147 書架の鳥籠
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[魔女は帰って来たのだ。穏やかな時間は終わってしまった]
……魔女様、が。
[――"同じ存在"にしか聞こえない声で呟けば少女の、魔女の声の幻聴が聞こえた気がして口元を綻ばせた]
思い出しましたよ。
思い出しましたとも……
[哀しげに楽しげに苦しげに嬉しげに、魔女のそれに似た笑いが"声"に乗る
シメオンは思い出した。願いはどんな形で叶えられたのか、自分がどうなってしまったのか、全てを]
ねえ、君?まだ寝てるの?
[そうしてもう一人に呼び掛ける]
[ くすくすと嗤う 少女の声 ]
[ あなた、と ]
[確かにわたしに向けられた 言葉が、]
――…、嗚呼
[ゆっくりと、失ってた記憶を取戻していく。]
起きたよ、…そして
私もまた、思い出したところだ。
[亡霊は静かに、もう1人に静かな口調で語りかける。]
[願いを叶えて貰った、と。
確かに私は、魔女に願いを叶えて貰った。
そして、願いは等価交換なのだと 思い知る。]
思い出したなら
叶えてあげなきゃね、魔女様の願い。
[相手にだけ分かるように亡霊は目配せをする
どこか心酔したように、あるいは狂った信者のように、熱が籠った声]
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―サロン―
ん……?
[彼女の起床は遅く、気づけばサロンに人が増えていた。 何時の間に眠ってしまったのか、倒れた拍子にまとめていたサンディブロンドは乱れ、床に波打っていた。]
はっ?! お、おら、こったらとこでねんねこしちまっただか?! 恥ずかしいだ〜。
[寝顔を夫以外の殿方に見られただろうか。 真っ赤な顔で、近くのボリスを窺った。]
(63) 2013/10/05(Sat) 21時半頃
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おら、変な夢見ちまっただぁ。 誰かがもう、願いを叶えて貰ってるだなんて……。
[ぺたぺたと自分の身体を触る。 どこもぷよぷよしている。]
(67) 2013/10/05(Sat) 22時頃
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面倒だなぁ、あの男
[魔女狩りなんてさせるわけにはいかない。
やっと会えたのに]
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[寝惚け眼で書見台を見る。 積極的に近寄ろうとはしない。 読めないだろうから。]
ラルフ、サイモンがどこにいるか知ってるだか?
[あたりはついているのか>>71と、小首を傾げる。]
(75) 2013/10/05(Sat) 22時頃
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人形を…、と言っていたな。
それが、魔女の願いなら――
私達は 叶えないといけない。
狩られては、困る。
困るのだよ ――― サイモン君。
[苦汁を飲むような声が、滲む。]
…困るの だよ。
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そうなのけ?
[試しに念じてみた。
サイモンのところへ サイモンのところへ サイモンのところへ
しかし、彼女の太い脚はいまだ絨毯に根を下ろしていた。]
駄目だべ……。 魔女が、邪魔してるんだべな?
(93) 2013/10/05(Sat) 22時半頃
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[レティーシャが読んだ『配役』は、外国語のように彼女の耳を素通りする。 理解出来ないのだ。]
(95) 2013/10/05(Sat) 22時半頃
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ちょっと待つだホリー。
[レティーシャの音読を反復するホリーに慌てた声を出す。]
魔女を、殺すだか? したら願いはどうなるんだべ?
(96) 2013/10/05(Sat) 22時半頃
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オズ、苦しそう?
[届く声から受けた感想を素直に声にして]
何にも苦しむ理由なんか無いよ、オズ。
皆死ぬわけじゃない、人形になるだけなんだから……。
[それはきっと、常人ならば口に出来ない言葉]
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うん? だから、魔女の願いを叶えればいいんだべ? そったら今度はおら達の番になるべな?
[彼女は頭が良くない。 思考が単純である。]
魔女が『ここ』にいるのは確かなんだから、捕まえて魔女の願いを聞けば良いんだべ!
