162 絶望と後悔と懺悔と
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『それ』がいつから紛れ込んでいたのか。
国が開かれる前か、遥か以前から紛れていたのか。
確かな事は『それ』の存在が、この国を、人類の繁栄を脅かしていると言う事。
人間を遥かに凌駕する身体能力は古来より伝わる『鬼』にも似て。
だが彼らが口にする獲物は人間の血潮。
命を奪い、時として同じ『それ』へと変化させる能力を持った彼らは、
国が開かれたと同時に『吸血鬼』と呼ばれる様になっていった。
(#0) 2014/02/05(Wed) 22時半頃
始祖と呼ばれる強大な能力を持った『吸血鬼』が帝都に姿を見せた事により
穏やかだった日々は崩れ去る。
人々は表舞台に現れた『吸血鬼』達の脅威に怯え暮らす日々を送っていた。
人間達も彼らに戦いを挑むが、圧倒的な能力差に徐々に帝都は『吸血鬼』達の
支配下に変わっていく。
このまま人間達は『吸血鬼』達の家畜として生きる運命かと思われたが、
開かれた国に訪れたのは始祖だけではなく、対抗する術もまた伝わっていた。
対抗する術を持った者達と帝都の軍人達の多くの犠牲により、始祖は左腕を喪い、
力も消耗し眠りに就いた。
始祖の左腕から人間達に与えられた能力により
生まれた『帝都守護部隊』との戦いにより、現在『吸血鬼』と『人間』の勢力は
拮抗しているが、いつこれが崩れるとも限らない。
(#1) 2014/02/05(Wed) 23時頃
前兆は徐々に現れていた。
頻発する行方不明者。
『吸血鬼』達の姿を見たと証言する目撃者達に、帝都守護部隊隊長は
始祖の目覚めが近い事を予想し、隊員達に帝都内の警戒巡回の強化を命じる。
予想通り、『始祖の城』と呼ばれる『吸血鬼』達の支配地では始祖に奉げる
贄を求めて『吸血鬼』達が人間を狩り始めていた。
(#2) 2014/02/05(Wed) 23時頃
ただ一点、隊長の予想は外れていた。
既に始祖は目覚め、怯える人間達を楽しげに見下ろしていたのだ。
能力を取り戻した始祖は嗤う。
「思い上がった家畜達に自分達の立場を弁えて貰おう」
そして────人間と吸血鬼の戦いが始まる。
(#3) 2014/02/05(Wed) 23時頃
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