78 光環の戦溟 ― bloody searoar wars ―
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2012/01/29(Sun) 00時半頃
今度こそ。 お前達(すべて)に安ら静謐なる死を―――
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―――― パァン
[宙《ソラ》と氷塊が、同時に爆ぜた。 それはまるで、これから始まる物語の祝砲の如き花火。
熱く灼熱する様な破片が四散する氷塊の中央]
(33) 2012/01/29(Sun) 01時頃
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審判の日は来たり。
円環を守る殻は破られ、人々は真なる宙《そら》を視るだろう。
己が犯した罪と共に。
[月下に散る氷塊の破片が荒れる只中。 朗々と、仮面の女は、降り注ぐ福音《ユーアンゲリオン》を謳い上げる]
この福音《ユーアンゲリオン》は、とある者-ヒト-の"柱"。
抗えぬ運命を司り、秩序を奉ずる、ひとりの女-カミ-の"柱"。
(35) 2012/01/29(Sun) 01時頃
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『我は世界に真なる宙《そら》を齎す者―――』
[うつむいた少女の、鏡のような床に映る顔だけが、口元が笑みに歪む。
少女の顔は、哀しげなままだというのに]
『あは、あはははははははっ
…運命は変わらない。
ラヴァ、いくら貴方が望んでも、貴方が拒否した仕事《終焉》は我《貴方》が遂行する。
運命は、変えられない―――その体、貰う』
[けたたましく笑う声に、少女は、ラディス、とつぶやいてぽたりと涙をこぼした。]
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即ち。 ≪厳正不抗たる運命の具現 - ラキシス -≫の"柱"。
(36) 2012/01/29(Sun) 01時頃
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おはよう。『勇者』。
気持ちの良い、革命《アサ》の時間だ。
[不敵な笑みを向ける先。 それは、砕け散った氷塊の中央]
(37) 2012/01/29(Sun) 01時頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2012/01/29(Sun) 01時半頃
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― イェル=ゥラ自治区 / 『英雄の聖苑』 ―
はん。随分と可愛らしい『勇者』だな。
力も今は然程感じられない。 ……衰えたのか?
[疑問符を重ね、呆然と立ち尽くす『勇者』は。 何てことない。 土煙と金火の粉の中心にいながら、ごく普通の少女の様な愛らしい反応]
これが、あの《聖火の勇者-セイクリッド・レティーシャ-》。か。
(57) 2012/01/29(Sun) 01時半頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2012/01/29(Sun) 01時半頃
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……どこだ。 その訳の分からん土地は。
[告げられた地名は、この世界に在り得ない>>69。 一見東方に在りそうな名称だが、響きは大きく異なる]
帝舎、斉花。 高校三年生……。
[困惑した様な、少女の反応に、仮面の下で眉が寄る。 少女の反応は、何てことない。 完全に、『ごく普通の女子高校生』だった]
(83) 2012/01/29(Sun) 01時半頃
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『さあ、終末《ハルマゲドン》を始めようか―――』
[それは隕石がヒトガタに変じる少し前。
どこからか顕在した7つの災いの匣が、少女の周囲をくるくると周回する。
その中の一つ―――第三の匣《BOX》は、隕石《ニガヨモギ》を鍵として開放されるものだった。]
始まったか、終末《ハルマゲドン》が、安ら静謐なる死の宴が――――
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…………。
[少女は、逃げる様にして走り出した。 その後姿に、『勇者』の気風はどうしても感じられなかった]
………興醒めだ。
これが。 あれが、あの《聖火の勇者-ホーリー・ブレイズ-》?
(117) 2012/01/29(Sun) 02時頃
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嘗ての面影は一体何処に消え失せた?
(119) 2012/01/29(Sun) 02時頃
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[表情を窺う事の叶わない仮面。 だが、その下から漏れ聞こえる声には、ありありと失望の色。
少女の後ろ姿が見えなくなり。 その場の全ての者がこの場から立ち去ろうと]
……動かない方がいいぞ。
[何故この場に居合わせたのだろう。 仮面の女には、ごく普通の高校生にしか見えない、二人の少年。 忠告の様に、引き止めた]
(123) 2012/01/29(Sun) 02時頃
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直に、禍の匣《BOX》が呼び寄せる。
注ぎ来たるは"飢饉"の大罪。 清らかなる青を断たれた星命《テュケー》が歪を起こす。
[上擦り気味の声に、振り向きもする事無く。 それは極当然の事実を確認する様な口振り]
……この水を飲んだ者は。
(136) 2012/01/29(Sun) 02時半頃
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こうなる。
[……ぬちゃり。
聖苑のすぐ外に、嫌悪感ある足音が鳴る。
……ぬちゃり。
"腐った"人間。空想の知識に当てはめるなら、ゾンビ。 死に直結する猛毒素に犯され、皮膚繊維は瞬く間に腐り落ちる]
(140) 2012/01/29(Sun) 02時半頃
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……第三の匣《BOX》を貫いたな?
