308 【R18】忙しい人のためのゾンビ村【RP村】
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墓
少
霊
全
フローラに1人が投票した。
エニシに7人が投票した。
エニシは村人の手により処刑された。
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フローラ! 今日がお前の命日だ!
2020/10/25(Sun) 00時頃
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
フローラが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、ヤカモト、ヘイタロウ、ワット、みょんこ、ハルミチ、ヨーランダの6名。
事態はより深刻化を極め、
食べ物や飲み物の枯渇だけでなく、
火事や、あるいは感染者の増加などによって、
電気や水道などのライフラインが断たれた場所も
じわじわと増えてきていた。
(#0) 2020/10/25(Sun) 00時頃
そんな中、それらの苦境に負けまいと頑張る人たちの姿もあった。
(#1) 2020/10/25(Sun) 00時頃
―――1日後。**
(#2) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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[ ベッドの上には、血に濡れた猫と その尻尾を引きずろうとする"何か"がいた。]
(0) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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/* さてさて今まで全部襲撃パスしていたので、襲撃セット確認! ヨシ!!!
ヤカモトは今日まで襲撃セットお疲れさまでした〜〜〜〜!
村建てこれ透けてたかなぁどうかなぁ? 一人だけロンドンゾンビ紀行やろうとしてた。
(-0) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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……あ、あ、あ。
[ 何かはこちらの足音を聞いて猫から手を離した。 そのままゆっくりと、ゆっくりとこちらへ。]
あああああああああ!!!!!!!
[ 私は手に持ったモップの柄を突き出す。 "それ"が倒れると、モップの柄を振り下ろす。 何度も。何度も。 何回目かに電気の傘に引っかかり、 煤で黒く染まった蛍光灯がバリンと割れた。 それでも私は、手の中の棒で殴り続ける。]
(1) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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[ 私は、生まれて初めて、 心の底から世界を呪った。
それは悲しみでもなく、憎悪でもなく、
ただ純粋な、怒り。]
(2) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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この野郎!!!!この野郎───!!
[ 目の前の"それ"から呻き声が消え、 動きが完全に止まったことに気づくまで かなりの時間がかかった。
ふ、と我に帰り、肩で息をしながらへたり込む。
ベッドの上に横たわる猫は、 お腹に大きな穴が開いていた。 もうあのふわふわの毛皮はなかった。 べったりとついた血と、足についた泥、煤。
私はそのまま何もできず、ずっと座っていた。]
(3) 2020/10/25(Sun) 00時頃
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[ 私が運が良いわけないだろうが。 **]
(4) 2020/10/25(Sun) 00時半頃
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/* めも 5d▼みょんこ ▲ヤカモト 6d▼ヨーランダ ▲ヘイタロウ 7d▼ハルミチ ▲ワット
(-1) 2020/10/25(Sun) 01時頃
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[悲鳴と破壊音の直後。 僕は必要なものを詰め込んでおいたザックだけ背負って宿の部屋を飛び出した。 最初に目に飛び込んできたものは、散らばったガラスの破片とバリケードの残骸と大量のゾンビ、そしてその中央にいる………]
『う、があぁぁぁ!!!!だあああああ!!!!!』
[首を、腹を、脚を噛まれる、おじさんの姿。 その絶叫は、痛みからくるものなのか、絶望から来るものなのか。 グッと伸ばした彼の腕を、別のゾンビが待ってましたとばかりの食らいつく。 ぷしゅ、と血管が弾けて、ゾンビの顔を紅く染めた。]
(5) 2020/10/25(Sun) 01時半頃
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[もう彼が助からないのは一目瞭然だった。 一瞬だけ目が合う。彼の伸ばした腕は、裏口へのドアを指差していた。]
(ごめん、ありがとう、すまない)
[心の中で唱えて、裏口から外へ出る。 すると近くにいた他のゾンビ達が一斉にこちらへ向かって走ってきた]
来れるもんなら来てみろ!!!
[世界各地で現れている現象と彼らの症状が同じならば、既にネットで彼らについて多くの情報を得ている。 それなら、生き残れるはず。 生きなければ。]
(6) 2020/10/25(Sun) 01時半頃
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[走る、走る、走る。 ゾンビも追いかけてくるものの、そんなに足が早くはなかった。 だが、追いかけてくるゾンビを振りまいたと思った矢先に、また新たなゾンビに目をつけられてしまう だが確実に追いかけてくる数は減っていった]
…っは、町中もう普通の人はいないのかよ…っ
[息が、切れる。 もう1キロくたいは走っただろうか。 短距離走は得意だったけどマラソンは苦手だったなと思い出しつつ]
…はっ、…はっ、…………っ
[もう、息が、続かない。スピードがどんどん遅くなる。 と同時に、ゾンビとの距離もどんどん詰まる。 休みたい、けど止まったらやられる。 やられちゃいけないんだ。 生きて戻るって言ったんだ。 僕の帰りを待ってる人がいるんだ。 だから、こんな所で死ぬわけにはいかないんだ]
(7) 2020/10/25(Sun) 01時半頃
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/* 1キロ走って息切れるとか、どんだけマラソン苦手なんだよっていうww 1d10じゃなくて1d20くらいにするべきだったか?w
(-2) 2020/10/25(Sun) 01時半頃
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[固いもので殴ったら止まると、謎の猫が教えてくれた>>3: *17 道端に落ちていたスコップを見て、そんなことを思い出す。]
…っはぁ、はぁ……… ……2、3、4体か…………… いけるか…? いや、いくしかないか
[もうこれ以上逃げるのは無理だ。 スコップを拾って立ち止まる。 くるりと振り返って、先頭のゾンビの頭めがけて思い切りスコップを振り落とした]
でぇやああぁぁっ!
[ガキィィ…ンと鈍い金属音が響く。 少しよろめいた後、奴は後ろに仰け反ってばたりと倒れた]
(8) 2020/10/25(Sun) 01時半頃
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はぁっ、…よし、やった!!
[倒れた奴を見て、思わず笑顔が溢れる。 だが油断するべきではなかった。 1体目の後ろから2体目が両手をあげて襲ってきた]
くっ…!!
[スコップを振りかぶって上に持ち上げるがもう遅い。 相手は距離を一気に詰めて肩を掴んできた。 振り下ろしたスコップは、先ほどのように完全に頭をヒットはできなかった。 が、よろめいたその隙に足で思いきり遠くに蹴飛ばす。]
(9) 2020/10/25(Sun) 01時半頃
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[相手は他の奴とぶつかってどすんと尻餅をついたが、 濁った目でこちらを向いてまた襲おうとしてくる。 対する自分は、もうスコップを握る力すら残っていないようだ。 手から滑り落ちたスコップが、カランと音をたてる]
…く、来るな!!!
[叫びながら、後ずさる。 こんな所で死ぬわけにはいかないんだ。 でも目眩がひどい。喉も渇いた。足も痛い。
…そうか、もう、ダメかもしれない。
そう悟って、諦めたその瞬間。]
(10) 2020/10/25(Sun) 01時半頃
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『乗れ!!!!!』
[バイクに乗っている【人】が、僕に向かってそう叫んだ]
(11) 2020/10/25(Sun) 01時半頃
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[土埃がすごい。きっと急ブレーキをかけたのだろう。 無我夢中でその【人】の後ろに乗った。 と同時にバイクは急発進し、みるみるうちにゾンビ達を引き離していった。 新たに追いかけてくるゾンビもいるが、 バイクの猛スピードでこれまたぐんと引き離す。
そのうち街を抜け、乾燥する砂漠地帯の道まで来た。 この辺りには建物もゾンビも何もない。 助かったのだ]
あ、あの
[ありがとう、と言おうとしたが、 その言葉は彼の一言で打ち消される。]
『馬鹿か!!!!』
(12) 2020/10/25(Sun) 01時半頃
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…………………ぇ?
[驚きすぎて頭がフリーズして、声が出なかった。 それ以降彼は何も言わなかったし、僕も何も言えなかった。
そうこうしているうちに、砂漠の中にポツンと佇む建造物が見えてくる。 フェンスに囲まれたその建物には、普通の【人】がいるようだ。 僕たちの乗ったバイクが近づくと、彼女は門を開けてくれた。]
『降りろ、ここは安全だ』
[構内でバイクが止まると、彼が小声でそう言った。 バイクから降りて辺りを見回していたら、 門を閉めた女性が近づいてきた]
(13) 2020/10/25(Sun) 01時半頃
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『大変だったわね。 肩のところ、服が破けてるけど大丈夫? 引っ掻かれたの?傷はない?』
…っへ?
[そう言われて初めて、Tシャツの肩部分が破れていることに気づく。 ザックを下ろして急いで肩部分を確認した。 少しだけ皮膚は赤くなっているが、幸い傷はついてない。]
だ、大丈夫です。あの…
『なら良かった。 質問は中で受け付けるわ。 外にいると危ないから。さあ、入って』
[そう言ってスタスタと中へ入る二人に、ザックを拾いながら慌ててついていった**]
(14) 2020/10/25(Sun) 01時半頃
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/* もっと書きたいけど眠いのでここまで。 残り538pt 明日書けるといいな…
(-3) 2020/10/25(Sun) 01時半頃
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/* 独り言使う余裕がねえ!!!!!!! めっちゃ忙しい人になってるなんでや!!!!!!! ここまで仕事立て込むって思ってなかったん!!!!
(-4) 2020/10/25(Sun) 02時頃
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/* なんでネコチャンしんでしまうん。。。
(-5) 2020/10/25(Sun) 02時頃
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――数日後――
[俺が連れてこられたのは、 都内にあるショッピングモールの一つだった。
施設のありとあらゆる場所を探る。
バリケードが崩されていないかを毎日見張る。
思い出したように政府から救援物資が届けば 女子供を優先して食料を渡す。
後は――外を見回りして、 可能な限りゾンビを潰す。 日々のルーティーンはそんな感じ。]
(+0) 2020/10/25(Sun) 09時頃
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[電気は基本的に死んでいたが 復旧すれば皆スマホよりも他の家電を使った。 もしも動画サイトに 俺の動画が上がっているのを見たら、>>4:63 なんだか嬉し恥ずかし、少しむずがゆい そんな気持ちになったんだろうが それを知る事もなく、俺は日々を過ごした。
ようやく左腕の痛みを気にしないようになるには 数日の時を必要とした。]
(+1) 2020/10/25(Sun) 09時頃
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[数人だけのコミュニティなら維持はしやすい。
けれどもそれが数十人に膨れ上がると、 とたんに、統制できなくなった人間を 人間が暴力で支配しだすようになる。
それは、どこの世界でも同じらしい。]
(+2) 2020/10/25(Sun) 09時頃
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「申し訳ありません」
[うめき声をあげてスーツの男がうずくまっている。 歳は30くらい。上等だったスーツも見る影もなく 荒れた肌も乱れた髪も、 この極限状態の在り様を雄弁に物語ってる。
そんな男を取り囲んで叱責する人間が何人か。 なんでも、バリケードを一人で壊して 外に出ようとしていたらしい。
普段俺達は外に出ることはなくて、 出る時はすぐにバリケードをもとに戻せるよう、 複数人で行動するものだ。 壊したままのバリケードからはゾンビが入る。 だから、目の前の男がやったことは重罪で、 俺達にはそれを裁く権利がある。]
(+3) 2020/10/25(Sun) 09時頃
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[………………らしい。]
(+4) 2020/10/25(Sun) 09時頃
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[誰も正しさを担保してくれない世界だから せめて「自分は正しい」と信じてなきゃ みんな、やってられないんだろう。
けども俺はその輪に加われないまま、 魚の缶詰を開けながら 傍にいた元帥に話しかけていた。]
(+5) 2020/10/25(Sun) 09時頃
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あいつ、どうなっちまうんだろうな
「さあ。 よくてリンチ、悪くて外に放りだされるんじゃね」
……奥さんを探しに行きたかっただけなんだろ
「にしたってここにはここのルールがある。 仕方ねえよ。
自分の妻を優先させるから ここの女子供を危険にさらしますってのは 理屈として通らねえ。通らねえんだ。」
(+6) 2020/10/25(Sun) 09時頃
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[なんだかまた元帥が暗い目をしている。 二人でゲームしてた頃は冗談ばかり言う ちょっと面倒見がいいくらいの軽薄な奴だったのに この騒動が、元帥を変えてしまったらしい。
なんでもいいけどやめろよその目。嫌いなんだよ。]
(+7) 2020/10/25(Sun) 09時頃
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……………… ………… 缶詰、開いたわ。お食べよ。
[箸を缶詰の中にいれて、魚肉をほぐすと 元帥の口にそのままつっこんだ。 こいつ缶詰開けるの下手くそなんだよな。 ゾンビ化する条件は体液に触れることだから ここでの食い物のシェアも禁止事項のひとつ。
箸と缶詰を元帥に渡してやって もう一つの缶詰を開ける作業に没頭する。 そうする間にも、「クシャミ」と、 元帥から声がかかる。]
(+8) 2020/10/25(Sun) 09時頃
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「今度、外回りに行かないか。 腕も治ってきたんだろ」
……あー。まあ。そうなるよな。
[男だし。若い衆だし。内にこもってはいられない。 かつん、と缶詰が開く音がして、 俺はうつむいたまま頷いた。
本当は、もう、現実なんか見たくないけど]**
(+9) 2020/10/25(Sun) 09時頃
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/* ワットさん動画拾ってくれてありがと〜〜〜 とても嬉しい
(-6) 2020/10/25(Sun) 09時頃
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/* ショッピングモールでた!!!!!!
