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ちーず、すきです。
いいなそれ。
風邪治ったば、作りがたおじえてください。
ぺとぼとるば、ごび箱にたくさん。
そんでだいじょぶだば。
[一応すすいでから捨ててるし、カビたりなんかはしてない、はずだ。]
凛堂さんあれですよで。
気遣いとか、すごい"、こまかぐて……ありがとです。
[
きっと、彼女にも優しいんだろうなー、って、ちょっと思った。]
[開いた口に粥を運んだ時のこと
様子を見ながら、表情は自然に穏やかに緩んでいた。
嗅覚が鈍れば味覚も違って感じられてしまう
症状がどれ程かは、本人でなければ分からないが。
その中で呟かれた内容は、まるで、そう
料理や弁当を褒めてくれた時を思い出すものだったから。
おれの自意識過剰でも、それでも良い。
ただ一時、恥ずかしさを忘れられただけ。
きっと伝えることも無い感情だ。]
クールだなぁ。
[結構、正しいことを言ったつもりだったけれど柊真の様子は変わらない。
らしいとは思う。一方で少しだけ気になりもした。
じゃあ、どんなことを女の子にして欲しいのだろう、と。
今の自分達が恋について語らった経験など、ある訳もなく。
幼馴染の恋愛観も、どんな付き合い方をしていたのかも知りはしない。]
……だって、柊真が言うから。
[数秒の硬直、理解した馬鹿は視線を泳がせ最初に仕掛けた責任を棚上げした。
余計な一言は、中々の効果を発揮している。
そう、いつもこんな感じだった。
柊真の言葉を真面目に受け取ってしまって、
後から指摘されてしまうのだ。]
[再現された思い出は、むず痒いものを含みながらも甘やかで
渡した後も食べてくれることに確かな喜びを覚えながら。
出来ることなら、風邪が治った後もこんな風に
言う勇気も無いことを一人考えていた。
目の前の幼馴染が何を思っていたかなんて、
誰よりも知っていた筈の彼の気持ちを、少しも知りもせず。]
………へえ、
俺が言ったら何でもしてくれそうだな?
[>>=8僅かに笑いを漏らして、また返す。
そういう反応が見たいばかりの意地悪だ。
友人がいない青年にとって
こんなやり取りが出来るのは、この幼馴染だけだった。
どう思われているかは分からないが
その時間は、かつて青年がよく笑っていた頃と同じ
手放してはいけない、大切なものだったのに。]
え、だって、全部つっこんで火つけとくだけですよ。
[煮るだけができないと言われたが、これだって料理しない民だった自分が限界料理的に生み出したもの。
ネギ入れなかったら包丁も使わない。
調理器具が少なくたって、とりあえず今ここにあるもので作れるのだから、できないことはないと思っていた。]
チーズお好きです? 僕も。
じゃあ、治ったら。
[教えるほどのこともないが、きっと「できない」の垣根は取り払える気がする。
実際、自分も一度シンクに立って作業するまでは、「できない」と思っていたし。]
───なあ、今日、お前ほんとに泊まんの?
[ふと投げかけられた言葉。
動く事すら辛さを感じる今は特に
幼馴染が居てくれる事は願ってもない事だが
彼自身の予定や都合はどうなのか、そう言外で問うように。]
はーい。
[ペットボトルの在処を聞けば、了承の意で軽く返事。
ただ、その後に気遣いの細かさについて言われれば、想定外の言葉に前髪の下の目を軽く見開く。]
……そうですか?
