229 流水花争奪鳥競争村
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昨晩、私はようやく生涯の伴侶を決める事が出来ました。 今、私はとても幸せに満たされています。
彼と、これからの人生を歩んでいくと同時に 力が続く限り巫女の務めを全うし、 次なる巫女の創造にも努めていきます。
受け継がれゆく力だけではなく、 世界中で繋がる命の全てが 祝福されるように私は、――…祈ります。
[ふわりと花がゆっくり開くように咲く笑顔。]
(506) wallace 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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それでは、私の夫となる人を紹介致します。
[そう言えば、一度機械のスイッチを切って 上体を捻り手でおいでおいでをする。]
(507) wallace 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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エフ…、こっちこっち。
[小声で囁けば、さすがに距離もあるから民には届かない。 侍女達にこれでもかといじられた格好に、 思わず片眉下がって噴出しかけるが何とか止める。]
さーー、超疲れるし忙しくなるよ。
覚悟はできている? だんなさまっ。
[ふふふー、と笑う顔はちょっと挑発的で、悪戯。 だけど嬉しくてたまらないといったそんな顔。]
(508) wallace 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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[エフを傍らに呼べば、いっそう激しいまでの歓声が沸きあがる。 近距離にいても大声で喋らないと聞こえないくらい。
同時に花吹雪が風に舞いあがって、 色鮮やかな花弁が視界に届く。
まあ、そんな事気にしてられない。 私は今、世界で一番幸せですってのを みんなに知らせないといけないし 知って欲しいって思うから、
―― そうだ一番解りやすいことをしよう。]
エフ。
[顔をちらっと見上げれば、ふ、と淡く笑んでから 細い腕を首の後ろに回して、目を閉じれば、 つま先に力を込めた。**]
(509) wallace 2015/07/13(Mon) 22時半頃
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[華やかな歓声が眼下から上がる。切りますか。と、一応聞かれた髪は横髪を遺して後ろで一本に括る形。]
…
[何枚重ねか聞きたくない礼服は重いが まあ甲冑よりは、たぶんマシだろう。]
(510) miseki 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[名前を呼ばれて演説を終えた"巫女様"の その隣に並ぶ。頭ひとつぶんの差。]
…、
[名前を呼ばれて、 何をする気なのかは すぐに知れて]
(511) miseki 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[ 笑った形の唇が重なる。
歓声が強まって、
ああ。空に高く昇っていくようだ* ]
(512) miseki 2015/07/13(Mon) 23時頃
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── 祭の後日、里の墓地 ──
[陽射しの当る台地、花の咲く石畳を抜けた先。 里のはずれ滝傍近く。滝を背にするように、 てんてんと、石碑が並んでいる。]
よ。
[その内のひとつの前に、花束を添える。 『 Franck・Read 』と、記された石碑前で 靴先を止めた。]
(513) miseki 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[パンケーキの阿呆みたいな甘さの後で。 リッサに教える紅茶講座は甘さ控えめ]
(514) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[今度は子供染みたごっごにせずに。 茶葉を踊らせる意味や、 カップの拭き方に至るまで細々と教える。 一通り手順を説明し終えれば、 彼女のノートを綴じさせて、 あんちょこなしで作らせる]
これはどうして水っぽいと思う?
[一口味を見て脇へ寄せてを何度か繰り返し、 味も色もまばらに冷めた紅茶。 改めて飲み比べながらの検討会]
復習しておいて。
[はい、とノートを手渡して、 今日の終わりに美味しい紅茶を煎れた]
(515) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[文字を繰り返し、目で辿る。石碑は前に訪れたときと代わらず綺麗に掃除されていて、父か母がきているのだろうことを思わせた。]
聞こえてたり、したかね。
……隣に、いられることになった。
[──アマルテアと一緒に。と、 そう約束をしたけれど。 今日は、つれてはこなかった。]
(516) miseki 2015/07/13(Mon) 23時頃
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明後日から休暇を使って旅行に行くから、 次回は来週かなぁ
[講座を終えての一休み。 リッサの前にオレンジフレーバーの紅茶を置いて。 自分は立ったままマグで珈琲を飲む]
墓参りがてら、 寄り道しながら北上しようと思ってさ。
[リッサも休暇ならどう?と、誘う。 すっかり打ち解けた気分の気安さ]
(517) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[それからノートの切れ端を貰い簡単に地図を描く。 書物と伝聞でばかり知る町の名前と文化を挙げ、 もちろん食べたいものなども一緒に挙げる。 話す口元には小さな笑み。 楽しげに点々とつけた印は北の方で終点だ。
巡礼地としては割と有名な草原の地]
もうなんにも無いみたいなんだけどね。
[ぽつりと言って、眉を下げて笑った]
(518) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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― 旅先で ―
………。
[食べてみたいと確かに言ったけれど。 いざそれを前にするとなんとなく真顔で見守る]
あおい…ね…。
[差し向かいで座る店の一角。 さっきからリッサと青いしか言っていない気がした]
[マリンブルーの絵の具でもぶちまけたみたいなスープ。 ごろごろと形もまばらな豆と芋が無造作に浮かんでいた]
(519) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[どうして一人一皿頼んでしまったのだろう。 いや、眺めていても減りはしないし、 むしろ具材がどんどん青く…] [ままよっ] [心の中でそんな言葉を叫んだのははじめてだ]
????
