147 書架の鳥籠
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[グロリアはいつもの夢をみる。 鳥籠の金糸雀はいつものように囀る。 ラルフは亡霊ではない、と。
夢の中、グロリアはそれに安堵した。 みつけられなかった事に落胆しながらも ホリーが気にしていたその人が そうでなかったことにほっとしていた]
(+6) 2013/10/08(Tue) 11時半頃
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[これまでは其処で夢は終了。 サイモンの始めた魔女狩りの舞台に引き戻されるのが常。 けれど今度は、夢からさめず、それは続く。
道標のような金糸雀はグロリアに似た少年の姿に変わっていた。 柔らかな微笑み湛える少年がグロリアに呼びかける。
「姉さん」と。
夢なのだと理解しながらもグロリアの心は揺さぶられた。 ずっと望んで願ってきたのは少し歳の離れた弟の回復。 眠り続ける弟に付き添い名を呼び続けたけれど 人形のように反応はないままだったあの日々が思い返される]
(+7) 2013/10/08(Tue) 11時半頃
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[「あれは事故なのです。 お嬢様がそのように御自分を責め続けては」
長年仕えてくれた執事が眠り続ける弟に視線を向けて
「姉思いの彼の方は哀しまれるでしょう」
そんな事を言っていた。 グロリアが後悔し続けている過去を執事には伝えてある。 それでもなお責める事なく忠実に仕え続けてくれるひと。 誰もグロリアを責めはしなかった。 だからこそ、自身を責め続ける。 自分のあの一言がなければ弟が眠り続けることはなかったのに、と]
(+8) 2013/10/08(Tue) 11時半頃
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[魔女に願いを叶えてもらいに行くとグロリアが言った時、 執事はそれを止め、かわりに自分がいくと言い出した。 対価に命を差し出す覚悟をしていたグロリアは首を振る。 自分がそれをなせなかった時を考えて別の頼み事をした。
新たな当主を支えて欲しい、と。 今度は弟に尽くして欲しい、と。
グロリアはそれを我儘だと知りながらも、 彼はそれを受け入れてくれると知っていた。 そんな枷さえ受け入れてしまう優しいひとと知っていた。 執事と過ごした時間は弟と過ごした時間よりも長い。
戦友として並び立つ事はなかったけれど 陰から支えてくれる存在があったからこそ グロリアは魔女と取引する覚悟をきめることができた]
(+9) 2013/10/08(Tue) 11時半頃
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[――今も彼は別の方法をさがしてくれているだろうか。
グロリアは夢の中、ぼんやりと思う。
魔女の書架に眠るこの宝。 眠る前にみつけた希望を。 彼は何処かでみつけてくれるだろうか。
そう考えて、夢続く現状を訝しむ。 もう目覚める時間のはず。 夢はいつか終わるはず。
遣り残したことを思い 夜に輝く星を思い そうして、本を手にする戦友の姿を思い浮かべて]
(+10) 2013/10/08(Tue) 11時半頃
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[目覚めたいと、強く思う。 目覚めなければと思うのに
グロリアの望む目覚めは訪れない。
もどかしくて遣り場をなくして
悪夢に苛まれるような思いのまま金糸雀が啼くのを聴いた**]
(+11) 2013/10/08(Tue) 11時半頃
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[グロリアはボリスの声>>2を夢現にきく。 最初に言葉交わした時とは違う力強い声。
見違えるようなその声に微かな、――安堵]
(+12) 2013/10/08(Tue) 14時頃
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[人形のある場所にグロリアの魂は引き寄せられていた。 魔女の呪いが及ぶ事を何処かで覚悟していて それでも何処かで――別の未来を願っていた。 大事に思えた存在はひとつきりではなく少しずつ増えてゆき のこしてゆきたくないと、思っていた。
――そんな我儘はゆるされはしなかったけれど]
(+13) 2013/10/08(Tue) 14時半頃
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[どうしてと問い掛ける声>>6は戦友のもの。 ルーカスの声音にまじる息遣いは少し苦しげにも感じた。 駆けてきたのか上がる息。 何が彼をせかしたのか知らず不思議に思う]
――――。
[グロリアの魂が微か震えた]
……、……。
[夢にたゆたう意識が現へと戻る。 悪夢から目覚める感覚に似ていた。 息が詰まり、それから漸く肺を満たして、夢だったのだと実感する。 夢でよかったと安堵してはじまる朝も今は遠い**]
(+14) 2013/10/08(Tue) 15時半頃
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―サロン―
