84 戀文村
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[ポケっとに手を入れる。手にした小型通信機で話しかける]
聞こえますか…――
[答えが返るかどうかわからないが、呼びかける]
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―自宅― [結局自宅に戻ってきた。何もする気になれず、 ベットに倒れこむ]
はぁ…――
[出てくるのは…溜息ばかりだった]
(3) 2012/03/24(Sat) 00時頃
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− 回想 分隊長宿舎 −
[その知らせが齎されたのは何時だったか。
いつも陽気な表情が冷たい無機質な軍人のものになる]
俺達じゃなく、村人に死ねと言うのか?
[赤紙を届けに来た伝令部隊の若者に冷たい視線を投げる。
戦場を駆け抜けて来た男の視線に若者はどもりながらも、
自分には判りません、とだけ何とか口にした]
あぁ、そうだな。お前さんに詰め寄っても仕方ない。
悪かった、お勤め御苦労さん。
[確かに彼に言ってもどうにもならない、と
苦虫を潰した表情のまま若者を労い、送り返した]
くそったれ。
[1人になった部屋に机を叩く音だけが響いた]
―回想―
[日々舞い込む赤紙、そして、死亡届。戦場から遺体が戻ることはまずない。遺族に届くのは遺髪、もしくはドッグタグのみ]
いい加減にしてよ。なんで…なんでっ!
[自宅に戻ってやるせなさを募らせるだけの日々。
せめて、この村で安らかに眠らせることができれば…
まだ、いいのにと思っていた]
―回想・数年前の夜―
母さん、ごめんね。
ううんアタシが弱いってだけ。
もうこれ以上弱る母さんを見てられないから、サ。
[ベッドに伏せる母、父は生まれた頃から居なかった
二人きりの家族だった、ずっと]
先、行って待っててくれないかな。
いるんでしょ、向こうに父さんが。
いーよ、そんなだと思ってたよ。
だから、ごめん。
[死んで、くれる?]
[――翌日、ヨーランダの所へ向かう女の姿
そしてその夜は葬儀となった**]
− 回想 戦火の中 −
[男は兵士として、指揮官としては優秀だった。
だが戦火の中、人間でありすぎた]
もう…あいつら死んじまってるんですよ? そこまでしなくても。
[思わず上官に立て付いたのは、敵兵達の遺体を見せしめとして
焼却しろと言う命令が下ったから。
先程まで交戦していた年若い少年兵達の顔は覚えている]
焼いてしまったら…遺族の元に戻してやれないじゃないですか。
[死の際に大事な人の名を呼び続けた仲間の声が耳に残っている。
彼らの遺体も形見も持って帰る事が許されない、出来ない
自分の不甲斐無さに何度悔し涙を流した事か。
それが敵兵であろうとなかろうと関係なかった。
彼らが帰りたいと願った地に、
帰りを待っているだろう人の所に、返してやる事も出来ず。
出来た事は焼け爛れた彼らに酒を掛けてやる事だけだった]
[そして敵兵の遺体を焼く事を拒んだ事を理由に降格処分となった。
さっさと一番苛烈な前線に送り込めばいいものを、なまじ
身分のある家柄の出身の為に生かされてしまったと言うべきか]
前線に立てば、もう何も残らない。
生きて帰ってくる事も、欠片となって帰って来る事も。
それならいっそ……嘆き悲しまれるかもしれないが…。
大好きな場所で、大好きな人達のいる場所で死んだ方が…。
[他の軍人たちの前では口にしなかったが、
同じ想いを抱えた者をこの村で見つけたのは偶然だったのか]
[一人殺してしまえば
二人三人と手をかけてももう心は痛まなかった
何より、招集されたらもう帰ってくる見込みは低い
それよりは、と――時折常連客が減ったのはその所為]
遠くの地で死ぬより、此処に居なさいよ。
……アタシを置いて行かないで。
[女の顔は変わること無く、いつでも店では笑顔のまま]
―自宅―
[誰もいない家にただ一人、もちろん家事はひと通りこなせるし、不自由をしているわけではない。時折来る父親からの手紙が唯一の慰めである。
しかし、父は、生きてここに戻れると思ってはいないようで。]
『せめて、この村で死ねたらと思う』
[手紙に、事あるごとに書いてあるのを見て、切なくなる。]
そうだよね…ここで、ここに骨を埋めたいよね…
[手紙の文字をなぞりつつ、溜息をつく]
[それを知らされたのは、上司のハワードが徴兵された時、村長のアルフレッドから直々に聞かされた]
『君を信頼して、君に託そうと思う』
[酒場の女主人が、徴兵されるくらいなら、この手でと言って人を殺めていること、そして、ハワードはそれを事故、病死として書類を改竄しているのだということを。]
『これからは、君はその役割を担ってくれないか』
[父からの手紙のこともあり、快諾したのである。さらに、自らも、もともと病弱だった母に手をかけたのだ、もちろん、病死として処理をした。]
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あ、…母さんに挨拶しそびれちゃった…
[病死した母の墓、また明日行こう、そう思いつつ 起きだした。 徴兵された父のコートとハンチング帽をかぶり外に出る。 辺りはすっかり暗くなっている。 そんな格好で向かうのは…――]
(20) 2012/03/24(Sat) 01時頃
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―酒場― [中に入り、帽子を脱ぐ]
こんばんは、ダーラさん
[コートは羽織ったまま、カウンターの隅に座り、皆の話に耳を傾ける。]
(21) 2012/03/24(Sat) 01時頃
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[かなり無理をしているのは承知の上でこの酒場に足を運ぶ。
そのほうがいろいろと都合がいいからである。]
“仕事”は順調ですか?
