人狼議事


112 燐火硝子に人狼の影.

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 「サリス」――…?


[響きに覚えがあれどすぐには思い至らない。
シーシャと名乗る彼の紡ぐ言葉を聞くうち
思索にふける間が、少なからずあいた]


―回想/十数年前の或る夜―

[長期休暇でこの町の別荘を訪れていたある日。
飢えを覚え獲物を探しに町に出た。
煌々と輝く月が照らす中、見つけたのは一人の少年。
己よりも少しばかり年上に見える。
人の姿であれば力負けする可能性も否めない相手だったが
リヒトは金色の獣の姿へと変じ、人気のない通りで彼に襲いかかった]


 ――…グル ゥ


[低い唸り声をあげ、組み敷いた少年を見下ろす。
もがき逃げようとする彼の腕を押さえつければ
喰うものと喰われるものの立場は歴然となろう。
たすけて、とサリスなる少年が言うを聞きながら
金色の獣は心臓のある左の肩に薄い傷をつけその血を啜った]


[獣の舌に触れる命の味は甘美。
口腔に広がるその香に酔うように翡翠が蕩ける]


 良い声で啼いて呉れる。


[愉悦滲む人の声が赤く裂けた獣の口から零れた。
助けを求めた者がこれまでいなかったわけではない。
けれどその度、黙殺し飢えを満たしてきた。
今度もそうなるはずだったのに]


 サリス、か。
 私と同じになるなら、見逃しても良い。


[獣はわらいながらそんな事を言った]


[傷口をなぞるように幾度か舌を這わせる。
サリスの流した血と獣の唾液が混じりあい
人気のないその道にぴちゃりぴちゃりと濡れた音が響く]


 今宵は気分が好い。
 あの月に免じて、喰うのは止めておこう。


[気まぐれだと言わんばかりの言葉を紡ぎ
組み敷いた獲物の腕から前足を退ける。
いつの間にか意識を失ったサリスに届いたかどうかは知れず
じ、と翡翠は閉ざされた彼の目許を見つめた]


 夜に出歩くのは止めておけ。
 次に会うことがあれば――…


[二度はないとでも言う風に呟き
サリスの流した涙をぺろと舐める。
口にはあわなかったのか、獣は、つ、と顔を背けて]


 やはり血肉でなければ、満たされない。


[分かりきった事を口にする。
人間と己が違う存在なのは知っている。
相容れないと理解していたから割りきっていたはずなのに。
いつか命取りになるやもしれぬ気まぐれをゆるしてしまうのは
どこかに甘さが残っていたのかもしれない。
金の獣は獲物の命を奪わぬまま、再び闇へと姿を消した]

―回想/了―


 ――…昔、そんな名を聞いた覚えがあるな。
 会ったのは一度きり。
 それからどうなったかも知れない相手だ。


[ぽつり、つぶやきを漏らす。
シーシャという名であると認識していた男が
サリスと名乗り直せば、ピクと柳眉が跳ねた]


 まさか――…


[悪い冗談でも聞いたかのように信じられぬといった風の声]


【人】 良家の息子 ルーカス

間違いである事を祈るよ。

[ケイト>>1:60にはそんな風に声を返した。
敵意あらわにする彼の声>>1:61が聞こえれば
そちらに顔を向けるも小さく息を吐き出す]

出して貰えぬのだから仕方ない。
今の所、直ぐに解放してはくれぬようだし、な。

[エントランスの方をちらと見遣り呟いた]

(8) 2013/02/05(Tue) 00時半頃

【人】 良家の息子 ルーカス

[ホレーショ―が立ち上がる気配に顔を上げる。
男は座ったまま、彼を見上げて]

シーシャ、だったか。
彼が食事の用意をしてくれているようだが
既に食事は済ませていたのかい?

[尋ねを向けるが強く引き止める意思はないのか
少し休むと言った彼に頷きを向け見送る]

(10) 2013/02/05(Tue) 00時半頃

【人】 良家の息子 ルーカス

[シーシャとメアリーが料理を運ぶ様に目礼し
皿のひとつを受け取った]

シチューか。
此処でこんな真当な料理にありつけるとは思わなかった。
二人で用意してくれたのかな。――ありがとう。

[感謝の言葉を口にして匙を手にする。
自信作、とシーシャが言えば、ちいさく笑い
ゆっくりとそれを口に運んだ]

嗚呼、美味いな。
さすが、自信作なだけある。

[湯気たつシチューをまた一口味わう]

(17) 2013/02/05(Tue) 01時頃

ルーカスは、メアリーの笑みにふっと目を細めた。

2013/02/05(Tue) 01時頃


【人】 良家の息子 ルーカス

[食べ終われば己の使った食器を下げるくらいはするが
洗い物までは気が回らずシーシャとメアリーに任せる事となる。
ごちそうさま、の言葉を向けてから
男は黒檀の杖を片手に広間から姿を消した。

向かう先は休むための個室。
集会所の空いている一室を借りる事にした。
どれも同じだろうと思い、最初に目についた部屋を選んだから
他の部屋がどうであるかは見ていない。
広くはないが必要なものが揃う部屋で襟を緩める]