(-7) 2020/10/25(Sun) 09時半頃
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[明日なんか誰にもわからないから せめて形に残すことにした。]
(+10) 2020/10/25(Sun) 10時頃
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「舞原菜々緒。17歳。××高校の二年。 部活はダンス部で、 今度大会に出る予定だったんだよね。 今年は粒ぞろいの後輩たちも入ってきてて 安心して後任せられるねって 先輩に言ってもらったばっかりだったのに」
[せんぱい、と、少女は呟いて涙を零し始めた。 それから、ダンス部の課題らしき歌を口ずさむ。 哀悼のようだった。]
(+11) 2020/10/25(Sun) 10時頃
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「……榎本直茂。48歳。警官。 家族は妻と子どもが2人。 もういいだろ。見ての通り、 私にはもうこの子しかいない。
三人目はどうしようかって 呑気に言ってた自分が恨めしいな」
[眠る子供を抱きしめながら男が力なく笑う。 子供は時折、「おかあさん」と魘されている]
(+12) 2020/10/25(Sun) 10時頃
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「米田佳子。歳は言いたくない。 職業も言いたくない。 なに?インタビューなの?ヒマね。 ここの連中の感想なんて総じて 『なんで私たちがこんな目に』か 『ゾンビが許せない』か 『政府は何をしてるんだ』の三つじゃないの。
あたし? んー。そろそろ新作試すのにも飽きたかな やっぱり、自己満足だけじゃ続かないわ」
[女の手元には化粧品売り場から持ってきたらしい いくつかの化粧品が置かれている]
(+13) 2020/10/25(Sun) 10時頃
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[ここにいる人の事をノートに書き記す。 元帥と外回りに行く日まで、 それで空白の時間を埋めた。 この騒動が終わっても 何か記録が残っていればいいなと思った。]
(+14) 2020/10/25(Sun) 10時頃
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「なに書いてんだよ」
記録。元帥のことも書く? いやって言ってももう書いてあるけど
「何それ。俺の許可とれや」
[もそもそとノートに文字を書いていると 元帥がひょいとのぞき込んできて 興味があるのかないのかも分からない様子で 口を挟んできた。]
(+15) 2020/10/25(Sun) 10時頃
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「インタビュー集ねえ。騒動が終わったら売れるか」
皆経験してることなら そう価値もねえかもだけどね 終わるかどうかもわかんにゃーし
「全滅エンドってやつ?」
そーそー。 数百年後、荒廃した地球に下り立った未来人は がれきの下から古びたノートを見つけ 当時の様子をしのぶのでしたー!みたいな?
「全滅してるなら未来人じゃなくて宇宙人だろ。 設定ガバいな。 てか数百年後ってノート残るのか?」
細かいことは気にすんなマジで
(+16) 2020/10/25(Sun) 10時頃
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[ふんふんと鼻歌を歌いながら猫を描いている。]
元帥さあ。 この騒動が終わったら、何したい?
「はあ? ……咄嗟に思いつかねえよ。お前は」
俺はーんー。
(+17) 2020/10/25(Sun) 10時頃
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[もういちど、進に会いたい。 謝りたいんだ。色んな事。]
(+18) 2020/10/25(Sun) 10時頃
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[そう言いかけて唇を閉ざした。
こんな滅亡一歩手前の 棺桶に片足突っ込んだような状況で 唇に湿っぽい話を乗せるのはやめにしたい。]
(+19) 2020/10/25(Sun) 10時頃
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あんねー、 秋葉原に知り合いの店があんだけど そこに行って酒が飲みたいかにゃー。
あとあと、 でっけーピザとコカ・コーラを宅配で頼んで 空調の効いた部屋で元帥呼んでさあ 終末ものの映画みんの
「最低か?」
最低だよ
[くく、と笑って、俺は大窓から階下を見下ろす。 人通りのない荒れた町の中を、 時折ゾンビらしき影が過っていった。]
(+20) 2020/10/25(Sun) 10時頃
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[こんなに身近にある滅亡を、 笑い飛ばせる日が来たなら、 それ以上の幸せなんて、あるもんか。**]
(+21) 2020/10/25(Sun) 10時頃
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/* (ヘイタロウのロルを見てる時のわたし)
ヘイタロウー!がんばれー!愛する奥さんのもとに帰るんだー! …なんか格好いい女の人出てきた!!??
(-8) 2020/10/25(Sun) 10時半頃
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/*
インタビュー集!? クシャミん…(´;ω;`)ウウウゥ
(-9) 2020/10/25(Sun) 10時半頃
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― 秋葉原 ―
あー、それにしても。 少し疲れたな。
[ウオールオブゾンビ……とは言っても瓦礫やら机やらを積み上げただけの代物だ。 昨夜も強行突破しようとするゾンビは居たし。 力任せに殴っていれば、いつかは崩れてしまうのはやむを得ないか。]
一服っと。
[そう言って煙草を取り出して旨そうに一服していると。 一部からは禁煙と言う声も聞こえてくるが。]
まあ、そう固いことを言うな。 いまさらルールなんて言われても。
そう気にする者もいないだろう?
(15) 2020/10/25(Sun) 13時半頃
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それとな。
これはこれで良いんだぜ? なんと言っても。
……まだ嗅覚がまともだって確認できる。
[それも本当の事。 噛まれるのがトリガーにはなるのだろうが。
最前線であれこれしていると。 何がきっかけになるかなんて分からないのだ。]
(16) 2020/10/25(Sun) 13時半頃
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|
さ、戻ろうぜ。
たまには他の店。 そうだなあ。萌えキュンセットでも頼みに行くか。
[秋葉原。
まるでかっての姿をどうしても保とうとしているかのように。
ゆるキャラの乗った薄紫のケーキにピンク色のジュース。 そんなゆめかわカラーリングのセットを食べるかなんて話していた。]
(17) 2020/10/25(Sun) 13時半頃
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[SNSに投稿された画像。
薄紫のケーキに、耳を伸ばされてうさぎと勘違いされる姿になった白熊が乗せられていて。
後はピンク色のジュースも横に置かれた画像がアップされていた。]
#萌えキュンセット #秋葉原すみっコカフェ #ゾンビに負けるな
(*0) 2020/10/25(Sun) 13時半頃
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で、どうするかって話だろう?
徹底的にやるんだったら。 いっそ、戦車でも欲しいところだな。
後は武装ヘリ。
[それらで秋葉原を守れば。 もう少しの間は守れると言いながら。]
まあ、それは逆に。 奪われたら……奪われたら。
あいつらは使いこなせるのか?