[一人暮らしで咎められることもないのが幸いしているのかもしれない。それと、駐留している軍の人の顔を覚えるにも好都合である。]
[同じ思いを抱いていたからだろうか
年齢差はあまり感じないまま打ち解けた
というよりは、――知られていた]
ええ、そこそこに。
貴女も、大丈夫?
[頬を撫でようと手を伸ばし、そっと触れる
ちら、とホレーショーにも視線を送り
癖のように肩を竦めた]
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えぇ、ダーラさんのお勧めで、お願いします。
[似た境遇のダーラを姉のように慕っている。 そして、ここにいると寂しい思いをすることもない。]
(30) 2012/03/24(Sat) 01時半頃
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[姿を見せたセレストと彼女を労わる様に伸ばしたダーラの手を見遣る。
あの細い手はどれだけの哀しみを散らしたのだろう。
どれだけ涙を拭ったのだろう。
どれだけの哀しみを見送ったのだろう、あの2人は。
だが口には出さず一瞬だけ目を瞬かせて合図を送った]
こちらは、大丈夫ですよ。
[頬に触れたぬくもりを感じ、笑顔で応えた。
ダーラの視線を追って、ホレーショーを見、笑顔のまま会釈する]
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[ホレーショーの言葉に首を傾げる>>33]
ダーラさんのほかに美人なんていませんよ?
[クスッと笑ってダーラとホレーショーの顔を見比べた]
(35) 2012/03/24(Sat) 01時半頃
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そう、ならいいけれど。
泊まっていってもいいのよ?
[笑顔のセレストに心配そうな顔は髪を揺らした]
……もちろん、ホレーショーも。
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[ホット・バタード・ラム・カウを出される。]
ありがとう…おいしい。
[一口飲めば、体の芯から温まる。心も温まるような気がした。]
(42) 2012/03/24(Sat) 01時半頃
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歩けなくなったら、お言葉に甘えちゃうかも
[ちょっと舌を出して、照れ笑い。
お酒は実は弱くないのだが、寂しさのあまり宿に泊めてもらうこともある。]
あ、でも、お邪魔ならちゃんと帰りますよ〜?
[チラリとホレーショーの方を見て、ニッコリ微笑んだ]
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残したい…残りたい…
[ホレーショーの言葉が耳に入り、思わず呟く。父からの手紙に常々『この村に骨を埋めたい』と生きて帰りたいと書いているのを思い出し、複雑な表情になる。]
(48) 2012/03/24(Sat) 02時頃
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やーだ、毎日でもいいわよ。ホント。
……ホレーショーは別料金ネ。
[黒髪を思い切りわしゃわしゃと撫でる]
俺は美女2人で両手に華なら何時でも歓迎だぜ。
別料金って金取るのかよ。
[差別だ差別だと小声でぶつぶつと。
だが宿を借りるつもりではいた。
新しく届いた赤紙の存在。
もうこれ以上見ていられないと。
この村に彼らを残す為に2人と話し合う事が必要だろうと
思っているのは確かだから]
わふっ
[頭を撫でられて咽そうになる]
もう、せっかくのカクテルこぼしちゃう…
[不満気な声を出しつつ、顔は満面の笑みである。嬉しくてたまらないのに、照れ隠しで文句を言っているのだ]
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え…?あ…はい。 大丈夫ですよ。こうして優しくしてくれる人に囲まれているんですから。
[ウインクされると、一瞬キョトンとするが]
じゃ、歩けなくなったらお言葉に甘えます。
[ニッコリ微笑んで答えた。]
(55) 2012/03/24(Sat) 02時頃
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あーったり前じゃない。
二食付きなだけいいと思って頂戴。
[他に宿泊しているのはヤニクだけで
全くの無償で貸し出すのは、少々痛手で]
……ヤニクには、気付かれないようにしたいわ。
あの子本当にいい子だから。
あーん!セレス可愛いッ。
[照れ隠しもいつもどおり、これだから甘やかしたくなる
小皿に軽いつまみも出してまたぽふんと撫でた]
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