24 明日の夜明け
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……赤の月。
はやく。はやく。はやく…青に転じて。
……エド君。……ソフィア。どうか……
[祈りは闇に飲み込まれるか]
……この感じは、なに?
[どこかで何かが消えたような、不思議な感覚。
それがマーゴの植えた種により、
ソフィアが送り出されたことによるとは、まだ気付かずに]
嘘。こんな。こんな。
本当に…これで? これで……?
せ、先輩。メアリー。どうしよう。大丈夫だったのかな。
ソフィアちゃん、本当に、苦しそう、だった。
わたしの種。わたしの種が。
[その「心」は、濁流のように取り止めなく流れ込んだかもしれない]
ホリー先輩。メアリーちゃん。
わたし・・・わたし。正しい事、したのかな。
本当に・・・・・・。
・・・・・・。
[すすり泣くような意識は、意図せず漏れ出ていて]
ソフィアちゃんが。平和な世界に、戻っていますように。
でも、まだ、独り。
独りは。寂しいよね。ソフィアちゃん。
もっと。もっと。もっと。たくさん。たくさん。助けられれば――いいのに。
[その思いは――『覚悟』と共にあれば、一瞬でも結実するほどの力を、...の中に育みつつある事を、二人は感じ取れるだろうか**]
[ソフィアが戻れただろうことへの安堵。喜び。不安。
そして今回の赤い月で誰も死ななくてすんだことへの、希望。
アイリスを帰せなかった悲しさ、焦り。
フィリップを自分と同じく帰せなかったメアリーへの、想い。
そして、マーゴへの――。
たくさんの感情がない交ぜになって、どんな表情をしているのか、
自分でも想像できなかった。涙はきっと出ていない]
……待って……!!
[走り去るマーゴに、心の中で呼びかける。
しかし追いかけようとした動きはカルヴィナの発言で、止まるか]
[正しい、その言葉には返せずに]
絶対に"太陽の下の日常"に、帰れる。信じよう。
大丈夫だよ。今日も、大丈夫だったんだから。
[手を握り締め、しっかりとした口調でそう伝える。
ない交ぜの感情の中でも、ふたりへの想いは本当だから。
そして次の呟きは自分にだけ聞こえるように]
……もっと、みんなを、助けないと。
[すすり泣くような、弱弱しいマーゴの声。
しかし最後は強い覚悟と決意を感じさせ、胸がざわめいた。
何かが、何かが変わっていくような、そんな予感]
なぜ? カルヴィナは何を、知っているの?
[絶対に知られては、いけないのに。
もし破ってしまえば、誰も生きて帰れないのに。
不安が心を埋め尽くしていく。ただ、怖かった]
[赤から青に変わる月。消えない温もり。発芽しなかった、種]
[ソフィア助かって、良かった。
フィルが帰れなくて、焦る。
アイリス先輩を心配するホリー先輩を、案じる。
だけど同時に]
……。
ソフィア。私ソフィアと友達で、楽しかった。
ありがとう。
……ばいばい。
[『フィルに種を植えた自分が、そんな事を言う資格があるの?』心の中で、響く声。でも。
彼女と過ごした時間もまた、大切で。彼女の生存を、願っていたから。
心の中でそう告げる事を、許して欲しいと思った]
[濁流の様に押し寄せる声と、続く声には]
……大丈夫だよ。
きっと、大丈夫。
[そうして、先程芽生えた感情に一瞬躊躇して。でも。
再び種を作ろうとする。
2度目は、1度目より形になり易いかもしれない。66:70以上で成功]
……も……ちょっと。
[再び祈る。67:4以上で成功]
……はぁっ。
……っ。
……できた。
[その種を、再びフィルへ]
[自分が居ない方がきっと、安全だとか。
それは勿論、本当の事だけど。
でも、それだけじゃない。
……感じた温もりが。
もう会えないのなら、もう少しだけと。
そんな気持ちが育ってしまいそうで、恐かったから。