さすがにその日の内に結果は知れない、か。
次の商談までに戻れると良いんだが。

[窓辺へと背を預け外を眺める。
見張る自警団の姿が見えて男の吐息に溜息じみたものが混じった**]

(20) 2013/02/05(Tue) 01時半頃

【人】 良家の息子 ルーカス

―翌朝/広間―

[ホレーショーが広間におりて暫くしてから姿を現す。
前日持ち歩いていた外套と帽子は部屋に置いてきていたが
左の手には相変わらず黒檀の杖が握られている]

おはよう、ホレーショ―。

[挨拶をしてから辺りを見回す。
アイリスの姿は広間に無かった]

アイリス嬢は未だのようだね。

[結果を気にするようにぽつと呟く。
痺れを切らし彼女の部屋に赴こうと言い出すのは
もう少しだけ、後の話――**]

(26) 2013/02/05(Tue) 04時半頃

良家の息子 ルーカスは、メモを貼った。

2013/02/05(Tue) 04時半頃


[シチューで満たされる飢えではなく。
ドアの向こうにある食事を本能が求める。
リヒトを待つか、否か。]


ねえ、リヒトさん。
……もう、食べてもいいですか?

[がっつくようではしたないとは思うものの、
発した声には焦れた響きが混じっていただろう。

狩ってもらう食事を楽しみにする部分もあったが。
リヒトが手が離せないようなら、
己の手で食事を始めるかもしれない。]


[これは未だ眠らない昨夜のこと。
 リヒトから返ってきたこえに返したのはただ小さな嘆息。]


そ、っか。

[「まさか」、と。そんなこえも聞こえてきた。
 ミドルに対しはっきりとサリスと名乗った男は、この時、それ以上何も言わなかった。]



[―――の、だけれど。]
 


[もう人々の寝静まってしまっただろう、深い夜のこと。]


…………は、

[左の肩口、古傷の場所がじくりと痛む。
 この夜はとりわけ酷く苦しく、上手く眠ることができないでいた。]


あんたの、気紛れ、で、
こんな、苦しい、思い、 ッぐ、あ……

[あの時の獣の言葉は、曖昧な意識の中で、確かに届いていた。
 今、夢とも現ともつかない心地で零すこえは、あの時の少年のように惨めに震えた声のいろ。]


[何時かの言葉が、痛みと共にぶり返す。
 サリスはそれでも人のまま。リヒトと、「人狼」と同じになれているとは未だ思えない。
 けれど、見殺しにするという形で。更にミドルにアイリスの居場所を意図せず教えるという形で。人狼に与している。
 それに、人狼が力を得れば、あんな憎らしい自警団なんかだって――。


 娘が狩られるその現場に、サリスが現れることは無かった。
 男が皆の前に姿を見せるのは、朝になってからのこと。**]


【人】 良家の息子 ルーカス

―翌朝/アイリスの部屋―

[ホレーショ―に声をかけアイリスの部屋に向かう。
扉を叩き返事を待つが中からの反応は無かった。
再度扉を叩けば、弾みで微かに開かれたその隙間。
其処から漂うのは、鉄さびにも似た匂い]

――…っ。

[ぐ、と小さく呻くような音が喉から零れた。
ホレーショ―へと視線を向けてから
覚悟を決めるようにして、その扉をあけた]

(35) 2013/02/05(Tue) 10時頃

【人】 良家の息子 ルーカス

[部屋からは先程とは比べ物にならぬ噎せ返るような血の匂い。
窓辺からさしこむ陽の光に照らされるのは
喉を潰され獣の爪や牙により無残に果てたアイリスの姿と
彼女を囲むように散らされた、血の花だった。
時間がたち色硝子のような鮮やかさは失われてきていた、が]

くっ、……僕は自警団に知らせてくる。

[柳眉を寄せて、踵を返した。
そうしてアイリスの死が自警団により集会所の皆に知らされる**]

(36) 2013/02/05(Tue) 10時頃

―昨夜/アイリスの部屋―

[夜闇に紛れるようにして男はアイリスの部屋を訪れる。
扉の鍵は掛かってはいなかった。
音立てぬよう扉を開けて中へと身を滑り込ませる。
後ろ手に扉を閉め、明かりを消すのは念のため。
男は気配を殺し獲物の傍へ忍び寄る]


 アイリス、――見極める者よ。


[まどろむ彼女を現に呼び戻すように掛けられる声。
彼女の意識が覚めるのはややしてからだった]


 おはよう。お邪魔してるよ。


[其処にあるのが当然であるかのように男は女の傍らで微笑む]


[来訪者の存在にアイリスが驚くのも当然の事。
彼女が息を吸い込む気配に、男の手が動いた。
悲鳴があがる前に開かれたその口を塞ぐ]


 まだ夜更けだ。
 他の者の眠りを妨げてはいけないよ。


[窘めるように年下の娘に言い聞かせる]


 見極める手間を省きに来た。
 ――…私が、キミたちの探す者だ。


[に、と口の端を持ち上げて男は人狼であると告げた]


