204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[喰われたわけでもなく このナイフで腹を裂かれたのか。 ラルフが何をしたと謂うのか。]
とめ、 止めて、血を、運ばないと、
[既に事切れているのは分かっているであろうに 受け入れられるはずもなく、 まだ血を止めようとして、ソファに、運ぼうとまでする。 持ち上げた手がもはや握り返す力もなく、声もなく、眼も開かない、動かない、何もかもが、喪失と死を眼前に突きつけてくるならば。
糸が切れたように、見開いたままの緑の双眸から 御しきれない感情が堕ちていく]
あ ぁ、 あああ……!!!
[――慟哭**]
(135) 2014/11/22(Sat) 11時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2014/11/22(Sat) 11時半頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2014/11/22(Sat) 11時半頃
ーーーーーーーーー…………!!!!
[人の言葉に 変換出来ない 慟哭
保護者の手で 人の境界から 離れぬよう繋ぎとめられ
ラルフとの触れ合いで 人に戻りかけていた心が]
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2014/11/22(Sat) 12時半頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2014/11/22(Sat) 13時頃
[衝動を抑え 人であろうとする その理由はあるのだろうか?]
ベネットは、フィリップの汲んできた湯で、ラルフを温めようとして、傷口を―――
2014/11/22(Sat) 13時頃
[フランシスの慟哭。
壊れた楽器みたいだ――…と、思った。
いや。あれは自分の姿だ。
愛し子達を失くせば、きっと同じ。
見棄てられた今は、どうだろう。]
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―居間― [ 壊れた楽器のように、 絞り出した慟哭は、声にならない音で。 服に染み付いた血が乾き始めて、肌に張り付いた。]
……っ、――
[後悔、悔恨、自責、――怒り。 胸を引っ掻く。がりりと、爪を立てて、耐える。耐える。――耐えられない。床に拳を打ち付け、また、爪を引っ掛けて ]
――ぁ、
――……なに、して
[>>151フィリップが、色を喪ったラルフの手に牙を突き立てる。――がりん、と。骨が砕ける音がした。]
フィリップくん、――っ、なんでっ
[ 肩を掴み、縋るように止める。 されど力は弱く、――喰らう理由も、分からないわけではない、せいで ]
(163) 2014/11/22(Sat) 20時頃
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[ ――喰らえば、共に在る。
そんなことを。 聞いたことが、あった。 深い傷跡、記憶を抉る。]
(164) 2014/11/22(Sat) 20時半頃
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[より 獣として 覚醒したばかりの
ドナルドにどこまで伝わるか
芳醇な 血の 旨味
若い肉の 弾力 肉の持つ 甘さ
軟骨の 程よいかみごたえ……………]
[惑わせるはフィリップの感情。
塞ぐことも出来ず流れ込むそれ。
天秤は揺らぐ。
ゆらりゆらりと不安定に。]
喰いたい。
噛み殺したい。
ラルフを殺した奴を――。
ーーーー奪ってやりたい
踏みにじってやりたい
[それは獣にはない感情]
ラルフを貶めたノックスの大事なものを
ラルフを踏みにじったトレイル
けれど トレイルは食べられたがった
だから 食べて殺してやらない
貶めた――…。
ノックスも、敵か。
――…それなら、トレイルの同行者二人を消せばいいか。
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―居間― あ――、……
[ 甘い、甘い、血の匂い。 彼のアミュレットは赤に染まり、元の色が分からない。
ラルフ。 大切な、大切な、旅の、仲間。 大人になるまで見守ろうと、決めていたのに。 もう、届かない。 ――昔、昔 ――こんな風に、誰かに奪われた、 ――大切な人が、いた。 フィリップがすり抜け、支えをなくして両手を、床に着く。 ]
……だめ、俺には、食べ……られ、ない……
[ 声は苦しげに、掠れて。 かたちが、残っているならば、まだ、其処にいるような気が、したのだ。あの時と、同じように ]
(179) 2014/11/22(Sat) 22時頃
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……ノックスは……さっき
自分より トレイルを気にかけた
だから ノックスの目の前で ニコラを喰らい
トレイルを その喉を 顔面を ナイフで切り裂きたい
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[居間の、扉が開く。>>176 は、と憔悴した顔で振り向いた。
誰かが起きてくることも頭から抜け落ちていた。 ]
(180) 2014/11/22(Sat) 22時頃
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やだ もうやだ 人間やだ
………………っ
[人間らしく また一つ 感情が湧き上がりそうで
懸命に飲み込む]
――…ノックスがラルフを殺したなら
彼から全てを奪ってしまうか。
[ノックスにとって一番残酷な方法を考える。
けれど同時にノックスを喰らってやりたいと思う。]
何か、手伝えることは?