何度も何度も別れを覚悟できる程、強くない。
だからもう、傍に居られない――……**]
[ぐるぐると巡る感情を、どこに持って行けば良いのだろう。
カルヴィナを傷つけてしまった。
それでも自分には、何も本当のことは言えない]
……メーちゃんとマーゴちゃんは、大丈夫なのかな。
[カルヴィナは確か、ふたりについては言っていなかった。
ならば自分だけ分かったということか。不安が尽きる事はなく]
[わざと、怪しい発言をした自覚はある。
それによってカルヴィナが自分をどう見るか、という想像も。
でもこの状況で。
誰かがその立場を担うべきだという事は、分かっていて]
まあ、わたしでいいかなー。
[何てことない声で、独り言を呟く。
今はどうにかして"種"を植え続けなければ、ならないのだから]
……敵のせい、ってことに出来れば、よかったんだけど。
[掌を見つめながら、ぽつりと。
メアリーとマーゴにこの事をどう伝えるか、迷いながら]
[途中、聞こえた声に]
……はい。
頑張りましょう。3人で。
[そう言いながら。マーゴから感じる覚悟に。
ホリーと同様、胸がざわめくのを感じた]
[そうして、聞こえた声に]
大丈夫?って、何かあったんですか!?
[月は青い。『敵』と何かあったとは思えないけれど。
そう考えて。先程聞こえた声が引っかかった]
もしかして。
……ドーン先輩と……何か、あり、ました?
[確信は無かったから。その言葉は途切れ途切れになる]
[迷う。メアリーに言っていいのかどうか。
それでもやはり伝えておかないと、いけないだろうと]
カルヴィナが、皆の中に、何かの力を持つ者がいるって。
[何から聞いたか―まさか生首から、とは言えずに]
わたし、何かを感付かれたみたい。
それでも理由とかは知らないみたいだし、絶対に言わないから。
……メーちゃんも、覚悟した方が、いいかもしれない。
[真剣さと心配の混ざった声で、そう伝えただろう]
[僅かに視線を自らの掌に移す。
もうすでに、"種"の大きさは完成に近いだろう]
アイリスに、会わなきゃ。
[また赤い月になれば、そんな余裕があるか分からないから]
力を持つ者がいる?
……それって、冗談で言ってるわけじゃなくて。
確信がある風なん、ですか?
[それでも、とにかく。ホリーの事は当たっているわけで]
それは、分かってます。
でも、無理はしないで下さいね。
[無理しないで、なんて。きっと無理だと分かっているのに。
心配で、そう言わずにはいられなくて]
……分かりました。
[アイリスと一緒に歩いているうちに、心が落ち着いてきた]
……ごめんなさい。
二人とも、心配かけました。
わたし、もう、大丈夫。大丈夫だよ。
[...は、落ち着いた声で心を飛ばした]
ううん。良かった。
[聞こえた声に、にこり微笑みながら言った]
カルヴィナ先輩は…。何かを、知ったんだろうね。
わたし達とは、違う方法で。
でも……それがどういうことであるかを、敵に知られると、ダメだということまでは、知らないんだと、思う。
…わたし達には、隠し通し、否定するしかできない…かもって思うと。
寂しい、かも、ですね。
…二人とも、大丈夫、ですか…!!
て、敵って狼だけじゃなかった、んですね!
これはそれにしても…どうすればいいの!!
[マーゴの声が頭に響いて]
わたしは、今のところ大丈夫だから。
マーゴちゃんは? 誰かと一緒?
早いところ校舎を出たほうが、いいかもしれない!
[自分の場所は言わない。ただ気持ちは焦るまま]
メーちゃんは、大丈夫?
[無事にフィリップと一緒にいるのか不安になって]
……それにしても。
『世界の理』って、無茶苦茶だね。本当に。
[そこだけはいつもの口調で、思わず呟いただろう]
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