人狼議事


191 忘却の箱

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【人】 さすらい人 ヤニク

[思い出そうとする。
覚えているのか、教えてもらったのか定かではない何かを。

左腕に、別れを告げる前のこと。
まだ僕が、自分をよく分かっていた頃。


拍手。
観客の笑顔。笑顔。笑顔。

笑顔………だっただろう?

だって、そのために、僕は、
歌を 歌 っ て ]


……………そろそろ、演奏しなきゃ…

[フラリ。立ち上がる。
空気のような声が漏れる。]

(31) 2014/09/10(Wed) 01時頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/09/10(Wed) 01時頃


【人】 さすらい人 ヤニク

[『謎掛けをしよう。』
頭に響くのは自分の声。

ステージの上のスポットライトは橙色だったか?
溶け入りそうな橙色は夕日だったか?
聴いた気がしたギターの音色は
紫色の暗幕の向こう側は
濃紺の影に潜む青年は誰だったか?


……シーシャの声>>32は、少女から仄かに薫る花の匂いに紛れて消えた。
フラリと立ち上がる。
所在の無い左袖が 揺れて。

立ち去る際、相手の言葉>>35を背中で受け止める。

"来なけりゃ良かったのに、って"
僕もそう思うよ。
でも、もう此処に居ない未来なんて想像出来ない。
彼と出会わず、彼女の開花を見届けない、そんな時間が訪れない世界は、過去の何処かに置き去りにしてしまった。]

(36) 2014/09/10(Wed) 03時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

["弾いててくれ"

目を開いて、ゆっくりと振り返る。
陽光を挟んだ向こう側にいる彼らは、広葉樹が影になって顔がよく見えなかった。]


鳥が棲家に帰るまでの演奏は、ペラジー…君の為に。
その後の演奏は、…………、

[上手く言葉が出てこなかった。
口上だけは得意なつもりだったのに、可笑しいな。

言葉にしないまま、彼に向かって微笑んだ。
その顔が、診察室で見たシーシャのものと似ている事には気がつかない。

そうして踵を返すと、男は箱の中へと消えていった。*]

(37) 2014/09/10(Wed) 03時頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/09/10(Wed) 03時頃


【人】 さすらい人 ヤニク

―日が沈んだ頃―

[シーシャとペラジーと別れた後の事。
何処かの誰かが眠りにつくまで、静かなリズムで蛇腹を伸ばす。

彼との約束が果たせない事

       紫色のブーケが咲いた事

当たり前のように、明日に先延ばしにする予定。
花が咲いても急ぐ事はない。
だってこれが今男が持っている、愛すべき日常。]

(55) 2014/09/10(Wed) 17時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[風に踊らされる花々が、夕日が差し込む、四角く切り取られた壁の内側。]

––––– Con te partirò
Paesi che non ho mai –––…

[閑散とした廊下に響き渡るアコーディオンの音色。横長のベンチに腰掛けて……忘れてしまった歌詞を、雑に広げた楽譜で埋め合わせながら

男は、歌うことを やめない]

(56) 2014/09/10(Wed) 17時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[穏やかな旋律と共に揺れるのは、空っぽになった服の左袖。
サナトリウム内に蔓延る恐ろしい病が、男の左腕と『 』を奪った。

( Tell her to make me a cambric shirt,Parsley, sage, rosemary and thyme…)

『 』。

『 Somewhere over the rainbow
 Way up high. There's a land that I heard of Once in a lullaby…』

頭の中を流れる誰かの歌。
僕の歌はどれだっけ。]

(57) 2014/09/10(Wed) 17時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[また最初から弾き直そうとする。
音はだんだん、ゆっくりと時を刻むようになって、遂に、その音を止めた。
無性に身体が怠くなる。壁に背中を押し当てた。
手に力が入らなくなればアコーディオンが床に叩きつけられる、音。
瞼が重い。
ズルズルと背中を擦らせて、ベンチの上に上半身を横たえた。]

(備品室……行かなきゃ…)

[最後にそれだけ思って、男は微睡む。
長かった一日を、唐突に終える。]

