162 絶望と後悔と懺悔と
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―廊下にて―
……リッキィは?
体以外に、何も変わってないって?
[謝り、走り去るリカルダの。
何か別のものを見るような眼差しに、それ以上は何も言えなかった。
手の内にある小さな春を、知らず、握り締めた。**]
[夕べ、城に帰り着いた時、
――誰にも何も伝えることは無かった。
結局はマドカはその意思を強固にしただけのようだった。
人の意志を曲げようと思うことはきっと無駄だ。
直円ならばどうしただろう。
記憶をたどりながら歩いていれば、主命と喧騒]
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− 襲撃前の城 −
[城内の家畜でも吸血鬼でも無い存在の扱い。 一任された彼らがどう動くか、 玉座では無く城内を移動しながら探っていた。 周に関してはいずれ奉げられる。 零瑠が心変わりしなければ]
柊、末は決めたか?
[だから訪れたのはもう1人の部屋。 私室と言っても始祖の城の部屋。 扉を叩く事無く開け放つ]
まだ決め兼ねているのか?
[初めて対面する涼平と言う人間に、一瞬視線を向けるがすぐに柊に向き直った]
(9) 2014/02/14(Fri) 00時半頃
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[そして祈るように、祈るように、ゆっくりと崩れて、
その手に額を押し付けた。
この人を仲間に迎えて下さい、と
叫んでしまえれば良かったのだろうか。
堕ちる恨みと、恨む苦しみと、永劫の渇きを抱えて。
毀れていくのが目に見えているのを]
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[丁度家畜が死を願っていた頃>>3:446だろうか。 その願いに拒否を示す柊>>3:441も認めて、口角が上がる]
柊。 何処まで無様な姿を晒す気だ?
[笑みのまま、抜いたサーベルは。 柊が命乞いをした男の首を刎ね落した]
(15) 2014/02/14(Fri) 00時半頃
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[右手は慈悲の死を与えるもの、左手は苦痛の生を残すもの、
この手に残るものが、あるとするならば]
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[床に落ちる頭と紅。 命の失せた家畜と同じように 硬く凍り付いた柊>>28を見下ろした]
次の戦場では、もっと早く己の意志で決めなければ。 お前の首が落ちるぞ。
それでも良いと言うなら構わぬが。
[サーベルに付いた血を振り落とし、 鞘に納めて表情の消えた柊を追い詰める様な言葉を投げた]
(34) 2014/02/14(Fri) 01時半頃
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守護部隊の全てがお前達に殺してくれと自ら 首を差し出すはずが無いだろう? 吸血鬼にしてくれと願う者はいないだろう?
[この数日はそれを考えさせる猶予の面もあった]
顔を合わせれば説得する余裕等無いぞ。
家族とやらに選ぶか、棄てるか。 選ぶのは彼らでは無い。 私達にあるのだ。
(41) 2014/02/14(Fri) 01時半頃
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戦場での柊の働きを期待している。 お前の働きはホリーの働きでもある。
[頭を垂れた柊>>43に出すのは父となる吸血鬼の名。 彼を縛る血の主を口にして、部屋を去っていった**]
(47) 2014/02/14(Fri) 02時頃
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―決起集会―
[明日の夕暮れの出陣。
吸血鬼が太陽光に弱いだの、浴びたら灰になるだの、そんな『迷信』を信じる隊員は居ないだろう。けれど、夜目が利かないのは『人間』の方だ。
主の睨む視線は遠くつい、同じ方を向き。
鼓舞に頬をやや上気させたが、冷たい三日月は勿論零瑠にも向けられる。こくと神妙に頷くより他はない。*]
[戦場で、涼平の姿を見付けた時、希望を見付けた、と思った。
そう思った事が、間違いだったんだろうか。
――間違い、だったんだ。
結果が今目の前にあるじゃないか]
[忠告めいた命令を残して月影が去る。
ようやく少しだけ視線を上げることが出来る]
[家族を殺せる訳がない、殺す筈がないと思っていたのに、
いとも容易く、この時を迎えている。
もしかしたら、キャロライナが言っていた事は本当で、
こんな風に直円を殺したのではないかとすら思えてくる]
[涼平の死を知ったら、彼は己を殺しに来るだろうか。]
……これじゃあ、息も出来ないよ。**
― 出撃前・始祖の城 ―
…お気をつけて。
[僕は今ほど“お姉様”の自由奔放さを羨ましく思ったことはない。
そんな“お姉様”についていくことにした理依にーさんを僕はふと、呼び止める]
ね、絢矢が……直にーさんを殺してても、にーさんは絢矢のことが大好きなのかな?
