65 In Vitro Veritas
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視点:
人
狼
墓
少
霊
全
[それは、歪んでいく。]
[そう、こんな目に合うのは、
こんなオリジナルに激しい劣等感を持つクローンは自分だけで十分だ。]
[そう、規則正しい生活。
何も知らずに仕事をして、
そして、話して、食べて、眠って…。]
(ニック
自分も彼らを壊すよ
そう、オリジナルを知ることは、
クローンには絶望だ。)
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[ゆっくり伸ばされた腕をとりあえず引き上げる。 雨宮セシルにとっては、ごく普通の行動だ。 それから、誘うようにスタッフルームの奥へと視線をやる。 どこでもいいから座ってればいい、と]
――………、
[視線を巡らせれば、いつの間にか。 牧野とリーネの姿があった、隣合って座る。 今はそこに穏やかな空気があるのを知れば、 双子のように見えて――自分と彼もそんな風に見えるのかとふと思った。]
じゃあ、俺は下見て来るから。 あ、……あれには触るなよ?
[ヴァイオリンケースを示してから、背を向けた]
(384) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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[心に渦巻いている、それは 打ち砕かれたガラスの山にも似ている。
そう、それは、炉に入れてしまわないと、 溶かして、わからなくしてしまわないと……。]
(385) 2011/09/30(Fri) 02時半頃
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[引き上げられた腕、 その体温は、自分のものか。
その腕は、手は、指は、
この一時にいろんなことを教えてくれた。]
はい………。
[言われたことには従順に返事をする。
でも、もう、その心は、 身体より先に壊れてしまったけれど。]
(386) 2011/09/30(Fri) 03時頃
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[わたしとおなじかおが、こちらを見る。>>350 赤毛とニックのそっくりさんもいる。
ぐう、とおなかが鳴って気づいた。 ああ、あのひとたちは、わたしたちに食べさせない気なのね。
――元より、まだチャイムが鳴ってないから、わたしたちは食べることを許されてないんだろうけど。]
(387) 2011/09/30(Fri) 03時頃
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[おなかすいた。
ちゃんとしごとしたのに。
おなかすいた。
しごとで失敗したことなんてないのに。
おなかすいた。
ああ、わたしも。 動かなくなっちゃうんだろうか……――?]
(388) 2011/09/30(Fri) 03時頃
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― B1階・スタッフルーム ―
[そして、セシルが去ったあと、見つめているのは、そのバイオリンケース。 そこにしまわれた旋律は、鮮烈に心に刻まれている。
きっと、それは、雨宮セシルとしての才能の欠片なのだろう。
心の中で、寸分たがわず、一度しか聴いてないメロディが再生し続けている。 一本の弦が織りなした、その旋律は、コーダの中で繰り返される。終わろうとしたときには、また戻り、また戻り、また戻り、反芻していく。]
(389) 2011/09/30(Fri) 03時頃
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[そして、去りゆくセシルの背中が消えたあと立ち上がる。 そこに見えたマキノセンセイとリーネにも、礼をしたあと……。
ふらりと…どこかへ。]
(390) 2011/09/30(Fri) 03時頃
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[心の旋律に最終節のマークはつかないまま**]
(391) 2011/09/30(Fri) 03時頃
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セシルは、そのまま階下に下りれば倉庫の方へと向かって
2011/09/30(Fri) 03時頃
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音楽……?
[いつものとは違ってゆっくりだけど、確かに音楽。 ごはんもまだなのに、運動の時間なのかな。 動いたら、余計おなかがすくってわたし知ってる。 でも、音楽は、運動の時間だから。
手を伸ばす。 爪の先までぴんと伸ばす。 足を蹴り上げる。高く、高く。 つま先立ちして回る。 1回、2回、3回……
ぐちゃぐちゃになったヨルのそっくりさんの横で、音楽が終わるまで、わたしは踊った。
おなかがすいて、「くるしい」。 あのひとたちの食べ物をほしいと思ったら、「ばつ」が来るのかな。
おなか、すいた――――――**]
(392) 2011/09/30(Fri) 03時半頃
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[ここに飛ばされてから、どれくらい経ったのだろう。 アナログの時計のことを思い出したけれど、 時間を見るのを忘れていたから、役にはたたない。 午前か午後か、外が見えなければそれもわからず。
地下2階に降りれば、 漂う血臭のことを――彼女の亡骸を思い出す。 時を意識して、感じたような気がした空腹は、 胸につかえるような気分の悪さに飲み込まれる。
うつくしい音の世界から、 現実は酷くかけ離れている。
―――これが罰であるのなら、 裁かれるべき罪人はヨーランダの他にもいるのだろう。 ぼんやりと、そんな思考が過ぎった**]
(393) 2011/09/30(Fri) 03時半頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/09/30(Fri) 03時半頃
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―回想・B2生ごみ処理機前→現在― [いつの間にか牧野のクローンもやってきていて。 当たり前だが似ているなと思っていた矢先。
二人のクローンが"ロボットが来ない"と口にする>>314>>315。 その言葉に漠然と嫌な予感はしたが、牧野は手を洗いに行ってしまった。
医者ではない青年は手洗いと言われてスタッフルームではなく洗面所――B1にある女性用トイレを思い浮かべていた。 B2にもトイレがあることはまだ知らないので、トイレで手を洗うのだろうと。 つまり、"男"の自分には入れない領域に行くのだろうと。 そう思ったが故に、見送ってしまう]
(394) 2011/09/30(Fri) 04時頃
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――っ、ああ、検死は終わったみたいだ。 ……話?
