頃
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―広場・森の入口付近―
[森から男たちが数人で布に包まれた何かを運んでいた。その傍らにすがり付き泣き叫ぶ男がいる。どうやら"ソフィア"は教会に運ばれているようだ。
森――深く、緑鮮やかで黒い森。昼間の森は木漏れ日もあり、うす暗くはあるが鳥や虫や小動物の音もあり、生命力に溢れているようにも見える。しかしそんな中で"ソフィア"は発見された。]
頭がねえなんてよ…。 かわいそうじゃねえか。 ちゃんと弔ってやらにゃ。
[自警団の者達も、遺体発見現場には数名を残し、ソフィアの頭部を探しに移動したようだ。 自分も…宛ては無いが、森の方へ再び入るべきかと慎重に思案している。]
猟銃でも持ってた方がいいのかねえ…。
(313) 2010/07/30(Fri) 21時半頃
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[聖なる樹、聖なる泉に捧げられし供物は、
再び人へと巡るだろう。
その肉体は人として大地に還そう。]
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>>309 ミッシェルか。 まだ、ソフィアの頭部が見つかってねえみてえでよ。
森に探しに行こうかと思ったんだが…なにか身を守る物でもあった方がいいのかなと思ってな。
どうしたもんかと考えてた所だな。
(317) 2010/07/30(Fri) 21時半頃
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>>323 [祖父とナタリア・ラトルら村の長老たちが会談を始めた事をミッシェルには黙っていた。 いずれその結果は長老の声明として正式に発表されるだろう。]
んん。 そういやミッシェルの家は猟師の家系だったけか。 …とは言えだ、森の中に連れていく訳にはいかんよな。
[探し物も探し物だし…そう言いかけた矢先。
――ちょっと待て。今ミッシェルは何と言った?]
(343) 2010/07/30(Fri) 23時半頃
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>>343
「昼間が安全」…?
今、祭の中なら昼間は安全って言ったよな。 ミッシェルも…そう思ったのか? あの話が、本当だって、信じてるのか?
[ヘクターの脳裏に浮かんだのは、昔から祖父母や両親から聞かされた話。森の神様の話―――
だったら、始まるのか? だとしたら、また、あの、「儀式」が…。]
(345) 2010/07/30(Fri) 23時半頃
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