[並ぶ人形は四体>>17 その中にグロリアは自身に似たそれを見つける。 嘆くでもなく、ただ残念そうな顔をして息を吐いた。 ピッパの声>>19にグロリアは驚いたように瞬きをした]
私には出来なかった証明を、ありがとう。
[微かな笑みを浮かべる。 聞こえないだろう声は常より弱く]
――…あなたが霊能者。 あなたが、亡霊でなくて、良かった。
[ルーカスと親しい彼女。 二人が対峙せずにいられるのをせめてもの救い思う]
(+15) 2013/10/08(Tue) 21時半頃
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[ホリーの告白>>41が聞こえる。 守護を名乗るホリーを見ながら思うのは 鐘が鳴る前の事。 守護に言及し惑わせただろうか。 ホリーを悩ませてしまっただろうか、と。 そうして抑止力としてホリーが紡いだ言葉を思う]
――ホリーは、やさしい。 私は、そんなあなたが好きよ。
[ホリーの抱えていたものは配役だけではないだろう。 ヒトゴロシと自らを称するホリーにはまだ何かありそうで 何をきいたとしてもその思いは変わらないとばかりに そんな言葉を紡いで夜色へと手をのばす。 けれど届かぬまま、指先はおちてゆく]
(+25) 2013/10/08(Tue) 21時半頃
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[始まる生者の議論。 サロンの片隅でグロリアはそれを見守る]
――ラルフは、亡霊じゃないの。
[届かぬ声を向けるのは戦友。 ホリーとピッパを信じるならば グロリアには二択なれど、それを伝える術は無く]
(+28) 2013/10/08(Tue) 22時頃
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[ルーカスの推測>>49に答えるホリー>>66 グロリアはやわらかく目を細めて、頷いた]
――…ええ。 ルーカスを護ってくれて、ありがとう。 あなたが謝ることなんて、ないの。
[濡れる夜色に微か困ったように眉を下げる]
(+33) 2013/10/08(Tue) 22時半頃
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[名を呼ばれたような気がして グロリアは視線をめぐらす]
――…。
[その声>>+35は]
カトリーナ。
[グロリアが殺したひとの名を、紡いで揺れる眸]
(+36) 2013/10/09(Wed) 00時頃
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[グロリアはオズワルドに狂人の可能性をみた。 けれど自ら名乗るをきけば違うのだろうと思う。 彼は狂人を“我々の思考を乱そうとする者だ”>>3:35と言った。
彼が狂人とするならばその言とは相反する行動をとっている。
ならば、他に狂人を気にする存在は――?
辿り着いた配役に、吐息を漏らし戦友を見詰む]
(+37) 2013/10/09(Wed) 00時頃
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災難というなら、此処に居る魔女以外の全てに言えるわ。 ――…あなたも。
[災難、と言いかけて言葉を詰まらせる。 カトリーナの手が近づくのを感じ、無意識に細まる双眸]
あなたに撫でてもらう資格、私にはないのに。 自分が生きる為に、私はあなたを殺した。
(+39) 2013/10/09(Wed) 00時頃
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――…嗚呼。
[漏れる吐息。 戦友も、占い師と対である霊能者も 同じ考えに辿り着いたのだという安堵]
やっぱり。 あなたには能があるじゃない。 そうでしょう、ルーカス。 私のみる目は正しかった。
[隣にあればそういって自信満々に胸をはるのだろう。 けれど今は心のなかで紡ぐだけで 楽しいと感じた会話のひとつひとつを思い胸に苦しさを感じて]
(-53) 2013/10/09(Wed) 00時頃
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カトリーナが謝る事ないわ。 あなたは自分の心に従い選んだのでしょう? あなたの頼みはきっかけで 結局、あなたの命を奪う選択をしたのは私。
[グロリアはカトリーナが自らの信じた道を進んだと思う]
誰かの命を奪わないために、選んだ。 ――それなら、きっと、あなたの方がやさしい。
(+41) 2013/10/09(Wed) 00時半頃
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後悔しない道を選べたのね。
[カトリーナの言葉>>+42に微かな安堵が浮かぶ。 優しいがゆえに選んだことで 寂しい思いをして泣いているのではと 罪悪感の中、そんな風に案じる思いがあり]
――…ええ。 一緒に見守りましょう。
[謝罪の言葉は飲み込んで、カトリーナに頷いて 生者の話しに耳を傾ける]
(+43) 2013/10/09(Wed) 00時半頃
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――…いきてしあわせに。
[心のなかでそれを願い祈る]
(-71) 2013/10/09(Wed) 01時頃
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