そんなつもりじゃなかったですけど……でも、そうだな、うん。
僕のやってるのが間違いじゃなかったんなら、よかったです。
[お礼を言われるということは、不快にはさせなかったということだ。
気遣いが細かいというなら、きっと今必要なことができたんだろう。
褒められたのはこそばゆくて、はにかんだような笑みしか作れなかったけど。]
方徳さーん。
おまたせしましたー。
[できたものを持ってくる程度の数分なら、まだ眠りに誘われてはいないだろうと当たりをつけて、声かけながら隣室へ向かう\**]
[宇原が岩動に懐いている理由も、根っこの方を掘り返してみれば、だいたいそんなところだ。気安さに甘えている。
自己分析とかは特に得意ではないから、宇原本人は理屈なんて考えてはいないが。]
[ゲームが下手じゃないとか。話すテンポが楽とか。
気弱過ぎず、横柄すぎず。
最初は単にそういう好みのプレーヤーとして。
元々宇原には兄が居て、かなり遊んで貰ってきた。だから兄貴分として振舞ってくれるところに馴染みがあったこと。
こまめな親切とか、気前がいいところとか。
よく気が付くところとか。
大人というか。つまらない事でギスギスしないとか。
そういうどこにでもあるちょっとした積み重ねで、宇原は岩動に懐いている。]
[もちろん。
相手がちょっぴり恋していたなんてちっとも知らない。]
[ただ、親切にして貰ったがゆえに、
……もしかして……
……もしかして遂に自分は女と思われているのでは!?
そんな一抹の淡〜い期待を抱かないではなかったが、ギルドオフ会の日の集合場所手前の駅にて、すっかり両断されていた。
[
やっぱり気づいてたか〜〜〜〜。
ボイチェンソフトの違和感とかまあ気づいちゃうよな。
まあいいんだけど。
とくにまんkと思われたくて始めたわけじゃないしい。]
[そういう、あわよくば性別を間違われたいネカマ的楽しみから、少しつまらなく感じる感慨がないではなかったが…
ウツギ・スペースキャットは既にレン・メイに懐いていたし、すぐにそんな事はどうでもよくなった。
男女関係なくネカマでもなんでも親切にして貰っていたというだけだ。それはそれで単にいい人でステキなことじゃないか。]
「先に合流しようぜ〜」というちょっとした特別扱いの味が気持ちよかったし、結構遊んでいる自覚があったので、始めて会えるとなってシンプルに楽しみだったし。
そのあと同ギルドの女子プレーヤーの盾に使っている間も、「この人面倒見めっちゃいい!」と感謝しきりだったし。
岩動からいかなる憎たらしさを抱かれているとも知らず、ウツギ的には「近所に友達が出来た〜!」という極めて単純な嬉しい出来事であのオフ会を終えていた。]
[そんなこんなで、あのオフ会でレン・メイは、ウツギ・スペースキャットに、近所の気のいい兄貴分として、余計に懐かれてしまったのである。]
[でも、このビール缶に対して胃がイヤ〜な予感を伝えていた。"ぜんぜん美味しそうじゃない"という直感は信じたほうがいいことを宇原青年はまだしらない。]
[岩動とは仲良くなってそこまで何度も酒盛りをしているわけではないから、きっとまだバレていないけれど、宇原はまだまだ22歳。
たった2年前にお酒飲んでよしの許可を得たばかりの、飲み方をしらない子供で、ついでにいえば彼は、体質的にもあまり酒に強くはなかった。]
[…かといって彼が男だったから損をした気分なのかと言うと、案外そうでもないものだ。
ここまで気安く遊べる友人というのも、なかなか貴重な存在だと思う。
少しばかり年は離れているが気にする質でもない。
これまでにインターネットを通して知り合った人間は多くいるが、ここまで「仲がいい」と自覚できたことはなかった。
大抵のオタク的な知り合いには他のオタクコミュニティがあり、友人と呼べるほどの関係になったことはおそらくない。はたまた相手が自分と似たような性質の人間であれば、気は合うが友人と呼ぶにはお互いに距離感が遠すぎた。
かつて最もいい感じの雰囲気になったのではと思った女性は火遊び目的の主婦だったし、こちらにその気があるとわかった途端に態度が豹変して連絡が途絶えた女性もいた。
冴えないオタクは女性にとって友人としての道も許されないのだと思ったし、そこには別段異論もなく、納得しかなかった。]
[宇原にしても同じで、失恋記録を更新しただけの話だ。
だけれど彼ときたら。