[…おい しい ? ような ? 騙されている気分になる。 顔を見合わせて皿を見詰めて首を傾ぐこと数回。
そのうちに味よりもおかしくなって笑い出してしまう。
食事の後で、べーと舌を出した。 笑みに零れた歯まで真っ青だった。 夜はよく歯磨きをした]
(520) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[花の都は文字通り花の降る都。 上空高くにある空中庭園から、 花びらがこぼれて家々の屋根にも 煉瓦の道の脇にも降り積もる]
――――。
[しばらくぽかんと口を開け見上げる。 この都では庭園で花を育てて降らす仕事があるらしい。 ひらひら見上げる間も遠慮なく 積もる花びらにくしゅんとくしゃみをした]
(521) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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いいのか。って、あれな。 よくなかったな。
[まあ、お前はわかってたのかもしれないけど。 ぽつぽつ、言葉を続ける。]
……いや。嘘じゃなかったし、 納得できるとも思ってたんだが。 [心は流れる。触れたものでも形がかわってつかめない。 難しいな。と思う。]
(522) miseki 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[水路巡る街では迷子になりすぎた。 次の目的地まで運ぶ船の出港時間ぎりぎりだ。 停泊する小舟の道を乗り継ぎ先を急ぐけど]
リッサ、足下、あぶな――
[い、から気をつけてと。 言う自分が足を踏み外して水路に落ちて船が出港した。
土産屋で買った I ♡ MIZUNOMIYAKOのTシャツ姿。 髪はまだずぶ濡れ青年が地図を広げると、 旅慣れたリッサが次の経路を探す]
(523) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[滝近くの墓地にはざあざあといつも、 雨のような水音がしている。]
……
[今、たっているここは。 この冷たい石に名前が刻まれた風景が ──あってこそのもので、]
(524) miseki 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[乗り合い馬車の旅はのんびりと。 馬車弁なるものが停留所毎に売っていた。 遊びつかれと満腹にごとごとあぜの道中昼寝をした]
[夕暮れ。木立の隙間から緋色のカーテン。 北に進むほど涼しくなる気温と茂る針葉樹。
[夜は踊る火の粉とフォークロア。 足がもつれるまで踊って笑って。
現地の人と深めた親睦に 木彫りの変な仮面を貰った。 被ると臭い。何故か腰みのまで貰った。
くだらないものでリュックが膨らむ。 くだらないことが足どりを軽くした]
(525) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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…… お前も、今に、いたらな。と
思うよ。
[背を押した喪失なしでは、きっと たどり着かなかった現在から、 どうしようもない矛盾に愛を込めて。]
(526) miseki 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[もう、"同じ"ではなくなった"弟"と、 向かい合うのは黒服姿。
ひゅう。と風が吹いて、 黄色とオレンジ色の花弁を揺らした。]
(527) miseki 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[そんな風に長いような短いような旅をして。 [ぽくぽく、ラバで向かうのは終着地]
このへんの風習でさ。
[最寄りの観光地で借りたラバは、 人馴れてしていて大人しい。 言いながらたてがみを柔く撫でる]
成人になると馬を貰うんだ。 一人で何処へでも行ける証に。
[ぽつぽつ。話しながらゆっくりと進む道] [やがて針葉樹の森は途切れて視界が晴れる]
(528) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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そのうち、また。
[今度は、一緒に]
顔、見せにくる。
[水が沁みるように、心流れるままに 報告と共にただひとりの"兄弟"へと*笑う*。]
(529) miseki 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[森を抜けて見渡す限りの柔らかな草地は、 アマルテアを連れて行った滝の草地に似ていて。 きらきらとしたあの場所には似ていない。
とても静かだ。
さらさらとそよぐ草地に、 白い尖塔の慰霊碑が一本。
水は、草葉が抱き。 水は、尖塔の突き立つ土の底にしとりと眠る]
(530) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[むかしというほど遠くない過去。 ここには村があって、多くはないが人々が暮らしていた。 疫病あったここは巫女の巡礼地のひとつ]
…
[うん、と微かに頷いた]
[なんにもないなぁとは言葉が出なかった]
(531) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[それなりに、人の訪れはあるようで。 ラバを繋いでおく餌場があった。 草地に埋もれるようにして 木板の小径が長く尖塔まで続く。
道ばたの花を摘んで慰霊碑の前に立つ。 腰の高さのあたり、白い石碑に刻まれた名前が連なる。 刻まれた溝をなぞる指先が名前を見つけて留まる]
…ただいま、戻りました。
[静かな景色にぽつりと告げる。 ようやく辿りついたような。 ずいぶんと遠くまできたような奇妙な感慨。
花を捧げて、膝を着きしばらく祈る。
何を祈る? やはり言葉にはうまくならなかった。 ただ静かに胸を満たすものの音を聴いていた]
(532) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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[そのうちによっと腰を上げた。 ぺたりと石碑に手を添えた]
このへんはさー、
[尖塔を見上げる]
半分くらいグリーン姓なんだ。 あとの半分の半分はホワイトさん。
[石碑に刻まれた名は言葉通りの割合。 残りの半分は移民の姓が入り交じる]
(533) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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夏が短くて、 雪が降るんだ。
[見上げる空からまるで、雪でも降ってくる気がして。 待ってみたけれど何も降らないから言葉は続かず]
…
[零した吐息に笑みを滲ませ]
かえろっか。
[軽い口調で振り返る]
(534) sin 2015/07/13(Mon) 23時頃
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