(58) 2014/09/10(Wed) 17時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

夢を見ていた。


僕は病院の白いベッドに座っている。
左腕が無くなってすぐの事だったかな。

サーカス団の"  "が僕の所に見舞いに来た。
切り取ってしまった分の記憶を埋め合わせようとしてくれたんだって。
彼は僕の一番の"   "で、僕の経歴も当時の僕自身より遥かに知っていた。

楽しいお喋りの時間が終わったのは、僕に家族はいるかという質問をした時。

(59) 2014/09/10(Wed) 17時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

『……いるよ』

『まだ生きてますか?』
『もちろん』

『どこで?』
『………』

『どうして家族からの連絡が無いんですか』
『………』

『講演の途中からの記憶しかない。それよりも以前、僕は何をしていたの。』
『すまない、–––––…』

(60) 2014/09/10(Wed) 17時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[顔がくり抜かれているみたいで、表情はよく見えなかったけれど、その声は酷く辛そうだった。
ごめん、困らせてしまったね。
責めるつもりは無かったんだ。
ごめんよ…ごめん……

この後も何事か話した気がしたけれど、夢の全ては、一面の夕日に覆われて消えていった。]

(61) 2014/09/10(Wed) 17時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―朝―

[明るい日差しが瞼の裏を突き刺す。
ギュッと眉を顰めて、ぼやける視界で無機質なリノリウムの床を捉えた。
起き上がれば、ベンチで一夜を過ごした身体の節々が鳴いた。

うんと伸びをすれば、床に放られるような形で置いてある楽器に両手を伸ばそうと……ああ、そういえば]

左腕……ないんだった。

[右手と足を使って膝の上に楽器を乗せる。

そこで感じる違和感。]

(そもそも、僕に腕はあったっけ?
じゃあどうやって楽器を弾いていたんだろう。
そもそも、どうして……)

[左腕が繋がっていた部分を右手で撫でる。]

(62) 2014/09/10(Wed) 17時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

(僕は歌を歌っていたんだっけ。)

[ガサリ。
肌ではない感触。
大きな文字で名前が書かれたシャツを捲ると、

そこには朱色の大輪が左の上半身を覆っていた。*]

(63) 2014/09/10(Wed) 17時半頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/09/10(Wed) 17時半頃


【独】 さすらい人 ヤニク

/*
長い…!長いよヤニクログ破壊になっていないでしょうか…(ガクブル
シーシャさんとペラジーさんと絡めて幸せだったよぅ…
ズリエルさんとも絡みたいなぁ
どうやって咲く予定なのだろうか

今後は、いつも通り過ごして、眠るように咲く予定です。
自分を自分たらしめるものがなくなっても、最後まで日常にいたい、そんなヤニクの気持ち。

(-24) 2014/09/10(Wed) 17時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[彼女の快活な挨拶>>72は、しっかりと廊下に響いていた。
いつもなら朝から綺麗なブロンドを揺らす彼女に出会えた事を笑顔と、手を振る動作で伝えただろうが、今朝だけは俯いて、思考は、朱色の……

顔を覗き込まれて、ようやく青色の瞳と目が合った。]

ああ……大丈夫さ…大丈夫…

[そう答えれば、彼女>>73はそれ以上追求をしなかっただろう。

しゃがみ込んで楽器を撫でながら、
淡い笑みを浮かべながら、
………あの音が好き、と言ってくれる。
それが、どんなに、]

(77) 2014/09/10(Wed) 21時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

…………クリス、ありがとう。
汚れちゃうよ、床に座っちゃ…ダメ、だ……

[手の届く所に置かれたアコーディオンを撫でる。
その掌を相手に差し伸べようとしたけれど、それは男の目元を隠すように覆うだけだった。

この感覚には、覚えがある。
だって、これで二回目だから。]

………ごめんよ、クリス……ごめん…

[囁くように、何度も謝った。
それだけしか出来ないような気がして。]

(78) 2014/09/10(Wed) 21時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―過去の何処か―

[瞼が重くて、目が開けられない。
それに頭が割れそうだ。
此処はどこだろう。上か下か、もしかしてうつ伏せなのか。
それすらもわからない。
ガヤガヤと聞こえるのは、ラッパとピエロの愉快な笑い声じゃなくて、金属音と大勢の足音だった。

輸血。侵食。時間。怒鳴り声。花が、もう。
鋏。ダメだ小さい。腕。腕を。


…………腕を?