[もしも奪われてもただの置物になるのならば。 それは一方的なアドバンテージになるのだが。
後は、最早独立国家のような状態を政府が許すかって問題だ。]
(18) 2020/10/25(Sun) 13時半頃
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[ あの子が何よりも大切よ。]
(+22) 2020/10/25(Sun) 14時頃
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[ 娘も、その夫も、おじいさんも、 向こうのご両親も逝ってしまって。
あの子にはわたししかいないと思うたび、 使命感に奮い立たされるのと同時に、 どれだけ心細かったことでしょう。
いつかわたしも向こうにいくとき、 優しい立派な大人になったでしょうと、 胸を張って言える日を夢見ていたわ。
そんな日が訪れるって信じていたの。 ……信じていたいの。最後までずっと。]
(+23) 2020/10/25(Sun) 14時頃
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[ ……わかってくれる? ]
(+24) 2020/10/25(Sun) 14時頃
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[ ろくに眠れもせず一晩を明かしたわ。]
(+25) 2020/10/25(Sun) 14時頃
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[ 一夜明けても状況が好転することはなかった。
時折門扉を揺らすガシャンという音や、 裏戸を叩くような荒い音が響いたけれど、 誰もいちいち反応することはなくなっていた。
慣れてしまったのかしらね。 それとも、頭が働いてないのかも。
眠いけれど、空腹で眠れなくて、 なんだかずっと、ぼうっとした気分なの。 きっと皆そんなふうだったわ。
水が止まっていなかったのが救いね。 砂糖を溶かして飲んだりして、 あの手この手で空腹をごまかしていた。 もう本当に残り僅かな食糧を、 どうにかして温存しておきたかったのね。]
(+26) 2020/10/25(Sun) 14時頃
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[ そんな中、わたしは廊下を歩いていたわ。 いつも以上にゆっくりとした足取りで。
コンコンと数度扉をノックしたら、 やつれた顔のお隣のご主人が扉を開けた。 髪の毛はぼさぼさで、シャツは皺になっていた。 改めてこうして見ると、ひどい有様だったわ。
きっとわたしも似たようなものね。 水シャワーを浴びたりはしていたけれど、 もう身なりに気を遣う余裕なんてなかった。
ご主人は何も言わずわたしを見下ろしていたわ。 後ろから、奥さんも様子をうかがっていた。
わたしは少し躊躇ってから顔を上げたの。]
(+27) 2020/10/25(Sun) 14時頃
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一晩よく考えたんだけど──、 ……確かに、あなたの言うとおりだわ。 今は……生き延びることを優先しないと。
(+28) 2020/10/25(Sun) 14時頃
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[ 疲れ果てたようなご主人の瞳に、 一瞬、強い光が宿った気がしたわ。
わたしにいいんですね≠ニ念を押したけど、 後戻りなんて許される様子はなかった。]
……ええ。
[ わたしは自分を納得させるように、 もう一度しっかりとうなずいて見せた。
いいわけなんてなかった。 けれど、ほかの方法が見つからないんだもの。 せめて間違った選択ではないと信じるしかないわ。]
(+29) 2020/10/25(Sun) 14時頃
|
|
[ わたしの意思を確認したあとは、 彼らの手際は非常によかった。
武器として準備していた刃物であるとか、 バケツだとかを粛々と取り出したのね。
今からやるの? と怖気づいたわたしに、 ご主人は有無をいわさない口調で告げたわ。
こういうことをするのにも、 体力がいりますからね。 少しでも余裕のあるうちというわけです
シャツを汚さないよう肌着姿になって、 戸惑っている間に準備が整えられていた。]
(+30) 2020/10/25(Sun) 14時頃
|
|
[ 行きましょう≠ニ奥さんに言われたとき、 なんとなく、本当になんとなくだけれど、 ようやく合点がいったような気がしたの。
お店から食べるものがなくなってしまって、 家にあるもので食い繋ぐしかないと悟ったとき、 どうしていいわね≠ネんて言われたのか、 わたし、これっぽっちもわからなかった。]
(+31) 2020/10/25(Sun) 14時頃
|
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[ ねえ、これは仕方がないことよね? ]
(+32) 2020/10/25(Sun) 14時頃
|
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[ できるだけ大きいのにしましょうと、 ご主人が声量を抑えた低い声で言ったわ。 わたしは段取り通りにひとりで部屋に入り、 休んでいる犬たちの中からその子を探した。]
……クーパー、こっちへおいで。
[ うつ伏せになって目を閉じていたのに、 クーパーは耳をひくりと揺らして、 のそのそと機嫌よさそうにやってきたわ。
ゆさゆさとその立派な尻尾を振って、 真っ黒なきれいな瞳をわたしに向けていた。 わたしはその首筋から背を撫でてやった。
こうなってからはあまり、 ブラッシングもしてやらなかったと、 少し脂っぽく束になった毛並みに思ったの。]
(+33) 2020/10/25(Sun) 14時頃
|
|
[ いつもならもう何匹か、 構ってほしそうに寄ってくるんだけれど、
犬たちも消耗しているのか、 今日ばかりは皆関心を示さなかった。
わたしはクーパーの首輪をつかんで、 部屋の外へと誘導したわ。
ここから誰も使っていない、 客間のバスルームに連れていくことになっていた。
クーパーは不思議そうにしていたわ。 客間に入れてやることなんてなかったから。 けれどバスタブの存在にシャンプーだと思ったのね。 バスルームの中に連れて入ろうとすると、 いやいやするように足を踏ん張って抵抗するの。]
(+34) 2020/10/25(Sun) 14時頃
|
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[ できるだけ静かにことを終える必要があった。
お隣のご主人はわたしに、 クーパーと一緒にバスタブに入るよう言ったわ。 指示された通り、クーパーの首輪を引いて、 空のバスタブに一緒に入ったの。
ご主人はクーパーを抱きしめているよう言った。 そして自らもまた、クーパーを抑え込むよう、 片方の手を体に、片方の手を鼻先へと伸ばしたわ。
そして、奥さんが手早くナイフを突き刺した。 クーパーの喉元を狙った手つきに躊躇いはなかった。]
(+35) 2020/10/25(Sun) 14時頃
|
|
[ 当然、クーパーはひどく暴れたわ。 大きな声で吠えさせないようにと、 鼻先をつかんでいたご主人は手を噛まれた。
それでもご主人は叫び声もあげず、 クーパーとわたしに覆いかぶさるようにして、 獣の体を抑え込もうと躍起になっていた。
逃げ出そうと藻掻く四肢が、固い爪が、 何度となくわたしの皮膚を破いていった。 それでもわたしは必死にしがみついていたの。
奥さんが片手でクーパーの頭を抑えて、 繰り返しナイフを突き立てるたびに、 生臭い液体がわたしに滴り落ちてくる。]
(+36) 2020/10/25(Sun) 14時頃
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|
[ クーパーは死んだわ。]
(+37) 2020/10/25(Sun) 14時頃
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|
[ 彼が動かなくなったとき、 旦那さんは思い切り蛇口を捻った。
水がわたしたちの上に降り注いで、 バスタブに飛び散った赤を薄めていく。
奥さんの息は上がっていた。 ぜいぜいと肩で息をする彼女に、 ご主人は彼女の弟を呼ぶよう言ったわ。 それから救急箱を取ってくるようにも。
奥さんは何も言わずにナイフを置き、 代わりに外に置いていたバケツや、 鋸やハンマーなんかを中に引き入れた。 そして、弟さんを呼びに行ったわ。]
(+38) 2020/10/25(Sun) 14時頃
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[ わたしはもう何も考えられなかった。 クーパーの亡骸を抱えたまま、 呆然と座り込んだままのわたしを、 ご主人は見下ろして静かに言ったわ。
このあとは我々でやりますから、 ケガの手当てをして、着替えて、 少し休んでくださって結構ですよ
その言葉の意味を、 ゆっくりゆっくりと咀嚼しているうちに、 奥さんが弟さんを連れて戻ってきたの。]
(+39) 2020/10/25(Sun) 14時頃
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[ 彼女は部屋に戻ってきたあと、 動けないわたしの腕を取り、 バスタブの中から引っ張り出した。
その間も、傷の手当をされるときも、 わたしはされるがままだったわ。
最後の決断をしたのは自分のはずなのに、 心も頭もどこか遠くに置いてけぼりで、 この現状に追いつけていないようだった。
無意識に涙を流していたわたしに、 奥さんは一度だけ固い声で、 ごめんなさいね≠ニつぶやいた。*]
(+40) 2020/10/25(Sun) 14時頃
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/* >>+36>>+40 辛い…
(-10) 2020/10/25(Sun) 14時半頃
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[ キッチンに立っていた。]
(+41) 2020/10/25(Sun) 17時頃
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[ お隣のご主人と、奥さんの弟さんは、 わたしたちにビニール袋を渡して、 一度車でどこかへ出て行ったわ。
何かを処分するためかもしれないし、 子どもたちへのカモフラージュのためかも。 誰も詳しくは聞こうとしなかったし、 彼らはそう時間を置かず帰ってきたわ。
その一方で、 わたしと奥さんと、お父さんのお嫁さん。 3人で口数少なく作業を進めていた。]
(+42) 2020/10/25(Sun) 17時頃
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[ どんな味でどんな食感なのか、 誰も知っているわけがないから、 どちらもわからないように、 ミンチにして濃い味をつけることにした。
例えば独特の風味がして、 何の肉かと話題になるのが怖かったのね。
電気がもう来ていないから、 どうやって火を入れるかという話だけど、 外に窯があるからそれを使うことにした。
やっぱりもう長いこと使ってなかったけど、 おじいさんのいたころは晴れた日に、 そこでピザを焼いて庭で食べたりしたの。]
(+43) 2020/10/25(Sun) 17時頃
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[ ああ、懐かしいわ。 つぶやいたわたしの声は平坦で、 一緒にいたふたりは何も言わなかった。]
(+44) 2020/10/25(Sun) 17時頃
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[ 冷凍のパイシートが、 電気の来なくなった冷凍庫の中に、 でろっと柔らかくなって残っていたの。
わたしたちはそれを、 ちぎれてしまわないよう慎重に広げて、 ミートパイを作ることにした。
他に入れる野菜も何もなかったし、 仕上がりは不安だったけれど、 生地に包まれて中身が見えないというのも、 わたしたちには都合がよく思えたのね。
生焼けになるのが怖くって、 わたしたちしつこいくらいに火を通した。]
(+45) 2020/10/25(Sun) 17時頃
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[ 大した量でもない、うまく膨らまず平たい、 てっぺんのひどく焦げ付いた、 丸い不格好なミートパイがひとつできたわ。]
(+46) 2020/10/25(Sun) 17時頃
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[ わたしたちは3人そろって、 疲れ果てたような顔をしていたと思う。
ふと振り返るとカーテンの陰から、 ウィレムがそうっとこちらを見ていた。
咄嗟にわたしは微笑んで、 大窓のほうへと歩いて行って言ったわ。]
今日は、少しだけれど、 ちゃんとごはんがあるからね。 ほら、皆を呼んでらっしゃい。
[ 数秒置いて理解したように、 ウィレムは踵を返して駆けてった。]
(+47) 2020/10/25(Sun) 17時頃
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[ その背中を見送って、 わたしたちは食卓の準備をしたわ。
9人で食べると、 ほんの一口、二口ね≠ニ、 奥さんが疲れた声でつぶやいたの。 だからわたし、何気なく言ったわ。]
……わたしの分はいいから、 子どもたちに多めに切ってくださる?
[ ええ、深い理由なんてなかったわ。
そして、言い切ってから顔を上げたの。 すると、奥さんはじっとわたしを見ていた。 感情の読めない、深く暗い目をしていたわ。]
(+48) 2020/10/25(Sun) 17時頃
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だめよ、あなたも食べなきゃ
(+49) 2020/10/25(Sun) 17時頃
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[ ……こうするしかなかったのよね?*]
(+50) 2020/10/25(Sun) 17時頃
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[外回りの日は簡単にやってきた。 気乗りしないお出かけ前の子供みたいに、 俺は緩慢なしぐさで持ち物を確認をする。
食料をいれるためのリュック。 あと、金属バット。
万が一にもゾンビの体液に触れないように 口元にはマスクをして、 長袖のパーカーにズボンを着用。 「準備できたか」という元帥と一緒に、 バリケードから外に出ていく。]
(+51) 2020/10/25(Sun) 18時半頃
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……へ、こうなるとゲームの中の世界みたい
[数日ぶりにみた外は、荒れ果てていた。
爆発物飛び交う戦場じゃあるまいし 建物こそしっかり残ってはいるものの そこに人影は見えず 時折見えたかと思えばゾンビだったりする。]
(+52) 2020/10/25(Sun) 18時半頃
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「できるだけ日陰を歩けよ。 空からカラスが襲ってくることがあるらしい」
うへ。ゾンビカラス?
「わかんねえけど、 多分、人間の死体を食って 人の肉には慣れてるんじゃねえのかな」
うえーー…………
[やっぱ帰りましょうよ、って元帥に言いながら、 俺達は死んだ都内の中を歩いていく。]
(+53) 2020/10/25(Sun) 18時半頃
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[コンビニ、スーパー、デパート、 ドラッグストア。
そういったところを重点的に回りながら、 未回収の缶詰や、犬猫の餌 ――水でふやかせばまだ食べられるそうだ、を リュックの中に詰めていった。
病院なら院内食とかもあるかも、と そう提言したが、止められた。
今や病院はゾンビの巣窟であるらしい。]
(+54) 2020/10/25(Sun) 18時半頃
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[店舗の見回りが終わった後は、 鍵が開いたまんまの家を物色する。 RPGの勇者が家の棚を漁っても怒られない状況。 体感してみて思うけど、めっちゃ気味悪いな。] 元帥ー、なんか面白い話して
「あるわけねえだろ……
! 誰かいる」
[さすがに咎めに来たのか、 足音が近づいてくるのが聞こえてバットを構えた。 ……壊れた足を引きずってくるゾンビ一匹。
俺は、逃げよう、って言って、 元帥がその前にゾンビにバットを振り下ろした。]
(+55) 2020/10/25(Sun) 18時半頃
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[あっけなく殺されていくゾンビを目の前に 俺は何もいえず、そいつの姿を見ていた。 埃をかぶった机の上には夫婦の写真がある。 卓上カレンダーのとある一日が赤く花丸で囲まれていて 「結婚記念日!」と丸っこい字で書かれている。
倒れた女ゾンビの薬指には、指輪が光ってる。
台所の鍋の中には 食べられないまま腐っていったカレーが満ちていて 冷蔵庫を開ければ、小ぶりなケーキが二つ。
きっと、この女の人は旦那を待ち続けてたんだろう。 ゾンビになっても。
先日リンチにされたサラリーマンを思い出した。]
(+56) 2020/10/25(Sun) 18時半頃
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…………ナイスファイトォ しかしやんなっちゃうわね。 こう……生活感のあるエネミーってやつですかぁ?
