18 'Cause I miss you. 〜未来からの贈り物〜
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[ フランシスカの呼声に、残酷な笑い声で答えた。]
何処? ……俺の処に決まってるじゃねえか。
人でなしのお前なら声を辿ることくらい簡単だろう?
………便利なんだね。これ。生憎と誰かさんみたく人でなしじゃないから気付かなかった。
[震える“声”を隠すように、ごまかすように軽口を叩く。
意識を集中させてみれば確かに“声”の居所は知れた。
はぅ、と胸中で溜息を吐いて。家へ帰る前、“声”を辿ってドナルドの元へと行くのだろう。]
[ フランシスカの声にくつりと笑う。]
俺のこの声が届いているんだ。十分ひとでなしじゃねえか。
[ 軽口を叩いてはいるものの、その声は硬く、弾んでいないことは手に取るようにわかる。
狩る側とは思えないその声が可笑しくて。]
ははッ……。
[ 思わず笑いがこぼれ落ちた。]
………っ。
[“声”が届くから。届いてしまうから。
自分が、“人”でないことは、わかっては、いるけれど。認めたくは、なくて。
何か返すでもなく、ただ唇を噛んだ。]
……なに。
[届いた笑い。悔しさからか涙が出そうになったけれど、堪えて。堪えて。短く、問う。]
なあに、気にするな。
[ フランシスカの不快そうな声を聞いたところで、一度こぼれた笑いを止めることはない。]
そんな事よりも、だ。
お前は何処が好みだ?
肉か? 骨か? 内臓か? それとも――。
[ もうすぐ現れるであろう獲物の味を想像しながら、舌舐り。]
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[大量の羊皮紙を、綺麗に巻いていく。 本当に、どうしたらここまで散らかせるのだろうか]
……サイモンが、いない?
[ふと浮かぶ、先程の文章――最初の、犠牲者。 こんな時に不吉なことを、というように頭をふるふると振って。 何本あるのか数えるのも面倒な羽ペンを、 ぺラジーやアイリスとともに、片付けただろうか]
(12) 2010/07/01(Thu) 01時半頃
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[“声”に答える気がなさそうなのを感じ取ると溜息をつく。]
………どこでも、
[嫌悪感を隠すでもなく“声”にしっかりと表して]
い や。
[きっぱりと伝えた。]
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……あっ、
[テッドを引きとめようと、つい伸ばした手を引っ込める。 消える後ろ姿に、思わずアイリスと視線を絡めただろうか]
……暗いのに。
[心配そうに、かすかに眉を寄せた]
(15) 2010/07/01(Thu) 01時半頃
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[ 不快感を隠す事無く叩きつけられた言葉に、声なき笑みを浮かべた。]
……そうか、目覚めたてだったな。
なに、一口でも喰ってみりゃ嫌でも知るだろうさ。
[ にやり、と笑ってみる。]
……と、憐れな子羊の御到着だ。
神よ、この者を救い給え。アーメン――とまあ、こんな具合か。
[ こきり、と首を回した。]
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[粗方片づけを終え、所在なさげにぽつんと立ち尽くす。 元々人付き合いが苦手で避けていたのに、 この騒動によって多少は出来るようになるなんて、皮肉なものだ]
……何か、飲み物を淹れようかな。
[>>18キッチンへ向かうタバサの姿を見かけて。 のどの渇きを覚えたこともあり、迷った後に向かうだろう]
(20) 2010/07/01(Thu) 02時頃
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―サイモン宅前―
[ 辺りを伺うようにして、家に駆け込む男の影。
左右を見渡して玄関へと吸い込まれたのを確認して、玄関へ。
玄関の前でしばし待つ。獲物は必ずここから現れる、と知っているからだ。
内の様子は手に取るようにわかる――それこそ、男が再び玄関に手をかけた事まで。]
よう、サイモン。こんな夜更けにどうした?
[ とびきりの笑顔で迎えた。
何が起きたか分からなかったのだろう。
白痴のように某とした顔を浮かべる男。
その顔色が恐怖と絶望の色で染まるまでの間に、全ては決まっていた。]
じゃあな。
[ 振り上げた右腕――人のものとは明らかに違う太く、長く、毛で覆われたそれの先には、短刀もかくやという爪。
無造作に振り下ろし、それでサイモンは六つにスライスされた。
右手を赤く染める温もりに酔いしれ、爪にこびりついた肉に口付ける。]
そうそう、この味だよ……く……くははははははッ!
早く来いよフランシスカ! 折角のご馳走が冷めちまうぜ!?
[ 高く、天に吸い込まれるような哄笑。]
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[アイリスの言葉>>21に、ふるふると首を振る]
……ううん。当然のこと、だから。
[それしか言えずに、でも瞳は穏やかな色を映しているだろう。 そうして、キッチンへと向かった]
(27) 2010/07/01(Thu) 02時頃
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―集会所・キッチン―
[タバサが手を振った>>23のに、 かなりタイミングを逃してから、小さく手を振り返した。 自分の行動に対してだろう、不安そうな表情で]
……あ、夕食。 ミッシェル達が作って…くれたのかな。
[問いにもならない呟きを漏らして。 この状況で皆が口にするだろうかと、迷ってから]
……スープ、温めて…いい?