[驚きに見開かれたアイリスの眸に映り込む男の顔。
人であったその姿は金色の毛並みに覆われてゆく。
人とも獣とも言い切れぬ姿は物語の中の人狼そのもの。
完全な獣の姿にも変じられるがリヒトは態とその姿を見せつける]


 力があると自警団に知られねば
 こんな事に巻き込まれる事も無かっただろうに。
 ――…災難だったな。


[災難の一言で済ませるには酷い未来。
彼女の命運を握る人狼は冷えた声音で彼女に囁きかけた。
裂けた赤い口許からは生暖かな息がこぼれその耳朶に触れる]


 処刑などされて堪るか。


[低い呟きを聞けたのはアイリスのみ]


[恐怖に顔を引き攣らせるアイリスを横目に見遣り
口塞いだまま、もう片方の手でとらえた腕に力を込める。
鋭い爪が彼女の肌を裂き、その肉に食い込んだ。
逃れようと藻掻いた彼女の手が人狼の鼻先を掠める]


 逃がさない。
 暴れれば余計に痛い思いをするだけだ。


[諦めろと慈悲なき声が落ちる]


 キミの命が我らの生きる糧となる。


[そう紡いだ口が大きく開かれて女の白い喉へと寄せられた]


[硬い何かを噛み砕く鈍い音が獣の耳に響く。
断末魔の叫びが宛てがわれたままの手に消えて]


 ――…。


[間もなく意識を失い息を引き取る気配がその掌に感じられる。
事切れた女の肢体がくずおれる前に
人狼は彼女の口許から手を外しその腰を抱きとめた。
咥えたその喉から迸る血潮が人狼の口腔を満たしてゆく。
甘く芳しい女の血は芳醇な葡萄酒よりも人狼を酔わせるよう。
コクリと上下する喉骨。
一口では飲みきれぬ赤が床に散り
月明かりの下、何よりも鮮やかな花を咲かせた]


[彼女の首筋から人狼の牙が引き抜かれる。
男の腕に余る細い腰を支えながら
赤く彩られた床にアイリスを横たえた]


 ミドル、待たせたな。
 狩りは滞り無く済んだ、食餌の時間だ。


[リヒトと名乗る人狼は漸くミドルとサリスに意識を向ける]


 今の内に腹を満たして力を蓄えておくといい。
 見極める者が屠られたとあれば
 自警団の警戒も更に厳しくなるだろう。


[自警団は元より解放する気はなかっただろうが
容疑者として集められた者たちも
半信半疑であった人狼がいると知り変化があるだろうと思う**]


良家の息子 ルーカスは、メモを貼った。

2013/02/05(Tue) 10時頃


[昨夜聞こえた嘆息と短い応え
もう会うこともないだろうと思っていた相手との再会を
受け止めた獣の心中は複雑なものだった。
己の聲を聞き言葉を交わす彼を仲間と思う反面
牙を持たぬままである事を仄かに残念に思う]


 ――…嗚呼。


[染まりきらぬならば喰ってしまおうか。
あの時聞いた声と血の味は好ましいものだったはず。
アイリスを手に掛けた張本人は何食わぬ顔で自警団に
彼女の死を伝えながら、ひそやかにわらう**]


【人】 良家の息子 ルーカス

―朝/広間―

[自警団曰く、これは人狼の仕業だ、と。
人狼と思しき者を処刑する為引き渡せ、と。
アイリスの遺体を運び出した自警団員が言い残した言葉を反芻する]

人狼と思しき者、など――…
どうやって見つけろと言うんだ。

[壁に凭れた姿勢で苦々しく呟いた]

誰が……、……。

[思い悩むように俯き独り言ちる。
自警団が容疑者と示した者の顔を思い浮かべるが
心は揺れて誰と絞りきることは未だできずにいる]

(39) 2013/02/05(Tue) 14時頃

【人】 良家の息子 ルーカス

[ふ、と瞼を伏せれば赤黒く彩られた惨たらしい遺体が浮かぶ。
引き裂かれた彼女は大きな獣に襲われたように見えた。
人の手による犯行とは思えぬ惨状。
人狼の存在を意識せずにはいられないもの]

――…アリバイなど訊いてまわっても無駄だろうな。

[無論、男自身にもそのようなものはない。
夜の間に起こったのであれば目撃証言も期待できぬだろう。
それ以前に、目撃者がいたのであれば
自警団に訴え出るなりするだろうと思われた]

何か手掛かりでもあれば良いんだが。

[アイリスの部屋にあるテーブルにシチューの皿と
日記らしきものが残されていたのを思い出しはするが
あ、と声漏らすも眉を寄せるのみで直ぐに動こうとはしない**]

(42) 2013/02/05(Tue) 15時半頃

ー 昨夜遅く ー

[アイリスの部屋の前で迷い…その時は、手を離した。

空腹を抱えて丸まっていれば、
待ち望んだ食餌の時間を告げる声に跳ね起きる。]


すぐに伺います。

[髪をほどいたままに、アイリスの部屋を目指す。
闇の中でも迷いはせず。
一度はノブに手をかけた部屋へと。]


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