生前が偲べちゃうとさあ
「考えんな。基本的にこいつらは俺達の敵だ。 それ以上のことは邪魔になるだけだ」
[言いながら、元帥は おはぎみたいになったゾンビに手を合わせている。 冷蔵庫傍の棚から、缶詰を見繕う。 盗むみたいにしてリュックに詰めた。]
(+57) 2020/10/25(Sun) 18時半頃
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[仲間からこんな話を聞いたことがあるんだ。
ゾンビ騒ぎになってから、 「絶対に離れない」って誓いあった男女が 翌日、女の方が感染してるってわかって 男が激怒した話。
”俺も感染してるなんて冗談じゃない” そう言って男の方は女をリンチにして殺して―― 結局、女とイロイロしてた男の方も感染してた、
そんなオチの笑えない話を 仲間たちは笑い飛ばして、酒の肴にしていた。]
(+58) 2020/10/25(Sun) 18時半頃
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[人間は慣れてしまう生き物だ。 なら、最終的に残酷なのは、 ゾンビと、人間と、どっちなんだろうな。
ゾンビを撲殺しても冷たい目をしたままの元帥に それを眺めながら食料を漁るのをやめない俺に、
そんなことを思っていたよ*]
(+59) 2020/10/25(Sun) 18時半頃
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/* ビアンカさんのロルがね、 情景がわかりやすく目の前に広がる分 ちゅらい…(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)
(-11) 2020/10/25(Sun) 19時頃
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あ う ぁ
[言葉のかわりに呻き声を発し
涙のかわりによだれを垂らし
空虚な部屋の真ん中で ゆらゆらゆれる 生きた屍がひとり。*]
(+60) 2020/10/25(Sun) 19時頃
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[ 集まってきた子どもたちは、 皆驚いて目を丸くしていた。]
(+61) 2020/10/25(Sun) 20時頃
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[ え、なんでぇ?≠ニ、 お隣の息子さんが素っ頓狂な声を上げた。 大学生なんて随分大人びて見えていたけど、 その様子はほんの小さな男の子みたいだった。
ジャーディンも驚いたように、 小さなパイが一切れのったお皿を見てたわ。
興奮した様子で口数が増えた息子さんに、 ご主人が一か八か外に出てみた≠ニか、 運よく野うさぎを捕まえた≠ネんて、 すらすらと無理のある嘘を告げていたけれど、 それが聞こえてたかどうかも怪しいくらい。 じいっと一点だけを見つめ続けていた。]
(+62) 2020/10/25(Sun) 20時頃
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[ わたしはご主人のついた嘘が、 今にもバレるんじゃないかと心配したけど、
あまりにお腹が空いていて、 細かいことを考えられなかったからかしら。 それとも、本当は何の肉かだなんて、 彼らには思いつきもしなかっただけかも。
さほど気にする様子もなく、 子どもたちは小さなパイをぺろりと食べた。 あっという間に食べちゃったり、 もったいぶるように小さく切り分けたり、 それぞれのやり方でではあったけれど。]
(+63) 2020/10/25(Sun) 20時頃
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[ 大人たちも静かにそれを口に運んだわ。 ……しっかりと味はついていたけれど、 おいしいのかまずいのか、あるいは──、 最後までなんだかよくわからなかった。
皆が食事を終えようとしたころよ。 ふと、息子さんがご主人の手に目を止めたわ。
包帯でぐるぐる巻きにされた父親の手に、 息子さんの表情はみるみるうちに強張った。
父さん、それ── いや、これは違う。安心しなさい。 捕まえるときに少しケガをしただけだから
そんな会話を最後に、食事の席は解散したわ。]
(+64) 2020/10/25(Sun) 20時頃
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[ 片づけをしようと席を立ったとき、 ゾーイがジャーディンにじゃれついてたわ。 あの子はそれを少し笑って受け止めていた。
食事中、物欲しげにしていたオッドの喉を、 ウィレムがこそばすように撫でてやってた。
ジャーディンがその様子を見て、 おまえも同じものが食えたらいいのに≠ニ、 少し疲れは滲むけれど穏やかな声で言った。
わたし、ようやく少しだけ、 これでよかったんだと思えた気がしたの。]
(+65) 2020/10/25(Sun) 20時頃
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[ ああ、犬たちに夜の分の餌をやらなきゃ。*]
(+66) 2020/10/25(Sun) 20時頃
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/* 村内NGに(例に動物へのグロやカニバリズムが含まれているうえで)動物へのグロなどがなかったことから、 NGには触れていないのだろうと信じてやっていますが、 苦手な人がいたら読み飛ばしたり非表示にしていただけると幸いです。
この状況に至るにはもう少し時間がかかるかな? とはPLも思っていますが、そのあたり厳密なことはわからないので好きにやらせていただいています。
(-12) 2020/10/25(Sun) 20時頃
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/* あと、今日終わるのかなあ、続くのかなあと、 1日1出来事くらいで考えていたんだけど悩んでいます。 エピ入りしたらそれはそれで、エピでやらせてもらえばいいかあ。 最長で明日まで本編(ですよね?)と思って用意はしているんですが。
(-13) 2020/10/25(Sun) 20時頃
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[健司たちが普段通ってくるであろう、 見つかる可能性が一番高い、 高速へと続く主要な道路は 事故が起きていて通ることができなかった。 もう炎はとうに消えていて、 焦げ付いた臭いだけが辺りにまだ残っていた。
バンを端に止め、鍬を片手に、 何台も巻き込まれていた車の隙間を、 なるべく音をたてないように そろりそろりと縫うように歩く。
見慣れた青い車はないか? もしくは、ゾンビたちが残っていやしないか。]
(19) 2020/10/25(Sun) 20時頃
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[そっと覗き込んだ無人の車の中には、 べっとりと血の手形がついていた。 何かが腐ったようなにおいもして、 思わず顔をしかめる。
顔をしかめながら確認したが、 焼け焦げた死体が残っているだけで、 そこには生きた人間はもちろん、 ゾンビも一人もいなかった。*]
(20) 2020/10/25(Sun) 20時頃
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百姓 ワットは、メモを貼った。
2020/10/25(Sun) 20時頃
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/* ちょっとまって二回顔しかめとるわ 老人だからボケとるんだ
(-14) 2020/10/25(Sun) 20時頃
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[兄貴をクローゼットに閉じ込めた、翌日。]
……10個。入るかな。
[ありったけの米を炊いて、おむすびを作る。 具のレパートリーなんて残っちゃいないから、 全部に梅干を詰めて塩を振り、海苔で味付けた。
昔、兄貴と旅行に行った時に使った 大きなリュックサックを引っ張り出してきて、 ティッシュやタオルを底に敷き詰める。 そして、ペットボトルに詰めた水数本と、 作ったおにぎりとを詰め込んでいく。 きっと、長い旅になる。 どこかで食べ物を見つけた時用にと、 割りばしや紙コップなんかも、隙間に詰めた。]
(+67) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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[例えば、今日のことを予めわかってたなら 人を好きになったりしなかったんだろうか。]
(+68) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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[リュックサックの中を八割満たしたところで、 次で最後にしようか、と 元帥と言い交しながら、次の家へ向かう。 気が付けば、なじみ深い場所に来ていた。]
ここでさあ 小さい頃、遊んだんだよね。 子供が遊ぶにはちょっと狭いけど 学校がそばにあって、 帰り道の途中で公園によって……
[思い出話をしながら、 真っ白なアパートに入っていく。 …………見覚えのある建物だ。 沙良とその家族が住んでいる場所だ。
歩むごとに口数が少なくなっていく。 それに気づいてか、元帥が「大丈夫か」と 珍しく声をかけてきたから、首を横に振った。]
(+69) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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でも、いかなきゃなんだろ
[ここは、やめてくれ、とか。 そんな事言えるはずもなかった。 どこに物資があるかわからない状態で えり好みなんかしてられない。
俺は意を決してその一室に入っていく。 ――――鍵は、開いていた。]
(+70) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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[まず鼻についたのは、異臭だった。]
(+71) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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[玄関先に女の人が倒れている。
沙良の母親だ。
大昔、おばさん、と呼ばわって、 「おばさんって呼ばないで」と 沙良に怒られたっけ。 優しい人だったから、俺の言葉にもころころ笑って それが沙良の顔によく似ていたのを覚えている。
手を合わせながら、その死体をまたいだ。]
(+72) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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[リビングに入っていく。 つっかえるものがあったから、 無理やりにこじ開けると、ごろりとまた何かが転がった。
ドアノブを使って男が首を吊っている。 眼鏡をかけた壮年の男性。 沙良の父親だ。 「娘さんを俺にください」って言う妄想はしてたけど 面と向かって話したことは、あんまなかったかも。]
(+73) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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「クシャミ」
……なんすか、元帥
「大丈夫か」
[瞬く。手、と言われて、俺は改めて自分の手を見る。 見た事もないくらいに震えていた。 やだな、と軽薄に回る口を動かして、 いつも通りを演じてみようとするけれど、 やっぱり上滑りで、元帥の目はごまかせない。]
(+74) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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なんでも、ないっすよ ここ誰もいないみたいっすね 元帥は台所漁っててだにゃー
「嘘ついてんじゃねえよ。 とりあえず他の部屋の安全確保できるまで お前から離れたりしねえからな」
なにそれ。男前かよ。惚れて良い?
[軽口を叩きながら、 俺は沙良の部屋の扉に手をかける。]
(+75) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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[入ったのは随分遠い昔だ。 まだ俺達がランドセルを背負っていた頃。
うろおぼえだけど ピンクと水色と白をふんだんにつかった 女の子らしいお部屋だった記憶がある。
入るだけで甘いミルクティーのにおいがして、 女の子ってマジで砂糖でできてんのかなって 錯覚できるような、そういう可愛らしい部屋だった。
この扉を開けたら、変わらない姿の沙良がいて、 昔と変わらない笑顔を浮かべて、 「いらっしゃい、秋くん」って、言ってくれねえかな。
そんなわけねえよな。ウケる。
物音を立てないように扉を開ける。]
(+76) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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[途端に襲い来たのは、 強烈な腐臭と、蠅の羽音だった。]
(+77) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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[可愛いぬいぐるみが置かれたベッドの上に 白と赤と黒でまぜこぜになった何かが転がっている。 それは人間と同じくらいの大きさで、 背格好は男のものに見えた。
もっと言えば、服装は、 俺が殺した進のものと、おんなじだった。
その人「だったもの」の胸で泣くように 誰かが、ベッドの傍でうずくまっている。 泣いているように見えないのは、 強烈な腐臭と共に響く、粘っこい咀嚼音のせい。]
(+78) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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[指通りがよさそうだった亜麻色の髪は乱れて 蠅がまとわりついている。
いつも清潔そうにみえた服に血が滲んでいる。
すべすべだったはずの腕が、 枯れ枝みたいになってる。]
[何。――これは、何。]
(+79) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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う゛
[振り向いたそれと、目が合った。 脳が揺さぶられる感覚。
そいつが扉の前に辿り着く前に、 俺はとっさに扉を閉める。
ばん、ばん、と扉を殴る音が響く。 元帥が太い腕で扉を固定して 鍵を閉めるのが見えた。
我慢できたのはそれまで。
せりあがってきた吐き気をこらえきれずに マスクを外して、俺はトイレに駆け込んだ。]
(+80) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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[なんで? 沙良の部屋に進の死体がある。 ゾンビになった沙良がそれを食べてる。 なんで? 俺さ、2人の幸せを願って身を引いた筈なんだよ。 片思いこじらせ童貞だって、身の程を知って 進には当たったけど、沙良に恨み言は言わなかった。
なんで?