[ネクが話があると、青年の肩に触れる。 反射的に振り向いてしまい、彼女の顔を視界に入れてしまって。やはり女の顔をしていることに生理的な拒絶感が浮かぶ。 が、青年自身少し慣れてきたのか初めて見た時よりはその嫌悪は少し和らいでいた。
それは、ネクに好感を抱き始めたというよりは、この状況でいつまでも自らのクローンに嫌悪を持ち続けてもいられないのだろうという諦観だったが]
話なら、此処でも。
[いいんじゃないか? ……ああ、でも、ちょっとだけ椅子に座って休みたいかもしれない。 いつまでも遺体の傍にいるのも気が滅入るだけだ。
そんな曖昧な態度を取っていれば、>>338彼女に腕を取られただろう]
(395) 2011/09/30(Fri) 04時頃
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わかった……だから、自分で歩けるから。引っ張らないで、
[まるで子供を扱うように腕に力を籠められ、それに抗議する。 他人に腕を引かれるなど随分久しぶりだ。 性の葛藤のせいで親友と呼べるような人間関係は構築できなかったし、大学を辞めて古本屋になってからは尚更自分のプライベートな領域にまで入り込んでくる相手はいなくなった。
最初に思い出すのは、小学校の入学式でスカートを履くのを拒絶した自分に我儘を言うんじゃありませんと激怒した母の顔。 そう、若かりし日の母の顔は]
……ひ、
[――目の前の彼女によく似ていて**]
(396) 2011/09/30(Fri) 04時頃
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ベネットは、ネクに連れられ、手術室のほうへと歩く。途中、何処かの部屋から食べ物を分けている人達の話し声が聞こえた**。
2011/09/30(Fri) 04時頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/09/30(Fri) 04時頃
ベネットは、ヴァイオリンの音色は聞こえてはいたが、引かれた腕のせいでそれどころではなく*。
2011/09/30(Fri) 04時頃
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[もう一人の自分の後ろを歩いて。 少し先、何人かが集まって何かをしていた。 持っているもの。会話の内容。 食料を見つけた、という話のようだった]
[けれど]
[聞こえた。確かに聞いた。 量が少ないから。 “オリジナル”を優先して“クローン”には与えない、という話。 食事の時を告げる鐘がならないのも、自分たちに食事をさせない為?]
[食事はとらないとダメだ。 食事を取らずにいると、動けなくなってしまうと教えられた。 食事を取らないこともまた、ペナルティだというのに]
(397) 2011/09/30(Fri) 06時頃
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[分かる。 理解する。 やはり彼らは、自分達を下に見ている。 何故? どうして? こんなにも同じなのに]
[テセウスの生活はとても規則正しいものだ。 故に、差別などというものは勿論ありはしない。 だから此処に来て、明らかに軽視されている事に。 不満と苛立ちが募ってくる。 それは今までに抱いたことの無い感情]
(398) 2011/09/30(Fri) 06時頃
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[そんな折、もう一人の自分からかけられる信じがたい言葉(>>372)]
我慢……僕の……ううん。僕達の食事は、いつになるの? 食事の鐘はいつ鳴るの?
[本当はもう分かっている。 今が非日常だと。 きっとロボットはもう来ないし、鐘も鳴りはしない]
僕達も、エビエヤニクと同じだよ。 お腹はすくし、食べないと、動けなくなるんだって。
(399) 2011/09/30(Fri) 06時頃
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[それは分け方を話していた全員に向けて。 自分達も、お前達と何も変わらないのだと。 空腹は感じているし、食事を取らねばならないのだと]
[まとめるのは簡単だから。 聞こえた言葉を、心の中で反芻する。 ああ、やはり彼らは。 自分達を犠牲にする算段を心に持っている]
[そっちが、その気だというのなら……――**]
(400) 2011/09/30(Fri) 06時頃
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