[傍にミッシェルの姿があったなら、尋ねただろうか]
(35) 2010/07/01(Thu) 02時半頃
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―集会所・キッチン―
[ガストン>>38の声が聞こえたのもあり、 スープを温め皿に移し、茹でた卵、そして黒パンを籠に。 それらを談話室の綺麗に片付けられたテーブルに並べた]
……食事、どうぞ。ガストン、ありがとう。
[彼が作ったのだろうと、小さく礼を言う。 そして人数の少なくなった部屋を見回してから、 もう一度キッチンへ戻り、人数分の茶を淹れて来ただろう。 フランシスカほど上手く淹れられるはずはないけれど]
(45) 2010/07/01(Thu) 02時半頃
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―集会所―
[皆が食べ始めると、スープだけをゆっくりと口に運ぶ。 よく考えてみると、朝から何も食べていなかった。 この季節だというのに冷え切っていた身体が温まるにつれ、 侵食してくる抗いがたい眠たさに、耐えきれず欠伸を漏らした]
……帰らなきゃ…。
[そう呟きつつも、疲れた身体は動かなくて。 アイリスと共に片づけを済ませた後、 長椅子に座ると、いつの間にか寝息をたてているだろう**]
(63) 2010/07/01(Thu) 04時半頃
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―夜明け・集会所→家―
[ふっと、意識が浮き上がる。 それはあまりにも唐突で、...は安心したようにひとつ息を吐く。 長い前髪に隠れた瞳は、揺らめいているだろうか。 何かを振り払うように手で顔を覆ってから、静かに立ち上がった。
窓外を覗く。まだ陽は昇りきっておらず、空は藍色。 部屋を見渡すと、人は居てもまだ眠っているだろうか。 少し思案したが、起こさないようそっとドアを開け、 怖いくらいの静けさと薄い霧の中に、足を踏み入れる]
……急ごう。
[この季節だというのに、空気はひやりと冷たい。 何かに追われるよう、自分の足音だけが響く道を進んでいく。 ...はサイモンがもう生きていないことを、知らない。 そして、こうしてひとり集会所を抜け出すことが、 あらぬ疑いを生み出す可能性にも――気付いていなかった]
(65) 2010/07/01(Thu) 07時半頃
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―少し後・家→集会所―
[墓の見回りと掃除、ユリの世話を手早く済ませると、 家の貯蔵庫から幾つかの食料を取り出し、籠に詰めた。 その際に、ふとその奥を見つめて]
…………。
[昨日のタバサの言葉>>241を、思い出してか。 決心したかのように、最奥の箱にしまわれたものを、取り出す。 窓外から差す光で鋭利に輝くそれを、服の下に隠すと、 籠を持って集会所への道のりを急ぐ。 その途中、誰かに出会うことはあっただろうか。 集会所に着いたなら、カブと玉葱、ヒヨコ豆を厨房に置いて。 誰かが何かを作るようなら自分は手伝いに回り、 誰もいないならヒヨコ豆のスープくらいは作るだろう**]
(66) 2010/07/01(Thu) 07時半頃
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―集会所―
[厨房の奥にいると、階段を下りる音が聞こえて。 誰だろうかと目をやると、そこにはヤニクの姿>>69が。 夕飯、と言われて残してあったスープを温めなおそうとして、 やっと発せられた言葉の内容に反応できただろう。 それは、あまりにも、唐突なようで、そうではなかったから]
……え…?
[挨拶も、返せずに。他の皆の反応はどうだったか。 呆然とした様子のまま、スープとパンをテーブルに並べただろう]
(71) 2010/07/01(Thu) 12時頃
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[ヤニクの言葉から、どれくらい経っただろうか]
―― !?
[耳を劈く音と共にドアが開き、勢いのまま壁に跳ね返る。 驚きに運んでいた皿をひっくり返しそうになりながら目を遣ると、 ――何故か、全裸のテッド。そして衝撃すぎる、知らせ]
……えっ、あ……え?
[数秒、頭の処理が追いつかないのか、視線も逸らせずに。 目をわずかに見開いたまま硬直していただろう。 かわに、にんげんのうで。その単語がうまく変換されない。
しかしやっと当て嵌まった瞬間、床にスープと破片が散った**]
(74) 2010/07/01(Thu) 12時半頃
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[自分の皿を落とした音で、我に返る。 慌てて膝をつき破片を拾い集めようとしたところに、 ヤニクの>>76声が飛んできて、手を止め小さく頷く。 幸い、火傷などはしなくてすんだ]
…ふ、布巾を。
[背を向けるテッド>>80と、白銀の鞘>>75を横目に、 キッチンへと早足で向かって。 結局テッドが片付けてくれるのを、はらはらと見つめていたか]
………っ!!?
[突然の誘いにどうすればいいのか躊躇っていると、 ふいに手を強引に掴まれ、肩が大きく震えてしまった。 それでも振り払うことはせずに、ドアの外へ。 彼が敢えて自分を連れ出そうとしているのだと、理解したからか。 手を離されると、謝らないでというように首を振った]
(97) 2010/07/01(Thu) 20時半頃
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―集会所・外へ―
―― 愉しい?