明日なんかこなければいいって、 そんな罰当たりなこと願ったから、 二人には幸せな明日はこなかったの?
なんで?]
(+81) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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|
[あの日。進を殺したあの日。 俺が保身にかられて逃げ出さなければ。 沙良を説得していれば。
ああいうことには、なんなかったのかもしれない。 そう思うだけでもう俺は死んでしまいたい。 何が英雄だ。何が。 大事な友達だって好きな女の子だって 誰一人守れやしないんだ。
生きてる価値一番ないやつが なんで生きてるんだよ。
なんで。]
(+82) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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「クシャミ。……クシャミ。おい、串谷秋!」
[揺さぶられる感覚に我を取り戻す。 珍しく焦った目をした元帥が、 俺をのぞき込んでいた。]
元帥。
[そういえばこいつの本名、知らないんだよな。 って、どうでもいいことを考えた後、 へらりと笑って、俺は声をあげて泣いた。]
(+83) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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|
[どうすればよかったんだよ。]*
(+84) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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[キャロライナに出会ったのは、実り満ちた畑だった。]
(+85) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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[海を越え、初めて降り立った大地は 写真で見たよりもずっと広く、私は少し辟易していた。 どこかしこ作物が実り、肥料のすえたような匂いがする。 先輩のサポートとはいえ、契約相手の前で 鼻を摘む訳にはいかず、実状確認の名目で ひとりの時間を得てようやく鼻筋に皺を刻んだ。]
……何もないな。
[ここにいるのは元々大豆かトウモロコシだけで、 賛同する声も、声量を憚る必要もない。 後者は収穫間近で、実った種を青い葉の内に隠して、 白い髭を乾いた風に揺らしていた。 息苦しさなど欠片もしらないような土地に、 息をするのすら躊躇ってしまう。]
(+86) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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|
[規律正しい養父母の下、道を外れることなく生きてきた。 学業の成績は特別秀でている訳ではなかったが、 幸運にも職を得ることができ、就職してすぐ借りた アパートにも、今では余裕を持って住み続けている。
シエスタを切り上げる度に真面目だな、と言う同僚へは、 両親に似たのさ。と、肩を竦めて見せた。 人というものが、あまり好きではない。
近づけば感じる体温が苦手だ。 ――肌の奥に何かが入ってくる心地がする。 感情の滲む声が苦手だ。 ――耳の底を己の意思とは別に擽られる感覚がする。
共有を強いられる時間も、並ぶことで生まれる比較も、 そして何より、それらの恩恵を得ながらも 疎い続けている自分自身が好きではなかった。]
(+87) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
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……っ、 と、
[腰の辺りに強い衝撃があり、蹈鞴を踏んだ。 丁寧に磨かれた革靴の先が柔い土へとめり込む。 振り向いた視線の先には、燃えるような赤毛があった。]
“お兄さん、どこから来たの!?”
[キャロライナ――キャロルは、 ここら一帯の畑を管理する一家の末娘だった。 周囲に建物のほとんどないこの地で生まれ育ち、 スクールには通わず、家の手伝いをしているのだと言う。 大人とばかり接しているからだろうか。 彼女は私の知る子どもよりずっとしっかりしていて、 そして私の知る何よりも自由だった。
そんな彼女を揺れるトウモロコシの前で初めて見た時、 私は太陽の在処をようやく知れた気がしたのだ。 これまで、曇天の中で生きていたことに気づいたのだ。]
(+88) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
|
|
[それから暫く、仕事でこの国へ滞在することになった。 畑にも足繁く通い、合間はすべてキャロルと過ごした。
周囲は私が彼女と遊んであげていると思い、感謝したが、 実際は私が彼女に教えを乞うていただけだった。
二人きりの間だけ私は彼女を先生と呼び敬語で話したし、 彼女は私をミケーロと呼んだ。
夕食のパイを気づかれずに一切れ攫う方法。 女性の社会進出における問題点について。 屋根から見る星がどうして他より美しく見えるのか。 電話線を繋がず遠方と話すにはどうしたらいいか。
彼女はまず自分の考えを情感たっぷりに語り上げた後で、 必ず私へ「ミケーロはどう思う?」と尋ねた。
それに答えている間は疎う体温も声も、 自身への嫌悪も何もかもを忘れられたから、 私は夢中になって己が考えを述べた。]
(+89) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
|
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[ある授業の休憩時間、私は先生へ尋ねたことがある。]
寂しくはないのですか?
[彼女はいつもひとりだった。 周囲とソリが合わない様子も、嫌っている訳でもない。 畑の手伝いもすれば、食事だって共にとっているようだ。 けれど、それでも、ひとりだった。]
“どうして? こんなにも自由なのに!”
[少女は笑いながら両手を広げ、当然のように答える。 出会ったあの日、呼吸を躊躇った感覚を思い出した。 論理的な理由などどこにもなくて、きっかけも曖昧だ。
けれど、それだけで、私は。]
(+90) 2020/10/25(Sun) 20時半頃
|
|
[数ヶ月に渡る準備を終え、本国へ帰った後も、 毎年夏になると畑の様子を見る名目で彼女の元を訪れた。
一年目の夏、彼女は得意げに自分の名前を書いて見せた。 地面に枝で穿たれた文字は、最後だけ裏返っていた。
数年目の夏、彼女は顔に大きな傷を作っていた。 通りがかった旅人と喧嘩をしたのだと笑っていた。
それから更に数年後、彼女のお腹は大きく膨らんでいた。 父親はいないのだと言う。 名前をつけてと頼まれたから、丁重に辞退した。 翌年、シーシャと名付けられた男の子が生まれた。]
(+91) 2020/10/25(Sun) 21時頃
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|
[シーシャはすくすくと育った。 キャロルはスクールに通わせないつもりのようだったが、 彼女の家族と共に説得すると渋々同意した。
シーシャはすくすくと育った。 元々身体の弱かったキャロルは床に伏せるようになり、 生まれつき足の弱かった私も加齢と共に歩けなくなった。
それから更に数年後。冬の迫る秋のこと。 すっかり古ぼけたアパートにシーシャから手紙が届いた。 キャロルが亡くなったらしい。 眠るような、穏やかな最期だったと言う。
私は暫し瞑目した後、手紙を丁寧に破いて捨てた。]*
(+92) 2020/10/25(Sun) 21時頃
|
|
[最小限の明かりが灯された、暗い家の中。 クローゼットの前にはソファーがあった。 隣の部屋まで押していくのは重労働だったが それでも、なんとかやり遂げた。
辛かったのは、ソファーを押すことなんかよりも 兄貴がクローゼットから出たがる音を、 聞かなかったフリをすることだ。]
[壁を引っ掻く音が、断続的に聞こえる。]
[腰のポーチにはスマホの充電器とケーブル。 あとは……兄貴が、力のない僕にと見繕った 出刃包丁を布巾にくるんでつっこんだ。 長くて全部は入らなかったけど、 すぐ出せるならいいかと、 持つところだけはみ出たまんま。]
(+93) 2020/10/25(Sun) 21時頃
|
|
[あとは、地図の確認や明かりぐらいにしか 使えなくなったスマホをポーチに入れる。
このあたりの基地局が機能しなくなったのか、 充電をし直した後も、ネットには繋がらない。 それでも、スマホは手放す気にはなれなかった。
最後に投稿した内容はよく覚えている。 世界が今どうなっていて、 これからどうなるのだとしても 僕は、生きてやると決めたんだ。]
(+94) 2020/10/25(Sun) 21時頃
|
|
[ソファーの前に立って、 クローゼットの方を見る。]
「グ……ウァ、……アー……」
[聞こえるのは呻き声。壁を引っ掻き、殴る音。 時折、クローゼットの扉が歪むけれど。 紐やらガムテープやらでぎちぎちに固めて ソファーでバリケードを作ったお陰で、 兄貴がここから出るのは厳しそうに見えた。]
兄貴。僕、行くよ。
兄貴を殺すのはどうしてもできなかったけどさ 絶対に、人を襲わないように そうした、つもりだよ。 [ずっと泣き続けてきたからか、 もう、涙が出ることは無かった。]
(+95) 2020/10/25(Sun) 21時頃
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僕、兄貴の分まで、生きるから。 どれだけ長くかはわからないけど…… やって、みるから。……安心して。
[兄貴のバイクの鍵を握りしめて。 僕は、玄関の方へと踵を返す。
それから一度も振り返ることはなく。 玄関ののぞき穴から外を見て、 扉に耳をつけて音がしないことを確かめてから 玄関の扉を、そうっと開けた。]
(+96) 2020/10/25(Sun) 21時頃
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[僕のバイクは長い間乗って居なくて メンテナンスのへったくれもない状態だ。
それを知っていた兄貴は噛まれた後に、 自分のバイクの鍵を僕に預けてくれていた。 大分前にお隣さんを落とした方…… 裏の方からは、何かの咀嚼音が聞こえてくる。 僕はできるだけ音をたてないように、 兄貴の青いバイクの方へと向かった。]
は、……ガソリンちゃんと入ってる。 傷もないし、いつ見ても綺麗だよな…。
[高校の時に取って、少しは運転したけれど。 大学に入ってからはめっきり乗っていなかった。
僕が、兄貴のバイクに乗っていいんだろうか。 ―――そんな風に悩んでいる余裕は、 今は全く残っていなさそうで。]
(+97) 2020/10/25(Sun) 21時頃
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[バイクを表に引っ張ってきたときに 裏から顔を覗かせたゾンビと目が合った。 とても、人間とは思えない肌の色をしていて、 所々腐りかけ、口元は肉と血で汚れている。
今まで、あいつは何を食べていたんだろうか。 兄貴も……いずれ、ああなるんだろうか。 考えちゃいけないことを予想してしまって、 吐き気が込み上げて、動けなくなりそうだ。
よろめいた時に、バイクに腕が当たる。 よく磨かれた、透き通るような青。 兄貴が僕に託してくれた物。]
(―――ここにいちゃ、駄目だ。)
[こっちに向かって来ようとするのを見て、 慌ててヘルメットを被り、バイクに跨った。]
(+98) 2020/10/25(Sun) 21時頃
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こんなとこで、食われてたまるか……って!
[一気にアクセルを捻る。 バイクは住宅街から大通りの方へ加速していく。
目指すところなんて、何も決めてないし、 不安しかないけれど、もう、やるしかない。
まずは都心から離れるんだ。 ここから一番近い高速のインターはどこだっけ。
平和な場所なんてあるかどうかはわからない。 それでも、なんとかして生き延びるために、 ゾンビがあまりいない場所を……探さないと。]*
(+99) 2020/10/25(Sun) 21時頃
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― 夜・コーヒーショップ『abbiocco』 ―
[彼女の国へ転勤を希望したのはそれから数年後のことだ。 養父母も既に旅立ち、長年住んだアパートにも 物はほとんどなかった。 身ひとつで移住し、この地で車椅子を得た。 シーシャが就職して来たのは驚いたが、数年とはいえ、 赤ん坊の頃から知っている子と共に仕事をするのは 何だか不思議な気分だったのを覚えている。]
……。
[10フィート先で俯く顔を見る。 機能しない瞳では、表情を窺い知ることはできない。 色素の薄い髪が暗いのは、濁る瞳のせいではないだろう。 どちらからとも知れぬ、酸い匂いが鼻腔をくすぐる。]
(+100) 2020/10/25(Sun) 21時頃
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/* 物騒度はキノの旅に負けないようなサバイバルな旅をしたいね!