[僕のことも絢矢のことも他の子のことも隔たりなく女の子扱いしていた理依にーさん。
そんな幸せな時は過ぎてしまったけれど]
僕は、…大好きだよ。
[僕は零にーさんに何も言い返せなかった。
身体だけじゃなくって心も変わってしまって。
だけど、これだけは変わらない――そう言い張ってもいいって思ってる**]
或いは、補給基地への襲撃の前に。
斥候隊の突撃する、その前に……。
[まるで見せしめの様だ。**]
ホリー。
[移動中のこと。
「吸血鬼の顔が見てみたいという彼女に、一度身を翻し、行き先を塞ぐ様に乾坤圏を突きつけた]
…これだろ。女ならてめぇの顔くらい、
一日一度は見ておけよ。
[鈍い銀色の圏に映り込む彼女の顔はどうだったか。
彼女の愛らしい顔は曲面に映りその形に歪む
しかしどんな形でも、自身にはその顔はいつもの笑みにしかみえなかったが.
そして到る神宿──]
― 回想 ―
あーそうね。
可憐なあたしの顔が映ってるわ。
[そんな軽口を叩きながら。
神宿へと進んでいく。]
― 神宿・戦闘後 ―
理依、あたしは撤退するわ。
貴方はどうするの?
[いつもと違ってそこまでの余裕は無い声で。
それでも、一人で残しておくのはと声をかけていた。]
[サミィと再会したあとのこと。
撤退の命が脳裏に響けば、ふと沈黙する。
いつもと違う声色にやや訝しげに思ったことが声に表れる]
…少ししたら、自分で戻る。
夕刻までには間に合うように行くよ。
なんかあった?
[珍しく気にするような言葉は流石にいつもと少し様子が違うから]
怪我して無いならいいけど。
誰が来たのさ?
[そんな心配するような言葉が口から出たのは
流石に自分でいっておきながら苦笑した。
答えがなくても別に構わないけれど]
左手をね。
久しぶりにあたしが流血させられたわ。
[思ったよりも再生が遅い。
これが守護部隊の武器の影響なのだろうが。]
津久居 安吾ともう一人……髪が短くて細い女の子とやりあってね。
貴方の昔のお友達すごいじゃない。
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− 出陣の前 −
[やって来た零瑠が許しを乞う>>54 贄の末を決めた様だ。 いや、元々贄とする為に連れて来たのだから、変わりはしない。 過程が違うのみだ]
そうだな。 一度顔を見ておくのも悪くない。
ここで首を刎ねるか否か。
[愉しみ方が1つしか選べないのが残念だった]
(58) 2014/02/14(Fri) 08時頃
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お前は嘗ての仲間の前で、嘗ての仲間の命を奪えるか?
[憎悪を一身に浴びる行為。
試す様に薄ら笑みを浮かべて]
願うなら仲間に引き入れてやらぬ事も無い。
[士気を上げる事になるだろうが。
それでも叶わぬ事を見せつける様にするのも面白い。
最後はただの蛇足だと付け加えて]
連れていけ。
[短く許しを**]
|
[零瑠に処遇を告げた後は、彼は周を連れてくるだろう。 家畜から戦士へと変わった彼が、どんな声で囀るか。
笑みを浮かべたまま待つ事に**]
(59) 2014/02/14(Fri) 08時頃
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女の子なんだからさー…
一応自分を大事にするとか、してみたら。
[安吾がきていたのは驚いたが、もう1人は、多分……]
それ…アヤかな。あの子ならそれくらい、やるだろうよ。
お前が色々恨み買うから俺もホリー探すの大変だ。
やんちゃも程ほどにすればいいのに。
女の子って貴方ね。
一応、貴方よりも年齢で言えば上なんだけどね。
[どうにも調子が狂う。
一先ずは、先に戻る事にしたのだった。]
[廊下での回想]
キャロライナもいたんだ。
そう。やっぱり、勢ぞろいってか。
ねぇ、リッキィ。
人は変わらなきゃいきていけないんだよ。
子供から大人に変わるように。
もしそれでも変わらないというのなら
大人であることから子供へ変わっただけさ。
[いつまでも子供のままではいられない。
小さい頃の「好き」が「恋」に変わるように
強さへの「憧れ」が「羨望」に変わるように
純粋さはいつか穢される]
[そして出かける前リッキィと]
さぁ…。人の心を覗ける人なんていないからね。
リッキィが好きでいるなら、好きでいればいい。
俺にもわからないことだから。
[彼女の頭に軽くキス一つ。
それには「家族」への親愛と…家族達への謝罪をこめた]
俺も皆を「家族」だと思っているよ。
[[家族」の本当の意味でいうならリッキィと同じだ。「大好き」という意味。
けれど自分の中の「家族」の意味としてなら
……どうだろうか*]
終わったよ。まだ外にいるのかい?
[ホリーに声かける理由は、
彼女より早く帰っては護衛の任を放棄したととられそうだからだ]
そう、じゃあ帰るとしましょうか。
[手当てはもう完了していた。
左手が戦闘にはしばらく使えないかもしれないが。
元々は、右手の日本刀だけでも十分に戦闘は出来ていたのだ。
大した問題では無いだろう。]
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