270 食人村忌譚
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源蔵も、殿とか付けるならもう少し敬え。
[相変わらず色んなものを頭の中で 捏ね繰り回して遊んでいるのだろう。
咎める様な強さは無く、呆れた言い方は ミナカタでなかった自分を、 思い出を知る少ない人物だからか。 そして拭えぬ憐れみを抱えたままからか]
『背丈が50が伸びたら家が狭くてしょうがないだろうさ』
[名を継いだ頃には詰まっていた答えも、 今はまた言ってら、と返す位は。 どうにもならぬ事があるのだと学んでいた]
(150) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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咳や熱冷ましの薬が要るかと聞いたのは、 源蔵も込みだったんだが?
[で、要るのか要らないのか、と 改めて尋ねてもやはりいつもの口調が 返ってくるのだろうか*]
(151) 2017/11/24(Fri) 00時半頃
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恋は手の付けられない病か。
[源蔵の呟き>>158無くとも、我ながら 良い表現だと自己満足。
しかし恋と言うなら仔を成せぬとはなんと不毛な。 それこそ群れには不要なもの。
目を細め、相手が年上でも気にせずに威嚇する]
男女の仲で互いしか、と望むなら兎も角。 この村にいる限り、群れを乱す真似、 叶うと思わない事だ。
[間引く者の存在を子は知らぬだろうが。 いや、躾のために名を変え形は変えて 表にも伝わってはいるだろう。
しかしその間引く者が目の前にいるとは気付くか否か。 気付いてどうするものか、全ては彼任せ*]
(*35) 2017/11/24(Fri) 01時頃
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俺を越えるにやまず酒を呑めって言われてたからな。 酒は適度にほろ酔いが丁度いいと思えてる分、 新しい薬が出来るのはまだ先だ。
[気概を見せろと言われても、あの先代の顔を 思い出した表情が嫌だ嫌だと語っていく>>168 だが新しい薬を探っていないわけではない。
事実、源蔵が飯時に飲む薬は 俺が幾つか調合した特製だ>>159]
(163) 2017/11/24(Fri) 01時頃
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それにしても、この歳になって 俺より年上の男の恋の話を聞かされるなんぞ 思ってもみなかった。
[吐いた軽口はなんぞ源蔵に閃きでももたらしたか。 得心し、お墨付きを貰った言葉は後々記録に残るのだろう。
その姿は一時無くした名の時代を思わせて。
その頃から変わらぬ姿で変わらぬ毒を 楽し気に吐くお前こそ 魔女のようだと笑うには不意を突かれた]
(164) 2017/11/24(Fri) 01時頃
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あ……もう無くなったか?
…………悪い、後で持っていく。
[不意を突かれて、仮面を被り損ねて 返すのに一拍空いた。 してやられたと思うより先に、 具合がそんなに悪かったかと少し真顔の色が濃くなる。
わざと殿に力を込められた事も含めて 続く言葉を見つけられず、去るのも続けるのも 源蔵の言葉次第となっていた**]
(165) 2017/11/24(Fri) 01時頃
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[ほんの少し。 ほんの少しだけ。
揺れる時がある。
この一時。
本当に不要なのだろうかと。
だが風が吹けばそれに乗って飛んでしまうほどの軽さ。
この村は不要な家畜が生まれる不要な村、だと]
ああ、本当にこの村はもう無くなった方がいい。
[呟きも風に紛れて何処かへと**]
(*36) 2017/11/24(Fri) 01時頃
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[まだ備えがあると聞いて>>177 まだいる、と言われて>>178 詰まったのは躊躇いからではなく、 もっと胸の奥を刺された気がしたから]
……源蔵こそ本当に変わってないな。
[やっと絞り出せたのはほっと吐き出した安堵か 溜息かは俺の胸の内のみ]
判った判った。
今手持ちはこれ位だが、十分だろう。 ミナカタ様からだ、大事に大事に使えよ?
[空いた間と同じだけ息を整え、望み>>179を渡し]
(182) 2017/11/24(Fri) 07時頃
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まだ渋が抜ける前の干し柿盗み食って 腹壊すんじゃねえぞ?
[先ほど丞さんが見せてくれた干し柿を引き合いに、 懐かしい幻は駆け抜け終わる。 変わったのか変わらないのか。 度を越す源蔵に呆れた表情で、見ていたなら 石動さんにも恥ずかしいところを見せたと 笑ってから離れよう**]
(183) 2017/11/24(Fri) 07時頃
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[これでも憐れむ心は持っている。
憐れむからこそ、この村自体不要なのだと得心する。
この村に戻ってくるからこんな事が起きるのだ]
この村は、もう要らない。
そうは思わないか?