(-15) 2020/10/25(Sun) 21時頃
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[限界だった。傷だらけの右手を床につくと力を込める。 何日も動かずにいた関節は石のように固まっていたが、 動かしてみると硬質な音と共に案外簡単に曲がった。 壁を引っ掻きながらゆうら、ぐうら、立ち上がる。]
あ゛ー……ふ。
[もう動かなかったはずのものが動くのは 本来喜ばしいことのはずなのに、 地面についた足を見ても何の感情も湧かなかった。 気を抜けばあっという間に崩れてしまいそうだったから、 息を詰めて足を動かした。
静寂の夜に、不快な摩擦音が響く。 10フィートの均衡はあまりにも容易く乱れた。]
(+101) 2020/10/25(Sun) 21時頃
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[どこへいくの、と。泣きそうな子どもの声がした。 返事をすることなく、唯一機能している裏口へと進む。
マスタと呼ばれた。ミケーロさん、と。ミケ、と。 呼び名が若返って行く度に、 子どもの声は徐々に癇癪に近いものへなっていく。
ひとりにしないで、と。掠れた声が届く。]
きみは……自由、なん だ。
[嗚呼、やはり私はキャロルにはなれない。 隣人の協力の下、使い道のなかった金で店を出しても、 彼女を真似て望むままに生きようとしても。
ねえ、キャロル。 ――ひとりは、私には少し寂しかったよ。]
(+102) 2020/10/25(Sun) 21時頃
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わたしが望む、のは、 君にわたしを殺させること、でもなく、 わたしがきみを外へ、追い出すこと、でもなく、 ましてや、わたしがきみを、がいすることでも、なく、
きみが、いきること だ。
[限界だった。 打開策を模索する思考は日に日に薄れていくのに、 身体は少しずつ楽になっていく。 すべてが己が手から離れていくのが分かった。 だからせめて、最期に、彼だけは助けたい。]
あいしている よ、 しーシャ。 きみ が、うまれて きて、うれしかっ た。
[後ろであたたかいものが動く気配がして、 “俺は、母さんのことあまり好きじゃなかったんだ。” と何を言って音がわからな、あたたかいの。だめそと、]
(+103) 2020/10/25(Sun) 21時頃
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[ちょうど目の前にある板を叩いた。 ぐしゃりと皮膚が潰れる音がして、冷たい風が吹く。 さむい。やだな。でも。そと。ひろい。]
……あ゛、 あ゛ー 。
[さむいから、あたたかいもの。 ここ? ちがう。そとで、さがす。 広大な大地に、二本の足を踏み出した。]*
(+104) 2020/10/25(Sun) 21時頃
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[ ……そう、餌をやろうと思ったの。]
(+105) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ そうしたら部屋の前にジャーディンがいて、]
(+106) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ 開け放した扉の先に何かを確かめるように、 ひたすらにせわしなく視線を動かしていて、]
(+107) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ わたしの存在に気付いて、目を見開いた。]
(+108) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ わたしはそのとき、どんな顔をしていたのかしらね。]
(+109) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ 何かにとりつかれたみたいに、 ジャーディンはよたよたと歩いてきた。
そして、わたしの腕を強くつかんだ。 いたっと思わず小さく叫んでしまったの。 あの子はわたしの上着の袖をめくったわ。
そこにガーゼや包帯があるのを見とめて、 恐る恐るといったふうに口を開いた。]
(+110) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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クーパーは?
(+111) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ 声はか細く震えていたわ。
何も言えずにいるわたしを、 あの子は縋るか祈るかするような目で見つめた。 根気よく、じいっと。わたしが口を開くまで。
その目を見た瞬間に悟ったわ。 もうごまかすことなんてできないって。]
……いないわ。
[ そう言ったとたんにあの子は、 崩れるようにその場にしゃがみこんだ。 痙攣するように薄い肩が数度震えた。 わたしは慌ててその傍らに膝をついたの。]
(+112) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ 嘔吐していた。]
(+113) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ その背中があまりに小さくて、 せめて少しでも楽にしてやりたくて、 背中をさすってやろうと思ったわ。
伸ばした手は強く振り払われた。 顔を上げたあの子はわたしを睨んだ。 汚れた口元をシャツの袖で拭いながら、 怒りに満ちた目でわたしを見ていたわ。
けれど、ほんの数秒後には、 すうっと力が抜けてしまったような目で、 小さな子のようにおいおいと泣き出したの。
まるで小さな子がするみたいに、 痛いくらいの力でわたしにしがみついて。]
(+114) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ ……かわいそうな子。 利口でやさしい、かわいそうなわたしの孫。
きっとあなたは理解してしまう。 わたしが何を選んでそうしたのか。 何と何を天秤にかけたのか。
わたしを憎み切ることもできずに、 こうして涙を流すことしかできない。
こうなることくらい、 ちゃんと考えればわかったはずなのにね。 だってわたしはあなたのNanaだもの。]
(+115) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ もう少し、広い世界と繋がっていられたら、 もう少し、違う今を迎えられたのでしょうか。]
(+116) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ それとももうどこにも、 正常な世界など残ってはいないのでしょうか。]
(+117) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ ……なんて、考えたって仕方がないわねえ。]
(+118) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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……ごめんね、 許さなくたっていいのよ。 愛してるわ、ジャーディン。
(+119) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ そう言って髪を撫でようとしたら、 どん、どん、と肩を叩かれたの。
わたしの胸に顔を埋めたまま、 あの子はこぶしを握って、強く、何度も。
ずいぶん長いことそうしていたわ。 あの子が自分から立ち上がるまでずっと、 されるがまま、片手は震える背をさすっていた。]
(+120) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ それでもね、あなたに生きていてほしいのよ。]
(+121) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[ ただ静かに、その骨ばった背中を撫でていた。**]
(+122) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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/* 皆さん(特に墓下のひとたち)の人には人それぞれの地獄みたいな空気感がわたしはとても好きです 本当に個人的にワットさんには息子さん一家と再会してほしいけれども。
(-16) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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/* あぁ…マスタさんがついに…… 最後にシーシャさんじゃなくて外へ向かって行ったのが……うん…
(-17) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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― 大豆畑の中で ―
[とても寒かった。お腹も空いた。 何か食べたいと思う。辺りには枯れた草しかなかった。 手を振ると乾いたものが落ちた。 歩く。足の裏で何かを踏んで、頭からひっくり返った。]
あ゛ー……。
[上が見えるはずなのに、何も見えなかった。 目玉が裏返っていることに気づいたけれど、 戻し方が分からなくてそのままにした。 本当なら、上には何が見えるのだったか。 思い出せないまま、耳だけが草が揺れる音を拾う。]
(+123) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[体温もない。声も聞こえない。 そこにあるのは言葉の羅列だと思っていた。 時間さえ明確に共有されることはなく、 それぞれが思うがままに文字を綴る。 寂しがりの人嫌いに都合のいい場所のはずだった。
Nanaはレストランに行けただろうか。 カレーの具は何になっただろう。 遠い地でも大豆は育つのか。 丸い目の暴君や笑顔の子どもたちは無事だろうか。 特別な日を迎えたふたりは共にいられるか。 名より先に覚えたアイコンやよく見かけたスパムだって。 助けを求める悲鳴の先も知らないままだ。
あれが生きている者の声であることに気づいたのは、 すべてがおかしくなり始めてからだった。]
(+124) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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/* ミケさんの人間の尊厳が奪われてく過程めっちゃ好きですね
(-18) 2020/10/25(Sun) 21時半頃
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[誰かが助かって、誰かが助からなくて、 そしてきっと誰もが苦しんでいる。
何も思わない訳ではないが、 思い浮かべるのはこの目に映した人のことばかりだった。
冷徹だろうか。無情だろうか。 それでも私は、最後まで人間だった。
人間だったから、悔いのない選択はできなかったし、 人間だったから、繰り返しても同じことをするだろう。]
(+125) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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[それでいい。]
(+126) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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[さむい。おなかすいた。]
[遠くからエンジン音が聞こえる。]
[あたたかい。もの。たべもの。]
[闇を裂くような光が満ちた。]
[たべたら、あたたかい?]
[たべ、]
[――ぐしゃ。]
(+127) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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[命の轍が二本、広大な大豆畑に刻まれた。]**
(+128) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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["それ"の目が捉えてたのは、天井の染みだった。
それが天井についた染みだと認識するにはかなりの時間を要したようだ。
染みについても、それが知っていたかさえも、もう分からない。
それの喉から、小さな呻き声にもならぬ音が鳴り それの目は、首が動かせぬばかりに少しだけしか見えない扉の上部分が見える。
感じもしない、"朝食の匂い"。 聞こえもしない、"誰かの声"。 見えぬ、"目尻の皺"を
それは、感じて、聞いて、見ていた。]
(+129) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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[微かに残る、それの意識が見せた思い出。 鼓膜を叩く、荒い息づかいさえの音さえも、現実か分からないほどに
"フローラ"は、何者でもなくなりつつあった。]
(+130) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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[思い出って どこに残るの?]
(+131) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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/* これは信仰の話。おしまい。
間に合った……! 全体的にコンパクトに纏め過ぎた気もしますが、ちゃんと書き切れる範囲で無理せず。 ソロール難しかった! でも楽しかった!
(-19) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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[わたしが消えたら 何が残るの?]
(+132) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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[世界の果てで綴られた、少女の短い物語の終止符は "意識"の存在で成り立つのか、否か*]
(+133) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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/*
稚拙
(-20) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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/* [フローラの大切な疑問に挟まりましたの札。] 今日はパンではなく具……お邪魔しております。
昨日からじっくり読めていなかったところを更新までに読む。読みたい。 今日エピの可能性高いのかなぁと思いつつ、もし続いたら明日も表書きましょうね。
(-21) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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[サダミツらしきゾンビの姿が、ネット画像のなかに見つかって程なく。 この辺りにも、ついに厳重警戒警報が発令された。
……駅前に、数体のゾンビが確認されたらしい。]
(21) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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/* メモに反応しきれていませんが、野菜炒めも南瓜もありがたくもぐもぐ。積極的に共食いしていきたい。 和田さんのお料理ロールわくわくしましたね。 ずっと美味しそうだったし、縁くんのおにぎりも好き。
マスタはお料理すると見せかけてそんなにしないのでした。 もうちょっと生きてたら違ったかもしれないですが。
(-22) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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[どれだけ泣いていただろう。]
(+134) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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[ばん、ばん、と扉を殴る音は止んでいた。 ただ、俺の引きつった嗚咽と 押し殺すような元帥の呼吸音だけが聞こえた。
「素手で目を擦るな」って言って、 元帥が差し出してきたタオルを容赦なく使って 漸く、俺は人間らしい思考を取り戻す。]
「恋人か?」
……片思いの相手。振られたけど。
「ここは、やめとくか? あのゾンビを俺が倒してきてもいい」
何それ。やさしいな。 ありがと。でも。
[首を横に振った。]
(+135) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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俺が終わりにしてやらなきゃ。
[そう言い放った俺の目を、 元帥は、ひどく複雑そうに見ていた。]
(+136) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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|
[咀嚼音の響く部屋に耳を澄ます。 たぶん、食べるものがないから 沙良は仕方なく進の遺体を貪っているのだろう。 最初どんなきっかけでそうなったのかは、 わからないけれど。
大丈夫か、って元帥が俺を見てる。 大丈夫だって、と俺はただ頷いた。
頭の中がすっかり冷え切ってしまって 自分が自分じゃないみたいだ。 金属バットの柄を強く握る。 鍵を静かに開けて、 沙良の部屋の扉を、開けた。]
(+137) 2020/10/25(Sun) 22時頃
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|
――沙良。
[名前を呼ぶ。 死体を貪るゾンビが振り返る。 名前を呼ばれたのがわかったから?