[若草色には、真剣な色が浮かんでいて>>82。 目を逸らせずに先程のヤニクの言葉を思い浮かべる]
思わない。そんなこと……思えない。
[そして常になく強い口調で、そう言い切った。 彼の外した視線の先を追い、明るすぎる太陽を見上げ。 漂う霧も消し去ってくれればいいのにと、願ったか]
……うん。
[テッドの言葉>>83に、ただ頷く。 大切な人、という時に彼の家族を思い浮かべようとして、 ツキンと頭の奥が痛んだが、それすらも忘れてしまった。 そして彼が行く方に、ただ着いていくだろう。 その先に何が待ち受けているかなど、知る由もなく]
(98) 2010/07/01(Thu) 20時半頃
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あ、待って。……怪我を。
[途中、やっと彼の指の怪我を思い出して立ち止まり。 取り出した真白なハンカチを、 やはり指に触れないように、そっと巻きつけただろうか**]
(99) 2010/07/01(Thu) 20時半頃
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墓守 ヨーランダは、若者 テッドの怪我に、申し訳無さそうな表情で「ごめん」と謝っただろう。
2010/07/01(Thu) 21時頃
[ 忘れはしない、この左目が最期に映したものを。
正規軍は撤退、時間稼ぎの捨て駒、部隊は壊滅。
生き残ったのは戦のいろはも知らなかった己、そして背を預ける戦友にして命を預ける親友。
猫の群に追われる二匹の鼠は月夜を逃げ惑う。
異なる神を掲げる敵の手はすぐ後ろに迫っていた。。
死にたくなかった/死なせたくなかった/生きたい/生かしたい。
無我夢中で敵の部隊に飛び込み、牙を/爪を振るう。
その姿は異にして威。
我に返った時には敵は逃げたか、死んだかのどちらかだった。
危機は去った、安堵と共に振り向く。
満月の灯火の下、左目に大きく映った白刃。
その男は背を預けた戦友にして魂を預けた親友――そして、どうしようもない程の信徒だった。]
あぶねえ……。
[ 思考の鈍り。
久々にたらふく食べて気が緩んだからか。]
腹八分目ってのは大事だな……。
[ そう言いつつ頭に描くのは、今夜の食事の『献立』。]
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―回想―
[>>106問われて、流れるのは沈黙。 前を歩くテッドの背中を見つめていた視線を、落として。 思い浮かべるのは過去と、昨日読んだ日記のことか]
……見えないものが、見えるの。
[果たして、これでテッドには伝わったのだろうか。 この村に来てから、自分からは誰にも話していないことなのに、 不思議と抵抗なく、零れるままに語りだしていた。
町の孤児院にいた時は、これが普通でないと気付いていなくて。 『誰もいない』場所に向かって話しかける自分は、 先生に疎まれ、影では怯えの目線を向けられていただろう。
でも、ひとり、友達がいた。 無視されて泣いていた自分を、慰めてくれて。
そしてある日。初めて繋ごうと触れた手は、振り払われた]
(147) 2010/07/02(Fri) 01時半頃
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……それから…かな。結局、わたしが臆病なだけ。
[整理の出来ていない言葉を、彼はどう受け止めただろう。 歩くうちにいつの間にか、サイモンの家の傍まで来ていて、 それに気付いたのとほぼ同時、テッドの声が途切れたか]
どうした、の……。
――― え?
(148) 2010/07/02(Fri) 01時半頃
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[彼が指差すその先に>>110。 サイモンの家。開け放されたドア。その前に広がる、あか。 身体は金縛りにあったように動かない。 テッドの声だけが現実感を伴なっていて、ただ頷いた。 離れていても分かった。風に乗って鉄錆の匂いが、届く]
……うん。みんなの、ところに。
[戻ろう、というテッドにそう返す>>121。 その顔色は蒼白で、今にも倒れそうだっただろう。
―― 特別な、力。
呆然と、その言葉だけを、音にはせずに呟いて]
(149) 2010/07/02(Fri) 01時半頃
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墓守 ヨーランダは、集会所に着くと蒼白な顔色のまま俯き、端のほうに佇んでいるだろう。
2010/07/02(Fri) 01時半頃
[ 端で俯くヨーランダを盗み見る。]
ほう……相当ひでえ死に様みたいだったなあ、サイモンの野郎は。
[ 他人事の様に呟き、唇を歪める。]
フランシスカ。聞こえてるんだろ?
食ったか? 感想はどうだ?
[ ただの興味から、同胞の少女へと声をかけた。]
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―集会所―
[窓の外、曇り始めた空を見上げる。 まるで心の中を映すように、灰は濃くなってゆくか]
…………。
[この場にいないふたりは、もう『あの現場』を見ただろうか。 そしてフランシスカが居ないなら、不安そうに室内を見回して。 未だ震えの収まらない手を、握り締めた]
(157) 2010/07/02(Fri) 02時頃
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