[人差し指を立てた眼差し>>*37に 唇だけを動かして。
問う目は細く、狂気を隠さず。 さて彼に届いたか**]
(*40) 2017/11/24(Fri) 07時半頃
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[物問う視線はやはり彼が人間の証。 だが此処で長々と話すものでもないし、考える力も充分養われているはず]
お ん な。
[解を求めるような眼差しに、人差し指は唇から去って行った娘の音がする方へ。
女を間引けば仔は産まれぬ。 解まで辿り着けたら。
褒めてやろうか、それとも手を取ろうか。 距離を縮めず愉しげに目だけが細くなる**]
(*43) 2017/11/24(Fri) 10時頃
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[必死に否定しようとする様こそ>>184 言葉よりも如実に肯定の証だと 当の本人は気付いているのかいないのか。
既に村の教えを習うのではなく、 教えを施す側だと言うのに。
初心な生娘でもあるまいし]
ああ、ハイハイ。 揶揄って……まぁいいや。 どうでもいいけど、今の顔。 あんまり他の人前で晒していいもんじゃねぇな。 村の女が泣くぞ。
[これは重症。 馬に蹴られるなら兎も角、子を成さぬ想い等 この村では異端だと判っているだろうから。 そっと距離を縮めて忠告ぶった*]
(205) 2017/11/24(Fri) 21時半頃
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行く末が心配?違うだろ?心配じゃない、怒りだろ。
自分がいなくても生きていけるなんて、許せない。
自分がいないのに 生かしてやる相手がいればそれも許せない。
そんな綺麗な言葉で着飾るなよ。
[このままを良しと出来ない癖に。 動けぬ姿を煽る言葉に年長への敬意の欠片もない]
(*46) 2017/11/24(Fri) 21時半頃
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ま、この村にいる限り。 丸ごと全て2人だけで。
なんて夢のまた夢って感じだろうがな。
[肝臓だって差し出せる>>*44 兄として素晴らしい献身だ。 その裏にどんな感情があろうとも、 表に出なければ良いのだから。
だが秘めた想い全てを表に出したいのなら。 願いを叶えたいのなら]
(*49) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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あの脚を抱いて村から出る事が出来るかどうかは 自分で考えろ。
ああ。 でも、芽があるとすれば。
この村に残るのが2人だけって言う方が。 余程現実的かもな。
[見世物を覗きながら、適当にばら撒く言の葉は とても傷を癒す薬の葉からは程遠い。 傷に付けばじくじくと染みて腐らす毒の葉が。 貼り付いたかどうかを確かめるつもりはなかった]
もし。 村の人間が目減りし始めたら。 あんたはどうする気だ?
[問うた癖に。 言葉だけ残してさっさと離れ、振り返りはしなかった*]
(*50) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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あ、錠が俺のとこ訪ねてくるんだっけ。
[女が集まれば姦しいが傍目にはまぁ目に良いだろう。 しかしこの年代の男が集まっても うっとおしいだけだ。
何よりちゃんと患者として訪れる者がいると言うなら 取敢えず戻っておいた方が良いだろうか。
行く先で出会えればそのまま連れて。 他の人に会えば、簡単な立ち話でもして 錠を見なかったか位は訊くだろう*]
(214) 2017/11/24(Fri) 22時頃
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ミナカタは、源蔵の今日の記録には何が載るだろうと考えていた。
2017/11/24(Fri) 22時半頃
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[耳を澄ませば村の音があちこちから聞こえてくる。 煮炊きする音、薪を割る音、牛や鶏と言った家畜が鳴く音。
混じって唄>>#2>>#3も聴こえてくる]
何唄ってんだ、あいつは。
[そう言えば櫻子ちゃんとは違う方面で 愛理にも手を出した記憶はなかった。
若い女の肌は絶品だが、どうも『女』の 品を感じられそうになくて]
(234) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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牛や雌鶏の孔に突っ込みたいほど餓えてもねぇし。
[俺にとって、女と呼べる存在も。 母と呼びたかった者ももういない。
慈しむ様に抱いたゆりでさえ。
群れを成すのに必要な胎は傷付けぬのが道理。 それに傷付いて、世話をするのは結局俺になるのだから。
薬草の無駄遣いになる事はしない*]
(*57) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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[出鱈目な唄の意味なんて考えても仕方ない。 女が何故お喋りが好きなのか。 その答えを求める位難しいものだろう]
……あれ。 錠?
過保護なお兄ちゃんが心配していたが 具合はどうだ?
[唄に掻き消されることなく、 車輪の回る音はしっかりと聞こえて来た>>230 どうやら行違う事なく済んでよかったと 兄の様子を揶揄いながら]
(239) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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そういやお前の家こっちの方角じゃないだろ?