……ちがう。物音に反応しているだけだ。]
ごめんな。
[こっちに走ってこようとする沙良に笑う。 バットをまっすぐに突きだした。 沙良のみぞおちがべこりとへこむ。 ゾンビといえど元は人間だから、 俺の一撃でよろめかないはずもない。
そのまま怯んだ彼女の頭に、バットを振り上げた。]
(+138) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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ごめんな
[嫌な音がする。 進を殺した時よりも明確に 俺は人の頭蓋を砕いている。]
ごめん。
[沙良の喉から聞いたこともないような きたない声が出てる。
痛い、助けて、おなかすいた、 そんな風に言っているようにも聞こえたけれど ゾンビは喋れないんだから、全部俺の幻聴だ。
そのまま、大好きだった小さな顔にバットを叩き込む。 こうしないと何度だって蘇ってくる。]
(+139) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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|
……ほんとに、ごめん
[誰に謝ってるんだろうな。
うめき声さえも聞こえなくなって、 ばたばたと虫みたいに暴れていた手足が かよわく床を掻くだけになっても、 俺はバットを振り下ろした。
これしか、俺が沙良にしてやれることはない。 抱きしめてやることも、キスすることも なんにもできないんだ。 ――ゾンビになってしまうから。]
(+140) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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[クシャミ、と元帥の声が後ろからする。 なに、と投げやりに問い返す。
もう死んでる、と言われて、 ようやく、俺は、沙良の顔を見下ろした。 鳥の巣みたいに散らばる亜麻色の髪。 枯れ枝のようにやせ細った手足に、血濡れた手。 潰れてしまった顔面。
もうぴくりとも動かなかった。]
(+141) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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沙良。大好きだったよ。 天国で進と仲良くして。
……俺は結婚式に呼ばなくていいから。
[ほとんど掠れた声でその亡骸に手を合わせた。
この世に天国と地獄があるなら、 俺は必ず地獄に行くだろう。
その日まで、俺は、2人の死を背負い続けるんだ。**]
(+142) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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/* ずっと「人間みたいね」を流している あなたまるでにんげんみたいね、けだもののくせにさ
(-23) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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/* >>4:*0 四浦さんから広がるハッシュタグすごく良かったなぁ。 これまで悲観的なメッセージとか情報収集が多かったのもあり、一条の光のようでしたね。 かっこよくて最高にテンションが上がりました。
>>4:+7 この辺りから増えた気がするビアンカおばあちゃんのブレスのような問いかけ、会話のリズムとしても内容としても効果的に使われててすごい。 没入していた意識がふと戻る感覚にハッとします。
(-24) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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/* >>4:+16 言葉の選び方なのか、イメージするその国の方の話し方に聞こえるのもすごい。 ビアンカおばあちゃん、普段から文章たくさん書かれる方なのでしょうか。 テンポもワードチョイスも的確でもうファンです。感想が追いつかない。
>>4:*8 ワットさんの初心者っぽさが絶妙で和む。 それに対するヤカモトさんのお返事が変化するのも好きです。交流素敵。
>>4:+32 リアルタイムで見た時も思ったけれど、具体的な言葉を用いずに察してしまう言い方が上手すぎる……。
(-25) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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/* >>4:+35 ネコ元帥好き。 串谷くん死なないと思ってはいたけれど、実際目にするとやっぱり喜びが違いますね。 この後も地獄が待っていることは分かっていたのですが……! 地上とこっちで第一部第二部感があって、すごい好きです。
>>4:+39>>4:+40>>4:+41 これー! ここ最高だと思う。 こういうシーンを作る為に準備した感がまったくないというか、だからこそ登場人物すべてが生きているのが素敵。 >>4:+42のご主人の感情の揺れもリアルなのが、より実感のある文章にしてくれているような気がします。
(-26) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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/* >>4:45>>4:46 ヤカモトさんお外出たー! となりつつ、ひとりで弱さを滲ませるのぐっと来ますね。 シンプルに描かれるからこそダイレクトに届くし、ヤカモトさんにはそれがすごく似合う気がします。
>>4:47 呆然としていた間の時間経過の表し方が空白なの、すごいいいなって思いました。
>>4:49 生きる組がたくさんいるのいいぞーいいぞーってなります。
(-27) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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/* >>4:+53 ここ、ネコ元帥との軽いじゃれ合いみたいな会話がそもそも素敵なのと、串谷くんの安堵に共感できるから今村屈指の大好きシーンです。 一瞬でも希望や喜びが戻ってくれて嬉しい。
>>4:54 これ、和田さんだからできることだよなぁと思うので、行動のチョイスとして素敵だなと思いました。
(-28) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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―― とある非人間の日常 ――
[ヴゥン、ヴヴゥン。
鄙びた雑居ビルの一室で、 空調が低い唸り声を上げている。
――いいや、違った。
ボロボロのスーツ姿の男が 苦悩の呻きを漏らしているのだ。
荒い吐息を響かせながら、 男は狭いオフィスを徘徊している]
(22) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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[爛々と血走った男の瞳は、 時折ギョロリと出来の悪い人形のように 黒目がひと回転する]
アアァ、ア……。
[苦しげに掻きむしる首筋には、 血の固まった歯型がくっきりと残されていた。
――噛まれたのだ。数日が経過していた]
(23) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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……たば、こ。
[かろうじて残った理性で、 コンビニから拝借した煙草を取り出す。
震える指先で火を点し 肺いっぱいに煙を吸い込んだ。 渇きは、癒えることがない]
(24) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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[腹立ちまぎれに、 積み上げられた段ボールを蹴り飛ばした。 床にサングラスがばらまかれる]
ゥ、ウウウ。
[声帯が、上手く動かせない。 かろうじてここまで繋いだ理性が、 いつまで持ちこたえられるのか分からなかった]
(25) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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___________________
■マル得情報■
たくさん ひどいことした だから ばちが あたった ___________________
(*1) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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___________________
■マル得情報■
かみさまは みてたんだ ___________________
(*2) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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クソみてぇな交通の便の悪さに救われちゃいたけど。 遂にここもヤバくなっちまったか。
[陸の孤島だとか、埼玉県バチカン市村だとか言われ、バカにされたこともあったが。 お陰で、今日まで耐えられた。 とはいえそれも、限界に近付いてきたようだ。 配信動画に映る風景は、自宅からもう1kmも離れていないジャス……イオンだ。]
(26) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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___________________
■マル得情報■
まっとうに いきていれば こんなみじめな ことには ___________________
(*3) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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___________________
■マル得情報■
ごめんなさい ___________________
(*4) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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|
[オフィス机の上には、 無人の交番から拝借してきた手錠があった。
法を犯し、それでも捕まるまいと これまで男は必死になって生きてきた。
そんな男が最後に頼るものが警察の手錠とは なんたる皮肉だろうか。 震える指先を、手錠へと伸ばす]
(27) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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[せめて、最後くらいは まっとうに生きてやろうと思った。
誰を襲うこともなく、 誰の迷惑になることもなく。
きっと、神さまは見ているから]
(28) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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[壁の配管に手錠の片方を掛け、 そうしてもう一方を――]
(29) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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――――ガシャン、
(30) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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[男は、自分の手首に手錠を掛けた。
これで、どこへも行けない。 いくら激しい渇きを覚えようとも、 誰かを襲うことはない]
……あは、
[男は、笑った。 自らを縛る銀色の手錠を見つめて 狂ったラジオのように、笑い続けた]
(31) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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お、おおおオレだよ、オレ。 ……そうそう。そうそうそそそそ。
ここここここうつう、じこ。 じだだだんきん、ひつよう、だって。 けいさつ、いってててて。
ごひゃくまん。 ぎんこう、……ざに。
(32) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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[ついに擦り切れた理性で、 かつてあった日常を再現しようとする。
時折、ガタガタと暴れて 手錠に行動を阻まれる。
掠れた非人間の声は、 薄暗い灰色の雑居ビルに いつまでもいつまでも響いていた]**
(33) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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[数日ぶりにSNSをひらいた。 書き込みが減っている。 そうだよな、こんな時だものな。]
(*5) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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卐黒帝會卐 ーーーーーーーーーーー オレの住んでるあたりも、いよいよヤベェ みんな頑張れよ! ーーーーーーーーーーー
(*6) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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…………年中沸いてやがったレイバン野郎、マジで中の人いたのか。
(34) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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/* くしやくんの落としどころも辛いし、やかもとさんもゾンビ化しちゃうんだなあ はるみちくんのイオンに癒されました エピ入りするのかしら 続くこと考えてまだ決着(?)つけてないのよね
(-29) 2020/10/25(Sun) 22時半頃
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/* ふう!!!! やりたいことやったぜ!!!!!! すっきり〜〜〜!!!!!
(-30) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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/* 中の人がマジで全然わからん りんこちゃんどこや!?!?!? 今夜終わっちゃうの??????????