(107) 2013/10/05(Sat) 23時頃
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ほんでも、叶えて貰えねえんなら……。
[本と、面々を見渡して、俯く。]
魔女も、人だべ……。 おら、人殺しなんかしたくないだ……。 そったら事したら、あん人に顔向けできねえ……。
(108) 2013/10/05(Sat) 23時頃
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僕の弟と同じようにね。
[ポケットに感じる重みに、ほくそ笑んだ。]
――図書館のどこか、忘れ去られた本――
ある時代ある場所に、双子の男の子達がいました。
意地っ張りで素直になれないお兄ちゃんと、昼寝ばからしていてのんびり屋の弟、顔以外似ていない彼らはしかし仲良しでした。
二人は両親に愛してもらえていませんでした、互いが全てだったのです。
兄はこっちを見てほしくて、悪いことをしたり酷いことを言ってぶたれました。
弟はそんな兄を見ているのが辛くて、魔女に願いを叶えてもらいに行きました。
自分が傍らにいるだけでは駄目だと知ったのです、お父さんとお母さんの愛情が兄には必要だと分かったのです。
そしてきっと、自分もそうなのです。
けれど弟は二度と兄の元に帰って来ませんでした
だって、彼は魔女のお人形にされてしまったのですから!
―― 回想:いつか ――
『お気に入りだったのよ、でも返してあげる』
『どうしたの、会いたかったんでしょう?』
『あなたの可愛い可愛い弟さんよ?』
[くすくす、くすくす、魔女が嘲笑う]
『ほら、願いが叶ったわね、会えたわね』
[がしゃん、何かが壊れる音が心臓がある場所から聞こえた気がした]
――…なに。
少しばかり、親しくなった相手だっただけに
別れるのだと思うと、辛くてな。
[魔女に叶えられた願いは、―――]
[―――亡霊となってしまった身体]
[ここから出るためには―――]
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んだ。 2人叶えて貰ったから魔女の番なんだべ? ほんだらそん次はおら達の番だべな? なのに狩っちまうなんて、サイモンはひでぇだ……。
[ホリーの同意の微笑み>>111に微笑みを返して頷いた。]
(116) 2013/10/05(Sat) 23時半頃
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かっ 身体は、余計だべ!! 触ってもねえのに、何て事言うだ!!
[シメオンの発言>>115には、真っ赤になって両腕で自分を抱き締める。 肉が寄って胸元のふくらみが強調されただけで、隠せはしなかったのだが。]
(118) 2013/10/05(Sat) 23時半頃
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ふふ、じゃあ全部終わったら頼んでみたら?
サイの人形をちょうだい、って……一個ぐらいなら許してくれるかも?
でも、僕はゲルトがいるからもう頼めないなぁ
[何が楽しいのか、くすくすと魔女を真似るように笑って
そうして彼の"推理"を聞いていた]
占い師?とかいうのが見るのは僕達の正体とか?
だったら、邪魔だね
いいや。
私の願いは、サイモンの人形を貰う事ではないからな。
…、人形は、魔女のものだ。
そして、彼を人形にするのは
――― 我々の仕事だよ、シメオン君。
だれがどのような配役を任されたにしろ、
魔女がもういらないと言うまで…
人形を与え続けなければならない。
―― そうではないかね?
そっかぁ。でも皆消えるわけじゃないから、ね。
[オズワルドを慰めようとしているのだ、歪んだなりに]
僕達が寂しくなっても、魔女様は寂しくなくなるし
皆も人形になって魔女様と一緒だから、寂しくないよ。
[不自然なほど明るい声が亡霊の探偵に届けられる]
……ん、そうだった。
皆人形にするんだった。
[えへへ、照れたように笑う。思い出す前のシメオンなら発しないような笑い]
頑張ろうね、オズ。
"三人"でここを出ようね?
やっぱりさ
サイを人形にするのは、オズの役割じゃないかなって。
仲良かったもん、ね?
[彼が二階へ向かおうとしている時、背中にそんな声をかけただろう]
…、人形になった者の願いは
叶う事はないのだろうがな。
魔女も人と同じで、気紛れなのか
願いを叶えるためには条件がいるのか。
私は推理しかできない所だが、…
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