とっさに「男だと気づいていた振り」をしていたのも功を奏したのか、その後よそよそしくなることもなく随分仲良くやっている。
宇原の懐っこさや積極性は岩動にとってはとても気楽で、正直現状はかなり気に入っている。
(その積極性を女性に向けられれば彼も苦労はしないのだろうが、彼にとっては三次元の女性との対話はよほど困難らしい。せっかくモテるのにもったいないことだ。気味がいい。)
今では彼が男でよかった、とすら思うのだ。
自分でも少し意外なことだけれど。]
[湯呑にほうじ茶のティーバッグを放り込み、沸いたお湯を注ぐ。あつあつになった湯呑を人差し指と中指でつまみながら、宇原の居るパソコン前へと運ぶ。]
熱いから気をつけて。
[そう言って椅子の背もたれに腕をかけ、お茶を机に置く。
少し背中を丸めている友人の挙動は、気のせいかもしれないがやはりいつもより緩慢にも見える。]
ちょっとごめんね。
[そう言って背もたれにかけていた手を、片腕で宇原の頭を抱えるようにして額に宛てる。
手のひらに、じわりと水分が滲む感触がした。]
……熱い。
……………………ような気がするし
俺の手の方が熱いような気もするし…
わかんねえなこれ。
[世の中の人間はどうやって手のひらで体温など計っているのだろう、どうやって顔色をうかがうのだろう。なんとなく宇原の体調が悪そうなことはわかるのに、これでは世話を焼くにあたっていまいち決定打に欠けている気がした。]**
[台所から薬缶の湯が沸く音がしている。
すぐにしょこらちゃんのデフォルメイラストつきの湯飲みを持って岩動がやってきた。
椅子の背に手が掛かって揺れる。
顔の傍にシャツがみえた。]
ありがと〜。ん?
[椅子に座ったまま岩動の顔を見上げると、なんだか頭を腕でとられた。
何か…技をかけられている…!?
……と思ったがそういうプロレスごっこ的な何かではないらしい。額に岩動の手が触れて、同時に濡れた感触がある。]
手え濡れてるうwww
え。熱い? ……くもない。www
[頭を抱えられたまま肩を揺らして鼻声で笑った。気抜けしたように軽く腕に頭の重みを預けて]
や、だってメイさんの手あついよwww
[お湯をわかしたり湯呑を持って来たりしてくれたせいだろう。
額を触られたまま、マウスに手を伸ばしてクリック。
転キンの動画を再生した。]
あ、ごめん。手濡れてたか。
[そう言って親指で宇原の額についた水滴を拭うようにこする。水滴は人肌に触れて妙に温い。]
そうなの。
だから触ってもちょっとあついかしら、くらいで…
[と、再び手のひらをぺたりと額にくっつけて、はたと言葉が止まる。]
……チョトマテクダサイ
[片言でそう言うと、もう片方の手を自分の額に当てる。]
…ウツギくん、体温計どこ?
[自分の手のホカホカさに今更気づき、再生され始めた動画を止める。]
転キンはまた今度にしよ。
ウツギくん熱あるよwww
[何故か笑いがこみ上げた。おおよその察しは来る前からついていたが、ようやく決定打を得た気分だ。
しょこらちゃんのイラストのプリントされた湯呑をテーブルに移し、とりあえず宇原の椅子をくるりとベッド方向へ回した。とりあえず寝かせなければ。]
とりあえず布団入って。
…ぉあっ
[そう言ってでかでかとハロウィンちゃんが印刷された布団をめくると、ヤンデレ女とミームちゃんが居た。知ってたはずなのにちょっとびっくりしてしまった。]**
うん。着替えも持ってきてるんだ
バイトだって元から連休にシフト入れてないしね。
だからしてほしいことがあったらさ、
いつでも何でも言ってよ。
何しろおれは、柊真が言ったら何でもするわけだから。
[言外の問いも理解しながら、投げかけられた内容に返す
悩む様子も見せず、当然のような振る舞いで。
数日の間星夏さんが戻らない以上、元よりそのつもりだった。
先程は「意地悪だ」と少し拗ねた彼の言葉を拾うのは
僅かに漏れた笑いに、確かに気づくことが出来て
本当に気を悪くしていたわけではなかったからこそ。
そして、幼馴染からの意地悪が、嫌だったことなど無いのだから。]
……駄目かな?
[そして、返答から一拍を置き短くそう続けた。
駄目だと言われても帰る気は無いのだけれど、逸れる視線。
やはり────嫌なのかとは、聞けなかった。
そんな問い掛けに頷かれてしまったら、おれは。]*
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