[どうした? と聞けば、父親が亡くなってから縁遠くなった リツの話も聞けただろうか。
俺にとっては縁遠いのは健康な証拠。 喜ばしいことこの上ない*]
(241) 2017/11/24(Fri) 23時頃
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[最初にミナカタを訪れた時、 錠の脚はまだそれほど悪いように思えなかった。
先代の後ろで錠とその兄を交互に見やり、 錠を心配そうに見ている石動がいつもの石動には 見えなかったと、今にして思い返す。
脚は治るのかどうか、先代はどちらの可能性も 口にせずただ薬を調合し続ける背に。 何となく悟るものはあったけれど]
(256) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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薬だろ? 心配性の兄君にさっき出会って頼まれたんだ。
村を巡る予定だったから、行違ったら 尻叩かれそうだから慌てて戻ってきた。
[きょとんとする姿に、怖い怖いと笑いながら。 訪れるつもりだった旨も、知っていると種明かし]
(257) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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俺もそろそろ診て薬の量を変えなきゃなと 思ってたんだから丁度良い。
[どれ、と車椅子を押すために背の方へ回れば なるほど、リツの手入れがされた車輪はよく回りそうだ>>248]
医者先生って、そんな大層なもんじゃねえけど。 確かにリツは元気の塊だ。
それに仕事もこの車椅子を見れば安心だ。
流行り病も諦めそうな頑丈さだから。 俺の出番がないのは村にとっても良いことだ。
[直接会う事は無いが、関わる人から 彼がどんなに村の助けになっているか知っている。 縁がない癖に、まるで成長したのは 俺のお陰と言わんばかりに少し得意げに]
(258) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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道すがら最近の気になる所を聞かせてもらおうか。
[錠が拒まなければ、そのままよく回る車椅子を押しながら 出て来た自宅へと戻ろうか*]
(259) 2017/11/24(Fri) 23時半頃
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[これは兄の心、弟知らずと言うべきか。 それとも判っていて言っているのか>>264 先程の石動さんを見た後では 惚気にしか見えず、はいはいはい、と間の抜けた返事]
あの様子だと心配通り越して 目の中、口の中、腹の中入れても痛くない勢いだったぞ。
[間違ったことは言ってないはずだ。 弟の錠がどんな感情を持つかは考えない。 拗れるならそれはそれで見世物が増えて楽しいだけと 源蔵よりも随分性根の悪さを車椅子の背後で見せる]
(272) 2017/11/25(Sat) 00時頃
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やはり季節の変わり目は悪くなる奴は悪くなるな。
[しかし最近の具合については真面目に耳を傾ける>>270 最初の対応を間違えると長引くから。 悪ふざけは止めて暫し唸り声]
うーん。 冷えのせいで血の巡りが悪くなってるんだな。
そこから腐りだされてはかなわんな。
体の向きを良く変えて、乾燥させぬようにしないと。
[家に戻れば早々に床擦れの個所を見せてもらわないと。 考えながら、ガタゴト揺れる道が床擦れに 響かぬように少し速度を落としてゆるりと進む]
(277) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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強めのを使うと肌がかぶれるから。 こまめに変えて貰えよ?
[念を入れなくても、あの兄ならしつこい位に 変えそうだから、思っているよりは控えめに変えろと 言った方がいいのだろうか] 足の指の色は大丈夫か? よく摩ってやれよ。
(278) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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リツや進じゃなくても。 あんたにはあんたが いなくちゃならない事もあるだろうから。
[五体満足な若者を見て歯痒いだろうが、 自棄は起こすなと忠告して。 家はすぐ。
背中と尻を見せてもらう前に火を起こし、 赤みを通り越して肉が見えそうな手前。
皮膚を盛り上げ、血行を良くする軟膏を 練り上げる間、なんぞ最近面白いことは無かったかと 尋ねる間もゴリゴリと、薬を潰す音を響かせる*]
(279) 2017/11/25(Sat) 00時半頃
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ミナカタは、エツコにも体調を聞くべきか考えていた。
2017/11/25(Sat) 00時半頃
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[離れた場所で教師と教え子が共犯者へと 絆を変えていく。
それを知る事は今は出来ないが、 悪く転ぶことはないだろうと踏んでいた。
進は聡い。
きっと答えを見つけ……そこから動くかどうかは置いて。
仔を生む女を殺せば、これ以上は増えない>>*56 それは正解だが、もう1つ長い意味で意味がある]
(*65) 2017/11/25(Sat) 01時頃
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[雌のいなくなった群れは滅びるしかなくなるのだ。 例え他の雄が屈強で間引くことが出来なくても。 志半ばで倒れても。 群れは滅びる。
この村に返りたくはないから、早々に潰してしまえれば それが一番だが。 出来なくても、いつか必ず滅びる計算を立て。
密かに仔が成せぬ身体になる薬も探していた。 機を窺っていたが、運が向いてきた気がして。 焚き付けた教師と、道を示した教え子がどうなるか 楽しみにしていたのは事実*]
(*66) 2017/11/25(Sat) 01時頃
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