この私が、終末《ハルマゲドン》へ導くその匣の解放に気付かぬ訳がないだろう。
それはどちらかと言えば、私の"領分"だ。
[聖苑の中、空高く浮かぶ紅い月を見上げ、語り掛ける。
今はまだ、その声が彼女に届くことは無いだろう。
だから、その言葉に特に意味は無かった]
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[それらは総てこの世界の異質物。 だがそれらに目をくれる事なく、仮面の女は虚空(そら)に浮かぶ紅い月を見上げている]
あの《聖火の勇者-ホーリー・ブレイズ-》が紛い物だとしても。 この聖苑は、本物だ。
死にたく無ければ、この場所に引き籠っているべきだな。
[唯一、忠告を聞き入れ足を踏み入れた少年>>141に、噛み砕く様に教える]
(148) 2012/01/29(Sun) 02時半頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2012/01/29(Sun) 02時半頃
[未だ同じく禍を成す者の声は聞こえない。
遠く―――遠くその存在を感じるのみ]
『創造主《おとうさま》。
貴方の望み通り我は世界を破壊する。
世界の一部たる貴方もまた―――破壊せねばなるまい?』
[いまはまだ表にでる時ではない。ただそう、囁く思念は、破壊を望む者には感じ取れたかもしれない]
太陽《サイモン》の末裔がこんな形で妾の手元に転がりこんでくるとはな……
妾の費やした『運』、強ち悪い選択ではございませぬでしたわね……
[ドロシーは不敵な笑みを浮かべ、飛雲とセレストを追いかけている]
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おやおや。
どいつもこいつも、死にたがりだな。 私の手は、見ての通り二本しかないのだぞ?
[仮面の中が、くつ、くつ、と堪え切れない様に忍び笑う。 少年少女達は四人。一様にして、安全な場所から逃げ出しただけで無い。 何故、この異変が起きると知っていたかと。 疑問に感じる様子も無い事が、猶更に愉快だった。
友の後を追う、少年の後ろ背中を見送りはしても、追い掛けはしなかった]
(163) 2012/01/29(Sun) 02時半頃
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星命《テュケー》を断たれ、星が餓えている。
腐りきった人間……。
まるでこの世界の象徴の様ではないか。
だからこそ、世界に再生を齎さなければならない。
零《カオス》に還した世界から、新たな華を咲かせる為に。
全ては、終末《ハルマゲドン》から繋がる黎明(はな)の為に。
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[砕けた紅い月が、虚空(そら)に輝く。 速く再生を始めなければ、世界は腐りゆくと暗示する様に。
仮面にそっと手を添えた女は、虚空(そら)から消え失せた北極星《シメオン》を思う]
……近かったな。
生憎、堕ちた北極星《シメオン》に興味が無いわけでもない。 あの太陽《サイモン》に連なる星くらいは拝ませて貰うさ。
[高く跳ぶのは、氷塊の存在した場所。 聖苑を、禍しき者拒む結界たらしめる、星命流動《ティケイ・ストーム》の要所。 全ての嵐が過ぎ去り、その中心部には静謐が戻った**]
(185) 2012/01/29(Sun) 03時頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2012/01/29(Sun) 03時半頃
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― イゥル=ゥラ自治区/図書館 ―
そういえば。さっきの女。 あれは……。
[純白の大きな翼>>114。殆ど同じ方向に向かっていったはずだが。 どこかで見覚えが無い気がしないでもない。 それも、遠い遠い昔の記憶で、似た様な何かが。 だが、堕ちた北極星《シメオン》にしか興味がない仮面の女には、それすらも些細な事だった]
構わん。 どうせその内、時期が来れば嫌でも思い出す。
運命《Lachisis》とは、そういう物だ。
(311) 2012/01/29(Sun) 21時頃
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[――タァン! 屋根と言う屋根を、女は踏み台にして夜を跳ぶ。 一際高い建物。街の公共の物と思しき清潔感ある建物が視界に入る]
見えたぞ。あそこだ。
[眼下には無数の、毒素に"腐り果てた"一般人。 奴等は、まるで北極星《シメオン》に惹かれているのだろうか]
……しかし、妙だな。 虚空(そら)に輝く星とは、あんなに騒がしい者なのか?
[眼下程近くからは、少年の騒ぎ声が聴こえる>>306。 だが、まるでその余りにも少年らしい騒ぎ様に、眉を顰める。 また、《聖火の勇者-ホーリー・ブレイズ-》の様に、紛い物を掴まされるのだろうか。 そんな懸念と共に、夜空を跳んだ真下。
遮蔽物が無くなり、見下ろす大地に見えた姿は]
(312) 2012/01/29(Sun) 21時頃
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―――――……。
(313) 2012/01/29(Sun) 21時頃
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[金色の輝きを宿す北極星《シメオン》ではない。
その傍ら。まるで闇の様な黒髪の少年の姿を見て。
隠せない愕然が表情に張り付く]
………嗚呼、運命≪Lachisis≫。
我は見出したり。素敵な理想郷の可能性を。
[そして微かな間だけ。
仮面越しにすら笑みを感じ取れる声が響き]
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――― 見つけた。 私の大切な ……
(314) 2012/01/29(Sun) 21時頃
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[―――― バァンッ!!
漆黒の風と共に、仮面の女が飛び降り立った先。 大量の群を為して蠢く、毒死体の総てが弾け跳ぶ。 突如の破裂音と共に、血飛沫を煙らせた]
(315) 2012/01/29(Sun) 21時頃
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