エーーーーン:;(∩´﹏`∩);:
(-31) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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みょんこ @myon_cat ──────
アーサーは見つかりました。 シェアして頂いた方ありがとうございます。 最悪の結果でしたが、最後に顔を見られました。
[ 謝辞を述べ、投稿ボタンを押して。 また投稿画面を開く。]
(*7) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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/* 5dは開幕でアーサーってなりました。 アーサー……がんばったね……。
>>14 ヘイタロウさんの熱いアクションシーンからの展開が気になるやつ。 次回放送とても楽しみです。 ヘイタロウさんは全体の情報を生かそうとしたり、SNSも全体に広げたりと視野が広いですよね。素敵。
>>+0〜 第二部開始って印象。 環境が変わっても救われる訳ではなく、新たな問題が発生するの、そうだよなぁってなってしまう。 元帥とクシャミくんの掛け合い好きなので、だからこそ>>+7好きです。
(-32) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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/* >>+11>>+12>>+13 PC以外も生きている人たちがたくさんいるんだよなぁ。 こうやって詳しく描写されることで、世界観が広がるというより背景の隅々がくっきり見えるような感覚がします。
>>+20>>+21 最高か? 最高だよ。
>>16>>17>>*0 ハードボイルド四浦さんとつよい秋葉原……! やっぱり元軍人さんだったりするのでしょうか。気になる。
(-33) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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/* >>+39 クーパー……。 メモのサングラス6つでいいも刺さりました。 お隣のご家族も決して悪人ではなくて、生きる為にしていることだからこそビアンカおばあちゃんがト書きで挟む問いかけに息を飲んでしまうんだろうなぁ。 こことか、効率面が大きくあると思うけれど、それでも相手の心情を理解してない訳ではないというか。 それでもやらなければならないことって感じがします。 命も、気持ちも、優先順位の話。
>>+49 ぞくってする一言。 栄養を摂らなきゃ、より、同じ罪を背負わなきゃって感じがしますね。
(-34) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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/* >>+55 勇者の差し込み方がとっても好みでした。 欠片もテンション上がってないのに思考の片隅にそういう発想があるの、ゲーム好きならではな印象。素敵。
>>+81>>+82 地獄に地獄をトッピングして砕いた地獄を振りかけたような展開だ……! こうなるだろうなが分かっていてもぐあーってなる描き方が上手すぎる。 >>+84がこんなに威力あるの、串谷くんが積み上げたものの力だなと思います。
>>+96 両親やお兄さんたちの想いを受けた縁くんがとっても強く成長していてかっこいいなぁ。 家に引きこもっていたのに外に出ることを選ぶの、熱い。
(-35) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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/* >>+115>>+121 ビアンカおばあちゃんのファンとしてとってもとっても大好きなシーンばかりなんですが、ジャーディンへの愛情が満ちているこの辺りが特に好きだなぁ。 愛し方がまっすぐで優しいですよね。 ジャーディンも素直でまっすぐで聡明で、本当に素敵な家族。 だからこそ、どうにからなかったかって考えるの、近くて嬉しかったです。にこにこ。
>>+140 あまりに切なくて何度も読み返してしまった。 綺麗で切ないのに残酷で汚い(褒めてる)のが両立できるの、本当にすごいなぁ。 >>+142串谷くんの決意があまりにも悲壮……ずっと応援している。
(-36) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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みょんこ @myon_cat ──────
こんなことにした奴、ぶっ殺してやる 絶対に許さない
[ 普段なら絶対にしないような、乱暴な言葉。]
(*8) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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/* >>26 ジャスk ハルミチさんはずっと癒し。だいすき。
>>31 詐欺師のヤカモトさんが自分で自分に手錠をかけるの、とても良い……。 SNSの投稿からの>>28もこれまでのビルの中の煙たい空気とは違って、澄んだ水みたいな感覚がしました。
(-37) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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/* ピックアップ感想になってしまいましたが、書きたかったので満足。 それぞれの物語を見つつ、SNSで交流したりそれが現実(?)にほんのり反映されるの、すごく楽しかったです。 個人としては、もうちょっと文章力構成力を鍛えたいなと思いました。ソロールって何にしても自力なんだなと思った。むずかしたのし。
(-38) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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[とりあえず、町民たちは、高校に避難することになった。 この辺りで、コンクリ造りで大きく丈夫な建物といえば、まぁそうなる。
持てる限りの食料やら、着替えやら、あと適当に暇をつぶせそうなものを持ち、休業中のコンビニ前でダチと待ち合わせ、学校へ向かった。]
(35) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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[ そうして、SNSを見渡すと、 そこには悲痛な叫びと、人探しなどの投稿。 あのゲーム実況の人の自殺めいた配信アーカイブ。 スパムアカウントの中の人、いたんだ。 投稿を見て一人くつくつ笑う。
そんな中で#ゾンビに負けるな というタグには いろいろな人が前向きな言葉を投げていた。
ああ、もう本当に
反吐が出る。]
(*9) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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[集まっている人は、思っていたより少なかった。 ケントの家族のように、早々にもっと田舎へ逃げた人や、この期に及んでも自分の家から離れたくない人……おそらく、もう手遅れと悟った人もいるのだろう。
遠くから、獣のような叫びが聞こえた。 そして悲鳴も。]
(36) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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[健司たちが乗っているはずの車は 見当たらなかった。 地図に赤ペンで大きくバツをつける。 車をUターンさせて一つ前のインターまで戻って、 それから今度は下道を走った。
同じく主要な道路を、上り方面へ。 わずかに窓を開けると、少し冷たさを帯びた風が 車内へと新鮮な空気を運んできて気持ちがいい。 まだ緑が広がるのどかな風景は、 まるでテレビの向こうの映像も、 インターネットで流れていた映像も嘘みたいに ただただ静かだった。]
(37) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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[校舎に逃げ込み、数時間後。 何体かのゾンビが、校門前に現れ始めた。その数はどんどんどんどん増えてゆく。 警察や消防隊、猟友会の面々が、門の内側から応戦してくれているが、果たしていつまで持つだろう。
両親とは、もう会えないだろう。 そんな気はした。]
(38) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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[ぐねぐねとした山道を走り、 トンネルへと差し掛かったが、 ここらへんは電気がもうきていないのだろうか。 灯りは消え、中は真っ暗で見通せない。 ぽっかりと開いた地獄への入り口のようなそこへ、 ライトをハイビームにして、少し速度を落として 進んでいく。
100m……500m……800mほど トンネルを進んだところで、 ライトが奥に何かを照らした。 ゆっくりと近づいて、車を止める。]
……ここもだめか。
[目の前には大きなトラックが横転していた。 ため息をはいて、天井を仰ぎ見る。 気を取り直してドアを開けば、 焦げた匂いがまた鼻をつく。]
(39) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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[懐中電灯を片手に、もう片方の手には鍬を持って、 またそろそろとトラックの方へ向かう。 トラックに積まれていたのだろう、 放り出された荷物の燃えカスが、 あちこちに散乱していた。 ぴちょん、ぴちょんとどこかから 水か何かが滴る音がする。]
…………、
[車のライトと、手元の懐中電灯の明かりが消えたら、 真っ暗闇になる。 すぐそこの闇から、何かが飛び出してくるんじゃないか。 そんな俺自身の妄想と戦いながらゆっくりと歩いて、 車を乗り越え、少しずつ、進んでいく。]
(40) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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[車体を踏みつけるたびにガタっと大きな音が鳴って、 その音に自分で驚いた。
白、黒、黒、赤、トラック、タクシー、 車の種類とナンバープレートを一つずつ確認して、 15、6台ほどの車を抜ければ、 それ以降はまた静かな闇が広がるだけになった。
どの車も、もぬけの殻だった。
非常口もあるはずだから、そこから皆逃げたのか? ゾンビたちも、餌?がなければ、いなくなるのだろうか。 あるいは、逃げる人々を追って ゾンビも一緒にどこかへ行ったのか。 落胆して、元の入ってきた方へ戻ろうとして。]
(41) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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[ 不意に、何かの音が聞こえた。 ]
(42) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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[今来た方じゃない。 反対側の、暗闇の方から。]
……誰か、いるのか?
[俺の声が暗いトンネルの中に反響する。
それを合図にしたかのように、 バタバタバタとその音は大きくなり、 こちらへ近づいてくる。
――――足音だ。
それも、一人や二人じゃない。 こちらに向かって走ってくる。 何が? わからない。]
(43) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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[けど、こんな真っ暗闇に、人がいるか? もしもいるなら。 俺の呼びかけに、返事ぐらいするんじゃないか?
冷静に考えようとする頭とは裏腹に 心臓がバクバクバクバクと、 人生最大級の音を奏でる。
懐中電灯はそちらへ向け、少しよろめきながらも 慌てて元の場所へ戻ろうと踵を返す。
さっきは慎重に乗り越えていた車をよじ登り、 踏みつけ、飛び降りて、急いで走る。走る。]
(44) 2020/10/25(Sun) 23時頃
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[ガァン!!]
[何かが車にぶつかったような音が 俺の後ろから響いてきた。 続いて呻き声、よじ登るような音。 後ろを振り向ける余裕なんてない。 鍬を途中で放り出し、懐中電灯だけを片手に、 音で距離を判断しながら、 もつれそうになる足をひたすら前へ前へ。 ライトをつけたままのバンにようやく乗り込むと、 急いでドアを閉め、キーを回した。 つかない。]
くそ、こんな時に……!
[一度元の位置に戻して、またキーを回す。 一回、二回、三回、かかった! ほっとして顔を上げた瞬間。]
(45) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[ バンッ! ]
(46) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[血まみれの手のひらを、 フロントガラスにたたきつけられた。]
ひっ!
[慌ててギアをバックにいれ、アクセルを踏みつける。 フロントにいたソイツは、 よろめくように車から離れたが、 ライトに照らされたトラックの向こうで、 こちらに向かってこようとしている ヤツらの姿が見えた。何体もいる。 ハンドルを回して、その勢いのまま車をUターンさせ 一気に加速した。 バックミラーを確認するが、後ろは暗すぎて何も見えない。]
(47) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[放水を続ける消防隊。 包囲をすり抜けてくるゾンビを、機動隊が射殺してゆく。]
……大人って、スゲェな。
(48) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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大丈夫、大丈夫だ……。
[走って逃げることができたという投稿も見た。 車の速度には追い付けないはずだ。 そう言い聞かせ、手形のついたフロントガラスを見すえ アクセルを踏み続ける。
ようやく、入り口から差し込む太陽の光が見えた時には、 生き返ったような心地がした。
フロントガラスについた血を、 ワイパーとシャワーで洗い落としながら、 自宅まで、そのまま車を走らせ続けた。]
(49) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[捜索の旅の1日目は、こうして空振りに終わった。**]
(50) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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〇〇高速道は、〇×インターのあたりで、 事故が起きたみたいで、通れなくなっています。
△△トンネルも、事故があったみたいで、 中は真っ暗で、ゾンビが何体かいました。 危険なので、近づかないように、ご注意ください(+o+)
[そんな書き込みが、 誰かの役に立つのかはわからないけれど。 情報がないよりはマシだろうと思って、投稿した。]
(*10) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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/* 明日が最終日か。 長いようで短い人生だった。
(-39) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[ ふかふかのラグマットは猫もお気に入りだった。 頭をぐちゃぐちゃにした"それ"の汁は その毛足に吸われて下の床まで届いていない。 ラグマットの端を持ち上げ、端から"それ"を 丁寧に巻いていった。
ベランダへ続く掃き出し窓を開け、 引きずるようにラグごと"それ"を引っ張り出す。 本当はベランダから投げ捨てたかったが、 一人では到底無理そうだった。]
(51) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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「おまーりしゃんがんばえーー!!」 「しょーぼーししゃんがんばってーー!!」
[ちっちゃな子たちが、窓から必死の声援をおくっていた。 土木関係の人達も校庭に出て、限られた資材でのバリケード造りをはじめた。]
「手が空いてる人ら、窓から椅子と机、投げてよこせ!」
[重機で押して、バリケードの材料にするらしい。 ダチどもと顔を見合わせ、頷き、片っ端から机と椅子を投げ落とした。 ……ちょっと楽しかった。]
(52) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[ ベランダから下を見下ろし息をつく。 あちこちに呻き声を上げる"それ"がいた。]
うるせえ、死ね!
[ 言った後で気づいた。 あいつらもう死んでるな。 少し面白くなって一人声を殺し笑う。]
(53) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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/* みょんこさんつええ
(-40) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[ そうして──アーサーと向き合いたくて 私は部屋に戻った。 掃き出し窓の雨戸を締めると、 台所の小窓から差し込む光だけになり 部屋は夕暮れの明るさになった。 そして玄関のドアに鍵をかけ、チェーンをかけ、 誰にも邪魔されない時間を作った。
アーサーを持ち上げる。 布団の上に残る血を少し眺め、 その後お気に入りの毛布で丁寧に包んだ。
ごめんね。 守れなくてごめん。 ご飯をあげられなくてごめん。 あの時追いつけなくてごめん。]
(54) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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/* 日替わりさ、ガチ村みたいに みんなドキドキしてくれてるといいな
(-41) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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/* みょんこさんにはちと負担がかかっている気がする。 どっちでも転べるようにロル打たないといけないもんな。 すまぬ。
(-42) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[ そのまま薄い黄色のキャリーに入れる。 お気に入りのおもちゃも入れた。 いつも枕にしていたぬいぐるみも。
丁寧にキャリーを埋め尽くした後、扉を締め──
掛け布団のシーツを引き裂いて、 しっかりと外側から二重に包んだ。
アーサーが"それ"に成り果てても、 その動きを封じられるように。]
(55) 2020/10/25(Sun) 23時半頃
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[ アーサーを包み終わり、私は台所の床下収納を開けた。 台風や地震など万が一のときに備えて入れた 非常袋と食糧、水、キャットフード。 2リットルのペットボトルを開けて、 ごぶごぶと水を飲む。 少し焦げ臭いにおいはしたが、飲む。 半分ほど飲み干したところで缶詰のビスケットを 開けてかき込んだ。
持ち出し袋の中の非常用モバイルバッテリーに 煤けたケーブルを差して諦めながらスマホを繋ぐと 充電中のマークが画面に灯った。]
───っし!
[ そうして私は、数日ぶりに世界の全景を見た。]
(56) 2020/10/26(Mon) 00時頃
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