目が覚めた時には、左腕が無かった。]

(79) 2014/09/10(Wed) 21時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[もう、楽器が弾けないという事実はショックだった。
それでも何とかやっていけそうな気がしたのは、多分、まだ記憶が残っていたから。

記憶、が残って、いればの話。

縋ろうとした『 』は、左腕と一緒に切り取られていった。
それまで確かに、『 』が心の支えであったことは覚えている。
それが、何であるかが分からない。

手紙は男の家族を語る。
過ごした日々の喧騒や、観客の拍手の音を聴く。

では伽藍堂な腕の中に、男が持っているものは何物か?
何物もありはしないさ。

どこを探しても、かつてのお前はいないよ。


そうして男は、一回目の死を 受け入れた。*]

(80) 2014/09/10(Wed) 21時頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/09/10(Wed) 21時半頃


さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/09/10(Wed) 21時半頃


【人】 さすらい人 ヤニク

―回想―

[彼の手の豆に気が付いたのは、朝食で向かいの席に座った時]

君は…何か楽器をやってるの?

[彼はサナトリウムの中は音がよく響く言っていたけれど、彼のギターの音は聴こえなかった。
どうやらアンプが無いらしい。]

備品室は、この病棟にあるのかな。
そこに今度探しに行こう。

[そう言えば、彼は何と答えただろう。下手くそな笑みでも浮かべただろうか。
結局その後、アンプは見つからなかったのだけれど。*]

(85) 2014/09/10(Wed) 22時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―回想―

[廊下で後ろ姿を見かけたのは、「可笑しいかい?」と微笑みかけてきた彼。
今度は男が背中から話し掛ける。]

やぁ、紫のブーケはどうなったんだい?

[一度話し掛けたが、最後。
何処までも研究、記録、ああすれば、こうすれば。
ちょっと話し掛けるんじゃなかったなぁ、なんて。
でも、伝えなきゃいけないことがあったんだ。]

備品室でウエディングドレスを見たんだけど、あれって君の?
……う、ううん、早くブーケが見たいとかではなくて…うん…うん…

[あのドレスは、ブーケは、どうなったのだろう。*]

(86) 2014/09/10(Wed) 22時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―クリスと別れた後―

[備品室への道を急いでいた。

日常を愛していただけの男は今朝死んで、今、アコーディオンを抱えながら走っているのは生き急ぐ別の男。

途中、廊下で誰かにすれ違ったかもしれない。
それでも、男は止まらなかっただろう。
中庭を通り抜ける所で、ふと足を止める。止められる。

昨日は無かった、紫と青の花が目に眩しい。]

–––––––––綺麗なブーケだ。
でもまだ完成しては……無いよね?

[中庭のベンチにアコーディオンをドサリと置いた。
汗が滲む。軽くなった身体で、備品室へと駆ける。
朱色の花びらが、服の隙間を縫って床に足跡を残す。
もうすぐ、もうすぐだ。花に 男は急かされる。]

(87) 2014/09/10(Wed) 22時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―備品室―

い……ッ、

[備品室に入れば、まず不思議な位置に置いてあったミシンケースにけ躓いた。
机に手を付いた拍子に、その上に置いてある飴を見つける。
「いつもの」手癖でそれを袖の中にしまった。

自分で自分に苦笑しながら、息を整えて身体を立て直す。]

やっぱり…まだあるんだ。

[持ち主の分からないウエディングドレス。
雑多な箱の中身をガシャガシャやっていると、すぐにギターの弦は見つかった。ポケットに突っ込む。

マネキンからウエディングドレスをそっと脱がすと、それを抱える。
備品室の扉を足で開けた。*]

(92) 2014/09/10(Wed) 22時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―回想―

[綺麗な金髪だなぁ。
中庭にいる彼女に話し掛けたのは、それがきっかけ。
長いブロンドは、結われているわけでもなく伸び伸びと美しかった。
だからつい、口から零れてしまったんだ。]

君なら、きっといい花嫁になるだろうね。

[その時の彼女の反応は……ただ謝って、静かに見守るしかなかった。*]

(93) 2014/09/10(Wed) 22時半頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―中庭―