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―居間―
……ちが、……違うんだ、 フィリップが、したんじゃない、違うから
[ 誤解されては、――と、言葉を向けられる前>>184. バーナバスに言い募る。ふらつきながら立ち上がり、両手を庇うように広げたのはラルフの遺体を守りたいからでもあった。 ドナルドの祈り、>>183耳にすれば余計に。]
……ラルフ ラルフが、殺され、……――
[ 先は、声にならなかった。 ]
(189) 2014/11/22(Sat) 22時頃
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[怒り……憎しみ そちらへと思考を向ける
それ以外の 人間らしい 感情なんていらない]
ーーーうん……ニコラは
本当は どうでもいいんだけど
………………ノックス 足止め
あの三人で 一番 腕力あるから……
――…一度に全部失えばいい。
[それだけの憎悪を向けるには十分なほど
ラルフは大事な者であった。]
足止め、ねぇ。
まあ、おれはこの衝動を向けられる相手がいればいいンだが。
痛いとか苦しいとか
それから逃げてちゃダメだろ。
痛いことも苦しいことも避けきれない。
慣れろとは言わねぇが――…
逃げてるばかりじゃ大事なものを失う。
[痛みと引き換えにした平穏も
今は大事なものと引き換えにして。
その大事な者も物言わぬ姿になってしまったけど。]
[復讐が救いとはならないことを知っていて
それでもおさまらぬ感情にゆさぶられる。]
[人らしい感情 深い哀しみ 獣だから
切り捨てようと しながら
聞こえることへの それに共感の頷き
全てを失って すべて すべて
そのあと 聞こえる 相手が 衝動のまま食らっても
獣である彼は 頓着しない]
もう 大事なものなんてないーーー!!
一所懸命 苦しいの 我慢しようとして
寂しいの我慢しようとして
なくなったのに
何があるの なにもないよーーー
[大きな暖かい手も 穏やかな春の日差しも]
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[ ドナルドが、 足らぬ言葉を付け足した。>>191 同時、たかぶる感情に我知らず目の奥が熱を持つ。
くさる。 もったいない。 フィリップは謂うけれど、 フランシスには――より人に近く在ろうとし続けた彼には、できそうもなくて。抑え込まれた獲物は、低く哀しみに唸りを上げるようだ ]
――、……っ、起きたら、居なくて おれが、みてれば、こんな……ッ
[ フィリップが、痛みを吐き出すように声を上げた。 ラルフの名前だけでは、なく。
目を瞠り、振り返る ]
(195) 2014/11/22(Sat) 22時半頃
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大事なものはいずれ見つかる。
生き続ける中で出会うもんだ。
お前さんだって、此処でラルフと出会ったんだろ?
苦しい時は苦しいって言え。
それくらい受け止めてやる。
どうすれば苦しくなくなるか、一緒に考えてやる。
それに、何もないって言うけど、さ。
ルーツも、お前さんにゃどうでもいいものなのか?
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[ バーナバスの言葉は古傷に刺さる。 それはきっと彼の過去が 言葉に込められているからだ。 今の彼ほどに考えてあの時、他の狼に喰われてこときれそうな恋しい人を食べられなかったわけでは、ないのだが。
――誰にも、取られたくなくても。 ――もし、そうすることが、あるのなら。
泡のように弾け、声にしたのは。]
――、ホレーショー?
[ なぜ、今彼の名が、でてくるのか―― ]
(202) 2014/11/22(Sat) 23時頃
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