[息を切らして、中庭の土を踏む。
幾重にも重なるレースのウエディングドレスは、男の手に有り余っていたが、それでも決して地面には付けないように。]

…………や、ぁ…お届け物……だよ

[中央の花に話し掛けると、息も絶え絶え、背の低い木にドレスを広げた。
腕を軽く交差させる。紫の花を一輪だけ手折ると、袖の隙間に差し込んだ。

距離を取って改めてそれを見れば、紫を縁取る白がよく映えていて。
表情が、綻ぶ。]

…じゃ、次はサミュエ……

[足がもつれて、その場に倒れ込む。
白いシャツの腹からは、朱色の花びらの香りと共に赤い血が滲んでいた。]

(101) 2014/09/10(Wed) 23時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

(あ、もう?)

[鼻につく土の香りと、間近にある花の香りに、咳払いをひとつ。

顔を上げる。
ベンチの近くには、男の……]

………、

[片腕で身体を起こす。
そのまま、這うようにしてベンチまで移動する。
もう、手に食い込む石を痛いとも感じない。
ベンチに座る気力はなく、ベンチに背中を預けてドレスと対面するように足を投げ出した。

震える手で箱を開ける。
いつもよりも手間取りながら、右手と足にアコーディオンのベルトを引っ掛ける。]

…………、次は、君の為にって…約束…

[力無く笑みを浮かべながら、思い出すのは昨日の約束。]

(102) 2014/09/10(Wed) 23時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

―回想―

[初対面の時、その視線を、まだ覚えている。]

……やぁ、初めまして。

[二言、三言の間に相手の名前がシーシャであること。
そして男の名前がヤニクであることは告げただろうか。
そして、太く、黒い字で目印を付けられれば]

……ふ、とんだ目印をありがとう。
よろしくしてくれるかい?シーシャ。

[困ったように微笑めば、言葉が返ってきただろうか。それとも……*]

(104) 2014/09/10(Wed) 23時頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/09/10(Wed) 23時頃


【人】 さすらい人 ヤニク

[今日は天気が良い。昨日と同じ。
そういえば、昨日食堂で初めて出会った彼とはあれっきり会わなかったなぁ。

–––––––…彼が持っているものは何物か。
僕は、もう何もいらないかな。
まぁ弾かせてよ。あとちょっとだから。


紡ぐのは、物悲しい音色と熱情を含んだ穏やかなミュゼット。
この歌に、歌詞はない。
『誰の為か?』
もうそれは、今の僕では一人しか思いつかなくて。]

…………君なら、きっと

["忘れないね"
呟こうとした口に、風船のような色をした花が触れる。
演奏の手は止まらなかった。
もう、「最初から」なんて、無い。
ここで止めたらもう…]

(112) 2014/09/11(Thu) 00時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[アコーディオンの音を、一つ外す。
二つ外す。
三つ、四つ。
右手から伸びる花たちは楽器に絡みつくように茎を伸ばす。

しかし男の耳には、音楽が流れている。
耳の辺りに咲く、薄い桃色の花。
もう、誰かに名前>>109を呼ばれても振り向く事は出来ない。]

–––––––頼みがあるんだ。

お昼ご飯になったら起こしてくれない?

(113) 2014/09/11(Thu) 00時頃

【人】 さすらい人 ヤニク

[誰にともなく呼び掛けた声は、いつも通りの明るい声音。]

弾いてると、時間を忘れちゃうんだ。

[男の手は、もう人の手の形を成していない。]

ありがとう……………おやすみ。



[最後に目を細める。
心臓の辺りが静かに、動きを止めた。

男は、糸が切れた人形のように首を傾けている。
口元だけが、微かに動いて––––––…


 時を 止める。*]

(114) 2014/09/11(Thu) 00時頃

【独】 さすらい人 ヤニク

愛してるよ、全て。

(-34) 2014/09/11(Thu) 00時頃

さすらい人 ヤニクは、メモを貼った。

2014/09/11(Thu) 00時頃


【人】 さすらい人 ヤニク

御機嫌よう、お嬢さん。

[まだ動いていた人形が、書庫の隙間で花のように、鎮座して本を読む少女に語り掛けたことがある。
]


……君は、どんな物語が好き?*

(117) 2014/09/11(Thu) 00時頃

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